曲率

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曲率(きょくりつ、英語:curvature)とは曲線曲面の曲がり具合を表す量である。

例えば、半径 r の円周の曲率は 1/r であり、曲がり具合がきついほど曲率は大きくなる。この概念はより抽象的な図形である多様体においても用いられる。数学史上、曲率の研究がいつ始まったかは単純な問題ではないが、曲面上の曲線の曲率を最初に研究したのは、レオンハルト・オイラーとされ、アイザック・ニュートンの貢献もさることながら、オイラーを曲率の数学的研究に本格的に取り組んだ最初の数学者と見なす見方が強い[要出典]

曲線の曲率[編集]

定義[編集]

ある任意の曲線において、線上の点 P0 を基点とし、そこから曲線上の任意点 P(位置ベクトル rP で表されるとする)までの距離を s とする。(この場合のsは一般座標上の距離か曲線上の長さのいずれでもよい。)

このとき 点 Pの位置は、

 \mathbf{r}_P = \mathbf{r}(s)

というように、変数s の関数として表すことができる。(以下、特に断らない限り rP = r とする。)

このとき、点 P で接する方向の単位ベクトル(これを tP とする)は、

 \mathbf{t}_P = \mathbf{t} (s) = \lim_{\Delta s \to 0} {\mathbf{r} (s + \Delta s) - \mathbf{r} (s) \over {\Delta s} } = {d \mathbf{r} \over {ds} }

となる。(位置ベクトルの変位分 Δ r が十分小さい時、|Δ r| = Δ s だから単位ベクトルである。)


同様にして

 \mathbf{r}_Q = \mathbf{r} (s + \Delta s)

と表される点 Qを考えるとき、点 Q 上の単位接線ベクトルtQは、

 \mathbf{t}_Q = \mathbf{t} (s + \Delta s)

であり、二つの単位接線ベクトルtPtQのなす角度を Δθ とすると

{ \left| \mathbf{t}_Q - \mathbf{t}_P \right| \over 2}= \sin {\Delta\theta \over 2}   であり、Δθが十分小さい、すなわちΔsが十分小さいとき (点Pと点Qが十分接近しているとき)、
 \Delta\theta = \sin\Delta\theta = \left| \mathbf{t}_Q - \mathbf{t}_P \right|  と見做せる。

従って接線傾斜Δθの変動率であるχを以下のように定義できる。

 \chi(s) = { d \mathbf{\theta } \over {ds} }  = \lim_{\Delta s \to 0} {\Delta \theta \over {\Delta s} } = \lim_{\Delta s \to 0} \left| {\mathbf{t} (s + \Delta s)-\mathbf{t} (s) \over {\Delta s} } \right | = \left | { d \mathbf{t} \over {ds} } \right | = \left | { d^2 \mathbf{r} \over {ds}^2 } \right | = {1 \over R(s)}

となる。

一般に χを曲率、χの逆数であるR曲率半径と言う。


また、特に曲線が高次のとき、Δs → 0 の極限で二つの接線によって決まる平面を、点 P における接触平面と言う。

性質[編集]

更に、ts で微分すると、

 { d \mathbf{t} \over {ds} } = { d^2 \mathbf{r} \over {ds^2} } = \mathbf{n} {d \theta \over {ds} } = {\mathbf{n} \over R}

が得られる。ここで n が主法線方向の単位ベクトルであり、主法線と接線は直交している。これは d r/ds が単位ベクトルのため、

 \left( {d \mathbf{r} \over {ds} } \right)^2  = \left | { d \mathbf{r} \over {ds} } \right |^2 = 1

となり、これを s について微分すると、

 {d \over {ds} } \left( {d \mathbf{r} \over {ds} } \right)^2 = {d^2 \mathbf{r} \over {ds^2} } \cdot {d \mathbf{r} \over {ds} } + {d \mathbf{r} \over {ds} } \cdot {d^2 \mathbf{r} \over {ds^2} } = {\mathbf{n} \over R} \cdot \mathbf{t} + \mathbf{t} \cdot {\mathbf{n} \over R} = 0

となるためである(ベクトル同士の内積がゼロとなるので、当該ベクトル同士は直交している)。

ベクトル tn外積

 \mathbf{t} \times \mathbf{n} = \mathbf{b}

で得られるベクトル b が陪法線方向の単位ベクトルとなる。陪法線は接触平面に対する法線となっている。

関連項目[編集]