美食戦隊薔薇野郎

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美食戦隊薔薇野郎
ジャンル ベルトスクロールアクションゲーム
対応機種 スーパーファミコン
開発元 WINDS
発売元 ヴァージンインタラクティブエンターテインメント
人数 1〜2人
メディア ロムカセット
発売日 1995年9月29日
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美食戦隊 薔薇野郎』(ぐるめせんたい ばらやろう)は、ヴァージンインタラクティブエンターテインメントより1995年9月29日に発売されたスーパーファミコンゲームソフト。開発は『超兄貴』シリーズなどを手掛けたWINDSが担当した。

概要[編集]

破天荒な改造人間「薔薇野郎」を操り、悪の組織である「バース」と戦いを繰り広げる内容のベルトスクロールアクションゲームキャッチコピーは「史上最狂の、激うまバトルゲーム」(パッケージ裏面より)。いわゆる『ファイナルファイト』型の格闘アクションで、後述のゲームシステムによりかなり戦略的な作品であるともいえる。

しかし特異な世界観や荒唐無稽なキャラクター、「ポージング」などの意味のないアクションなどからバカゲーに分類されることも多い。ソフトに付属するアンケートハガキの質問項目である「購入のきっかけ」の選択肢の一番目が「間違えた」であることなどもそれを象徴している。

雑誌『ユーズド・ゲームズ』(のちの『GAME SIDE』)内では、1996年の創刊号におけるバカゲー特集を皮切りに幾度か紹介されており、同誌では本作開発の中心的人物である斉藤智晴へのインタビューも掲載された。なお、斉藤は本作にて一部のキャラクターの声優も務めている。斉藤はその後も様々なゲームの個性的なキャラクターデザインを担当したが、2003年滑膜肉腫を発症し2006年に死去している(詳細は当該項目を参照)。

ストーリー[編集]

20XX年、魔天都市ゼウスは第三次世界大戦の炎から奇跡的な復興を遂げた。だが、この都市で生き抜くには己の力とテクノロジー、それとプロテイン(強化食品)が必要だった。やがて、「全てのプロテインと力を我が物に」のスローガンのもと、悪の秘密組織「バース」が生まれた。

バースは日ごとにその勢力を増し、じゅうであらゆる凶悪犯罪が頻発、ゼウスは破滅の危機に瀕していた。

しかしゼウス首脳陣は、秘密裏にあるプロジェクトを進行させていた。それは最強の肉体に最強の科学装甲をまとう強化兵士を作り上げること。そしてついに3人の改造人間が誕生した。

…あまりのきらびやかさ故、彼らを見た首脳陣は顔面蒼白のまま「薔薇野郎…」と口走ったという。果たして薔薇野郎たちはゼウスを救うことができるのだろうか…!?

ゲームの進行[編集]

行く手を阻むバースの人造人間たちを倒し、出現する食材を取得しながら突き進んでいく。ステージの最後にはボスが待ち構えており、これを倒せばステージクリア。ステージをクリアすると「ディナータイム」(詳細は後述)となり、ここで体力の回復を行う。全5ステージで、最終ステージのボスを倒せばエンディングとなる。

ステージ中では時間制限があり、タイマーがゼロになるとそれまで取得した食材が全て無くなってしまうばかりか、それ以降敵を倒しても食材が出なくなる。さらにその際の演出は一切無いので、タイマーに注目していないとわからない。

なお、このゲームでは残り人数(プレイヤーストック)の概念がなく、プレイヤーが倒されるとその場でゲームオーバーとなる。難易度を「アツい」以外に設定しておいた場合にはコンティニューが可能で、ステージに設定された再スタート地点からの再開となる。

ライフアップグルメシステム[編集]

本作最大の特徴となるシステム。敵を倒すと野菜などを落としていくが、これらを取ってもほんの僅かしか体力は回復しない。これらは料理を作るための食材であり、ステージクリア後にその料理を食べてはじめて体力が回復できるというシステムになっている。

ステージとステージの間には「ディナータイム」が組み込まれ、これがほぼ唯一の体力回復源となる。ディナータイムでは、料理に使用する「メイン食材」と「サブ食材」を1種類ずつ選ぶ。食材を選ぶと、食卓の向こうに現れる「サイバーシェフ」という名のコックに食材が投げ込まれ、組み合わせにより料理が提供される。

以下の例では「メイン + サブ → 料理」の順で記述する。

この時、メインとサブに同じものを選ぶことも出来る。

また、メインとサブを入れ替えることで別の料理になる組み合わせも存在し、ライフの回復量も異なる。

ライフの回復量は、キャラクターごとに設定された好みにも左右される。また、同じ料理でも持っていた(使った)食材の数が多ければその分回復量も多くなる。ただし、明らかにまずそうな料理が作られると体力が減る(マイナスの組み合わせでも薔薇野郎たちは何食わぬ顔で黙々と食べ続ける)。ただし、ディナータイムでライフが無くなってもプレイヤーがやられることはなく、ライフが0の状態で次のステージとなる。

  • + 納豆ホタテ納豆
  • + アイスアイスクリーム丼
  • キノコ + キノコ → 毒キノコ(マイナス料理としての最悪ペナルティである「ライフ-999」)
  • トウガラシ + プロテインスーパートウガラシ (激辛料理が好きなまどもあぜるはプラスになるが他の2人ではマイナスになる。キャラクターごとの好みの典型例)

敵キャラを倒した際には、とどめの技が何であるか(打撃投げ技・踏みつけなど)によって落とす食材が決まる。そしてゲーム中に手に入れられる食材は16種類に及ぶが、一度に調理できる食材は2種類であること、選んだ食材は一度に全部消費してしまうことから、食材を広く浅く集めるのは得策ではない。まずは薔薇野郎たちが好きな(体力が多く回復する)料理を探し、特定の敵を特定の攻撃方法で倒し、その料理に必要な食材を多く集めるという、見た目や世界観とは裏腹な高い戦略性が要求される。

キャラクター[編集]

美食戦隊薔薇野郎(プレイヤーキャラクター)[編集]

プレイヤーキャラクターは全部で3人いて、それぞれ攻撃力や機動力だけでなく、前項でも触れたとおりディナータイムでの料理による回復量にまで差がある。以下にプロフィールも併せて紹介するが、これは説明書だけでなくデモ画面前に挿入されるプロフィール画面でも見ることができる。

3人それぞれにバックストーリーも設定されているが、本作は全体的に演出面に乏しく、これらのストーリーがゲーム中で語られることはない。ただし「好きな食べ物」は実際にゲームに反映されており、ディナータイムでの回復量に関係するため、ゲームを進行する上で重要な情報といえる。

爆発男爵ぼんぢゅ〜る[編集]

いわゆるパワー重視型のキャラクターで、攻撃力は高いが機動性にやや劣る。設定では元ボクサーとなっているが、改造の影響なのかゲーム中ではプロレス技を使いこなす。好物は肉類であり比較的容易に食材が集めやすいが、献立の好き嫌いが意外と多く、ディナータイムのメニュー選びには注意が必要。

爆発貴婦人まどもあぜる[編集]

攻撃力・機動力ともに標準的な、いわゆるバランスタイプ。ジャンプキックが連射できるほか、特定の掴み技でも敵を地面に刺すことが出来る。投げ技の性能が他の二人と異なり、歩きながら連続攻撃を叩き込むタイプなので、姿勢の低い「じらい」などの敵は巻き込むことが出来ない。ディナータイムにおいては、大好物を作れる食材が先の面でないと手に入らない唐辛子のみなので、劇的なライフアップがやや難しい。しかし好きな献立の幅が広いので、魚料理などでそこそこのライフアップは見込める。

大爆獣とれびあ〜ん[編集]

  • 合成動物のアンドロイド
  • 身長:176cm
  • 体重:64kg
  • 略歴:博士が魔天都市ゼウスをうろつき、入手した動物たちのより造られたクローン人間。さらなるサイボーグ手術をかさね、大爆獣となる。
  • 好きな食べ物:アイスクリーム

スピード重視型のキャラクターで、機動力や連続技に長ける分、攻撃力は低め。ラリアット系掴み技の性能が他の二人と異なり、上に放り投げるようになっていてヒット数も1回のみ。ディナータイムでは、好きな献立の幅が狭いため不利な方といえる。最重要食材であるアイスを確実に入手できるかどうかが鍵。

敵キャラクター[編集]

パッケージにも書かれているように「不気味でユーモラス」な個性的なキャラクターが数々登場する。また、半分近くの敵キャラクターが、移動が出来なかったり、攻撃手段が自爆や自滅のみであったりと、どこか哀愁があり憎めない。攻撃手段そのものを持たないものもいる。また敵のうち、一部を除いたザコキャラクターは裏技によって使用することが出来るが、まともにゲームを進めることのできない性能のものも多い。

ザコキャラクター[編集]

ザコキャラクターは一部を除き、色の違いでそれぞれ4種類存在する。また、色とともに名前まで変わるものもいる。なお、最初に紹介する3体(よしお、ヨダレ、でんき)はデモ画面を何周もさせているとなぜかプレイヤーキャラクターと同様のプロフィール画面が表示される。「略歴」にその内容を記す。

よしお
  • 略歴:嫌いなもの・踏み潰されること(字が小さすぎてこれ以外読めない)
小型の人造人間。通常のキャラクターの足元くらいの大きさしかない。操縦者として後述の「もあい」の上に乗って登場するが、単独で向かってくるものもいる。時おり大ジャンプでプレイヤーの頭の上に乗り、コサックダンスを踊って攻撃してくる。ダメージは受けないが動きを止められるので、その隙に他の敵に攻撃されることもある。見た目どおり体力に乏しく一撃で倒すことができるが、それゆえにシステム上掴み技をかけることができない。上を通過することで踏み潰して倒すこともできる。
特定の色のもののみ「山ざき友ユキ(23)」という名前になる。
ヨダレ
  • 略歴:ぼくわヨダレ。とってもつよいんだ
レトロなロボット風のオレンジ色頭部と白い全身タイツの様な情けない体が特徴。常に小刻みに震えており、途轍もなく遅いスピードでじりじりとプレイヤーに向かってくる。叩くと「いたい」「やめて」などと呟く。自分からは攻撃してこないが、体力だけはそこそこあるうえ、どんな攻撃を受けてもダウンしない。またどれだけ攻撃しても気絶状態にならないので、掴み技をかけることができない。ただしそのままの状態で上に乗れるので、プレス攻撃は可能。倒すとじたばたと動いたのち他の敵より激しく爆発するが、この爆発には攻撃力がある。
いずれかのプレイヤーの最重要食材を落とす、ボーナスキャラ的存在。
でんき
  • 略歴:ピカ〜ピカ〜ピカ〜 タイムが0になってから二人でいじめないで
ヨダレに似た姿の奇妙な生き物。頭は緑色で、四面それぞれに一つ目のついた顔をしており、頭の上には電球がはめられている。プレイヤーの周囲をちょろちょろ動き回り、時おり立ち止まって頭の電球を光らせるが、このときに接触すると跳ね飛ばされてしまう。ただしダメージは受けない。攻撃手段はこれしか持っておらず、一撃で倒すことができる。
こちらもボーナスキャラ的存在で、ヘルパーアイテムやプロテインといった補助的アイテム(のみ)を落とす。
なお、略歴の一言はある裏技のヒントになっている。
ばに〜
漢臭さが無い、異色のステージ3から登場するバニーガール型の人造人間。攻撃についてはかなり積極的で、回し蹴りや飛距離のあるヒップアタックを繰り出す。なぜかプレイヤー選択時にのみ、球体のオーラの様な特殊攻撃が出来る。
特定の色のもののみ「ばに〜さん」という名前になる。
もあい
頭部のみの姿をした、モアイ型の機械。前述の通りよしおが上に乗って操縦している。「ヘクション」という声とともに放つからのジェット噴射、突進噛み付き、頭上からの落下と多彩な攻撃手段を持つ。掴み技をかけることは可能だが、なぜか地面に刺すことができない。倒しても食材は落とさず、操縦者のよしおが残るのみ。このため倒し方にこだわっても意味は無い。
特定の色のもののみ「もあいさま」という名前になる。
じゃっく
モヒカン頭に上半身裸というパンクな外見。歩く姿はやる気が無さそうにも見える。プレイヤーが近づくと体を震わせはじめ、少し経つと自分の上半身を切り裂いて体内から巨大なナイフを繰り出し、その直後に自爆してしまう(このときは食材を落とさないので、プレイヤー側としては損をすることになる)。攻撃手段はこれしか持っていないため、震えはじめたらすばやく倒すか、あるいは離れたり爆発ポージングではね飛ばせば自爆を阻止できる。
色により「じゃっく」「ジャック」と名前が異なる。
ストライプ
片腕に大きなを付けた大男。攻撃はこの爪によるパンチ攻撃のみ。体力も少なく、あまり強くない。
ミサイルだん
上半身がマッチョ男で下半身のようなミサイル弾頭になっている人造人間。普段は上空にいるためしか見えないが、プレイヤーが近づくと頭上から命を懸けて落下し、地表に到達すると爆発してその短い生涯を終える。トラップのようなキャラクターで、プレイヤーの攻撃は当たらず、ダメージを与えて倒すことはできない。このため食材も落とさない。
ワンハンドナイフ
その名のとおり、の下についた一本ので巨大なライトセーバーのようなを持つ、インパクトのあるデザインの持ち主。右または左の画面端に姿を現したあと、猛スピードで真横に移動しそのまま去っていく。一撃で倒すことができるが、スピードが速いうえ剣に触れただけでダメージを受けるので攻撃のタイミングが難しい。通常のパンチ(ジャンプアタックや爆発パンチを除く)で倒すだけで、貴重な食材の一つである牛肉を落とすという特徴がある。
すいま〜
競泳用ビキニパンツをはいたマッチョマンで、ある意味このゲームの世界観を象徴するようなキャラクター。通常の移動は遅いが、 離れていると背中の酸素ボンベブースターを使った突進で体当たりしてくる。近距離での両手のチョップも侮れない、ばに〜と並ぶ強敵。
色により「すいま〜」「きんぷん」「ぎんぷん」「カレー」と名前が異なる。
ピコピコさん
フライト用のゴーグルと、甲殻類のようなの装甲、それと対照的な無防備な下着姿が特徴の美少女型人造人間。腕のを生かした攻撃はリーチが長く、ブースターによる頭上からのヒップアタックも厄介で、攻撃性能はなかなかのもの。ただ戦いにおいては消極的なのか、歩くたびに「なぜ?」と戦うことへの意味を問うたり(?)、攻撃を受けるとへたり込み、一定時間立ち上がれなくなってしまう。
「ヌルい」レベルではゲーム中に登場せず、エンディングに出てくる。エンディングで新たに開発されたことを表したものだと思われるが、このエンディングの正確な意味は不明。
色により「ピコピコさん」「パコパコさん」「ペコペコさん」「ポコポコさん」と名前が異なる。
じらい
脚の付いた鍋蓋のような姿の地雷。脚の形は「よしお」に似ているが、ジャンプはしない(できない)。この敵も踏み潰すことが可能で、名前どおり踏むと爆発するが、ヨダレと同様この爆発に攻撃力がある。
バーナー
丸いタンクにマッチョマンの頭部と脚が付いた物体。その場で動かず、プレイヤーが近づくと胴体中央部のバーナーから火を噴いてくる。一撃で倒すことができる。移動能力そのものを持たないためか、裏技を使ってもこのキャラクターは選択できない。

ボスキャラクター[編集]

本作のボスは単体で襲ってくるものばかりで、戦いの最中にザコキャラクターの援軍が出てくるようなことはない。倒せばザコと同じく食材を落とすが、その食材はいずれのボスでも納豆かプロテインのどちらかである。ただし最終ボスのみ、どのように倒してもプロテインを落とす。

キリコ
ステージ1のボス。原子力発電所の女所長で、女性の顔が浮かんだ巨大なカプセル状の頭部が特徴。
シャカシャカと音を立てながら足をすくう攻撃が得意。だが、体力が少ないのでごり押しで倒せてしまうことも。
あ!うん?
ステージ2のボス。サイボーグ化した金剛力士像のような姿で、脚はなく宙に浮いて移動する。水平線から上ってくる、横向きの仏像のようなマシンに乗って登場する。
高速パンチ、全身から電撃を出す無敵技、注射器を使ったプレスなど攻撃のバリエーションが多い。下半身についた注射器でプレイヤーの体力を吸い取り、自分のものにすることもある。
バニーエクセレントスペシャル
ステージ3のボス。ゲーム画面では「バニーえくせれんと」と表示される。戦闘前に青いパワードスーツのようなものを装着する、ばに~の親玉的キャラクター。
スーツを利用して高速で移動しつつ、出が速い上に画面端まで届くレーザーを繰り出す強敵。
体力がなくなっても2回までは変身・復活して再び襲ってくる。一度目は赤いスーツを着るが、二度目は信楽焼のようなまったく脈絡の無い姿に変身する。
シルクハット男爵
ステージ4のボス。ゲーム画面では「だんしゃく」と表示される。名前どおりシルクハットを被り上半身は裸でネクタイという出で立ちで、「ムッシュ〜」「ウィッ」などというダンディなボイスとともに襲いかかってくる。
攻撃やネクタイでの連続パンチなどの多彩な攻撃方法を持つほか、シルクハットを空中から降らせ、入ったプレイヤーを一定時間他のザコ敵に変身させる、といった技を持つ。上記のヨダレなどにされたらひたすら耐えるしかない。この時の変身ルーチンが、ザコ敵でプレイできる裏技として残されている。
Fコンピュータ
本作の最終ボス。黒い球体に一つ目がついたデザインから人型のマッチョなデザインに変身する。不気味な姿だが、これまでの個性的すぎるボスと比べればとても真っ当なデザインである。
人型の時に強烈な吸い込み攻撃を仕掛けてくる。捕まると追加攻撃で大ダメージを受けるので、ダッシュで逃げるようにして一定時間耐えなければならない。また、人型の時はダメージを与えられない。

その他[編集]

コンガマン
オプション画面では、背景の中で人型のキャラクターが踊っているが、このキャラクターをコンガマンという。詳しい設定が確認できないため、その正体は不明。ある条件を満たせばステージ中にも登場する。

関連項目[編集]