地球外生命

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地球外生命ちきゅうがいせいめい: extraterrestrial life、略称:ET)は、地球大気圏の外の生命の総称である。

概要[編集]

「地球外生命」という語はその生命が知的であるか、知的でないかは問わず用いられる。また人間が地球外へ出た場合はこの語に含まれない。

1970年代から天文学者が主に電波望遠鏡を用いて知的生命体の活動の兆候を探索しているが、未だに地球外生命体の存在は確認されていない。

1787年ころ、ラザロ・スパランツァーニが、そもそも地球の生命は地球外から来た、とする説を唱えていた。生命の起源は地球外にあるとする説は「パンスペルミア説」と言うが、こうした説(仮説)は、DNAの二重らせん構造を発見したフランシス・クリックも表明している[1]

パーシヴァル・ローウェル(1855年 - 1916年)は火星を観測した結果、その表面に「運河」などの人工的な建造物に見える巨大構造があると信じ、火星に文明が存在する証拠だと著作で述べた。サイエンス・フィクションの分野では火星に棲む、タコ状(いか状)の生命体がさかんに描かれた。

1959年、ジュゼッペ・コッコーニとフィリップ・モリソンが、科学雑誌『Nature』で初めて地球外生命体に言及する論文を発表し、「地球外に文明社会が存在すれば、我々は既にその文明と通信するだけの技術的能力を持っている」と指摘した。またその通信は電波で行われるだろう、と推論した。

この論文は自然科学者らに衝撃を与え、一般人も知的生命体がこの宇宙に存在する可能性について大真面目に語り、様々な憶測、様々な空想が語られるようになっていた。

1960年にはフランク・ドレイクオズマ計画に着手した。

また、人々が漠とした話や感情的な議論をしている状態に、ドレイクが一石を投じた。

ドレイクの方程式[編集]

1961年にアメリカの天文学者のフランク・ドレイクドレイクの方程式を示し、画期的なことに、可能性・確率について具体的に数値で論ずることを可能にした。我々の銀河系に存在する通信可能な地球外文明の数を仮に「N」と表すとするならば、そのNは次の式で表せる、と述べたのである。

N = R_* \times f_p \times n_e \times f_l \times f_i \times f_c \times L

ただし、各変数は下記の通りである。

変数 定義
R_* 人類がいる銀河系の中で1年間に誕生する星(恒星)の数
f_p ひとつの恒星が惑星系を持つ割合(確率)
n_e ひとつの恒星系が持つ、生命の存在が可能となる状態の惑星の平均数
f_l 生命の存在が可能となる状態の惑星において、生命が実際に発生する割合(確率)
f_i 発生した生命が知的なレベルまで進化する割合(確率)
f_c 知的なレベルになった生命体が星間通信を行う割合
L 知的生命体による技術文明が通信をする状態にある期間(技術文明の存続期間)

1961年にこの式を発表した時、ドレイクは各値に関する推測値も併せて示し、

N = 10 \times 0.5 \times 2 \times 1 \times 0.01 \times 0.01 \times 10,000 = 10.

と計算してみせた。つまりそうした文明の数を10個だと推定してみせたのである。 これがまた自然科学者らに大きな衝撃を与えた。SFに登場する「タコ状の火星人」などのイメージの影響(悪影響)で、地球外生命を頭ごなしに否定していた自然科学者でも、この理詰めの式を見せられて、自分たちが思っていた以上に存在の可能性があるのかも知れない、とりあえず調べてみる価値はあるのかも知れない、論理的に考えても存在の可能性を期待してもよいのかも知れない、と考えるようになったのである。このドレイクの式の持つ説得力が、賛同者を増やし、地球外生命の探索のための政府予算を組むことにつながった。

生命の起源に関するパンスペルミア説では、そもそも宇宙には生命の種が満ちており、宇宙のあちこちで生命が誕生している、と考えている。

一説に[誰?]、地球外生命があるとするなら、圧倒的多数が原始的なバクテリアではないか[要出典]と推定されている。

太陽系内[編集]

太陽系内の知的生命への期待と観測・探査[編集]

以前、太陽系内の他の惑星にも生命が存在しているのではないかと推測されていたことがあった。 温度大気の組成や引力の大きさなどを考慮したところ、特に生命体が棲んでいる可能性が高いと考えられていたのが火星であった。火星に知的生命が棲んでいて地球にまでやってくる、といったストーリーのサイエンス・フィクション作品がさかんに書かれた。

パーシヴァル・ローウェル(1855年 - 1916年)は火星を観測して、その表面に「運河」や「人面岩」など人為的な建造物に見える巨大構造などを認め(見えたと信じ)、文明の存在を示すものではないかとする説を著作で唱えた[注 1]。だが、パーシヴァルが見たと思ったものは、自然の地形であったことが、後のマリナーマーズ・オブザーバーなどの詳細研究で解明され、知的な生命体が火星にいないことから、太陽系内には地球人以外に知的生命体が存在する可能性はないようだ、と判断されるようになった。

太陽系内の原始的な生命[編集]

火星に知的な生命はいないにしても、原始的な生命に関しては、火星はかつて大気と液体の水を持っていたと考えられているので(という証拠とされるものが見つかっているので)、生命が発生していた可能性もある、と考えられている。

1970年代NASAが送り込んだ火星探査機バイキング1号および2号は火星表土のサンプルを採取し、そこに生命活動の兆候が見られるか確認する試験を行ったが、結果は生命の存在を肯定するものではなかった。

1996年にギブソンらが行った報告では、火星由来の隕石に化石状の構造が認められ、生命の痕跡と考えられるとしている。ただしこの見解は統一見解には至らず、論争の的になっている(詳細はアラン・ヒルズ84001を参照)。

2003年ESAが火星に送り込んだビーグル2号はバイキング以来はじめての生命探査を目的とした着陸機だったが、大気圏突入後に交信が途絶えて失敗に終わった。

火星以外では、木星の衛星であるエウロパガニメデ土星の衛星であるエンケラドゥスなどが、原始的な生命がいる候補として注目されている。これらの天体は主に氷や岩石から出来ているが、地下には液体の水の層が存在しているのではないかと考えられている。水中にはバクテリアがいるかもしれない。また、土星の衛星タイタンも、厚い大気圏を持ち、表面に液体の炭化水素が存在していることなどから、生命の存在する天体の候補に挙げられている。

太陽系外[編集]

原始的生命に関しては太陽系内での探索が続けられているが、知的生命に関しては太陽系内は望み薄と判断されるようになり、太陽系外での探索が続けられている。

NASAなどによって地球外知的生命がいるのかどうか探査が行われている。(SETI)

現在行われている探査・研究活動はいくつかの手法がある。 ひとつは、宇宙空間を通じてやってくる電波のパターンを受信し解析することで地球外の知的存在の活動を発見しようという試みである。特に近い星を絞り込んで行う手法もある。他の手法としては、地球から近い恒星の中から、生命の生まれる可能性がありそうな惑星を持つものを見つけ、その惑星に対して電波をこちらから送信してやり、反応があるかどうか調べる、という方法である。地球に最も近い恒星・惑星群の中には、地球から(わずか)数光年~数十光年程度の距離にあるものもあるので、実験として現実的な年数の間に生命からの反応・返信が得られるかも知れない、という期待とともに探査が行われている。受信方式の探査を「パッシブ」、送信方式の探査を「アクティブ」と呼んでいる。

グリーゼ581g
ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)内に惑星が存在する可能性が高く、生命が存在することが期待されている(惑星グリーゼ581g参照)。
グリーゼ581c
発見当初は、ハビタブルゾーン内の軌道を持つ可能性が高く、生命が存在する事が可能な表面温度を持つ岩石型の惑星(スーパーアース)と期待されていたが、その後の研究では、ハビタブルゾーンの外を公転することがわかっている(グリーゼ581c参照)。

脚注[編集]

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  1. ^ 最近でも同様の説が、超常現象を扱う雑誌Webでとなえられた。

出典など[編集]

  1. ^ Life Itself: Its Origin and Nature (Simon & Schuster, 1981) ISBN 0-671-25562-2
    日本語訳:フランシス・クリック『生命 この宇宙なるもの』新思索社、2005 ISBN 4783502331

参考文献[編集]

  • 『地球外生命論争 1750-1900 』M・J・クロウ著 鼓 澄治、山本啓二ほか訳 工作舎 2001 ISBN 4-87502-347-2
  • 桜井邦朋『地球外知性体』(クレスト社)
  • 『最新地球外生命論 銀河系に知的生命を探す』(発行:学習研究社・1993年3月1日発行)

関連文献 [編集]

  • 『ますます眠れなくなる宇宙のはなし〜「地球外生命」は存在するのか』佐藤 勝彦 (著)
  • 『地球外生命を求めて 』マーク・カウフマン、 奥田 祐士
  • 『太陽系外惑星に生命を探せ』観山 正見
  • 『宇宙生物学入門―惑星・生命・文明の起源』P.ウルムシュナ

関連項目[編集]

1967年に発行されたソヴィエト連邦の16コペイカ切手。地球外生命の人工衛星が描かれている。

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SF[編集]