電器店

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電器店(でんきてん)とは、家電製品を販売する小売店のことである。なお本稿では個人経営の商店を中心に扱う。大手企業による量販店の詳細に関しては家電量販店の項を参照。

元々は電球や二又ソケットなどといった電気関連の器具(照明器具)を販売していたため、“電気”の「」や“機械”の「」ではなく“器具”の「」を使うと考えられる。ただしこれら電器店の屋号では、「○○電気」や「○○電機」などもしばしば見受けられる。そのため、電気店や電機店という表記も別に間違いではない。これは電気工事主体から始めた「でんきてん」のようにさまざまな店舗があり、決まった形がないためである。

目次

[編集] 概要

これらは、店舗の形態としては特定のメーカーを主に取り扱う「取次店」や複数メーカーの製品を扱うが、個人経営など小規模な店舗である、いわゆる「街の電器屋さん」と、複数のメーカーを取り扱い、なおかつ一括大量仕入れによって大量に安く販売する「量販店」の二通りに分かれる。ただし、量販店に関しては家電量販店を参照。

前者は地域密着型のアフターサービスの親切さ・きめ細かさを、後者は価格の安さ・取り扱い商品種類の豊富さをそれぞれセールスポイントとしている。ただ最近は、量販店もアフターサービスの充実に力を入れるようになってきている傾向が見られる。その一環として量販店とフランチャイズ契約を結んでいる街の電器屋さんも存在する。

この他、スーパーマーケットホームセンター、さらにデパートも家電コーナーを設けている店が多いので、これらも「量販店」に含まれる。

その一方で、パソコンやその周辺機器は総合家電メーカーでも製造・発売しているが、これらの製品は量販店や専門店での取り扱いが主体となっており、いわゆる「街の電器屋さん」では扱わないことが多い。ただし、「街の電器屋さん」の業務内容は多岐にわたることも多く、(経営者の世代交代によってなど)取り扱いのあることもあり、問い合わせをしてみなければ、個々の店舗の業務についての判断は難しい。

[編集] 街の電器屋さん

これらの電器店は主に、大衆が家電製品を日常生活の中で一般的に使い始めた高度経済成長期に急速に増えていった。その多くは個人経営の商店だが、各々の家電メーカーはこれらを手厚く保護することで、他業種には類を見ない流通形態が形成されるに至っている。

その一端が、一般にはメーカーの直営店だとすら誤解される「メーカー名を前面に押し出した店の外装」に現れている。これらは、メーカーの宣伝広告費などから出される開店・改装の補助金制度の条件としてメーカーから提供されるもので、これらには、店の屋号と共に、扱う商品のメーカーが一目でわかるようになっている。

古くは1950年代三洋電機が、自社製品の洗濯機を普及(当時はまだ「たらいと洗濯板」という様式が一般的だった)させるため、実演販売を定期的に行ってもらうことを条件に特約契約を結んだ形態が存在する。

本格的な地域電器店ネットワークは1957年、松下電器(現 パナソニック)が「ナショナルショップ」と「ナショナル店会」を発足させたことに始まる(前者はパナソニック製品専門店、後者はパナソニック+他社取扱店。現在はすべて「パナソニックショップ」に統一)。以後パナソニックショップは右肩上がりに急成長し続け、国内最大の地域電器店ネットワークへとのし上がり、他社系列店数を大幅に上回る店舗数を今なお維持している。

個人経営でも経営利益により店舗設備に格差も見られる。店内照明は通りに面した採光性の高い大きなガラス窓などであるが、電気代節約のため、店内照明を日中は控えめにするケースも見受けられる。自動ドアを導入している店もあるが、古くはガラス引き戸が主流で、店舗によっては諸般の事情で自動ドアを導入していない店もある。
営業車は車体に店名・取り扱いメーカー名がペイントされた軽トラックないしワゴン車が使われるが、個人経営の零細店舗では自家用車と共用であるケースも見られないことではない。ただ、個人経営店では経営コストの関係から社用車を置く場合でも、維持コストの安い軽自動車が主流である。

[編集] 爆発的普及

後の196070年代には家電製品が多様化、いわゆる三種の神器に代表される大衆の強い購買意欲の対象となる家電製品が登場するころには、各家電メーカーやその前身の電気機器メーカーはこぞってそれらを発売、激しく競争して全国各地の電器店を支援しながら特約店契約を結ぶことで地域の電化に貢献・メーカーも潤い電器店も繁盛した。

この過程の中で、各メーカーは電器店から得られた「消費者のナマの声」を新製品開発にフィードバックすることで、製品の質向上や取り扱い製品の拡充を行っており、また各々のメーカーはそれぞれ独自色を持たせながらも他メーカーと競合する製品を市場投入したが、各々メーカー側の特約電器店同士が距離的に離れているため、緩やかな販売競争は見られたものの、おおむね共存状態にあった。

この時代を通じて、各々の大手家電メーカーは「一つの家庭が求める全ての家電製品を一通りは作っている」という総合家電メーカー化を果たしている。これにより各々の特約店は安心して一社の総合家電メーカーに依存する形となった。(→電機メーカー

この時代にあっては、日本全国津々浦々…という形容詞通りの状況で、地方農村・漁村や離島にまでさまざまな家電メーカーの名を掲げた「電器屋さん」が見られた。その数は、現在のコンビニエンスストアにも劣らない。一例として、2001年ごろのパナソニック系列の「電器屋さん」とセブンイレブンの店舗数を比べるとまだ圧倒的に「電器屋さん」の方が多数である。

当時の家電製品は単純な構造をしており、簡単な機構的なトラブル(消耗品の損耗や部品の劣化・破損など)はこの「街の電器屋さん」に持ち込めば、消耗品等は電器店に一定のストックがあったために大概はその場で修理され、必要な部品を取り寄せる場合でも、一週間程度で電器店自らが直していた。なお、どうしても直せないものだけがメーカーに送られ、専門の修理スタッフが対応した。

メーカー各社も、各々の特約店に修理のための技術提供を積極的に行うとともに、これら「街の電器屋さん」に積極的な支援を行うため、各都道府県ごとにサービスステーションや支社の形で出先機関を設けて対応、ほとんど「各電器屋さんの裏庭まで各家電メーカーがバックアップに来ている」という状況を形成していた。定期的に電器店向けに商品説明会(商品の取り扱いから修理に至るまで、全般的に)を行い、各電器店ではさらに契約している家電メーカーとの共存関係にあったが、これと同時にメーカー側はいくら自社で製品を販売する力があっても直営店を設けたりせず、また各々の支社でも直接消費者に製品を販売はしなかった。

[編集] 製品の高度化と電器店の衰退・量販店の勃興

1980年代に入ってくると、次第に家庭向けの電気機器は高度で複雑な物となり、また取り扱う種類も増えたために一介の「街の電器屋さん」では修理はおろか詳細な製品説明すら難しくなった。またテレビゲーム8ビットパソコン8ビット御三家MSX等を参照)・ワープロのような電子機器の市場に総合家電メーカーが興味を持ち始め、ますます「街の電器屋さん」の手に負えない状況となった。

特に、家電普及当初にその多くが開店した「街の電器屋さん」では高齢化も進み、新製品への対応が難しくなった所もあるが、その一方で精密な製品も増え、到底「街の電器屋さんに持っていけば直してくれる」というサービス形態を維持できず、「壊れた家電製品はメーカー修理」が当たり前となってしまった。加えて、専門の技術者による修理では人件費も高く付くため、結果的に「修理に出すと高く付く」という傾向が発生している。

またこの時期には、量販店の走りとも言えるディスカウントストアが増加、雑貨に混じって家電製品も扱うようになり、多少品質的には難のある製品(安価な三流メーカーや海外メーカーのコピー商品や型遅れの旧来製品)を安価で扱うようになると、次第に定価販売が原則の「街の電器屋さん」の市場を侵食していった。ただこの当時、ディスカウントストアで扱われる製品は必ずしもすべての消費者に受け容れられていたわけではなく、品質や性能に難があっても、安売りを狙う消費者のみが利用していた。

1990年代になるとこの傾向はますます加速、海外生産拠点で安い人件費で組み立てられた安価な製品が出回るようになると、修理費と買い替えた時の価格の逆転現象すら発生、さらには家電量販店が出て来たことでますます修理コストのほうが割高となる傾向が顕著となってしまった。

この時代になると「街の電器屋さん」は、もはや消費者にとって「家電メーカーとの取次ぎ」でしかなく、せいぜい「電気製品を家に配達してくれて、設置までしてくれる」という存在にすぎなくなってしまっていた。この状況下では「街の電器屋さん」は魅力を欠き、世代交代が起こりにくくなったため、店主の高齢化を理由に閉店するケースも続発している。地方町村ではこの名残で、さびたシャッターや色あせた看板などが、当時の面影を残している。

[編集] 衰退する店舗と生き残る店舗・支援するメーカー

経営存続の意欲がある系列店の販促支援策は、パナソニックが以前から「変身ショップ」や後述の「スーパープロショップ」、さらにパナソニック エクセルスタッフ松下幸之助商学院による後継者募集・育成や起業相談会などという形で強化してきた。しかし他社はその施策(特に従業員募集と後継者育成)が出遅れ、パナソニックに大きく水を開けられる形となった。よってパナソニックショップの場合は(後継者難などで)閉店する系列店の割合が比較的低いが、他社についてはその割合が(パナソニックショップより)高い。理由はパナソニックの場合「系列店を構造改革しながら量販店市場を拡大」してきたのに対し、他社は「(意欲ある店に対して販促支援をせず)系列店をないがしろにして量販店市場を拡大」してきたため、結局は「”やる気があるなら徹底的に支援する”というパナソニックの長年にわたる施策に支えられた”優秀なパナソニックショップ”」が他社系列店を凌駕する形になったからである。

結果、パナソニックショップは地域電器店で組織する業界団体全国電機商業組合連合会」加盟店の実に7~8割を占める形となった。またパナソニックショップを管轄するパナソニックコンシューマーマーケティングLE社には「不調な他社系列・他業種の小売店から好調なパナソニックショップへ鞍替えしたい」という起業相談が近年急増し、このこともパナソニックショップ以外の他社系列店減少に拍車を掛けている。

[編集] 街の電器屋さん再編成の動き

今も健在する「街の電器屋さん」(四国中央市土居町

一度は家電量販店に追われる形でその役目を終えたかの ように見られていた「街の電器屋さん」だが、1990年代後半から2000年代に掛けて、次第にその様相を変えながら、再び注目を集めるようになってきている。

その一端がホームシアター等に代表される娯楽家電機器の流行に見られる。これら機器は相互に接続して初めてその機能を発揮するが、さまざまなAV機器は非常に多くのコネクターを持ち、その配線は一般の消費者には理解しづらい。また地上デジタル放送対応機器(いわゆる「デジタル家電」)は従来の機器と異なり、接続の他にさまざまな初期設定が必要である(取扱説明書が目的別に分割されていること、新しい専門用語が多数出てくること、さらに従来のアナログ機器にはなかった新しい項目が加わって昔より設定項目が増えたことから、接続や初期設定はアナログ時代と違って素人には年々難しくなっている)。さらに、個々の技量により、可能な業務をパソコンのLAN配線など家電の範疇を超える煩雑な業務まで広げている店舗もある。

このような機器の設置工事では、購入した家電の配送までしか対応しない家電量販店よりも(量販店では設置・接続・初期設定の作業まで依頼すると出張手数料が別にかかることが多い)、地域に密着して信頼のある「街の電器屋さん」に依頼するケースも増え、中高年層を中心に、これを通じて次第に家電量販店から「街の電器屋さん」へと回帰する傾向も見られる。

元々、街の電器屋さんは、さまざまな形態があり、電気工事店としての側面を併せ持つことも多く、中には主要業務がむしろその方面であることも少なくない。経営者ないし従業員もノウハウの差こそあれ、第二種電気工事士の資格を持つ者がほとんどであり、さらにさまざまな資格を持ち、家電の枠に収まらないこともある。特に、ブロードバンド時代となってきたため、BS/CS110/地上デジタル受信可能な機器等では電話回線用モジュラージャックやLAN用10/100BASE等のモジュラージャックがついているため、増設・延長をすることが必要になってきた。既存の回線で分配できる場合は問題ないが、新規でブロードバンドを引く場合や屋内分配をする場合、状況によって工事担任者資格が必要になる。家電量販店では電気工事士の資格は持っていても、工事担任者の資格は持っていない場合が多く、NTTやNTT-MEの下請け等も引き受けている街の電気屋さんに依頼する場合が多い。

この他、高齢化によって余り出かけることのない高齢者宅や核家族化によって高齢者のみの世帯も増え、これらへの細かいケアが可能な「街の電器屋さん」では積極的にこれら消費者の元に出掛けて行き、メンテナンスを通じて信頼関係を築く方法も模索されている。

[編集] 企業・メーカーによる再編成支援の動向

こういった動きを受けてか、一部の家電量販店では「街の電気屋さん」とフランチャイズ契約を結び、さらなる販路の拡大や大型店で販売した商品の細かいアフターケアに充てようとするものも現れるようになった。

さらに電機メーカー各社は、前述したパナソニックの「スーパープロショップ」制を皮切りに、系列店を「売り上げ増に一層意欲的な店舗のみ」に再編する施策を進めている。特にパナソニックは2007年度以降、販売の力点を量販店からパナソニックショップへ移行させ、団塊世代大量退職による新規顧客増に備えると共に、各種工事の注文がパナソニックショップ一カ所でまとめて可能な「ワンストップサービス」の充実も図る。またシャープもこれまでの「フレンドショップ」と呼ばれる自社系列店網を大規模再編して販促のノウハウ等を提供する新たな加盟店組織を発足させ、将来的にシャープ製品販売に積極的な自社系列店を倍増させる計画を発表した(2007年11月16日金曜日、全国の地方紙朝刊記事で一斉報道)。東芝ストアー日立チェーンストールなど他社の系列店数が全国で1万店未満なのに対し、パナソニックショップは店舗数が全国で1万8千店という日本最大の地域電器店ネットワークを誇っていることから、パナソニック側はこの長所を最大限に活かして今後の売り上げ増への足がかりとする計画である。同業他社もパナソニックの動きに追随する形で、遅まきながら系列店への販促支援を強化している。しかしパナソニック以外の他社では、後継者育成や従業員募集に未だ消極的である[1]

少子高齢化時代を肯定的に「良きビジネスチャンス」ととらえて売り上げを倍増させる店と、後継者難・売り上げ大幅減から痛んだ看板交換・店内改装等の費用の捻出ができずに廃業する店との二極化が顕著である。売り上げの多い店は店内外の装飾・宣伝用幟を季節ごとに変更したり、さらに色あせ・破損が生じた看板交換等の各種費用が自店売り上げの中から捻出可能だが、逆に売り上げ不振かつ後継者難の店は、赤字で看板交換等の費用が自店の売り上げのみでは捻出し難いこともあってか、色あせ・破損した看板やショーウィンドー、売れ残っている数年前の旧商品等が交換・売却等されずに放置・店ざらしされている傾向にある。

[編集] リサイクルと電器店

日本では、2000年代にテレビブラウン管式)・エアコン冷蔵庫洗濯機パソコンを買換や引越などで廃棄処分する際は家電全般の家電リサイクル法やパソコンの資源リサイクル法の規定により、使用済み商品の再資源化、運搬、引き取りなどの諸費用(の一部)をユーザーがメーカーあるいは電器店に支払うことになっている。なお費用はメーカーや店舗により異なる。

これらは日本国内で1980年代以降、家電製品が「修理に出すより買い替えた方が安く付く」や「製品の陳腐化(旧態化)が激しく、壊れる頃が買い替え時」といった風潮から大量の家電製品が大量生産大量消費されていたことがごみ問題を招いた所に負う部分が大きい。同法施行直前に駆け込み需要が見られたものの、施行後は一般家電の売上げ微減傾向も見られる。

[編集] セールス用カタログについて

電機メーカー各社では、顧客への営業・販促活動用として伝票(ポケット)サイズの「セールス用カタログ」を発行している。これは一般客向けのカタログやチラシとは異なり、一般客(部外者)が店外へ持ち出すことは禁止されている(店内閲覧のみに限定)他、問い合わせの際のPOSコードや部材製造元の連絡先が詳しく掲載されている。

[編集] セールス用カタログを発行している電機メーカー

[編集] 特選品カタログについて

電機メーカー各社では、旬の新製品情報をまとめて掲載した「特選品カタログ」を発行し、季節ごとに行う展示会開催時に顧客へ配付している。なおこのカタログは各メーカーの系列電器店にのみ置かれ、量販店には置かれていない。

[編集] 特選品カタログを発行しているメーカー

  • パナソニック(パナソニックのおみせ)
  • 日立製作所(ふぁみーゆ)→石油暖房機器はトヨトミ製品、ドアホンアイホン製品を掲載。
  • 三洋電機(三洋特選品カタログ「スマイるコレクション」)
  • 東芝(For Lifeカタログ)

[編集] 街の電器屋さんと家電量販店の長所・短所

[編集] 街の電器屋さん

■長所

  • (修理・取付工事などへは顧客の都合に合わせて)電話1本ですぐ来てくれるので順番待ちがなく小回りが利き、簡単な修理はその場ですぐにしてくれる(自店で取り扱うメーカー以外の他社製品や他店購入製品修理も受付)。
  • 店に足を運ぶのが難しい高齢者や遠方在住顧客の場合、小型商品や消耗品の配送・出張修理もしてくれる(ユーザー自身による持ち帰りにするか各家庭まで配送するかは顧客の都合などに応じて判断)。
  • 高い技術力と豊富な商品知識があり、素人に難しい作業(デジタル家電の接続や初期設定・アンテナ工事・各種配線工事など)も気軽にすぐしてくれる(電気ガス水道電話などの各種工事や家電修理などの国家資格・業界団体認定資格を有する従業員がいるため)。
  • 「家電のホームドクター」として顧客1軒1軒の道順・家の間取り・家族構成・使用している電化製品などの状況を把握している(配送のみならず取付工事・修理は顧客の家の中に上がって行うことが多く、また顧客一人ひとりの情報を台帳や名簿に整理・登録しているから。さらに常連の顧客宅までの道順を覚えているので、顧客がスタッフに道順を教える必要はない)。そのため顧客の生活スタイルに合わせての商品提案が可能。つまりは、潜在的ニーズ、顧客自身の気付いていない好みをくみ取り、顧客のその場での「安いものが欲しい」「シンプルなもの」といった表面的な言葉に惑わされず、本当に顧客の満足するものを提案できる。
    • 例えばエアコンの機種選定の場合、部屋の間取り、広さ、窓の向き大きさ、熱源の有無、顧客がその部屋をどのような使い方をしているか等を把握できているため、プロの目から見て最適な機種をアドバイスできる。(よく使う部屋には省エネタイプを、あまり使わない部屋には安価な機種を提案、台所など熱源のある部屋、日当たりの強い部屋、人がよく集まる部屋等にはワンランク能力の高い機種を提案等、量販店の場合販売スタッフが顧客宅へ直接訪問することはまずありえないのでこのような提案は不可能。顧客の素人判断による機種選定でエアコンが効きにくい等の事態が発生しやすい。)
    • さらに商品販売後もアフターサービスなどの面で顧客との付き合いがあるため、量販店のような手抜き工事がしにくい(地域電器店は商品を売り、客から代金をもらった後でも仕事に決して終わりはない)。
      • 例えば既設住宅で電気・アンテナ配線工事を行う際(エアコン・テレビなど)は壁の間や天井、床下に配線を通し、できるだけ配線が見えないように工事を行ってくれる(このような工事は時間と手間がかかるため、量販店に頼むと断られるか、すべて露出配線で行われる。)
        • TVやデジタル家電のアンテナ配線工事の場合、購入製品や各家庭によって用意する部品数や工事代金に違いが生じるため、顧客宅内の状況を把握している地域電器店のほうが各家庭の事情に合った部品を顧客の要望に応じて用意できる。また屋根にアンテナ本体を据え付ける場合は家屋の構造に合った長さのハシゴが必要となる為、各顧客の家屋構造を把握している地域電器店のほうが工事を円滑に行いやすい。
  • 各店独自の方法で地域密着型の商売ができる。
  • 大半が個人経営の店であるため転勤がなく、顧客や地域と息の長い付き合いができ、お互い顔なじみになれる(本店以外で別地域に支店を展開している店もあるが、範囲は量販店より狭く、支店は本店経営者の子息・親類が単身赴任という形で切り盛りするケースが多い。また大型商品の配送・設置工事を行う場合は本店従業員も応援要員として支店に派遣されることが多い)。
  • ちょっとした工事や診断(不良箇所の簡単な修理、地デジ環境診断など)を頼む場合、量販店では出張手数料が発生するが、地域電器店は無料で行ってくれる(ただし部品交換を伴った場合は別途部品代が必要)。
  • 電化製品についての素朴な疑問・質問にじっくりわかりやすく答えてくれ、さらにデジタル家電などの操作方法をユーザーが完全に理解するまで根気強く教えてくれる(出張サービスもあり)。
  • 新築・増改築(リフォーム)の相談にも気軽に応じてくれる(系列の住宅メーカー取次店であることが多いため)。
  • 顧客が遠隔地に転居するため、これまで付き合ってきた店からのサービスが受けられなくなる場合、転居先にある系列優良店を紹介してくれる(近年は電機メーカー各社がそれぞれの系列小売店をインターネット上で紹介)。
  • 故障部分に関わらず、何度でも使える長期保証を行ってくれる。
    • パナソニック系列店(パナソニックショップ)の場合、長期保証(パナ安心カード)に加入して年会費を支払えば、電気店で購入したナショナル・パナソニック製長期保証対象商品において、その期間内(5年以内)であれば故障部分を問わず何度でも無償で修理してくれる。(ただし対象外商品、DVDレコーダーのHDD部分(別契約にて対応)、パナソニック以外の他社製品、定期的に交換が必要なエアコンの空清フィルター等の消耗品、他店購入品、長期保証加入前の購入品は対象外。また年間修理金額が40万円を超えた場合は超過金額は有料、保証期間中に長期保証を解約した場合は購入5年以内であってもその時点で保証期間終了になる。)
  • リコール商品などの対応が迅速に行える。
    • 前述の通り、普段から顧客との接点が多いことと、一見客の場合でも大物(高額)商品を購入した場合は顧客名簿を作成しているので、ユーザー自身がメーカーに直接問い合わせなくても店側でリコール対象商品を販売した顧客を迅速に把握出来る。また国家資格を有していたり、メーカー・業界団体実施の講習会を定期的に受講しているため、製品知識の豊富な販売店自身が点検サービスを実施でき、メーカーサービスマンの順番待ちがない。
  • さらに、水回り、PC関連、車関連、電話関連、ガス器具、宅配便、一軒屋の新築、改築などなど、街の電器店の範疇に収まらない業務を普通にこなしている店舗も多い、そして、地域の他の専門店とのパイプも当然あるために、まずは相談してみることが必要である。顧客が知らなかった業務があることは多いだろう。
  • 洗濯機炊飯器などの)生活必需製品を修理に出した時、その期間中予備品がない場合は(顧客の要望に応じて)店側が代替製品を無料で貸し出してくれる。また顧客から緊急の修理依頼があれば、営業時間外(店を閉めている時間帯)や店休日(定休日・ゴールデンウィーク・お盆・年末年始等)であっても代替品を貸し出してくれたり、依頼主を訪問する場合もある。

■短所

  • 販売価格が高い。(量販店系チェーンの場合、基本的な販売価格は直営店と同等だが、メーカー協賛セールなど特殊なセールを行わないため、この傾向はある)
  • 店内が狭いため全ての製品を店頭展示できるとは限らず、品揃えも少ない。(量販店系チェーンの場合、POSに登録されている商品であれば取り寄せは可能だが、取り寄せには数日~数週間かかる)。ただし、店頭展示は確かに少ないが、注文可能な商品は、卸会社側の努力もあり、国内メーカーであれば、量販店系チェーンに限らず、家電製品はほとんどが取り寄せ可能となっている。さらに、水回りやPC関連などなど、店によっては取り扱いをさらに増していることもある。
  • 卸会社も生き残りがかかっているために、在庫がギリギリになっているケースが多いことから商品確保が難しく、希望の商品がすぐに届かないこともある。
  • 取扱メーカーが偏っている(各メーカーの系列店チェーンであるため)。
  • 系列外のメーカーによっては、部品の取り寄せに時間がかかることや商品の情報量の差などによって、修理業務にも偏りがある。
  • 電話帳タウンページ)にはその店がどのメーカーの商品を取り扱っているのか一目で分かる広告掲載をしている店が少ないため、その店がどのメーカーの系列店なのかは実際に街を歩いて自分の目で看板を確認する必要がある場合が多い。
  • それぞれの経営者・従業員の力量により、可能な業務に差異が大きい。
  • 一人の従業員が全ての商品を勉強しなければいけないため、商品知識に偏りがある場合がある。
  • 経営者や従業員の病気・怪我等といった不測の事態により、業務がこなせなくなることがある。
  • 訪問販売をされることがある。(ただし本当に顧客のためになる商品を薦めてくれるケースが多い。)
  • 大半が個人経営の店であるためスタッフの人数が少なく、人件費が限られることから従業員を量販店のように多くは雇えない。
  • 来客用駐車スペースが狭いため、駐められる台数は大幅に限られる(営業車の保管場所には近隣の月極駐車場を借りる場合が多い、特に都市部。)。
  • 店舗の規模などから広告が少なく、店舗の場所、業務内容等が顧客(主に転入してきた住民)に十分に伝わってこないことがある。
  • 新規顧客にとっては、店舗には直接入りづらいことがある。地域に密着するあまり、顔見知りでない飛び入りの客に対して慣れていなかったり、店舗の中が見えづらいなど、コンビニ等や量販店に比べて敷居が高い感がある。
  • 取扱説明書を店内で自由に閲覧可能としている店は極めて少ない(量販店のように箱から出してファイリングしている店は皆無に近い)。ただし、来店顧客の要望に応じて説明書を見せてくれる場合もある。

[編集] 家電量販店

■長所

  • 大量一括仕入れのため販売価格が安い。さらに配送料無料の製品もある(但し各店指定の大型商品のみ)。
  • 全メーカーの製品を取り扱っている。
  • 店内が広く品揃えが豊富。
  • スタッフの人数が多い(パートアルバイトも含める、また、メーカーの社員が店員として応援に来ていることもある)。
  • 多くは郊外型大型店なので来客用駐車スペースが広く、駐車できる台数も多い。
  • 上位企業では北海道から沖縄まで全国隅々に店舗を展開(全国チェーン)している。
  • 入りやすい。駐車場も広く、心理的にも何気なく入りやすく、店員が後をついてくることもない。自由に歩き回ることもしやすい。そのように店舗を構成し、店員も教育されているようである。
  • 店舗によっては取扱説明書を店内で自由に閲覧可能(箱から出してファイリングしている)。

■短所

  • (修理・取付工事にすぐ来てくれるなど)アフターサービスが隅々まで行き届いているとは限らない(「家電修理技術者」という肩書きの国家資格を有する従業員が量販店にはいないことが多いため、修理はメーカーに返送して各メーカーの修理部門へ丸投げする。このため完了までに日数を要し、往復送料が別に加算されることがある。また出張修理は冷蔵庫やテレビ受像機など大型商品に限定され、小型商品についてはユーザー自身で店頭に持ち込むのが基本)。
  • 全国チェーンのため転勤が多く、担当者が短期間で変わるため顔なじみの店員・顧客ができず、地域密着性に欠ける。
  • お年寄りや身体の不自由な人には店内がかなり広く感じられ、歩き回るのに苦労する。
  • 配送は大型商品に限定され、玄関口までとなるケースが多い(基本的にユーザー自身で持ち帰り、配送依頼の場合は別途送料が発生。家の中に上がって取付・設定などを行うことが少ない)。さらにデジタル家電パソコンの接続・設置や初期設定作業はユーザー任せとなるケースが多く、店員が出張してこれら作業を行う場合は電器店と比べて高額な出張手数料が別に加算されることがある。(設定作業料も含めると電器店で購入する方が安上がりな場合もある。)
  • 長期保証などを謳っていても、一回利用すると保証終了や年数が経過する度に保証金額が減額される、期間内に何度も修理可能と謳っていても消耗部品は適用外(消耗部品がどの部分なのか具体的に明記されていない場合が多い。)など、顧客が誤解しやすい長期保証制度を謳っていることが多い。
  • 店員が多数の来店客に対応するため顧客とじっくり話し合う時間が限られる。
  • デジタル家電パソコンの操作は、ユーザーが取扱説明書(マニュアル)を読んで自ら習得するのが原則で、従業員が出張して操作方法を教えてくれるサービスはない。
  • リコール商品が発生した場合に迅速な対応が行えない、あるいはユーザー自身が直接メーカーへ問い合わせしなければならない。
    • (販売台数が多く、そのうえ顧客管理を行っていないため販売した顧客を把握できない。)
    • パナソニックが起こした石油温風機事故の未回収台数のほとんどは、量販店で販売されたものである。
  • 修理期間中予備品がない場合でも、地域電器店のように無料で代替品を顧客に貸し出すサービスはない(ある場合でも、レンタル・リース料が別途発生する場合が多い)。
  • 出張修理を依頼する場合、依頼主へ初訪問するスタッフに対しては道順等をわかりやすく教えなければならない(地域電器店のスタッフは修理・取り付け等で常連の顧客宅を何度も訪問するので、依頼主が道順を教える必要はない)。

[編集] 補足

  • 価格については、一部の商品において量販店の方が明らかに高い価格を提示している場合もある。多く目にするのは白物と呼ばれる冷蔵庫や洗濯機などの新製品である。また、給湯器などは、定価が非常に高く設定されており、工事を伴い、さらに光熱費が安くなることも手伝って分かりづらいため、安くしていないケースがある。
  • また、電機メーカー自身も差別化を行う傾向にあり、量販店用と街の電器屋さん(電器専門店)用、さらに工事専門店用(設備系)に別々の商品を用意したり、同一の商品でも異なる型番を記す傾向がある。
  • 街の電器屋さんは、取扱商品が単一メーカーのみと思われがちだが、実際は偏っているものの、多くは、国内メーカーのほとんどと取引できるようにしているケースが多い。それは、多数のメーカーと取引している卸会社が各地に存在しているという背景がある。さらに大手の電機メーカーでは、他社商品を修理するためや、部品を供給するためのルート、CDやDVD、パソコン周辺機器等を注文できるルート、電話会社等と取引するためのルートなど、さまざまな仕入れルートを街の電器屋さんのために用意しているケースもある。また、個別にさまざまなメーカー、卸会社と契約を交わすことも多い。
  • 近年は顧客名簿を取捨選択し(積極的に製品を購入したり店に足しげく通う客のみに絞り込み)、一軒一軒よりきめ細かいサービスが提供できるようにしている店もある。
  • 低価格を謳っている量販店の場合、店頭表示価格に各種付帯サービス(出張・配送・設置工事・初期設定・使用済み家電リサイクル等の)料金は含まれていない(よってその費用は商品代とは別に発生)。これに対し地域電器店の店頭表示価格は量販店より高いが、実はその中に各種付帯サービス料金が含まれている。このため、地域電器店では大型商品やデジタル家電の配送・設置工事・出張初期設定等を無料で請け負い、商品代以外の付帯サービス料金が別途発生することはない(但し部品交換・使用済み家電リサイクル費用は法律に基づき別途発生。またパナソニックプラズマTV「TH-103PZ600」購入時の場合、特殊仕様であることから量販店・地域店問わず、配送・設置工事・各種出張代が商品代とは別に発生)。

[編集] 店舗チェーン

[編集] 主な「街の電器屋さん」チェーン(五十音順)

[編集] メーカー系列のチェーン

[編集] 量販店系列のチェーン

[編集] その他のチェーン(地域店FC)

※なお「全国電機商業組合連合会」という業界団体があり(本部:東京都文京区)、全国の「街の電器屋さん」の殆どがこの組合に加盟している。

[編集] 街の電器屋さんが開催する展示会

街の電器屋さんでは年に数回、地区ごとに展示会を開催して、旬の電化製品を通常期より大幅に安い価格で提供している他、来場記念品や成約記念品も用意している(来場の際、事前に特約店から配布された招待状の提示が必要)。なお展示会の開催方式は、ホールなどを借りて行う「合同展示会」と、各店で個別に開催する方式の二通りがある(前者は、スペースの都合でふだん自店に展示できない大型製品も展示できる)。

  • 主な展示会の名称
    • パナソニックフェア(パナソニックショップ)
    • 東芝とびっきり大市(東芝ストアー)
    • きになる日立の気になるフェア(日立チェーンストール)

以上のメーカーはTV・ラジオCMで展示会のお知らせが流れているが、三菱電機ストアーの場合は合同展示会は行うものの、特定の名称はなくCMも流されない。三洋電機系列店の場合は、春・秋にチェーン単位で合同展示会が行われることが多い。しかし、シャープソニービクターの各系列店では現在上記のような新製品展示会を実施していない。

なお展示会の開催にはさまざまな費用(来場・成約記念品・店内装飾・販促カタログやチラシの準備・合展の場合は会場事前予約等)が発生するため、売り上げが落ち込んでいる店舗はこの展示会参加を辞退することが多い。全国的に量販店との競争激化や経営者の高齢化・後継者難によりこのような新製品展示会に参加する地域電器店は減少傾向に歯止めがかからない状態となっている。さらに合展の会場選定は集客、参加店数、製品の契約及び売り上げ状況・実績、他団体との兼ね合い、使用料等を考慮しなければならないので非常に難しい。

[編集] 主な家電量販店チェーン

[編集] 主なネット販売店

[編集] 脚注

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  1. ^ 2007年4月5日付、日刊工業新聞1面及び7面の記事

[編集] 関連項目