四体液説
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四体液説(よんたいえきせつ)は、古代ギリシアのヒポクラテスが人間の身体の構成要素として四種類の体液を挙げ、この体液のバランスによって健康状態などが決まるとする説。
エンペドクレスの四大元素説の影響を受けてヒポクラテスが著書『人間の自然性について』の中で人間は血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁からできていると述べており[1]、これが主流の分類である。しかし『疾病について』の中では血液、粘液、胆汁、水、また『疾患について』で病気はすべて胆汁と粘液の作用であるとしており定まっていない。どちらを採用するかは学派によって異なり、ヒポクラテスのコス派は血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁の四体液説で、クニドス派は胆汁、粘液説であった[2]。
後にガレノス(129年頃 - 199年)はこの四体液説を重要視しながら、古代の医学を築きあげた。
この説においては、体液は人間の気質にも影響を与えるという。血液が多い人は楽天的、粘液が多い人は鈍重、黒胆汁が多い人は憂鬱(メランコリーの語源は黒胆汁である[3])、黄胆汁が多い人は気むずかしい気質を持つとする。
アル・ラーズィーによって四体液説の誤りが証明され、現代医学ではこの説は継承されていない。
脚注 [編集]
- ^ 小川 (1963),p.102
- ^ 梶田 (2003),p.53
- ^ 梶田 (2003),p.53、黒胆汁は古代ギリシア語でmelas-chole、melasは「黒」、choleは「胆汁」である。
参考文献 [編集]
- 小川政恭 訳 『古い医術について 他八篇』 岩波書店〈岩波文庫 青 901-1〉、1963年。ISBN 4003390113。
- 梶田昭 『医学の歴史』 講談社〈講談社学術文庫〉、2003年。ISBN 978-4061596146。