トレーディングカードゲーム
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トレーディングカードゲーム(Trading Card Game、略称TCG、トレカ)(以下TCG)とは、トレーディングカードとして販売されている専用のカードを用いて行うカードゲームを言う。多くは対戦形式の2人プレイである。
英語圏では一般的にコレクタブルカードゲーム(Collectable Card Game、略称CCG)とも呼ぶ。他にカスタマイザブルカードゲーム(Customizable Card Game)という名称もある。
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[編集] 概要
TCGとは、各プレイヤーがコレクションしたカードの中から、自由に、あるいはルールに則して組み合わせたカードのセット(「デッキ」と呼ぶ)を作って持ち寄り、2人以上で対戦を行うゲームである。原則として、デッキはプレイヤーひとりひとりが1個ずつ用意し、持ち主が異なるカードやデッキを混ぜて遊ぶことはない。
通常、一つのTCGには百種類以上のカードが存在し、それぞれのカードが独自のカード名と、異なるルール上の効果を持つ。ただし様々な理由から、デッキに組み入れられるカードは数種類から数十種類程度にとどまるため、デッキはカードの選択に応じた戦略・戦術を持つこととなる。すなわち必勝パターンと言えるものがなく、プレイヤーが好みの戦略・戦術を選択できる。 また、カードの種類が固定されると戦略・戦術も固定されゲームがパターン化するため、カードが定期的に追加発売されるのが通例である。カードの追加によりゲームの規模は拡大し、プレイヤーが採り得る戦略・戦術の幅が広がるように構成されている。このため、プレイヤーはカードが追加発売されるたびに新たなカードを収集し、新たな戦略・戦術を研究する。 ゲームへのモチベーションを保つための大会も定期的に開催されている。より詳しくは特徴を参照のこと。
TCGの多くはカードにレアリティ(希少度)の段階を設けている。主にゲームの根幹となる基本的な効果を割り当てられたカードの希少度は低く、ゲーム内において効果の高い、あるいは複雑な効果を持つカードの希少度は高い。このように、ゲーム性と収集とを結びつけたシステムは商業的な成功に多大な可能性を示し、アニメなどのキャラクターグッズとしてかなりの成功を収めている。また一部のタイトルでは、後述の『マジック:ザ・ギャザリング』のように複雑なルールを設定し、国際競技が行われているものもある。
[編集] 歴史
[編集] TCGの発祥
トレーディングカードはそれ自体の観賞性などから、収集されることが目的となる場合が多かったが、トランプ、UNOなどの古典的なカードゲームの発展形として創作されてきたカードゲーム(日本では翔企画の『モンスターメーカー』、海外では『6ニムト!(ジックスニムト)』などが代表であろう)からのアプローチとして、トレーディングカードの仕組みと流通形態を巧みに利用した卓上ゲーム、すなわちトレーディングカードゲーム (TCG) が考案された。
1993年にアメリカの数学者リチャード・ガーフィールドがデザインし、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社によって販売された『マジック:ザ・ギャザリング』がその先駆けだと言われる。主にテーブルトークRPGのプレイヤーを対象として売り出されたこのゲームは、彼らがそれまで熱中していたテーブルトークRPGやシミュレーションゲームに比べてずっと短時間で終わること、準備と研究に労力を注いだだけ強くなれることがアピールし、瞬く間に大ヒットとなった。その後、『マジック:ザ・ギャザリング』の影響を受けたと推測される、亜種とも呼べる様々なTCGが誕生した。それ故に、『マジック:ザ・ギャザリング』こそTCGの原点である、と言われ、それは決して過言ではない。
[編集] 日本における歴史
日本でTCGが制作され始める前にも、『機動戦士ガンダム』や『ドラゴンボール』を題材とした『カードダス』など、「めんこ遊び」の影響下に制作された、低年齢向けの単純なルールでゲームもできるトレーディングカードはあった。しかし、これらはゲームを主体としたものではなかったため、普通はTCGとは呼ばれない。
1996年に初の本格的な国産TCGである株式会社メディアファクトリーの『ポケモンカードゲーム』が発売され、子供たちを中心にヒットする。『ポケモンカードゲーム』はその名のとおり、任天堂の『ポケットモンスター』を題材としたTCGである。同年のほぼ同時期に『マジック:ザ・ギャザリング』の日本語版の販売も開始され、より高年齢層の間で静かな話題となった。またこの年、週刊少年ジャンプで連載されていた漫画遊☆戯☆王では、TCGを題材とした話が描かれて好評を博し、TCGを日本に広めるための一翼を担ったとともに、のちにこれを基にしたTCG『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』を生んだ。
1997年には富士見書房が、国内市場での『マジック:ザ・ギャザリング』に対する明確な対抗馬として初の本格的オリジナルキャラクターTCG『モンスターコレクション』を発売した。日本国内のファンタジー系有名イラストレーターやマンガ家を起用し、マンガ・アニメファンの取り込みを狙ったタイトルであった。その後、株式会社ブロッコリーのオリジナルゲーム『アクエリアンエイジ』、機動戦士ガンダムシリーズを主題にしたバンダイの『ガンダムウォー』、株式会社リーフ・アクアプラスの人気女性キャラクターを使ったティーアイ東京→イマ・エンターテイメントの『リーフファイトTCG』など、マンガ・アニメファンを狙ったTCGが多く出されていくようになる。
1999年には、子供向けタイトルとしてコナミの『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』が発売され、大ヒットとなった。それに続く形で様々な子供向けの漫画やアニメ・ゲームなどを基にしたTCGが数多く出されている。2002年には、タカラの『デュエルマスターズ』が発売され、これもヒット商品になっている。子供向けタイトルの人気はかなり高く、1990年代末期から2000年代初頭にかけてTCGブームと呼ばれる社会現象ともなった。これによってTCGの存在が一般に浸透した半面、子供たちの間で交わされた金銭トレードやカード万引き、封を切らずに中身のカードを探る「サーチ行為」など、負の側面が問題視された。
2002年には、セガの『WORLD CLUB Champion Football』が登場した。これは一般のTCGとは異なり、業務用ゲームに対応したTCG、トレーディングカードアーケードゲームである。このトレーディングカードアーケードゲームは日本から産まれたTCGの発展形態であり、アーケードゲームと呼ばれる、ゲームセンター等に置かれるゲーム筐体にカードの読み取り機能を付け、使用するカードを読み取ることによりトレーディングカードゲームを行う。通常のカードゲームより複雑なゲームを簡単に行うことができる。『WORLD CLUB Champion Football』の他にも『三国志大戦』などヒットゲームを生み出し、トレーディングカードとしても大きな市場を形成している。
2003年には、男児向けのトレーディングカードアーケードゲームである『甲虫王者ムシキング』が登場しヒットした。のちに女児向けの『オシャレ魔女 ラブandベリー』なども人気を博しており、これらのゲーム筐体はゲームセンターはもちろん、スーパーマーケットや玩具店といったより身近な場所に置かれ、週末には順番待ちの子供の行列が出来ることもある。
[編集] 現在の状況
2008年現在の日本では、漫画やアニメ、ゲームなどのキャラクターを用いたタイトル(キャラクターTCG)が主なヒット作となっている。『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』『デュエルマスターズ』の子供向けのタイトルは、TCG全体でも特に高い人気を誇り、子供だけではなく高年齢層にもファンが多い。『ポケモンカードゲーム』『ガンダムウォー』『レンジャーズストライク』『リセ』など、10歳代後半から20歳代にかけて人気のあるキャラクターを用いたTCGも、比較的ファンが多い傾向にある。他にも様々なキャラクターで数多くのTCGが企画され、なかなかの成功を収めているようだ。
世界的にも、日本産のキャラクターTCGの人気は非常に高い。例えば、アメリカでは『マジック:ザ・ギャザリング』を押さえ、『ポケモンカードゲーム』と『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』が特に人気の高いTCGとなっている。他にも、多くの日本産のキャラクターTCGが世界規模で販売されている。
反面、思考力や技術を競うことを重視して作られたTCG(戦略系TCG)は、『マジック:ザ・ギャザリング』に根強いファンがいる以外には、『ディメンション・ゼロ』くらいしか生き残っているTCGがなく、あまり多くのタイトルが存在しない。中には『ガンダムウォー』など、キャラクターTCGに属するものの、トーナメント制度が整備され、競技系TCGとも考えられるタイトルはあるが、これを含めても、競技系TCGは全体的にプレイヤーが少な目で、売り上げも低い。この原因として、TCGは上級者と初心者の格差が非常に広がりやすいゲームであるということがあげられる。キャラクターTCGでは格差が広がってもキャラクター要素で新規プレイヤーを獲得できるが、戦略系TCGはその格差が敷居の高さに直結してしまい、新規プレイヤーを増やすのが難しい傾向にあり、近年ではこの差が顕著に表れるようになっている。
[編集] 販売形態
多くのTCGは、以下のような形式で販売されている。
- 構築済みデッキ
- そのままデッキとして遊べるようにカードが集められたセット。中に入っているカードは固定されており、30~60枚ほどのカードで構成されている。1000~2000円ほどで購入できる。中でも、これからゲームを始める初心者向けの構築済みデッキは「スターターセット」と呼ばれる。ルールブックとともに、簡単な効果のカードが封入され、ゲームのルールを理解するのに便利なセットとなっている。スターターセットの他には、面白い動きをするデッキや、大会で活躍している強力なデッキなどがこの構築済みデッキとして用意されることが多い。あまりお金をかけずに遊びたいカジュアルプレイヤーでも、構築済みデッキを買っていくだけで十分楽しめるようになっている。
- 一部のタイトルではスターターセットが構築済みデッキではなく、中に入っているカードがランダムな場合もある。
- 拡張パック(ブースターパック)
- より面白いデッキや、より強力なデッキを作りたいプレイヤーが購入することを想定したセット。ランダムに選ばれた5~15枚程度が1まとめにされ、封を切らないと中が見えないようになっている。前述の構築済みデッキと組み合わされて遊ぶことが想定されており、プレイする上で基礎的な働きをするカードは含まれていない事が多い。1パック当たり150~500円程度と比較的安価であり、気軽に買えるような工夫がなされている。パック単位で買うのが基本であるが、新作発売と同時に「箱買い」「カートン買い」をする熱心なプレイヤーも多い。
- 通常、封入されているカードにはランク付けがされており、以下のような配分がなされているゲームが多い。
- とても珍しいカード(レア)が1枚。
- まあまあ珍しいカード(アンコモン)が2~3枚。
- 残りがあまり珍しくないカード(コモン)。
- 但しタイトルによっては、そのコレクション性を高めるためレアリティを更に細分化している場合も多い。例えば『遊戯王デュエルモンスターズ』では現在、「ノーマル」(上で述べた「コモン」に相当)から「ホログラフィックレア」までの7段階に分けられている。
- 加えて上位レアリティのカードには光沢を加える(ホイル仕様、金銀の箔押し、光沢フィルムの上張り、レリーフ調など)、いわゆる「光り物」加工を施してある場合も多い。
- 限定販売
- メーカーイベントの特典・書籍の付録・コンピューターゲームの付録・映画の入場特典など、なんらかの商品販売企画とのタイアップとして、付属するTCGのカード。
- こういった目的のカードは付属する商品・サービスの購買意欲を上げるため、意図的に破格の強さを与えられることもある。
- ゲームバランスを崩壊させないため、既存カードの別バージョン(「レンジャーズストライク」・「アクエリアンエイジ(アクエリアンエイジオルタナティブも含む)」など)や既存カードよりも弱いカード(「ディメンション・ゼロ」「三国志大戦」など)が配布されることもある。
同じTCGでも、定期的に新しいテーマに基づく拡張パックが発売される。これらは通常、以前のカードと組み合わせて遊ぶこともできる。新旧の組み合わせで思わぬ効果(コンボ)が生まれることもあり、これもTCGの魅力の一つといえる。
長く続いたカードゲームシリーズでは、過去に販売されたカードを集めるのが新規参入者の負担となり、プレイ人口を増やす妨げとなる恐れがある。このため、国内の主要タイトルでは参入障壁を低くする目的で、過去に販売された強力なカードを復刻して集めた構築済みデッキや拡張パックを用意している場合が多い。また、『ポケモンカードゲーム』や『マジック・ザ・ギャザリング』など一部のタイトルでは、一定世代以上古くなったカードの使用を禁止しているものもある。しかし、そういったゲームでは古いカードが完全に使用できなくなる訳ではなく、それが使える大会が用意されることもある。(『マジック・ザ・ギャザリング』のエクステンデッド、レガシーなど)
TCGの販売元は、プレイヤーやコレクターが、より珍しく、より魅力的なカードを集めるためにたくさんのパックを買うようにカードを分配している。珍しいカードほど、ゲームに使った際に有利となることが多く、またこれらのカードは専門店などで単体として買う場合、他のカードに比べてより高価になる傾向がある(但し、特定のカードだけが目的であれば、それが出るまでパックを買い続けるよりも単体で購入した方が安く付く)。
トレーディングカードを用いたアーケードゲームの場合、スターターパックには磁気カードやICカードなどの記憶媒体が付属し、その記憶媒体にプレイ結果などが記憶される。ブースターパックは販売されない(例外として「アクエリアンエイジオルタナティブ」では、「アクエリアンエイジ」のブースターパックが「アクエリアンエイジオルタナティブ」のブースターパックも兼ねており、パック中の1枚が「アクエリアンエイジオルタナティブ」のものとなっている)が、そのアーケードゲームをプレイするごとに数枚(たいていは一枚)のトレーディングカードを手に入れる事が出来る。
[編集] 特徴
[編集] デッキ
TCGの最大の魅力は、各プレイヤーが集めたカードの中から好きなカードを選んで、デッキを構築することにある。デッキは、何百枚もの異なったカードから組み立てることができ、その組み合わせと戦略には限りがない。後述のコンボやシナジーがうまく発揮されるように組まれたデッキが強いデッキとなる場合が多い。
- ある程度普及したTCGにおいては、デッキの組み方にいくつかの典型的な傾向が現れるようになっている。各デッキはそれらの1バリエーションとして分類され、「ビートダウン」「コントロール」などと称される事が多い。
- どんなデッキを作っても、普通は何かしら弱点があり、全く負けないデッキというものは組むことはできないようになっている。そのため、ある人気デッキに偏るのを見越してそのデッキに勝つデッキを組むメタゲームという要素がある。
- 主要なタイトルでは「構築済みデッキ」が用意されていることが多い。
- 強さだけを追求せずに、気に入ったキャラクターやテーマを用いることを第一の目的としてデッキを組む場合もある。これをファンデッキと呼ぶ。『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』などでは、キャラクターのファンデッキを組む楽しさを重視し、企業側でファンデッキを組むために便利なカードを用意している。
[編集] コンボとエラッタ
TCGでは、単体のカードの効果とは別に、カードの効果を複数組み合わせることで強力な相乗効果を起こせる場合がある。これをコンボやシナジーなどと呼ぶ。強いデッキを組むためには、デッキに強力なコンボやシナジーを組み込むことが必要となってくる。
TCGの性質上、対抗手段が全くと言って良いほど存在しない、強力なコンボが考案されることもある。(先攻第1ターンでゲームを終わらせることが出来る1ターンキルなど。)このようなコンボの存在は、ゲームを「コンボに必要なカードを早く揃えた方が勝ち」と言う「幸運だけ」を競うものにしてしまうため、メーカー側はテストプレーを重ね、こういったコンボが生まれないようにカードを作っている。また、こういったコンボが生まれてしまった場合も、メーカーなどが主催する公式大会でコンボに必要なカードを使用禁止にする処置(「禁止カード」の指定)や、カードの効果を保ちつつコンボが成立しないようカードやルールを修正する処置(「エラッタ」の発表)が行われている。TCGが持つ戦術性や戦略性を保つため、またルールに対する共通認識を取りやすいため、非公式の対戦においても公式大会のルールに準じる事例は珍しくない。
限定販売のカードなどでは、荒唐無稽な効果(カードを燃やしたり破り捨てたりする、ゲームと全く関係ない行動をプレイヤーに指示する、カードトレードを強要するなど。例として『マジック・ザ・ギャザリング』のアンヒンジド、『ガンダムウォー』のコラボレーションカードなど)や、公衆の場で出すことがはばかられるようなイラスト(女性の全裸、性交シーンなどといったものが描かれている。例としてリセのXXXエディションなど)のものがあり、このようなカードはあらかじめ禁止カードであることがカード中に明記されている。
なお、アーケードカードでは、禁止カードやエラッタは発効と同時に即座にすべてのゲームに強制適用される。
なお、アーケードカードでは、アナログトレーディングカードと異なりカードテキストの記述を曖昧に記載されることが多く(ダメージ量や効果持続時間を明記しないなど)、その解釈はメーカーの裁量範囲内(判定をすべてサーバで行い、プレイヤーが介在できない)であるため、「エラッタ」を発行せずに解釈の変更だけで対応できる範囲内で、定期的にカードバランスの調整が行われることが多い。主に単独でエンドカードとなるような強力すぎるカード、使用率の高すぎるカード、大会の優勝者のデッキに含まれていたカードが下方修正され、使用率の低い色やカード、レアリティに比してトレードレートが低すぎるカード(1枚の放出に対して一般的なレアカードの希望が通らないようなスーパーレアなど)が上方修正される。
[編集] カード資産と投資
TCGは一般に、ある程度の投資を要求するゲームと認識されている。その主な理由は
- TCGの公式販売形態では、カードは基本的にランダム入手であり、カードの入手そのものが一種のギャンブル性を持つ。
- 公式大会においては、希少度に関わらず全て本物のカードを使用せねばならず、カードの代用は認められない。
- 希少度の高いカードや強力な効果を持つカードは、金銭を支払ってでも入手したいと言うプレイヤーも多く、そうした実情から任意のカードを単体で金銭取引する「シングルカード」の市場が存在する。
- 人気の高いカードほどレートも上がり、デッキ構築に要するカードを揃えるためには投資額が数千~数万円になることもある。
- 特に「ゲームソフト付属」「イベント・大会限定」などのカードは、メーカーの販売戦略上、破格に強力である場合が多く、また一定期間を過ぎると入手困難になるため、レートも高騰しがちである。
- 特にアーケードカードは元のカード入手コストが高い(1枚100~300円で、アナログトレーディングカードの約3~10倍)ため、レートが高騰する傾向にある。
- エラッタや大会結果によって、カードの価値が大きく変動することも珍しくない。数千円のカードにエラッタが出たり使用禁止になったりして価値が暴落することや、不人気の安価なカードが大会優勝デッキのキーカードになったことで1000円以上値上がりすることもある。
- カードを持たない新規参入者が不利にならないよう、また使用可能なカードが固定されることで戦術や戦略がパターン化しないよう、公式大会で使用可能なカードが定期的に入れ替わるため、定期的な投資を要求される。
シングルカード販売などで目当てのカードを狙って買う手段もあるが、勝利を狙っていくなら数万円位はかける必要があることが多い。また上記のように新しいカードが出現すると古いカードが大会で使用が出来なくなることも多いため、使用できるカードを手に入れるためにまたお金を出さなければならないことの繰り返しになるからである。大会を意識せずに静かに楽しむというコストのかからない遊び方もあるはずだが、多くのプレイヤーが大会を目指し、なおかつ他のプレイヤーとの接触が前提のゲームにおいては、どうしても「TCGで遊ぶ」と「大会を意識する」が同義になってしまいがちである。このような風潮がTCGの新規プレイヤー加入を妨げているという声もある。特に、高額賞金をえさに巨額投資を煽るようなゲームもあり、問題となることもある。
最近では、このような後発者が圧倒的に不利となる風潮を修正するため、多くのタイトルで「構築済みデッキ」などにデッキ構築の基本となるカードや、入手が困難であった強力なカードを収録することで新規参入者を確保するため努力は払われている。
なお、資産を持たない新規参入者であっても、「シールド戦」「ブースタードラフト戦」といったリミテッド環境の公式戦であれば、使用可能なカードが主催から配られるブースターパックに入っているカードに限られる(自分の資産を使えない)ため、資産差を意識せずに参加可能である。但しこの形式では、デッキ中の枚数制限や禁止カードなどの制限を無視してデッキを組むことが許されるため、特にブースタードラフト戦ではカードに対する知識が重要となる。
ただし、TCGはゲームへの投資額が大きくなるため、複数ゲームを掛け持ちするユーザーはあまり見られない。TCG専門誌も2007年現在存在しない(過去には存在したが、大人の事情から現在はゲーム一般誌にリニューアルしている。また、ATCG専門誌は2007年現在1誌存在する)。これはネット情報の速報性にはかなわないため、有名どころのタイトルには出版社が密接に関係(遊戯王デュエルモンスターズ→集英社、デュエルマスターズ→小学館、ポケモンカード→メディアファクトリー等)している場合が多く同業他社を排除した独占的な運営が行われるため、という指摘もあるが、ホビー系ジャンルとしては珍しい現象である。個別タイトルの人気の合計がジャンルを支えているといってもよいであろう。
[編集] その他
TCGは広い年齢層に楽しまれているので、中年の専門家と十代の少年が好きなTCGについて活発な会話をする状況も頻繁に見受けられる。
[編集] 対戦
TCGの対戦はしばしば「デュエル」(duel、決闘の意)と呼ばれる(但し、アーケードカードでこの語が使われることはほとんどない)。本来は『マジック・ザ・ギャザリング』における用語であった(現在『マジック』はこの語を「ゲーム」と改めている)が、TCG界隈では普遍的に用いられる。TCGを遊ぶためには対戦相手の存在が必要不可欠であるため、販売側が積極的にデュエル環境を提供している。
TCGを主に取り扱う店の多くは、低料金または無料で使用できる対戦専用のスペース、通称デュエルルームもしくはデュエルスペースを設けている。身近な友人のみならず、店で出会った見知らぬプレイヤー(デュエリスト)と対戦することも醍醐味である。アーケードカードでは、ゲーム機がオンライン上で対戦相手を探してくれることが多い(対戦相手が店舗内に限られるタイトルもある。また、CPUに対戦相手役をしてもらうことも出来る)。
メーカーなどが主催する公式大会も数多く開催され、その大会で好成績を挙げることを目標とするプレイヤーも多い。場合によっては賞品や賞金が提供される大会も存在する。大会での活躍を目指すプレイヤー達によって、効果の高いカードの「相場」は高くなる。定価は1枚あたり数十円にも満たないカードだが、人気のあるタイトルにおいては1枚の強力なカードが数千円、時には1万円以上で取り引きされる事も珍しくはない(アーケードカードの場合は10万円を超える事もある)。半面、「禁止カード」に指定されるなどの理由で大会で使えなくなったカードや、大会自体が開催されなくなったタイトルの場合、その価値は暴落し「紙切れ」等と呼ばれる事があるし、ほとんどのコモンカードはトレードの対象にならず、ショップでも一束1円などといった価格でしか売却できない。
一つのTCGが長く続き、カードの総数も増えてくると、ゲームバランスの調整や経験者と新参者の差を少なくするために、古いシリーズのカードを大会で使用できなくするという手段が取られる。全て又は大部分のカードを使用できる大会が開催されたり、「リミテッド」(「ドラフト」とも)(その場でブースターパックを複数購入し、出たカードでデッキを作成してプレイする。デッキを作ってトーナメントに参加するよりもはるかに経費がかからない)という対戦形式が行われることもあるが、そのタイトルにおける主要な大会に参加し続けるためには新シリーズを買い続けなければならないケースが多い(但し、トッププレイヤー(プロゲーマー)の経済的理由による引退を防ぐため、一定基準(賞金額など)を満たしたプレイヤーに対して新シリーズのパックを運営者から提供するようなタイトルもある)。また、アーケードカードではゲーム(への参加)とカードは1セットなので、すべてのカードをコンプリートした後もゲームに参加し続ける限りカードを買わされる事になる。
[編集] 共通点
ほとんどのTCGには、上述した販売上の共通点のみならず、ゲーム上にもいくつかの共通点がある。
- ターン制のシステムを用いている。これにより各プレイヤーは自分の番に、決められた回数、決められた順番で行動を起こすことになる。この行動に対し、相手が妨害、割り込みをかけることもできるようになっており(出来ないタイトルも存在する。例えば、カードヒーローやポケモンカードでは、相手ターンに出来る行動は存在しない)、その駆け引きが更にゲーム性を高めている。(但し、アーケードカードでは盤面上でカードを動かすことでリアルタイムでアクションを起こすゲームが多く、ターン制は採用されない事がほとんどである。カードの宣言などの行動も、基本的に宣言順に処理される)
- カードを使用するためには、ある制限事項をクリアする必要がある。例えば、『マジック:ザ・ギャザリング』では「マナ」、『ポケモンカードゲーム』では「エネルギー」と呼ばれる要素である。強力な効果を持つカードほど、より強い制限がかかっている。
- 殆どのTCGではカードが種族、属性などで「色分け」されており、デッキ構築上、多色の混合を事実上制限する構成になっているものが多い(逆に、アヴァロンの鍵のようにすべての色をバランスよく混合することを事実上強要されるゲームもある)。(『マジック:ザ・ギャザリング』での青・黒、『Lycee』での雪・花、『デュエルマスターズ』での水・火等々)また、「色」自身に基本性質が設定されているのが普通で、ライフダメージ、速効、中速、手札操作などの様々なデッキタイプが産まれる。
- 点数システム(『マジック:ザ・ギャザリング』における「ライフポイント」や『ポケモンカードゲーム』における「サイドカード」など)があり、これによって最終的な勝利条件や1ゲームにかかる時間が決まる。
- 呼称こそ異なる場合が多いが、トランプ等と同様「場」「手札」「山札」「捨て山」と呼ばれる概念が各プレイヤーごとに存在する(アーケードカードにはこのような概念は存在しない)。
- 殆どのトレーディングカードゲームでは、「場に展開する攻撃力、守備力などを持つ実態のあるカード」(クリーチャー、ユニット、モンスター等と呼称され、将棋に例えれば駒に相当する) と「それをサポートするカード」(魔法、罠、イベント、ストラテジー等と呼称される)で構築され、デッキ構築において配分の比率などを考慮する必要がある。
[編集] コンピュータゲーム
TCGはコンピュータゲームにも影響を与えている。TCGを再現したゲームはコンピュータゲームのジャンルの一つとして認められつつある。
実際に存在するTCGがコンピュータゲーム化されたり(『マジック:ザ・ギャザリング』、『ポケモンカードゲーム』)、コンピュータゲームオリジナルのTCGが登場したり(『トレード&バトル カードヒーロー』)、TCGの要素を他のジャンルに融合したタイプのゲームも登場した(『カルドセプト』、『ファントムダスト』)。また、当初は漫画に登場したオリジナルのTCGがコンピュータゲーム化され、さらに実際のTCGとして発売されるケースもあった(『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』)。
TCGにおいて、カードの効果はルールに従って厳密に適用されるため、コンピュータプログラムとの相性は良いと言える。複雑な効果が組み合わさった場合、対戦者同士で効果の適用について揉めたり、さらには公式大会においてすら判断が割れる場合もあるが、プログラムに判定を委ねることで公正に処理できる。カードの整理や、卓上に展開する手間もコンピュータ上なら容易に解決する。半面、プログラムされた以外の遊び方が出来ない、新シリーズのデータを追加することが困難(これはオンライン化で解決可能)など、TCGならではの遊びの幅を狭めてしまうという欠点もある。無論、手元に現実のカードが残らないので、コレクションするモチベーションも低い。逆にコレクション性を重視しないプレイヤーからは高評価となる。しかし最近、コレクション部分を意識したオンラインTCGで、ゲーム内で手に入れたカードをプレイヤーの手元に郵送する会社もできた。逆に、パスワード等を用いて、現実に手に入れたカードをゲーム内に出現させるという手法もある。
なおトレーディングカードアーケードゲームにおいては、掘り師と呼ばれる問題が一部のゲームで発生している。これについては「掘り師 (ゲーム)」を参照。

