海王星

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海王星Neptune symbol.svg
Neptune
Neptune.jpg
ボイジャー2号による撮影
1989年8月16日から17日)
分類 天王星型惑星
軌道の種類 外惑星
発見
発見年 1846年9月23日
発見者 ユルバン・ルヴェリエ

ジョン・アダムズ
ヨハン・ガレ

軌道要素と性質
元期:2008年1月1日[1]
太陽からの平均距離 30.11039 AU
平均公転半径 4,498,252,900 km
近日点距離 (q) 29.811 AU
遠日点距離 (Q) 30.327 AU
離心率 (e) 0.00946
公転周期 (P) 165.2269 年
会合周期 367.49 日
平均軌道速度 5.4778 km/s
軌道傾斜角 (i) 1.76917
近日点引数 (ω) 48.2344 度
昇交点黄経 (Ω) 131.8722 度
平均近点角 (M) 321.9363 度
太陽の惑星
衛星の数 14
物理的性質
赤道面での直径 49,528 km
表面積 7.65 ×109 km2
質量 1.024 ×1026 kg
地球との相対質量 17.1471
平均密度 1.64 g/cm3
表面重力 11.0 m/s2
脱出速度 23.50 km/s
自転周期 16時間 6.5分
(0.6713 日)
アルベド(反射能) 0.41
赤道傾斜角 28.31 度
表面温度
最低 平均 最高
50K 53K n/a
大気の性質
大気圧 深さによって異なる
水素 >84%
ヘリウム >12%
メタン 2%
アンモニア 0.01%
エタン 0.00025%
アセチレン 0.00001%
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海王星(かいおうせい、: Neptunus: Neptune)は、太陽系太陽に近い方から8番目の惑星である。太陽系惑星の中では最も太陽から遠い位置を公転している。名称のNeptuneは、ローマ神話における海神ネプトゥーヌスにちなむ。

物理的性質[編集]

海王星は巨大な氷惑星で、太陽から非常に離れているため、わずかな熱しか受けていない。表面の温度は-218℃である。しかしながら、中心部の温度は、約5,000℃である。 内部の構造は天王星と似て、に覆われた岩石を持ち、厚い大気が存在していると考えられている。

また、1980年代後半ボイジャー2号の接近時に表面に大暗斑(だいあんはん)または大黒斑と呼ばれる台風の渦巻きの様な模様が発見されたが、1994年にハッブル宇宙望遠鏡がとらえた海王星には消滅していた。この理由は謎のままである。[2]

海王星の風は、最大で時速2,000kmにも達し、太陽系の中でも最速の部類に入る。

木星土星同様、内部に放射性元素の崩壊と考えられる熱源を有しており、太陽から受けている熱量の約2倍ほどの熱量を、自ら供給していると考えられている。

また、海王星には磁場が存在する。天王星と同様に磁場の中心は惑星の中心から大幅にずれており、46.8゜自転軸から傾いている。

海王星の大気には、水素が84%、ヘリウムが12%含まれ、メタンも含まれている。天王星と同じく、大気に含まれるメタンの影響で美しい青色をしている。天王星に比べより青みが深い理由は、未知の化合物によるものと考えられている[3]

ヨーロッパ南天天文台(ESO)の観測結果によれば、海王星の南極が周辺に比べて10度ほど暖かくなっている事が判明している[4][要高次出典]

ハッブル宇宙望遠鏡で、表面の変化が観測されており、海王星にも地球同様に季節がある可能性を示唆している。またこの理由は約28度の赤道傾斜角によるものと推測されている[5][6][要高次出典]

内部構造[編集]

海王星の内部構造は、天王星のそれと似ている(→天王星型惑星)。海王星の大気は質量ベースで星の 5-10% を占め、大気圏の厚さは星の半径のおそらく 10-20%、大気圧は 10GPa。大気圏の下層に近づくに従い、メタンアンモニアの濃度が上昇する。

大気圏下層のより暗く高温の層は、徐々に凝縮して液体のマントルとなり、その温度は 2,000-5,000K に達する。このマントルは地球 10-15 個に相当する質量を持ち、水・アンモニア・メタンに富む。惑星科学分野の習慣では、このような状態は高温で高密度な液体であるにもかかわらず「氷」と呼ばれる。この高い電気伝導率を持つ液体は、しばしば「水とアンモニアの海」(water-ammonia ocean) と呼ばれる。水深 7,000km の深度では、マントル中のメタンがダイヤモンド結晶へと分解され、核に向かって沈殿している可能性がある。マントルは水分子が水素および酸素イオンに分解されてできた「イオン水」(ionic water) の層によって構成され、さらに深部では酸素が結晶化し、水素イオンがその結晶格子の中を漂う「超イオン水」(superionic water) の状態にある層から成っているとされる。

海王星の核は、ニッケルケイ酸塩で構成され、地球のそれの1.2倍の質量を持つ。中心の圧力は、7Mbar (700 GPa)で、温度は 5,400K である。

海王星の観測と探査[編集]

海王星はガリレオ・ガリレイジェローム・ラランドによっても観測されていたが、当時は恒星と思われていた。

天王星の発見後、その摂動から、未知の惑星が存在すると考えられるようになった。フランスではルヴェリエが予想軌道を算出し、それを受けたガレ1846年9月23日に発見した。一方イギリスでは、アダムズが予想軌道を算出し、ジェームズ・チャリスに報告した。チャリスはあまり気の進まないまま、1846年7月から探索をはじめ、アダムズの予測位置付近の星の位置の記録を始めた。そしてガレの海王星発見の後、実はその1ヶ月前にチャリスは2度海王星を観測していたが、新惑星であることを見落としていたことがあきらかになった。このため、アダムズとルヴェリエは発見者は誰かという事で揉めたが、アダムズはルヴェリエに発見者の座を譲った。現在では2人とも発見者の扱いとなっている。

海王星の実際の軌道はティティウス・ボーデの法則に従わないため、予想軌道とは遠日点や離心率が大きく異なっていたが、算出された時点での位置や運動に関しては正しい値に近かった。そしてその時点からあまり年月が経たないうちに探索したこと、ガレが勤めていたベルリン天文台に海王星の明るさである8等級の星を網羅した最新の星図が備えられていたことが、この発見に繋がった。

海王星の公転周期は約165年であり、2011年7月12日に最初に発見された時点の位置に戻った[7]

海王星を訪れた探査機はボイジャー2号だけである。1989年8月24日に最接近した。なお、NASAでは2030年頃に打ち上げ、8~12年後に海王星へ到達するネプチューン・オービターの構想がある。

アリゾナ大学の研究チームが、ボイジャー2号やハッブル宇宙望遠鏡の画像から、ほぼ正確な自転周期を求めることに成功している[8]

海王星の衛星と環[編集]

2013年までに、海王星の衛星は14個発見され、S/2004 N 1以外は2007年までにすべて名前が付けられている。また、離心率の大きな軌道や逆行する軌道を描いている衛星も多く、海王星に捕獲されたエッジワース・カイパーベルト天体ではないかと考えられている。

他の大惑星同様、海王星にもがあると考えられていたが、地球からの観測では周回軌道の一部だけを覆う不完全な環しか見つからず、「リング・アーク」または「アーク」と呼ばれていた。ボイジャー2号の探査によって4本の完全な環が見つかり、リング・アークは環の中の特に明るい部分であった事も判明した。

ただ、アークの力学は不明なままである。地球からの観測でリベルテ・アークはボイジャーが観測した時よりも大幅に輝きが失せた事も分かっており、海王星の環は不安定なものである可能性が高くなっている。

衛星はギリシア神話における海や水の精霊、環は海王星と関係の深い天文学者、リング・アークはフランス語の抽象名詞から取った名が付けられている。

人類と海王星[編集]

歴史と神話[編集]

ネプチューン=海王星は古代人の命名ではなく、近世以降に発見された惑星に、他の惑星に倣い「未使用の神話上の大物」の名が付けられたもので、天体の外見や運行上の特徴と付けられた神名の関わりは希薄である。最外周の惑星だったため「深淵」のイメージを付与された命名である。ネプチューンはローマ神話の海の神で、ギリシャ神話のポセイドンに当たる。

占星術[編集]

海王星は古代には知られていなかったため七曜九曜には含まれないが、10大天体の1つである。

西洋占星術では、双魚宮(うお座)の支配星(海王星発見以前は木星が支配星とされていた)である。見えないものを示し、石油石油製品霊感に当てはまる[9]

惑星記号[編集]

Neptune symbol.ant.png

ネプチューンの得物である三叉矛(トライデント)を図案化したものが、占星術天文学を通して用いられる。

海王星を扱った作品[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 天文年鑑2008年版より
  2. ^ 「徹底図解 宇宙のしくみ」、新星出版社、2006年、p80
  3. ^ NASA's Solar System Exploration: Planets: Naptune: Overview
  4. ^ 海王星の南極が熱い
  5. ^ 海王星にも季節による変化があるらしい
  6. ^ 「徹底図解 宇宙のしくみ」、新星出版社、2006年、p80
  7. ^ ナショナルジオグラフィックニュース 海王星、発見からようやく“1周年”
  8. ^ AstroArts海王星の自転周期が正確に判明!
  9. ^ 石川源晃『【実習】占星学入門』 ISBN 4-89203-153-4

関連項目[編集]

外部リンク[編集]