ナイアド (衛星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ナイアド
Naiad
Naiad.jpg
ボイジャーの撮影したナイアド。画像が伸びているのは探査機のカメラの汚れが原因と思われる
仮符号・別名 S/1989 N 6
発見
発見年 1989年7月
発見者 ボイジャー2号
軌道要素と性質
元期:1989年8月18日
海王星からの平均距離 48227km
離心率 (e) 0.0004±0.0003
公転周期 (P) 0.2943958日前後
軌道傾斜角 (i) 4.75±0.03°
海王星の衛星
物理的性質
直径 96×60×52 km
質量 1.9×1017kg
平均密度 1.2g/cm
自転周期 同期回転
アルベド(反射能) 0.07
赤道傾斜角 なし
表面温度 ~51K
大気の性質
なし
■Project ■Template

ナイアド(Naiad)は、海王星衛星

発見[編集]

ナイアドは1989年9月末に発見され、ボイジャー2号探査機によって画像が撮影された。これがボイジャー2号の海王星接近飛行での最後の衛星発見となった。一時的な名称としてS/1989 N 6という名がつけられた。この発見は同年9月29日にIAU回報の4867号で発表されたがその内容は「11日間に渡って25枚の画像を捉えた」ということのみであった。発見されたのは同年9月18日以前とされる。

名前の由来[編集]

名前の由来はギリシャ神話の妖精の種族ナイアドから来ている。

概要[編集]

ナイアドは海王星系の中で最も内側の軌道を回っている。ナイアドは歪な形で、おそらく成立後にナイアドの地質は変化していない。他の衛星と同じく海王星のトリトン捕獲時の摂動によって砕かれた海王星固有の衛星の破片が再度融合してできたものと考えられている。ナイアドの軌道は海王星の大気圏の上およそ23,500キロメートル上空でしかない。もちろん静止軌道半径のはるか下に位置している。この軌道は潮汐力によって徐々に衰えており、いずれ、海王星の大気に消えるか、ロシュ限界を超えて潮汐力により砕かれ海王星のになると考えられる。ナイアドの軌道は海王星の流動性のロシュ限界を上手く超えずにある。ナイアドの比重は十分軽いと予想され、すでにロシュ限界にほど近くなっているとされる。

ボイジャー2号接近以来、海王星系は天文台天体望遠鏡ハッブル宇宙望遠鏡によって広範囲にわたって観察された。2002年から2003年にかけてケック望遠鏡は適応性のある光学を使い海王星系を観察し、内側の4つの大きな衛星をたやすく発見した。そのときタラッサは画像処理などで見つけられたが、ナイアドは見つからなかった。ハッブル宇宙望遠鏡はすべての既知の衛星を探す能力を持っており、ボイジャー2号でさえ見つけられない新しい衛星を見つけることも可能であるにもかかわらずナイアドは見つからなかった。これはナイアドの天体暦がかなり間違っているためではないかと疑われていた。

2013年になって、SETI協会マーク・ショーウォルターen)らは、ハッブル宇宙望遠鏡が2004年に撮影した画像からナイアドを発見したと発表した[1]。発見されたナイアドは予想されていた位置から80もずれており、上記のように天体暦の誤りが原因だと考えられている。

脚注[編集]

  1. ^ Lost Neptune Moon Re-Discovered、2013年10月9日2014年1月14日閲覧