宇宙における地球の位置

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人類の持つ 宇宙における地球の位置 の知識はガリレオ・ガリレイから現在までの400年におよぶ望遠鏡による天体観測によって発展した。それ以前は、地球は宇宙の中心であり、宇宙は肉眼で見える太陽と月と惑星天球に固定された恒星とで構成されているとされていた。(太陽と月を惑星とするか否かも統一されてはいなかった。)17世紀に地動説が広く受け入れられ、私達の地球が太陽系の惑星とされた後、ウィリアム・ハーシェル達による観察は、太陽が円盤状の銀河の中にあることを明らかにした。20世紀エドウィン・ハッブル渦巻銀河の観測などにより、私達の銀河が膨張する宇宙英語版の中にあり、銀河団超銀河団に属する億単位の同類のひとつであることが明らかになった。

21世紀の今の私達が知っている、より明確になってきた宇宙の姿は、超銀河団で出来ている銀河フィラメントと、超空洞の広大な蜘蛛の巣状の構造である。超銀河団、銀河フィラメント超空洞はおそらく宇宙に存在する最大のまとまった構造体である。1,000メガパーセク[e]以上のスケールにおいて宇宙全ての地域は、平均して同様の密度、構成と構造である。[1]宇宙には“中央”や“縁”が無いとされているので、宇宙の中の地球の位置を描く際の別格の基準点は無い。[2]私達の観測結果は地球からの距離を測定するので、地球は観測可能な宇宙(宇宙の地平線)の中心になる。[3]様々な規模で存在する明確な構造体らに対して、地球の位置から参照可能である。宇宙が無限であるかは未だ不明であり、我々の宇宙は巨大な(無限の大きさかもしれない)多元宇宙の中に含まれているかもしれないという憶測もある。

宇宙における私達の位置の図(左から地球太陽系、太陽の隣人たち、銀河系局部銀河群おとめ座超銀河団、近隣の超銀河団、観測可能な宇宙) (ここをクリックすれば大きい画像へ。 )


宇宙における地球
対象 大きさ 注釈 出典
地球 直径12,700km 人類の現在の住居。
[4]
ジオスペース
(英語版)
太陽側63,000km
太陽の影側6,300,000km
地球磁気圏に支配された空間。
[5]
月の軌道 幅770,000km 地球の周りを公転する月の軌道の直径の平均。
[6]
地球の公転軌道
(英語版)
 直径3億km
(2au) [a]
太陽の周りを公転する地球の軌道の直径の平均。
内側に太陽水星金星を含む。
[7]
内部太陽系
(英語版)
直径6au 内側に太陽en:inner planets (水星、金星、地球、火星) そして小惑星帯を含む。
[8]
外部太陽系
(英語版)
直径60au 内部太陽系を内包し更に en:outer planets (木星土星天王星海王星)を含む。
[9]
エッジワース・カイパーベルト 直径96au 外部太陽系を取り囲む氷の天体がちらばるベルト状の領域。エッジワース・カイパーベルト天体には冥王星ハウメアマケマケなどが含まれている。
[10]
太陽圏 直径160au 太陽風惑星間物質の届く範囲。
[11] [12]
散乱円盤
(英語版)
直径200au エッジワース・カイパーベルトを囲んでいる、氷の天体がまばらに散らばっている領域。散乱円盤天体にはエリス (準惑星)などが含まれている。
[13]
オールトの雲[b] 直径100,000~200,000au
2~4 光年[c]
兆単位の天体(彗星及び小惑星等)が球殻状に拡がっていると推測されている領域。
[14]
太陽系 直径4光年 太陽と上に記された諸々とで構成された惑星系。太陽の重力が取り囲んでいる天体に影響を与えている領域。
[15]
局所恒星間雲 直径30光年 太陽と幾つかの恒星が現在通過しているガスの雲英語版[d]
[16]
局所泡 直径210~815光年 太陽と幾つかの恒星が現在通過している“星間物質に開いた空洞”。[d]
過去の超新星に起因する。
[17] [18]
グールド・ベルト 直径3,000光年 太陽が現在通過している“若い恒星で出来た輪”。[d]
[19]
オリオン腕 長さ10,000光年 太陽が現在通過している銀河系の渦状腕[d]
[20]
太陽系の公転軌道 直径56,000光年 銀河核の周りを公転する太陽系の軌道の直径の平均。太陽系が軌道を1周するのにかかる時間は2億2500万年から2億5000万年と推定されている。
[21] [22]
銀河系 直径100,000光年 2千億から4千億の恒星と星間物質で構成されている、私達の住む銀河
[23] [24]
銀河系の伴銀河 直径274万光年
0.84 メガパーセク[e]
銀河系と重力で縛られている伴銀河達、例えばいて座矮小楕円銀河こぐま座矮小銀河おおいぬ座矮小銀河などである。銀河系の伴銀河の中で最も公転軌道の長い銀河はしし座T英語版とされている。
[25]
局部銀河群 直径3メガパーセク
(1000万光年)
少なくとも47の銀河を持つ銀河群。最も大きいアンドロメダ銀河、銀河系、さんかく座銀河が顕著な存在であり、残りは小さな矮小銀河である。
[26]
おとめ座超銀河団 直径33メガパーセク
(1.1億光年)
私達の局部銀河群を内包する超銀河団。およそ100の銀河郡と銀河団を含んでいる。
[27] [28]
うお座・くじら座超銀河団Complex 直径300メガパーセク
(10億光年)
おとめ座超銀河団を内包する銀河フィラメント
[29]
観測可能な宇宙 直径28000メガパーセク
(930億光年)
宇宙の大規模構造とは一千億を超える銀河で構成された何百万もの超銀河団、銀河フィラメント、そして超空洞によって創造された、泡状の上部構造である。
[30] [31]
宇宙 最低でも直径28000メガパーセク 観測可能な宇宙の向こう側にさらに地球に光が届かない観測不可能な領域がある。光は最も早い情報媒体なので、その空間の知識は入手できない。しかし異なる自然法則を仮定する理由が無いので、宇宙は同じ泡状の上部構造に、より多くの銀河を入れているのだろう。
彼方の向こう側 不明 私達の宇宙は多元宇宙の一つかも知れないし、何者かの想像上の概念かもしれない。
a auとは天文単位(astronomical unit)を意味する長さの単位、原意は「地球と太陽の距離」。1auは2012年8月のIAU総会で正確に149,597,870,700m(約1.5億km)と定義された。
b  現在は仮説上の存在である。
c  1光年は光が1年間に進む距離であり、9,460,730,472,580,800m (約9.46兆km,約63,241au)である。
d  これ等の領域は、銀河中央を回る軌道上の現在地にただ痕跡を残しているだけである。太陽は銀河系内のどんな構造体にも、重力で縛られてはいない。
e メガパーセクは長さの単位であり、1メガパーセクは1,000,000パーセク及び3,260,000光年と等しい距離であることを示す。1パーセク(約3.26光年)は地球から見た年周視差が角度1になる距離。

関連項目[編集]

出典[編集]

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  2. ^ Klaus Mainzer and J Eisinger (2002). The Little Book of Time. Springer. ISBN 0-387-95288-8. http://books.google.com/books?id=wX111YnexSUC&pg=PA55. . P. 55.
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  29. ^ John noble Wilford (1987年11月10日). “Massive Clusters of Galaxies Defy Concepts of the Universe”. New York Times. http://www.nytimes.com/1987/11/10/science/massive-clusters-of-galaxies-defy-concepts-of-the-universe.html?pagewanted=all 2009年11月1日閲覧。 
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  31. ^ Lineweaver, Charles; Tamara M. Davis (2005年). “Misconceptions about the Big Bang”. Scientific American. 2008年11月6日閲覧。