章動

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地球の自転(R)、歳差(P)、章動(N)の概念図

章動(しょうどう、: nutation)とは、物体の回転運動において、歳差運動をする回転軸の動きの短周期で微小な成分をさす。

天体における章動[編集]

天文学においては、章動とは惑星自転軸に見られる微小な運動の一種である。春分点歳差を引き起こす潮汐力の強さが時間とともに変化するため、歳差の速度が一定でないことが原因で起こる成分である天文章動と、自由歳差運動による成分である自由章動から成る。

地球の場合、潮汐力の主要な源は太陽である。これらの天体が互いの位置関係を絶えず変化させるために、地球の自転軸に章動をもたらす。地球の章動のうち最も大きな成分は18.6年周期の変動である。これは月の軌道(白道)と黄道との交点が歳差によって黄道上を一周する周期に等しい。章動にはこれ以外にも主要な周期成分があり、高精度の天文計算を行う際にはそれらの効果も考慮する必要がある。

地球の運動には、他に、自転軸の動きではなく(自転軸の動きにおいては、地球を自転軸が串刺しにしている場所は固定である)、自転軸と地球の関係がズレる極運動がある。おでんの具と串にたとえると、具と串が一緒に動く運動と、具と串で違う動きになるので具がえぐれて串がゆるゆるになる[1]運動である。極運動については極運動の記事を参照のこと。

章動の値はふつう、黄道に平行な成分と垂直な成分に分けて表される。黄道に沿った方向の成分は黄経の章動 (nutation in longitude) と呼ばれ、黄道に垂直な方向の成分は黄道傾斜角の章動 (nutation in obliquity) と呼ばれる。これらの値は、地球上での観測から天体の見かけの位置を計算する際に重要になる。

章動は1728年イギリス天文学者ジェームズ・ブラッドリーによって発見されたが、その理論が発表されたのはそれから約20年後であった。

惑星の動力学は非常に良く分かっているので、章動の値は数十年以上の期間にわたって数秒角の精度で計算することができる。

これに対し極運動は数ヶ月先までしかその値を計算することができない。これは極運動が自由運動による成分のほかに海流大気循環、地球の核の運動など急速かつ予測困難な変動による影響を受けるためである。

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ コンニャクを除く