Mod (コンピュータゲーム)

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MODモッドModification)とは、主にパソコンゲーム用の改造データのこと。英語ではaddon(アドオン、付け足すの意)、日本語では改造データと称される事もある。似ているがチートとは区別される場合がある。

あるゲームのグラフィックや様々なデータを改造するプログラムやファイルのこと。MODを導入することによってそのゲームをModificationし、そのゲームのグラフィックエンジンや物理エンジンなどの基本システムを用いつつ、本編とは別のシナリオやグラフィック、モデル、システムで遊べるようになる。単にMOD、或いはAddonと呼ばれるものの場合、大抵は有志(そのゲームのファン)ベースで制作されるものを意味する。MOD制作者は作りたいMODの目的に応じて3Dグラフィック制作ソフト、ペイントソフト、スクリプトを組むためのテキストソフトなどを活用し、目的のMODを作っていく。

MODでできることは後述するMODの種類及び適用例で示す通り多岐に及ぶ。既存のキャラクターやアイテムの外観を変更するもの、新たなキャラクターやアイテムを追加するもの、音を変更するもの、ゲーム内の環境光の設定を変えてグラフィックのリアルさを高めるもの、スクリプトで新たな機能を付加するもの、マップを大幅に変更するもの、ゲームそのものを全く作り変えるものまで様々である。

チートとの違い[編集]

チートとの概念上の違いを言えば、チートがゲーム内のデータを改変して難易度を下げるようなものを意味するのに対し、MODは改変するデータ・プログラム全体を指す。つまりゲームの難易度とはそもそも関係のないもの、あるいは逆にゲームの難易度を上げるものなども含み、改変データ全般を意味するのがMODである。またチートはゲームソフトに最初から導入されているものもあるのに対し、MODは外部の有志が制作することを前提としている。よってMODはチート(チートMOD)の上位概念とはなりうるが、逆は成り立たず、また同位概念とも言えない。

例えばアクションゲームにおいて、主人公の体力と防御力を増やすMODがあったとする。これは機能的には間違いなくチートとなる。一方でキャラクターの外観を変えるMODは、それは単に見た目が変わるだけであり、パラメータを変更してプレイヤーに有利になる機能はないのでMODではあるがチートではない。そして単にMODと言った場合、前者のチートMODも後者のキャラクターMODも含むものとなる。この場合、MODはチートMODとキャラMODの上位概念であり、チートMODとキャラMODは同位概念となる。

またあるゲームで、公式の機能としてチートコマンドが入っていた場合。これもまた機能的にはチートではあるが、実装したのは有志ではなくそのゲームを開発したソフトメーカーであり、そもそもMODとはならない。つまり公式チートにとってはMODは上位概念ではなく、MODと公式チートは同位概念でもない。

公式MOD[編集]

有志制作のMODと類似したものとして、メーカーが制作し追加データの商品として発売する「拡張パック」などと呼ばれるものがある。既存のゲームのデータを変更したり、新たな要素を付加すると言う機能的な面を比較すれば、有志制作のMODと基本的には同じ目的を持つ。但しメーカーが制作し頒布しているという点で有志制作のMODとは明確に異なり、短所の項目で述べるような動作保証外によるユーザーの自己責任という問題はない。家庭用ゲームでもお馴染みとなったダウンロードコンテンツもこれに該当する。

これらはメーカーが制作することから、グラフィックエンジンなどの基幹システムさえも本編とは違う場合もあるが、MODと同様に本編のシステムをベースに純粋にシナリオやグラフィックを拡充したものもある。例としてはゴースト・リコンの拡張パックであるデザートシージ、アイランドサンダー、またバトルフィールド1942の拡張パックであるシークレット・ウェポン、ロード・トゥ・ローマ。現在でこそ単体作品としても販売されているが、ハーフライフのOpposing ForceBlue Shiftといったものである。

公式MODには、ゲームメーカーからライセンスを受けた別の会社が制作・販売する物もある。Quakeの公式トータルコンバージョンは1、2あわせて4つ出ているが、製作はid以外の3社である。またマイクロソフト・フライトシミュレーターシリーズでは、機体や空港のデータを改造及び追加するアドオンソフトが多数販売されている。

歴史[編集]

1990年代、海外では開発の難しいFPSのような3Dゲームにおいて、技術力のあるゲームメーカーのゲームエンジンを利用して数多くのMODが作られた。1980年代のようにフロッピーディスクを実際に送る等のシステムでは公開が難しかったが、インターネットの普及により、素人でも自作MODを簡単に公開、配布できるようになったことが普及に拍車をかけた。特に有名なのがDOOMやQuakeのMODである。DOOMの本体自身も当時革新的なインターネットによるダウンロード販売であり、ネットの普及が進んでいた海外においてはMODの公開サイトが多数立ち上げられ、素人の作品から本家を凌ぐ作品、DOOMとは別物にまで変わった優れた作品まで多数表れた。QuakeのMODとしてQuakeをまったく新しいX-Menのゲームに変える「X-Men Quake」、SFアクションに変える「MALICE for QUAKE」など、ゲームそのものを完全に別物に変化させるMODをトータルコンバージョンという。

現在ではゲームソフト自体も、最初からMODも適用できることを前提とした作りになってきている。たとえばQuakeIIIやQuake4はメニュー画面に既にMODの項目が存在する、Half-LifeエンジンやSourceエンジンで動くMODはSteamを通してダウンロードできる。有名な例としてハーフライフのMODであるカウンターストライクや、バトルフィールド1942のMODであるデザートコンバット等があげられる。特にカウンターストライクは、シングルプレー専用であったハーフライフというゲームそのものを変えてしまったMODとして、今でも「奇跡の1品」や「MODのありかたを変えた1品」という言われ方をする。

このように、MODは海外を中心に多数のユーザーによって制作されてきた。だが全てのソフトメーカーがMODを好意的に受け止めているわけではない。ユービーアイソフトは以前からMODに不寛容な事で有名で、人気タイトルでもMODは殆ど存在しない。また以前はMODフレンドリーだった製作会社が方針を変更し、MODに厳しくなる傾向も見られるようになっている。著名なソフトだとコール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2バトルフィールド バッド カンパニー2が該当する。以前は両シリーズ共にMODツールが提供されていたものの、現在ではツールが提供されていない。その上、ファイルに暗号化を施し容易にデータを閲覧することもできなくなっている。

MODの種類[編集]

MODには以下のようなものが多く見られるが、実際にはここの分類に単純に当てはまらないものも多い。いずれにしても既存のものを改造したり、新要素を付加する有志制作のものは全てMODである。

  • グラフィックの変更
3Dモデルやそれに貼り付けるテクスチャ、2Dゲームであれば対象の画像データを変更することによって、登場するキャラクターや様々なオブジェクトの外観を変更するもの。様々なゲームでグラフィックを変更するMODが出ている。
  • キャラクターなどの追加
ゲーム内で使用するキャラクターやアイテム、マップなど、ゲームに新たなデータを付け足すもの。
  • スクリプト
ゲーム内で使えるスクリプトを組み、新たな機能を付加したもの。
  • トータルコンバージョン
ゲームを全体的に変更するもの。
  • 言語
ゲーム自体が適用していない言語に適用させるもの。日本語化されていないゲームに、日本語の字幕や説明を表示させるものなどが当てはまる。
  • オフライン大会用コンフィグ(調節・設定)
コンフィグを持ち込む事が出来ないオフライン大会用に作られたMOD。MOD適応前ではコンソールを出して入力するか、コンフィグと呼ばれる別ファイルを用意しなければ調整できない項目を、メニュー画面上から調整できるようにして競技性(透明性)を高めるものである。QuakeIII:ArenaのCPMA、Quake4のQ4MAX、カウンターストライク1.6のCPLGUIなどが有名。
  • 非公式パッチ
ゲームの不具合を有志が修正した非公式のパッチ。

適用例[編集]

主にユーザーが作るという点から、多数あるMODが玉石混淆であることは否めない。しかし有志により作られた秀逸なものが多数存在し、これを適用することでまるで別のゲームのようになってしまうこともある。

カウンターストライク[編集]

先述の例で言えば、カウンターストライクはもともとハーフライフのMODであった。だが完成度と人気があまりに高かったため、メーカーから正式に後援を受け、後に単品として製品化された。

バトルフィールド[編集]

バトルフィールド1942は第二次世界大戦を舞台にしたゲームだが、デザートコンバットは湾岸戦争イラク戦争をモチーフにするなど、時代設定が変わっている。『Forgotten Hope』では第二次世界大戦内ではあるものの、より高度なリアルさを追求している。但しリアルさを追求するあまり、1GBを超えるような大きいデータとなることもある。

グランド・セフト・オートシリーズ[編集]

グランド・セフト・オートシリーズでは、建物から服装、車に至るまで様々なMODが存在している。ゲームに登場する架空の車を実車にする、服装のテクスチャを変更する、架空の企業の看板を実際のものに変える、町並みを変えたり新たな施設を設置する、銃声やエンジン音をリアルにする、などが可能。これらMODのモデルやテクスチャを導入するには、海外サイトなどから「IMGツール」や「Spark IV」などのデータ改造用ツール類を入手し、それを使用して既存のデータと置き換え、さらにテキストファイルに記述された数値を適切に変更をするといった作業が必要。よって改造にはそれなりの知識を要求される。

また「CLEO3」や「Scripthook」など、有志製作の追加システムを用いることにより更なる機能拡張が可能である。これらはカスタムスクリプトファイル(プログラムのコードを入力したファイル)を導入し、ゲーム本体のみでは不可能な機能を付加するというもの。有志制作のスクリプトを使ってできることは、警察官や救急隊員の仕事をする、緊急自動車の灯火をリアルなものに変更、MOD車両の可動式エアロパーツを実車同様に動かす、速度計の表示など多種多様。導入と稼動にあたっては、スクリプトを動かすための基本的なプログラムの導入、スクリプト毎の動作設定、導入しようとするスクリプトに合致した.NET FrameworkMicrosoft Visual C++インストールなどが必須となっており、やはりそれなりの知識と作業が要求される。

Operation Flashpoint: Cold War Crisis[編集]

Operation Flashpoint: Cold War Crisisでは、ゲームフォルダ内にaddonフォルダが存在し、最初からMODを自由に導入できるようになっている。多数のMODが存在しており、本編では登場しない戦闘車両航空機兵士、武器弾薬、マップ、動物、緊急車両、忍者スターゲイト、宇宙人など種類も豊富。元々ミッションエディタが標準装備なので、このエディタとMODを使うことによって様々なプレイが可能となっており、アメリカの田舎町で、自衛隊サムライが戦っているところに保安官パトカーで駆けつけ、スターゲイトで飛ばされた先で忍者と戦う」なども可能である。

この自由度の高さは後継作品となるArmA: Armed AssaultARMA 2にも引き継がれており、やはり多数のMOD(addonファイル)が製作・頒布されている。

シムシティシリーズ[編集]

シムシティシリーズでは、主に建物や設備などを追加する為にMODが使用されている。例えば現実にある建物をゲーム中で建てられる様にする、道路や鉄道の作りをもっとバラエティの多い物にする、またこのゲームではバス停や地下鉄駅を一個作るだけでもマップの区画を1つ使ってしまう(しかも道路の反対側に逆向きのバス停がなかったり、地下鉄駅の入り口が一カ所しかないなど)という非現実的な内容となっているので、道路とセットになっていて道路上に作れる様にする、実際にありがちな駅の様に鉄道駅とバスターミナル(バス停)が一緒になった建物を作る、高架鉄道を地表に作れる様にして、路面電車やライトレールの様に使用する、あるいは難度を少し下げる為に小型で収容人数の多い建物を作る、などの目的で、MODが使用される事がある。

A列車で行こう7{A-Train7(A◇7)}・A列車で行こう8(A-Train8)[編集]

A列車で行こうシリーズでは、主にメーカーであるARTDiNKが利権関係等でゲームに登場しない車両を追加するために使用される。なお、A列車で行こう7{A-Train7(A◇7)}にはメーカー公式車両追加ソフトウェアである、「A◇7 TRAIN CONSTRUCTION」が発売されているが、「A◇7 TRAIN CONSTRUCTION」には、車両の作成方法が車両のポリゴンデータの塗装の色の指定と、車両データの記述だけで、車両の形状が変更できないため、Modが出回るようになった。なお、ARTDiNKのA列車で行こうシリーズの最新作である、A列車で行こう9(A-Train9)のModは現在、出回っていない。

MODの入手と導入[編集]

MODは国内外のファンサイトで配布されており、それをダウンロードして入手するのが一般的な方法となっている。有志が自由に(勝手に)作ったものであるから、ファイル自体は無料でなければならない。有料で販売されているMOD/Addonは合法的なものであればソフトメーカーのライセンスを得て販売されているものであり、第三者が制作したものであっても概要で述べた公式MODに該当する。

導入方法はゲームによって全く異なる。適用例にもあるが、何らかのツールソフトを使ってデータを書き換えたり付け足すものもあれば、所定のMOD/Addonフォルダにファイルを置くだけで導入できるものもあり、導入方法が一律に決まっているわけではない。またMOD導入の必要条件もあり、特定のバージョンの公式パッチを必要とするもの、そのゲームで使う他のMODを必要とするもの、.NET Frameworkなど外部のプログラムを必要とするもの、メーカー製拡張パックを全部購入していないと当てられないものなどがあるが、これらはゲームやMODによって様々であり一概には言えない。

いずれの場合もゲーム本体及びMOD毎の説明書を読み、適切に実行する必要がある。現在頒布されているMODは海外で作られたものが多く、それらの説明はたいてい英語で書かれている。人気MODであればファンの『まとめサイト』などで、日本語FAQが作られていることも多い。

MODの長所と短所[編集]

有志が制作して配布するMODはユーザー側・販売側双方にとって長所と短所がある。

長所[編集]

ユーザー側から見た場合の長所は、自分好みにゲームをカスタマイズすることで、そのゲームを長期間に渡って多様に遊べることである。例えばARMA 2用のマルチプレイMODであるDayzは、ゾンビが徘徊する島で生き抜くというサバイバルをテーマにしている。ARMA 2自体は軍事シミュレーションFPSであるから、これは全く異なった遊び方をすることになる。この違った遊び方をARMA 2という一本のゲームソフトが担うことは、ARMA 2というソフトを多様に長く遊ぶことに繋がる。

メーカー側から見た長所は、ユーザーに自由な拡張を許すことで飽きさせず長期間人気を持続させることができ、販売のプラス要素になり得ること。先述のDayzを例にとると、そのアカウント登録件数が100万件を超えており、Dayzを遊ぶためにARMA2を購入する人が急増。2009年に発売されたソフトであるにも関わらず、2012年に入ってから30万本〜50万本も販売数が増えた[1]。これは評価の高いMODがあると、そのMODを遊ぶ為にソフトを買う人が出てくる、結果として有志MODが販売促進にも繋がり得るということを示す。

こういったメリットからか、メーカーは自社のゲームを動かす基幹部分(俗にエンジンと呼ばれる)をフル活用させるためにSDKと呼ばれる開発キットをリリースして、有志による開発をサポートすることがある。SDKには実際にマップを設計するためのソフトウェアからサンプルのマップやマップをモデリングするためのドキュメントまで含まれることもあり、場合によってはすべて無料で完結させることも可能な場合もある。

Mod開発環境の提供はユーザー側の利便性や販売だけでなく、ゲームの開発にも良い影響を与えうる。具体例としては、The Elder Scrolls シリーズの開発を手がけたベセスダ・ソフトワークスが、The Elder Scrolls III: MorrowindThe Elder Scrolls IV: OblivionThe Elder Scrolls V: Skyrimの世界やゲームデータ、クエスト等を自由に改造できるThe Elder Scrolls Construction SetというMod開発専用ソフトウェアを無償提供したことが挙げられる。このソフトにより、ユーザが比較的容易にThe Elder Scrollsの世界に自由に手を加えられることを実現。ドイツ人のグループがNehrim:_At_Fate's_Edgeを4年かけて開発したり、Jorge "Oscuro" Salgado による"Oblivion Oscuro's Overhaul (OOO)"といった優れた傑作を生み出すことに繋ったのだが、それだけでなくベセスダ・ソフトワークスにも影響を与えることになった。OOOを開発した Jorge "Oscuro" Salgado氏はFallout: New Vegasのデザイナーとして働いたのだが、このゲームは Obsidian Entertainment英語版 が開発し、ベセスダ・ソフトワークスが販売している 。

短所[編集]

下手にいじれば起動不能と言う事にもなりかねないのはコンピューターソフト改変の常であり、MODもその導入によって起動できない、フリーズやクラッシュしやすくなるなどの問題が生じることがある。またソフトに通常動作外の動作をさせることから、メーカーや購入店補償が効かないのが一般的である。この為、MODの導入の可否やトラブルシューティングなどは全て自己責任で行うというのが、世界共通の前提となっている。

マルチゲームにおいて顕著な問題が、MODのバージョンが合っている人同士でないと対戦できない、という点である。例として、正式にはModではなくプラグインだが、RailSim[2]がある。このRailSim[2]プラグイン[3]を追加することができる鉄道模型シミュレーターである。この、RailSimには、レイアウトデータも公開されることがある。だが、このレイアウトデータを使用するには、そのレイアウトデータに使用されているプラグイン[3]を全て漏れなくインストールする必要がある。でないと、RailSimで起動時にそのプラグインが、既にインストールしてあるプラグインに切り替わるか、最悪の場合、そのレイアウトデータが開けなくなる。また、RailSimにもネットワーク機能[3]がついており、このネットワーク機能を使うにもネットワーク機能を使用するレイアウトに設置されている全てのプラグインをネットワーク機能を介して参加する参加者全員が事前にインストールを済ませておく必要がある。このように、MODを使用してあるソフトウェアをネットワーク上で複数の人と共有する場合、その参加者全員が事前にそのModをインストールしておく必要がでてくる。そして、レイアウトデータもこのため、人気MODのバージョンアップ・ファイルの公開日には、サーバがパンクしてしまうほどダウンロードが集中する。このためにBitTorrent等のP2Pツールで拡散配布、という手段を取る場合も増えている。

MODの制作者とユーザーとの間でトラブルが発生する場合もある。CS:SをCS1.6に近づけようとするプロジェクト(未だにCS1.6に人が多いので、それをCS:Sに取り込む意味もあった) であるCSProMODでは、βキーの配布が10000人以上になったら開始し、配布は3人のみというコミュニティを激怒させる事態を起こした。しかも1.5以前のシステムを組み合わせるというコンセプトから、CS:S以上にCS1.6から遠ざかるという結果になっていて、その点でもコミュニティを激怒させているなど、期待と出来の開きによって製作者側へもダメージが及ぶ可能性がある。

日本においては家庭用ゲーム機がPCゲームより広く普及した為、MODという文化に慣れ親しむ素地が薄い。その為、日本のソフトメーカーがMODを好意的に受け止めていたとしても、サポートの混乱などを懸念しMODに躊躇する傾向がある[4]。si-phon代表取締役の谷村勝一郎によれば、シミュレーションゲーム「空母決戦」の開発にあたりMODによる拡張を考え同業者に相談したものの、MODによってサポートが混乱した経験から止めるよう促されたという。このソフトメーカー側が懸念として抱くものは、日本においてはMODの短所と言えるだろう。

MODの開発[編集]

MOD開発用のツール(マップエディタなど)は、メーカー側が別個に提供する場合(例:バトルフィールド2の『オープンベータMODエディタ』)や、インストール時に同時に添付されている場合がある(例:ゴースト・リコンの『IGOR.exe』)。マップや武器などを編集する場合には、CADのセンスが求められる。DOOM3エンジンの場合はゲームとマップエディターが既に合体しており、コンソールからエディターを呼び出すことが可能である。これによりテストプレイ中に不具合が見つかったとしても、ショートカットキー1発でエディターを起動させて修正する事が可能になっている。The Elder Scrolls シリーズでは、シリーズのうち3作目のThe Elder Scrolls III: Morrowind以降からはThe Elder Scrolls Construction Set というMod開発ツールが別途提供されている。

ツールがない場合には、ユーザーが素材を加工することとなる。具体的には、グラフィックツールでテクスチャ(ポリゴンに貼り付けるパターン)を加工したり、音声ファイルを用意したり、説明文や武器名などのテキストを書き換えたり、といった作業となる。

元のゲーム用ファイルを上書きしてしまわないように、別フォルダに格納され、MOD適用時にはそちらが使われる仕組みが取られているものもある。たとえばQuakeIIIやQuake4はオリジナルのデータ(Q3base/Q4base)と同じ階層にMODフォルダを生成すると、それが自動的に認識され、メニューに登場する。Source系MODは専用のSourceModというフォルダが用意され、MODのファイルはそちらへ格納されるが、本編のデータが必要な時は本編のフォルダを自動的に読みに行くようになっている。他にもUnrealエンジンのMODは.umodと呼ばれるインストーラで、Valve公認MODはSteam経由でDLすると勝手にインストールされ、Steamのゲームランチャーから起動出来る様になるなど、MODフレンドリーなメーカー側の配慮で、コマンドラインを使わずに適用&起動が出来るようになっているMODも多い。

だが近年は、特に大作ゲームにおいてグラフィックの表現力が著しく向上しており、個人レベルのMOD制作チームの開発力では追随が困難になってきている。よってトータルコンバージョンのような大掛かりなものは殆ど無くなってしまった。完成までこぎつける数少ないものも、制作期間が極めて長期に渡るのが常である。

家庭用ゲーム機のMOD[編集]

これまでの家庭用ゲーム機PlayStation 2など)では拡張するプログラムを入れる部分が無いため、そもそもMODが当てられなかった。ハッキングツールを用いてHDDにデータを格納した上で、リバースエンジニアリングによって改変するという手段もあるにはあるが、インストーラや開発環境なども含めてPC版より遥かに困難である。昨今は家庭用ゲーム機にもHDDが搭載されるようになっており、PS3版のUT3ではPC上で作られたMODをユーザーが自由に適用出来るなど、環境も徐々に整備されつつある。ただ適用例で示したゲームもPS3版やXbox360版ではMODの導入ができないなど、PCゲームと比べてMODの利用が困難なのは今でも変らない。

一方で公式MODの項目で述べた通り、ダウンロードコンテンツとして公式のMod/Addonデータが多数販売されるようになり、現在ではメーカーのビジネスモデルの一つとして確立されている。

これらとは別に、家庭用ゲーム機に対しては以下のような改造方法がある。

ハードウェアMOD[編集]

通称MODチップ(モッドチップ、MOD Chip)は、本来できないことをハードウェアレベルで実現するための苦肉の策である。主に流通していたチップは、CD-Rから起動できないようにされている家庭用ゲーム機にワンチップマイコンを付け、あたかも純正のCD-ROMがセットされたように見せかけて、CD-Rでも起動できるようにするというものである。はんだ付け作業を伴うので、普通のユーザーには手が出しにくいものであった(セガサターンの場合は、ドライブと本体のケーブルの間に噛ますタイプであった)。

これは、著作権法的にグレーゾーンに踏み込んだものであったが、1999年10月改正の不正競争防止法著作権法により、法律的に販売・配布することが禁止された。ただし、製造と個人製作までは禁止されていない。しかし、最近のコピーガード無効化MOD Chipは、自作ソフトは動かせるようになるが、違法コピーソフトは動かせないように書かれたファームウェアを使用することで、合法的に販売されているケースがある(しかし、購入したユーザーが、自分で違法コピーソフトを動かせるファームウェアに書き換えるのが暗黙の了解となっている)。詳しくはコピーガードの項を参照。

コピーガードキャンセル以外には、ハードのリージョンコードを切り替えるチップ等が存在する。

ソフトウェアMOD[編集]

物理的な改造を施していないWiiコピーゲームを起動するために、カスタムIOSとBackup LoaderやGeckoなどといったアプリケーションローダが用いられた。これらは、MODのような働きをすることから、「ハードウェアMOD」に対して「ソフトウェアMOD」と呼ばれる。これらは、Wiiに本来備わっている各種著作権保護システム(コピーガード)やソフトウェア実行規制システム(正規のソフトしか実行できない)などを無効化したり、あたかも正規品のディスクが挿入されたように見せかけるというものである。また、Wiiのドライブの読み込み規制を解除する「DVDX」と呼ばれるソフトウェアMODも存在する[5]

ハードウェアMODと同じく、本体のリージョンコードを変更したり、リージョンフリーにしたりするものも存在する。ハードウェアに直接取り付けるタイプのMODよりは導入が非常に簡単だが、ソフトウェアやファームウェアを改変するため、ブリックなどのリスクが付きまとう。

ニンテンドーゲームキューブにおいても無改造キューブでHomebrewやコピーソフトを起動できるローダがかつて発売されており[6]PSOを利用したHomebrew実行環境で吸い出されたディスクイメージをPSO側に転送して実行させるという荒技まで登場した。

脚注[編集]

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参考文献[編集]

関連項目[編集]