ケプラー22b

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ケプラー22b
太陽系外惑星 太陽系外惑星の一覧
Kepler-22b System Diagram.jpg
ケプラー22系と太陽系の比較図
主星
恒星 ケプラー22
星座 はくちょう座
赤経 (α) 19h 16m 52.2s
赤緯 (δ) +47° 53′ 4.2″
視等級 (mV) 11.5(Bバンド)[1]
距離 620[2] ly
(190[2] pc)
スペクトル分類 G5V
質量 (m) 0.97 ± 0.06 M
半径 (r) 0.979 ± 0.02 R
温度 (T) 5518 ± 44 K
軌道要素
軌道長半径 (a) 0.849 ± 0.018 AU
(127 Gm)
周期 (P) 289.8623 +0.016
−0.02
d
軌道傾斜角 (i) 89.764 +0.025
−0.042
[2]°
物理的性質
質量 (m) < 35.96 M
半径 (r) 2.4 [3] R
密度 (ρ) < 14880 kg/m3
表面重力 (g) < 6.1 g
表面温度 (T) 262~295 K
発見
発見日 2009年(最初の観測)[4]
2011年12月5日(発表)[4]
発見者 ケプラー・サイエンス・チーム
発見方法 トランジット法
観測場所 ケプラー探査機
現況 公表
他の名称
参照データベース
Extrasolar Planets
Encyclopaedia
data
SIMBAD data

座標: 星図 19h 16m 52.2s, +47º 53' 4.2'' ケプラー22b (Kepler-22b) は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) のケプラー探査機によって発見された、太陽によく似たG型恒星ケプラー22を周回する太陽系外惑星である。軌道ハビタブルゾーン内にあると考えられている太陽系外惑星の中で、太陽と似た恒星を周回するものとしてトランジット法により初めて発見された。

発見[編集]

発見の発表は2011年12月5日に行われた[5]。この惑星が最初に発見されたのは、ケプラー探査機による観測が始まってすぐの2009年中頃である。トランジット法では、惑星発見を確認するのに三回の観測が必要とされるが、2010年の遅くまでにこの三回の観測が達成された。さらに、スピッツァー宇宙望遠鏡と地上からの観測でも存在が確認されている。

組成と内部構造[編集]

惑星半径地球の約2.4倍であり[6]、これは海王星の半分ほどである。2011年現時点ではその質量や表面の組成までは分かっていないが[5][4]、荒い見積もりでは標準偏差3σで最大で地球の124倍、1σでは最大で36倍と推測されている[7]

この見積もりから考えると、惑星は最大で地球の35倍ほどの天王星型惑星である可能性が高いと推測される。しかし、"ベストケース"として地球の10倍ほどのスーパー・アースである可能性も残されている[8]。仮に35倍とした場合、表面重力は地球の6.1倍、平均密度は14.9g/cm3となる。

実際の質量に応じて、この惑星が岩石中心の惑星なのか、それとも液体気体が大半を占めている惑星なのかは変わってくる[5]。いずれにせよ惑星は地球より大きいので、地球とは異なる様相を持つと考えられる。小さな岩石のコアを巨大なが覆う海洋惑星である可能性も存在する[9]。生命の可能性により、この惑星は地球外知的生命体探査 (SETI) のターゲットとして注目を集めている[10]

軌道[編集]

ケプラー22b(想像図)

ケプラー22bは地球から620光年離れたG型の恒星ケプラー22を周回している[2]。主星からの距離は約0.85AUで、その公転周期は289.9日である[2]。これは太陽系に当てはめると、金星 (0.72AU) と地球 (1.00AU) のほぼ中間に相当する。

ただし、その軌道がどのような形なのかまでは判っていない。太陽系外惑星には極端な楕円軌道を持つものも多く見つかっている。ケプラー22bはハビタブルゾーン内に位置していると考えられるが、こうした極端な楕円軌道を持つ場合、その範囲を逸脱する可能性もある。

表面温度[編集]

ケプラー22bとその恒星ケプラー22との平均距離は、地球と太陽との距離より15%ほど短い[2]。しかし、恒星が生み出すエネルギーも太陽と比べて25%ほど小さいので[5]、距離の近さとエネルギーの小ささが合わさり、その表面温度は、液体の水が存在するのに適度な範囲に収まっているとみられている。科学者の見積もりでは、大気が乏しい場合で約-11、地球のように大気による温室効果が存在していれば、平均気温は約22℃に達するとしている[5][4]

温度の比較 金星 地球 ケプラー22b 火星
温室効果が無い場合の
平均気温
307 K
(34 °C)
255 K
(−18 °C)
262 K
(−11 °C)
206 K
(−67 °C)
+ 金星の温室効果 737 K
(464 °C)
+ 地球の温室効果 288 K
(15 °C)
295 K
(22 °C)
+ 火星の温室効果 210 K
(−63 °C)
自転と公転の同期  ??
ボンドアルベド 0.9 0.29  ?? 0.25
参照[11] [12][13]

参考文献[編集]

  1. ^ SIMBAD data for host star”. SIMBAD. 2011年12月8日閲覧。
  2. ^ a b c d e f Notes for Planet Kepler-22 b”. Extrasolar Planet Database. 2011年12月6日閲覧。
  3. ^ "NASA Telescope Confirms Alien Planet in Habitable Zone", Space.com英語版 12/5/2011
  4. ^ a b c d NASA - NASA's Kepler Confirms Its First Planet in Habitable Zone of Sun-like Star”. NASA Press Release. 2011年12月6日閲覧。
  5. ^ a b c d e “BBC News - Kepler 22-b: Earth-like planet confirmed”. BBC Online英語版. (2011年12月5日). http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-16040655 2011年12月6日閲覧。 
  6. ^ Kepler-22b: Facts About Exoplanet in Habitable Zone
  7. ^ http://arxiv.org/abs/1112.1640
  8. ^ Abel Mendez Torres (2011年12月8日). “Updates on Exoplanets during the First Kepler Science Conference”. Planetary Habitability Laboratory at UPR Arecibo英語版. 2011年12月18日閲覧。
  9. ^ Borenstein, Seth (2011年12月5日). “Planet in sweet spot of Goldilocks zone for life”. Associated Press. http://hosted2.ap.org/APDEFAULT/3d281c11a96b4ad082fe88aa0db04305/Article_2011-12-06-Alien%20Planet/id-6e919895b31c4012a1df1b4f664fb63e 2011年12月6日閲覧。 
  10. ^ Ian O'Neill (2011年12月5日). “SETI to Hunt for Aliens on Kepler's Worlds”. Discovery News. 2011年12月18日閲覧。
  11. ^ NASA, Mars: Facts & Figures”. 2010年1月28日閲覧。
  12. ^ Mallama, A.; Wang, D.; Howard, R.A. (2006). “Venus phase function and forward scattering from H2SO4”. Icarus 182 (1): 10–22. Bibcode 2006Icar..182...10M. doi:10.1016/j.icarus.2005.12.014. 
  13. ^ Mallama, A. (2007). “The magnitude and albedo of Mars”. Icarus 192 (2): 404–416. Bibcode 2007Icar..192..404M. doi:10.1016/j.icarus.2007.07.011. 

外部リンク[編集]