四大元素

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四大元素説における元素の関係図

四大元素(しだいげんそ、よんだいげんそ ギリシア語: Τέσσερα στοιχεία)は、世界は空気の4つの元素からなるとされる説である。古代ギリシア、イスラム世界(イスラム科学)および18から19世紀頃までのヨーロッパで支持された。四大(しだい)とも。

「それらを結合させる『愛』と分離させる『争い』がある。それにより、集合離散をくりかえす。この4つの元素は新しく生まれることもなく、消滅することもない」という考え方のこと。

歴史[編集]

古代ギリシャのタレスは万物の根源に「アルケー」という呼称を与え、アルケーはであるとした。その他、アルケーは空気であると考えた人、であると考えた人、だと考えた人たちがいた。

エンペドクレスは、φωτιά(火)、αέρα(空)、νερό(水)。γη)の四つのリゾーマタからなる、とする説を唱えた。後世にいう四元素説である。プラトンはこれに階層的な概念を導入し、土が正六面体でもっとも重く、他のリゾーマタは三角形からなる正多面体で、火が最も軽いリゾーマタであり、これらはそれぞれの重さに応じて運動し互いに入り混じると考えた[1]。 のちにアリストテレスがこの説を継承し、さらにはアラビア科学パラケルススへと伝えられた。

影響・派生[編集]

四大元素はタロット小アルカナの4スートの棒(火)、剣(風)、杯(水)、硬貨(地)と関連付けて解釈される。

フランス盛期バロック音楽の作曲家ジャン=フェリ・ルベル(レーベル)が1737年に出版したバレエ音楽《四大元素 Les éléments》は、「カオス(混沌)」を表現するために、教会旋法によるトーン・クラスターという当時としては極めて実験的な作風を用いたことで知られる。

現代でも、ゲームファンタジー世界観に用いられることも多く、四大元素をまとめて「地水火風(ちすいかふう)」または「風火水土(ふうかすいど)」と呼ぶ場合もある(ヒルダ・ルイスの児童文学『とぶ船』に、「空気よ 土よ 火よ 水よ」と唱えて秘密厳守を誓うシーンが出て来る)。

現代での解釈[編集]

Classical element(四大元素)のelementは、現代の自然科学用語の英語: Chemical element元素)のelementとは対応しない。対応する物、現象を探すと、「空気」は気体、「」は液体、「」は固体と対応づけられる。(これらは現代の用語では「物質の三態」に相当する。) 「」は、何らかの化学変化を起こしている状態と言える。[2](因みに現代では、高温の青白い炎や放電は、物質が「プラズマ状態」になっているものだ、と解説される[3]。) また 神秘学等ではイメージや物体の抽象表現として解されることもある。

脚注[編集]

  1. ^ 四大、『世界大百科事典』、CD-ROM版、平凡社
  2. ^ 注:炎は、現代の自然科学では「高温の物質が光を放射」していると説明されるが、温度上昇の原因として「酸化反応が進行している」ので、化学変化が間接的に介在している。
  3. ^ 注:一般に日常的に見られる低温の赤橙色の炎はプラズマではない

関連項目[編集]