テレビゲーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
Vg icon.svg

テレビゲーム: Console gameVideo game)は、主に一般消費者向けコンピューターゲーム家庭用ゲーム)機器(家庭用ゲーム機)とゲームソフトを使用したゲーム遊び)である。テレビ受像機ディスプレイとして使うことから日本ではこう呼ばれており和製英語である[1]。広義にはゲームセンターに設置されたアーケードゲーム携帯型ゲームなどテレビを用いないゲームも「テレビゲーム」に含むこともある。

携帯型ゲームとの区別を図るため、その様態から俗に据え置き型ゲーム、テレビゲームと携帯型ゲームを合わせてコンシューマーゲームコンソールゲーム)と総称することもある。

ビデオゲームと呼ばれる場合は、こちらはディスプレイをテレビに限定しないため、英語での定義と同じく、業務用ゲーム(アーケードゲーム)、PCゲームなども含まれる。なお、ビデオゲームの語はかつてはアーケードゲームと同義で使われていたことも多かった(エレメカマイコンBASICマガジンのVIDEO GAME GRAFFITIのコーナー等)。

略歴[編集]

一般に「テレビゲーム」とは、テレビ受像機をディスプレイとして利用するタイプのコンピュータゲームで、家庭への普及を主とするゲーム機に対する一般名称である。

本来「テレビゲーム」とは、1980年に前後して発売されたワイヤードロジック(電子回路によりゲームを表現する)のゲーム機を指していた。この時代の製品はICで構成され、提供できるゲーム内容はゲーム機によって固定されており、内部の回路をスイッチで切り替え複数のゲームを提供するものもあったが、ハードウェアも固定である。例えば専用のコントローラは本体とは不可分であり、交換は考慮されていなかった。この辺りの事情は同世代の携帯型ゲーム、いわゆる電子ゲームでも同様である。

電子回路によってゲームを表現することは、確認できる最古のものとしては1957年10月にブルックヘブン国立研究所ウィリアム・ヒギンボーサムが一般公開向けの展示物としてオシロスコープを利用した「電子的」(アナログコンピュータを演算装置とした)なテニスゲーム『Tennis for Two』を提供したことに始まるが、これは翌年の展示でも大人気を博すものの、その後機材が他用途に利用されることになったため、後に続かなかった。この「電子回路によってゲームを構成する」という様式は、マグナボックス1972年に発表した家庭用ゲーム機『オデッセイ』も同様で、やがてそれは雨後の筍のように様々なメーカーから類似する多種多様な製品がリリースされるに至っている。なお1972年11月にアタリからリリースされ商業的に成功を収めた『ポン』(バーやカフェなどに設置された)でも、基本的にワイヤードロジックでゲームを表現していた。

後にマイクロプロセッサが取り入れられ、ソフトウェアによってゲーム内容が差し替えられるAtari VCSや、日本でのカセットビジョンファミリーコンピュータが発売されると、汎用型のCPUを搭載してゲームソフトを外部からロムカセット光ディスクで供給するタイプのゲーム機が「テレビゲーム」の主流となった。ハードウェア面では汎用のコントローラが用意されているほか、特定のゲームソフトに特化したコントローラやその他の周辺機器が外付けできるようになった。

共通する特徴[編集]

RCA端子の接続端子:コンポジット映像信号およびステレオ音声用RCA接続端子(上)と機器側のRCAプラグ(下)

初期のテレビゲームでは、映像をテレビに映すためにRF接続を利用した。これはテレビゲームが登場した当時、ビデオ端子等の外部映像・音声入力端子を持つテレビ受像機は普及していなかったためである。特にファミコン普及時には家電メーカー発売のカラーテレビはラインナップが非常に豊富であり画面が14型などの安価なテレビだと赤外線リモコンが搭載されてもビデオ端子は搭載されないといった廉価機も多く1980年代後半まではRF接続が一般的であった。アンテナ線との信号混信を防ぐ意図から、切り替えボックスを使用しての接続だった。音声もVHF信号に乗せられていた。

この接続方法はRCA端子に比べるとテレビ受像機の裏で既存配線と差し替えるなど接続がわずらわしく、なおも言えば幼児や児童には解りにくい部分でもあったため、当時は子供がゲームで夢中になって困る場合にはこの接続を(一種の罰として)外して禁止したなどの話も漏れ聞かれた。

なおこのRF出力は、信号レベルがあまり高くないことから滲み・チラツキ・混信が起こりやすかった。1990年代からビデオ入力端子付きのテレビが普及してくると次第にテレビゲームもビデオ出力端子を持つようになったためRF出力は次第に使われなくなり、接続が容易で高画質・高音質を実現できるRCA端子が主流となった。しかし周辺機器によってRF出力をサポートしている機種は2000年代以降にも存在している。

今日のテレビゲーム[編集]

2009年現在、世界市場を持つ代表的な家庭用ゲーム機コンシューマーゲーム)は任天堂Wiiソニー・コンピュータエンタテインメントPlayStation 3マイクロソフトXbox 360の3社3機種である。次世代機として、Wii UPlayStation 4Xbox Oneが発表された。

家庭用ゲーム機のゲームソフトは対象ユーザー層や機器の特徴の違いから、成人向けゲーム市場とは異なるジャンル・タイトルが発売されているが、全年齢化され移植されることも多々ある。「パッケージ版」以外にも、ネット経由でダウンロード(デジタル配信・ダウンロード販売)する「ダウンロード版」や追加コンテンツとしてダウンロードコンテンツも提供されている。

家庭用ゲーム機以外にも、スマートフォンタブレットといった「スマートデバイス」用ゲームが増加し、ネットワーク上のプラットフォーマーによるIP・IDの争奪が始まった[2]。このようなネットワークへの移行により、情報量・選択肢が増え、自分が時間を消費するに値するものを選択するようになるという点で同じ位置となり、ゲーム・映像・音楽といったボーダーがなくなった[2][3][4]。それに伴い、開発者は変化を楽しむ姿勢が求められるという[5][6][7][8]

世界で「セルフパブリッシング」としてのインディーズ(インディペンデント)が注目されて来ており[9][10][11][12]、日本のインディーズを海外に広げる動きもある[13]。相まって注目されたクラウドファンディングは、ソフトやハード・バーチャルリアリティヘッドマウントディスプレイOculus RiftトレッドミルVirtuix Omni、モーションコントローラ・Kinectといった組み合わせなど[14][15])用のデバイスに活用されている[16]

2013年のインディーズでは「ゲームプレイを可能な限り削ったゲーム」がムーブメントとなり[17]、隙間時間にはまったソーシャルゲームや「プレイ時間ゼロのゲーム」(ゲーミフィケーションゲーム実況)も話題となった[18]

市場規模
2009年の日本ゲーム市場は1兆371億円、日本コンテンツ輸出額はゲームが5064億円で映画(1.0%)やアニメ(1.5%)などの中95.2%を占める[19]。特に規模の大きい市場を持つ地域は日本・北米(アメリカカナダ)・欧州(特にイギリス)であり、これらの地域が世界市場の中心になっている。
ゲームの特徴
遠藤雅伸は日本におけるゲームの特徴として、象形文字表意文字暗黙知から伝わる、お約束の流れがあり、デフォルメ文化と同時に物理演算とは違う物理現象が行われている「ファンタジー物理」を言及[20]。このように、日本のプレイヤーは先入観ではなく様々な価値観を認めていることから、開発者は既存の枠組みを超えたゲームを制作する傾向にあるという[20]
ゲームの開発
ゲーム開発の効率化のための開発環境としてゲームエンジンミドルウェアが使われている[21]。大型タイトル(AAAタイトル)では300人規模にもなるが、エッジの効いた開発をするには、30人までといわれる[21]。時代の流れとして、ゲームの品質は求められているが、AAAゲームスタジオは急激に減少しており、20~30人程度の開発スタジオやインディーズ開発者がメインストリームとなってきている[22]
クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングを利用したゲームも提供されている。セーブオンラインストレージに始まり、Xbox Oneでは一部の処理(物理演算・AI・環境構築など)をクラウドに負担させることができる[23]。また、PlayStationGaikaiやクラウドゲーム機(G-cluster)などによる「クラウドゲーム」も登場している(シンクライアント[24]。従来のゲーム機は5年~7年間、性能が固定化されたが、クラウドゲーム機の場合は、クラウド側で処理するため、そうしたことはなくなる[24]
プロゲーマー
ゲームをすることでお金を稼ぐゲーマーも誕生している(プロ・ゲーマー)。ゲームをスポーツとして扱うeスポーツもあり、特に『League of Legends』はプロスポーツと認定された[25]実況プレイで生活をしているゲーマーもいる[26]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 『テレビゲーム文化論』桝山寛 ISBN 4-06-149573-9
    なお同書によれば、英語圏で"TV game"というとテレビのクイズ番組を指すという。
  2. ^ a b エンターブレインの浜村弘一氏が講演“ゲーム産業の現状と展望<2013年春季>”. ファミ通. エンターブレイン (2013年4月22日). 2013年8月3日閲覧。
  3. ^ 任天堂社長が説く、ヒットゲームの新法則”. 東洋経済新報社 (2013年7月30日). 2013年8月3日閲覧。
  4. ^ CEDEC 2013初日基調講演レポート。インターネットとARが切り開く,変化する 時代における新しいエンターテイメントの姿”. 4Gamer.net. Aetas (2013年8月22日). 2013年9月6日閲覧。
  5. ^ 小野憲史のゲーム時評 : PS4は最後の据え置き型ゲーム機か”. 毎日新聞社 (2013年6月21日). 2013年6月30日閲覧。
  6. ^ サイバーコネクトツー松山洋社長が東京大学で講義”. ファミ通. エンターブレイン (2013年5月28日). 2013年6月30日閲覧。
  7. ^ 東京大学・馬場教授&CC2松山社長 異色の顔合わせによる特別インタビュー!”. ファミ通. エンターブレイン (2013年6月8日). 2013年6月30日閲覧。
  8. ^ 【黒川塾(十)】プレステ生みの親である久夛良木氏と丸山氏が語るエンターテイメントの未来とは”. イード (2013年6月28日). 2013年6月30日閲覧。
  9. ^ Access Accepted第375回:インディーズゲームを取り巻く最近の状況”. 4Gamer.net. Aetas (2013年3月4日). 2013年8月3日閲覧。
  10. ^ 小野憲史のゲーム時評 : 次世代ゲームの鍵を握る「インディーズ」”. 毎日新聞社 (2013年2月27日). 2013年8月3日閲覧。
  11. ^ ゲームは芸術か? 『アウターワールド』のエリック・シャイ氏×上田文人氏×水口哲也氏×寺田克也氏という豪華対談をリポート!”. ファミ通. エンターブレイン (2013年2月18日). 2013年8月3日閲覧。
  12. ^ 盛り上がりみせる自主制作ゲーム・・・関係者による合同座談会で今後の展望について聞いた”. イード (2013年10月22日). 2013年10月27日閲覧。
  13. ^ 「日本のインディーゲームは欧米のような注目を浴びるべき」 日本産インディーゲームを世界に紹介する“ビット・サミット”主催者を直撃!”. ファミ通. エンターブレイン (2013年3月1日). 2013年8月3日閲覧。
  14. ^ Riftと組み合わせると最強のVR環境に! ゲーム世界を自分の足で歩けるデバイス“Omni”が出資募集開始”. ファミ通. エンターブレイン (2013年6月5日). 2013年10月27日閲覧。
  15. ^ Oculus RiftとRazer Hydraの両刀使いで実現したバーチャルリアリティの進化型!? 「HydraDeck: Cover Shooter」のデモが無料公開”. 4Gamer.net. Aetas (2013年7月31日). 2013年8月3日閲覧。
  16. ^ 【完全図解】Kickstarterのススメ。なぜクラウドファンディングはゲームの未来を広げるのか”. 4Gamer.net. Aetas (2013年12月27日). 2013年12月28日閲覧。
  17. ^ Access Accepted第406回:「海外ゲーム通」のゲーマーなら遊んでおきたい,2013年のタイトル10選”. 4Gamer.net. Aetas (2013年12月27日). 2013年12月28日閲覧。
  18. ^ 結局のところ「Minecraft」とは何だったのか? 数々の常識を打ち破ったモンスタータイトルが指し示す,ゲームのこれまでとこれから”. 4Gamer.net. Aetas (2013年12月27日). 2013年12月28日閲覧。
  19. ^ スマホから8Kテレビまで広がったスクリーンメディアとアニメはどう関わっていくのか”. GIGAZINE. OSA (2013年2月6日). 2013年8月3日閲覧。
  20. ^ a b 遠藤雅伸氏が語る日本的ゲーマー、クリエイターの実態とは”. ファミ通. エンターブレイン (2013年6月4日). 2013年6月5日閲覧。
  21. ^ a b 特別対談 ずらり揃った4社の代表が今後のゲームエンジン・ミドルウェアについて語り尽くす!・・・GTMF2013直前インタビュー”. イード (2013年7月14日). 2013年8月3日閲覧。
  22. ^ Unity大前氏が語る「これからのゲーム開発に投資すべき3つのこと」トレンドはコアゲーム? VR?……もうひとつの“次世代”に向けた新たなチャレンジ”. Impress Watch (2013年7月23日). 2013年8月3日閲覧。
  23. ^ 「Xbox Oneは変化を受け入れられるハード」キーパーソンがパネルディスカッションで語る新世代機の可能性”. ファミ通. エンターブレイン (2013年6月3日). 2013年6月5日閲覧。
  24. ^ a b クラウドゲーム時代を先取りする「G-cluster」,それを支える技術とテレビを変えるデバイスが目指す未来を探る”. 4Gamer.net. Aetas (2013年7月27日). 2013年8月3日閲覧。
  25. ^ 米国政府、PCゲームLeague of Legendsをプロスポーツと認定。外国人選手にアスリートビザを発行”. GIGAZINE. OSA (2013年8月19日). 2013年9月6日閲覧。
  26. ^ Access Accepted第379回:ゲームコミュニティの新たな中心になりつつある,ライブ配信サイト”. 4Gamer.net. Aetas (2013年4月8日). 2013年9月6日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

ゲームの影響

外部リンク[編集]