タワーディフェンス

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タワーディフェンス(英:Tower defense)はコンピューターゲームのうち、リアルタイムストラテジーの一種。略式はTD系。日本語では防衛ゲーム防衛系ゲームなどとも呼ばれる。

概要[編集]

自分の領地に侵入してくる敵を倒すことが目的のゲーム。 任意の場所に攻撃キャラクターや施設を配置し、配置された施設やキャラクターは自動で行動を行うことが特徴。

それぞれのゲームによって細部が異なる場合もあるが、基本的にプレイヤーができることはマップのどこに何を配置するかということだけである。しかし、施設やキャラクターを配置するにはコスト(費用やエネルギー)がかかるなど制限がかけられているものがほとんどでその制限の中でやりくりしなければならない。この場合は敵を倒せば費用やエネルギーが補充される物が多い。

ディフェンスRTSの歴史[編集]

タワーディフェンスの原型として1990年の『ランパート』を挙げる見解がある[1]。『ランパート』では敵に対してプレイヤーが手動で狙いをつけ攻撃を行うものであった。

1994年4月にIBM PC3DO向けにクリスタルダイナミックスが発売したザ・ホードがタワー・ディフェンスゲームの嚆矢である。[要出典]

ザ・ホードはファンタジー世界で王様から拝領した領地を、ホードといわれる何でも食べてしまう凶暴なモンスターから守り抜くRTS。 一定時間内に牛や建物、木などを育てていく育成SLGの要素もあり、それで得た金でアーチャーやナイトなどの傭兵を雇い、村人の小屋や牛たちのいる牧場に配置していく。 一定時間が過ぎると見張り小屋からホード軍団の来襲を告げるサイレンが鳴り、配置したナイトやアーチャーたちが領内の人命と財産をディフェンスしていく。 来襲間はプレーヤーが操作できるのは主人公チャンシー卿のみであり、ガードし切れない部位を聖剣グリムスワッカーを振るってホードと戦っていく。 ストーリーを盛り上げるムービーも映画顔負けのSFXを用い、有名俳優を多数起用するなど海外では大変な人気作であった。

日本では日本国内でパソコンが一般的でなかったWindows95以前の作品ということと、国内で不人気だった3DOでの発売ということからほとんど注目されず、その後1996年にセガサターンにも移植されたがその時点では発売から2年たっていた古いゲームということもありあまり注目されなかった。 また、ディフェンス中心のRTSというアイデア自体が斬新であったため、本作の最大の特徴であるタワーディフェンス要素は日本国内では理解されず、古くからあり理解されやすかった領地内の家畜を育てる育成SLGとしての要素が注目され、少し毛色の変わったアクションSLGとして認知されていた。

その後、1997年にBungie Softwareが発表したRTSのMyth: The Fallen Lordsの数多くのステージ、ダンジョンキーパーの戦略性にタワーディフェンスゲームの要素が色濃く出るなど、RTSの中にはディフェンス・ゲームの要素が積極的に用いられるようになったが、ザ・ホードのような純然たるディフェンスゲームそのものは場合によっては単調になりがちなことからさほど出ることもなかった。 しかし、この独特のゲーム性は一部で非常に注目され、後に『ウォークラフト III』や『スタークラフト』の自作マップ等で同様のディフェンスゲームが多数作られることで少しずつジャンルとして確立されていった。

2006年にRoman Sanine作のTowerDefenseTDが登場し、ジャンルとしての基礎が出来上がり、2007年初頭頃よりそれらをモデルとして製作されたFlashゲーム『Flash Element TD』や『Desktop Tower Defense』などがヒットし、類似作品が多数生まれジャンルとして確立した。 2007年12月に早くも商用作品(PixelJunk MONSTERS)がリリースされている。

亜種が相当数作成されているが、特定の場所にのみユニットを配置できる通路侵入型(TowerDefense等)と、自由にユニットを配置できる自由配置型(Desktop Tower Defense等)とに大別できる。

遊び手順[編集]

作品ごとに違いはあるものの、基本的な手順は以下の通りとなっている。

  1. プレイヤーは開始前に与えられた所持金を元に、敵を攻撃するユニットを設置する。
  2. ゲームはWave(ウェーブ)という単位で行われる。基本的には1つのWaveで登場する敵の種類は1種類のみとなっている。Waveが始まると敵は入口から登場し、目的地に向かって行進する。プレイヤーが設置したユニットは攻撃可能範囲に入ると自動的に攻撃を行う。
  3. 1Waveの敵を全て殲滅させるとWaveクリアとなる。プレイヤーは次のWaveが始まるまでにユニットの増強(新設・アップグレード・売却など)を行う。
  4. 以上の2と3を繰り返して行う。
  5. 敵が目的地に到達すると、自分が所持しているライフが減少する。全て失うとゲームオーバーとなる。
  6. ライフをすべて失う前に、最終Waveの敵を全て殲滅させることができればクリアとなる。

種類[編集]

以上の基本的なシステムさえあればタワーディフェンスとみなされるため、作品によってはそれ以外の特殊なルールが設定されていることが多い。以下は多くの作品で採用されているメジャーなルールのみ表記する。

自由配置型と通路侵入型
自由配置型
敵の入り口と目的地のみ定められており、ユニットの設置個所は敵のルートを完全にふさがない限り全てプレイヤーに委ねられているシステム。敵はユニットの攻撃範囲を避けつつ、最短距離で目的地に向かおうとするため、プレイヤーはできるかぎり遠回りさせて目的地到達までの時間を延ばすような配置をしなければならない。
通路侵入型
モンスターが一定の通路を通って侵入するタイプ。多くのタワーディフェンスが採用している。ユニットは通路の外であればどこでもいいタイプと設置場所も制限されているタイプがある。通路を考える必要はないが、U字路や曲がり角といった場所に効率よく配置できるかを考えなければならない。
ユニットの特性
ユニットにはそれぞれ特性があり、ダメージの大小、攻撃範囲、攻撃速度といった面でそれぞれバラツキがあるため、それらを加味した上で配置しなければならない。さらに特殊効果としてスロー(敵の移動速度低下)、スタン(一定時間敵の動きを止める)、スリップダメージ(徐々に敵の耐久力が減少する)、エリアブラスト(範囲攻撃)、サポート(自らは攻撃せず、付近に設置したユニットの能力を上げる)などの特殊ユニットも存在している。
アップグレード
ユニットはアップグレードでき、所持金を消費することで性能が上がったユニットにすることができる。攻撃力・攻撃範囲・攻撃速度の上昇が主だが、上記の特殊能力が付加される場合もある。また、複数のユニットを組み合わせてさらに強力なユニットを作ることができる作品も存在する。
敵の特性
多くのゲームでは敵にも特性があり、耐久力、移動速度、状態異常が効くかどうか等、様々な特性が存在する。また、一部のゲームでは敵のタイプが地上と空中の2種類に分かれていることがあり、敵のタイプに対応するユニットでしか攻撃することができない。ゲームによっては、空中タイプの敵が通路や砲台を無視して移動するものも存在する。
タイムストップとノンストップ
タイムストップ方式ではWave間ではプレー時間が止まる。プレイヤーが開始しない限り敵は侵攻を始めないためゆっくりと策を考えることができる。一方、ノンストップ方式ではゲーム開始から一切時間が止まらずに行われる。そのため、Wave間の増強もできる限り速く行わなければならない。
Waveボーナス
一部作品ではWaveクリアごとに、現在の所持金の一定割合がボーナスとして加算される。当然所持金が多いほど有利なため、高難易度では「ギリギリ到達されない最低限度の戦力」を作り、できるかぎりWaveボーナス支給額を上げるといったプレーが要求される。
スキルシステム
作品によってはスキルシステムが搭載されている場合がある。ステージクリア数やステージクリア時のスコアに応じてスキルポイントを獲得、それを割り振ることで永続的にユニットの能力を底上げすることができる。一部作品ではスキルの再分割も可能な場合もあり、挑戦するステージに応じた割り振り方を考慮することも求められる。

主な作品[編集]

商業作品[編集]


脚注[編集]

  1. ^ Mitchell, Luke (2008年6月22日). “Tower Defense: Bringing the genre back”. PALGN. 2014年2月1日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年12月24日閲覧。

外部リンク[編集]