四神
四神(しじん)は、中国の神話、天の四方の方角を司る霊獣である。四獣(しじゅう)、四象(ししょう)ともいう。
東の青竜(せいりゅう)・南の朱雀(すざく)・西の白虎(びゃっこ)・北の玄武(げんぶ)である。五行説にも中央に黄竜(書籍によっては麒麟を据える場合もある)を加え数を合わせた上で取り入れられている。
淮南子などによると、方角には四獣と共に季節神として五帝を補佐する五佐のうち四佐が割り当てられている。これらの四佐のほうを四神と呼ぶこともある。また、瑞獣の四霊(麒麟・鳳凰・霊亀・応竜)を四神と呼ぶこともある。
目次 |
対応 [編集]
四神にはそれぞれ司る方位、季節、そしてその象徴する色がある。
| 四神(四獣) | 四方 | 四季 | 四色 | 五佐 | 五行 |
|---|---|---|---|---|---|
| 青竜 | 東 | 春 | 緑(青) | 句芒(こうぼう) | 木 |
| 朱雀 | 南 | 夏 | 赤(朱) | 祝融(しゅくゆう) / 朱明(しゅめい) | 火 |
| 白虎 | 西 | 秋 | 白 | 蓐収(じょくしゅう) | 金 |
| 玄武 | 北 | 冬 | 黒(玄) | 玄冥(げんめい) | 水 |
| 黄竜 | 中央 | 土用 | 黄 | 土 |
星宿との関係 [編集]
| 三垣 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 太微垣 | 紫微垣 | 天市垣 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 二十八宿 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 近南極星区 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 元禄中所名星座 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中国天文学では、天球を天の赤道帯に沿って東方・北方・西方・南方の四大区画に分け、それぞれに四神(四象)を対応付けた。これらを東方青竜・北方玄武・西方白虎・南方朱雀と呼ぶ。
これは二十八宿を七宿ごとにまとめ、その星座を組み合わせた形を龍・鳥・虎・亀(正確には蛇が亀に絡まっている姿)の4つの動物の姿に見立てたことによる。例えば、東方青竜であれば、角は龍の角、亢は龍の頸、氐房は龍の身体、尾は龍の尾を象っている。また戦国時代は五行説により土=中央=黄、木=東=青、金=西=白、火=南=赤、水=北=黒というように五行と方位(五方)・色(五色)が結びつけられており、これらの動物も各方角が表す色を冠し、青竜(蒼龍)・玄武・白虎・朱雀(朱鳥)とされた。なお、ここでいう東方・北方・西方・南方は天球上の東西南北ではなく、地平から見た方位であり、天上の十二辰と地上の十二支が一致したときの天象(春の星空)を基にしている。
なお四象の境界は二十八宿に基づいているため、均等ではなく、十二次と十二辰の区分とは一致しない。『漢書』律暦志の度数(周天を365度とする)では、
- 東方宿 - 75度
- 北方宿 - 98度
- 西方宿 - 80度
- 南方宿 - 112度
となっている。
四神お守り [編集]
2010年(平成22年)4月5日、山崎直子宇宙飛行士は、平成21年10月18日に行われた『松戸神社・神幸祭』のためにつくられた『四神お守り』を携えてスペースシャトル『ディスカバリー号』に乗り、ケネディ宇宙センターから国際宇宙ステーションへ飛び立った。
地球へ帰還した山崎直子宇宙飛行士は、同年5月に帰国し松戸市を訪れて、供に宇宙へ行った『四神お守り』を同神社へ返納した。
四神にちなむもの [編集]
青龍偃月刀、白虎隊、朱雀門、玄武洞、玄界灘など、四神にちなんだ事物は数多い。
会津藩では武家男子を中心に年齢別に50歳以上の玄武隊、36歳から49歳までの青龍隊、18歳から35歳までの朱雀隊、17歳以下の白虎隊と四神の名前を部隊名とし軍構成していた。
人生を四季に例え、若年期を「青春」、壮年期を「朱夏(しゅか)」、熟年期を「白秋(はくしゅう)」、老年期を「玄冬(げんとう)」と表現することがある(玄冬は、春に芽吹く土壌作りの時期として幼少期とする説もある)。日本の詩人北原白秋の号はこれに由来している。
日本のフィクションにおける四神 [編集]
日本では、1990年代に入る頃に若年層向けの小説、漫画、コンピュータゲームなどに登場するケースが増加。さらにその後の1990年代中頃に起こった風水ブームによってさらなる知名度が形成され、創作の題材としての人気が拡大再生産された。
日本の作品内での四神の扱われ方は実に様々である。個々の名称に関しては青竜、朱雀、白虎、玄武をそのまま使う作品が多いが、総称では元のまま「四神」ないし「四獣」を使う作品ばかりではなく「四神獣(ししんじゅう)」や「四聖獣(しせいじゅう)」といった造語を用いる作品が珍しくない。また、原義のまま四方を司る神獣として登場する以外に、人間や器物の名称として名前のみが使われるだけ(例:「陸上防衛隊まおちゃん」では兵器の名前として登場、「天元突破グレンラガン」では螺旋四天王のガンメンの名前として登場(この作品では四神の名称を少しもじっている)、「怒首領蜂大往生」では各ステージのボスの名前として登場(この作品では名前の読みは四神と同じだが当て字が異なっている))、またはその逆に名前は違っているが青い龍、赤い鳥、白い虎、(緑の)亀という組み合わせの四種の獣が登場するという作品(『爆転シュートベイブレード』)もある。本来の五行中の4要素(木、火、金、水)でなく四大元素(地水火風)に当てはめた例もある(例:「セイントビースト」シリーズでは主人公の4人の天使に四神の二つ名があり、4人それぞれが地水火風の各属性を持っている)。又、四神の扱いの変形として、『五星戦隊ダイレンジャー』では、巨大気伝獣にその存在が顕れるだけではなく、本編の重要キャラクターとして、“孔雀”なる女性が登場した。更に、『ふしぎ遊戯』の様に、人の姿を取る事も出来たりする例もある[1]。
なお、中国では玄武は亀に蛇が絡まる姿で表現されることが多く、高松塚古墳の物もこの姿だが、日本のフィクションに登場する玄武は亀だけの姿で描かれる場合が大多数である[2]。また玄武という名の通り、本来は黒が象徴色だが、象徴色が黒ではなく緑になっているのもよく見られる[3]。本来緑が象徴色なのは青竜だが、文字通り青が象徴色になっている場合が多い。
脚注 [編集]
- ^ 『五星戦隊ダイレンジャー』では、玄武対応の存在であるダイムゲンには、“亀夫”と云う人間形態がある。尚、亀夫は最初、自分が気伝獣である事をすっかり忘れていたりした。
- ^ 『ふしぎ遊戯』では高松塚古墳と同じ姿を取る。
- ^ 『爆転シュートベイブレード』も『五星戦隊ダイレンジャー』も玄武の象徴色は緑である。
関連項目 [編集]
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