プランク定数

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プランク定数
Planck constant
記号 h
6.62606957(29)×10−34 J s
相対標準不確かさ 4.4×10−8
語源 マックス・プランク
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 換算プランク定数
ディラック定数
reduced Planck constant
Dirac's constant
記号 ħ
1.054571726(47)×10−34 J s
相対標準不確かさ 4.4×10−8
語源 ポール・ディラック
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プランク定数(プランクていすう、プランクじょうすう、英語: Planck constant)は、量子論を特徴付ける物理定数である。量子力学の創始者の一人であるマックス・プランクにちなんで命名された。通常は記号 h で表される。この記号はプランクの輻射公式を説明する定数としてプランク自身の論文の中で導入されている。記号は Hilfsgröße(Hilfs =補助、größe =大きさ、量)の頭文字に由来する。 作用次元を持ち、作用量子とも呼ばれている。SIにおける単位はジュール(記号: J s)が用いられる。

概要[編集]

光子の持つエネルギー(エネルギー量子)は振動数に比例し、その比例定数がプランク定数と定義される[1]

\epsilon = h\nu

光のエネルギーEは光子の持つエネルギーの倍数の値のみを取り得る:

E = nh\nu

プランク定数の値は

 \begin{align}
h &= 6.626\ 069\ 57(29) \times 10^{-34}\ \text{J s} \\
 &=4.135\ 667\ 516(91) \times 10^{-15}\ \text{eV s} \\
\end{align}

である(2010年CODATA推奨値[2][3])。

また、プランク定数 h円周率 π の2倍で割った量 h/ もよく使われるため、「換算プランク定数」、或いは単に「プランク定数」と呼ばれている。ときに「ディラック定数」と呼ばれることもある[4]。ディラック定数には、プランク定数に用いられる記号 hストローク符号を付けた記号 ħ(H WITH STROKE, LATIN SMALL LETTER、Unicode U+0127、JIS X 0213 1-10-93)が使われており、量の記号にイタリック体を用いる約束に従って、専用の記号として ℏ(PLANCK CONSTANT OVER TWO PI、Unicode U+210F 、JIS X 0213 1-3-61)も用意されている。またTeX には数学記号 \hbar(\hbar)が用意されている。ħ は「エイチバー」と発音される。

ディラック定数の値は

 \begin{align}
\hbar &= 1.054\ 571\ 726(47) \times 10^{-34}\ \text{J s} \\
 &= 6.582\ 119\ 28(15) \times 10^{-16}\ \text{eV s} \\
\end{align}

である(2010年CODATA推奨値[5][6])。

歴史[編集]

黒体放射[編集]

温度 8 mK の黒体ヴィーンプランクレイリーの3式の比較

1896年にヴィルヘルム・ヴィーン黒体放射におけるエネルギー分布に関するヴィーンの放射法則を提案した。この式はそれ以前の実験で得られていた高振動数領域では測定値をよく説明したが、新たに得られた低振動数の領域では合わなかった。 1900年にプランクが低振動数領域でも測定値と一致するようにヴィーンの理論式を修正する形でプランクの法則を提案した。高振動数の領域ではヴィーンの理論式に移行する内挿的な公式である。 レイリー卿は古典的なエネルギー等分配則から低振動数極限における近似式の形を提案し、ジェームズ・ジーンズがその係数を正しく与えた。レイリー・ジーンズの法則と呼ばれるこの式は、プランクの理論式から導かれる低振動数極限の形と係数を含めて一致した。

プランクが彼の公式の理論的な説明を与える過程で、光のエネルギーの受け渡しは大きさ を単位としてのみ起こり得る、という仮定をした[7][8]。ここに h が後にプランク定数と呼ばれるようになった普遍定数である。

光電効果[編集]

アルベルト・アインシュタインはプランクの理論の影響を受け、1905年、粒子のような性質を持つという光量子仮説を提唱し光電効果を説明した。光量子仮説では、プランクとは別の方法でエネルギー量子の存在を説明した[9]。アインシュタインの光電効果の考えは、1916年にロバート・ミリカンによって行われた実験にて確かめられた。ミリカンがこの実験から求めた定数 h の値は、プランクが黒体放射から得た値とよく一致した。

理論[編集]

プランク定数は量子論的な不確定性関係と関わる定数であり、h→0 の極限で量子力学が古典力学に一致するなど、量子論を特徴付ける定数である。

軌道角運動量スピンは常に換算プランク定数の定数倍になっている。例えば、電子のスピンは ±ħ/2 である。なお、量子力学の分野ではプランク単位系原子単位系を用いる場合が多く、その場合の電子のスピンは ±1/2 となる。

プランク定数は位置運動量の積の次元を持ち、不確定性関係から位相空間での面積の最小単位であるとも考えられているが、最近では Zurek その他の研究で、量子カオス系においてはプランク定数以下のミクロ構造が現れる事がわかった。[要出典]

脚注[編集]

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  1. ^ 1921年 ノーベル物理学賞(アインシュタイン)
  2. ^ CODATA Value
  3. ^ CODATA Value
  4. ^ The American Heritage® Science Dictionary, 2002
  5. ^ CODATA Value
  6. ^ CODATA Value
  7. ^ プランクは光は振動子をもち、その振動によって波を放出すると考えた。ここで言う受け渡しとは振動子と波の間におこるエネルギーの受け渡しの事である『熱輻射と量子』 M.Planck 非可逆的な輻射現象について の頁を参照。
  8. ^ この仮定が必要となった謂れは『熱輻射と量子』 M.Planck 正常スペクトル中のエネルギー分布の法則について の頁を参照。
  9. ^ 『光量子論』 A.Einstein 輻射の本質と構造 の頁を参照

参考文献[編集]

  • 『熱輻射と量子』 物理学史研究刊行会 編、東海大学出版会〈物理学古典論分叢書〉。ISBN 4486001117
  • A. Einstein 『光量子論』 物理学史研究刊行会 編、東海大学出版会〈物理学古典論分叢書〉、1969年ISBN 4486001125

外部リンク[編集]