ベルトスクロールアクションゲーム

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ベルトスクロールアクションゲームとは、コンピュータゲームの一ジャンルの名称であり、アクションゲームの一種である。省略形でベルトアクションゲームと呼ばれることがある。英語圏でBeat 'em upと呼称されるジャンルについても関連性から後述する。

なお、このジャンルの代表的なゲーム名から「ファイナルファイトタイプ」と呼ばれることも多いが、『ファイナルファイト』の登場以前は「ダブルドラゴンタイプ」と呼ばれていた。

1986年に現れた『熱血硬派くにおくん』によってシステムが確立され、そしてその翌年の『ダブルドラゴン』の登場で決定的なものになった。以後、対戦格闘ブームが始まるまでの約5年間にわたり、ゲーム業界はこのシステムを踏襲しながらこのジャンルの姿形に変化を加えていった。

概要[編集]

斜め上方から見下ろしたゲームフィールド上で敵キャラクターと戦う。プレイヤーは開始時に選択したキャラクターを操作して前方に進んでいき、次々と現れる敵を倒しながらゲームクリアを目指す。

基本的な流れとしては、

  1. プレイヤーが前方に進んでいると敵が登場し、画面のスクロールが固定されてそれ以上先に進めなくなる。
  2. 先に進むには、その状態から規定数の敵を倒す、もしくは敵を全滅させることが必要になる。
  3. 条件を満たすとフィールドのスクロールが可能となり、再び先に進んでいくと新しい敵が現れる。

このパターンを繰り返し、ボスが待つ目的地方向へと進行する。フィールドをベルト(帯)に見立てると、横に長いベルトをひたすら横方向にスクロールさせながら、ゲームを進行させていくということになる。

フィールドがスクロールするアクションゲームシューティングゲームは従来より数多く存在したが、それらのほとんどにおいて、例えば『スーパーマリオブラザーズ』、『魔界村』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のような「水平視点の横スクロールゲーム」では「前後への歩行(X軸)+ジャンプ(Y軸)」、『戦場の狼』のような「斜め上視点の縦スクロールゲーム」では「左右移動(X軸)+上下移動(Y軸)」といったように、プレイヤーキャラクターは2軸のみの移動しかできなかった。

それらに対し、横スクロールゲームでありながらフィールドを斜め上から描写し「前後への歩行(X軸)+左右移動(Z軸)+ジャンプ(Y軸)」という3軸全ての方向への操作を成立させた点が、このジャンルの大きな特徴である。グラフィック上で「斜め上視点の横スクロールゲーム」というだけならば、先に『ハイパーオリンピック』などがあり、『エキサイティングアワー』や『アッポー』などのプロレスゲームの視点、ゲーム性を応用してスクロールアクションに発展させたものだと考えることもできる。

『ダブルドラゴン』や『ファイナルファイト』のブームによって、アーケードゲームのジャンルとして一世を風靡したが、その後の対戦型格闘ゲームの隆盛や、よりリアルな3Dアクションゲームの登場などにより徐々に衰退していった。シンプルで分かりやすいゲーム性から今でも根強いファンが存在するものの、3D全盛の今日ではあまり新作が作られていないジャンルである。

その他の特徴[編集]

はっきりと定義されているわけではないが、その他の漠然とした特徴・共通点として、以下のようなものがある。

  • 基本的に前方への一方通行である。後方への画面スクロールは多少は可能でも、来た道を完全に引き返すことはできない場合が多い。
  • 画面内に登場するキャラクターがある程度大きい。また、余りデフォルメされていない。
  • フィールドは横方向に長大で、上下にはほとんど(あるいは全く)スクロールしない。
  • 多数の敵を相手にした「殴る・蹴る・投げ飛ばす」の近接格闘戦である。そのため、敵を掴んで投げる攻撃がないセガの『エイリアンストーム』やカプコンの『天地を喰らう』などは概念として該当しない。基本的にプレイヤー側は単独(もしくは少数)であるのに対し、敵は多数で同時に襲い掛かってくる場合が多い。
  • 対戦型格闘ゲームのようなガードやヒットバックがないことが多く、一度攻撃を食らうと終わるまで身動きが取れない。その代わり一定回数攻撃を受けると、後ろへ吹っ飛んでダウンし起き上がり時に無敵になるため、このときに脱出が可能となる。
  • キャラクターの攻撃やジャンプで移動する方向は横方向(X軸)に限定され、縦(Y軸)に大きく離れた敵とはお互い攻撃が当らない。
  • 前後から同時に攻撃されると身動きが取れなくなるため、脱出用の必殺技が用意されている場合が多い。
  • 2人同時プレイなどではボスの耐力が上がる。

代表的なゲームソフト[編集]

1980年代[編集]

1990年代[編集]

2000年代[編集]

Beat 'em up[編集]

近接格闘で立ち塞がる相手を倒しながら進むスタイルの横スクロールアクションの英語圏での呼称。ベルトスクロールアクションと違い、奥行き方向への移動を持たないゲームでもこのように呼ばれる。この用法が逆輸入され、ベルトスクロールアクションではない Beat 'em up も「ベルトスクロールアクション」と呼ばれることがある[1]