鶏肉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
羽をむしった鶏、
バルセロナスペイン
鶏の丸焼き
鶏肉(broilers or fryers, leg, meat and skin, raw)
100 g (3.5 oz)   あたりの栄養価
エネルギー 897 kJ (214 kcal)
炭水化物 0.17 g
- 糖分 0 g
- 食物繊維 0 g
脂肪 15.95 g
- 飽和脂肪酸 4.366 g
- 一価不飽和脂肪酸 6.619 g
- 多価不飽和脂肪酸 3.352 g
タンパク質 16.37 g
- トリプトファン 0.171 g
- トレオニン 0.729 g
- イソロイシン 0.742 g
- ロイシン 1.306 g
- リシン 1.438 g
- メチオニン 0.439 g
- シスチン 0.189 g
- フェニルアラニン 0.631 g
- チロシン 0.574 g
- バリン 0.768 g
- アルギニン 1.136 g
- ヒスチジン 0.466 g
- アラニン 1.001 g
- アスパラギン酸 1.544 g
- グルタミン酸 2.55 g
- グリシン 0.981 g
- プロリン 0.761 g
- セリン 0.663 g
水分 67.3 g
ビタミンA相当量 28 μg (3%)
- βカロテン 0 μg (0%)
- ルテインおよび
-   ゼアキサンチン
91 μg
チアミン (B1) 0.073 mg (6%)
リボフラビン (B2) 0.141 mg (9%)
ナイアシン (B3) 4.733 mg (32%)
パントテン酸 (B5) 0.994 mg (20%)
ビタミンB6 0.318 mg (24%)
葉酸 (B9) 4 μg (1%)
ビタミンB12 0.56 μg (23%)
コリン 41.6 mg (8%)
ビタミンC 0.2 mg (0%)
ビタミンD 2 IU (1%)
ビタミンE 0.22 mg (1%)
ビタミンK 2.3 μg (2%)
カルシウム 9 mg (1%)
鉄分 0.69 mg (6%)
マグネシウム 19 mg (5%)
マンガン 0.016 mg (1%)
セレン 18 μg (26%)
リン 155 mg (22%)
カリウム 203 mg (4%)
塩分 84 mg (4%)
亜鉛 1.47 mg (15%)
コレステロール 93 mg
 %はアメリカにおける成人向けの
栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)
鶏肉(100g中)の主な脂肪酸の種類[3]
項目 分量(g)
脂肪 15.95
飽和脂肪酸 4.366
14:0(ミリスチン酸 0.099
16:0(パルミチン酸 3.325
18:0(ステアリン酸 0.844
一価不飽和脂肪酸 6.619
16:1(パルミトレイン酸 0.923
18:1(オレイン酸 5.543
20:1 0.095
多価不飽和脂肪酸 3.352
18:2(リノール酸 2.987
18:3(α-リノレン酸 0.155
20:4(未同定) 0.103

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科ニワトリ食肉のこと。

概要[編集]

鶏肉は、ニワトリの肉である。鶏はもっとも代表的な家禽なので、単に鳥肉といえば鶏肉をさすことが多い。牛肉豚肉羊肉と並んで世界で日常的に食用にされる肉のひとつである。

中部地方の一部、関西地方九州地方では「かしわ(黄鶏)」とも呼ばれる。「かしわ」とは本来褐色の羽色の日本在来種のニワトリだが、それが鶏肉一般の名称に用いられるようになった。(かしわめしかしわうどんなど)。

これに対して、香川県岡山県では、老鶏(特に排卵を終えた雌鶏など)の肉を「かしわ肉」と呼び、販売され、食されている。

鶏肉は牛肉豚肉と異なり、食のタブーに触れることが少ない食肉であるため(食のタブーが厳しいことで知られるユダヤ教イスラム教でも鶏肉を食べることは禁止されていない)、世界中で広く利用されている。

歴史[編集]

18世紀鶏肉の値段は、一羽が一週間分の給料に匹敵した[どこ?]アメリカ合衆国では第二次世界大戦中に牛肉や豚肉が不足したため、鶏肉の消費量が増加した。栄養学抗生物質の研究の進歩により大量飼育が可能になり、生産コストが下がったのは1950年代で、ケンタッキーフライドチキンもほぼ同時期に全米に展開しはじめた。後に牛肉や豚肉に比べてコレステロールや脂肪分が少なく健康に良いといわれ、鶏肉の人気が上がった。ヨーロッパでは、BSEの影響で1996年に初めて鶏肉の消費量が牛肉や仔牛肉を上回った。

昔からアメリカとカナダでは、チキンスープを飲むと風邪が治るという言い伝えがある。近年、チキンスープの栄養には風邪の症状を和らげる作用があるという研究結果が発表された[4]

日本書紀』によると、日本では天武天皇5年(675年4月17日のいわゆる肉食禁止令で、4月1日から9月30日までの間、稚魚の保護と五畜(ウシウマイヌニホンザルニワトリ)の肉食を禁止された。

鶏の種類[編集]

部位[編集]

胸肉[編集]

脂肪が少なく、調理法によっては火を通しすぎるとパサパサした食感になる。欧米では最も好まれる部位だが、日本ではもも肉に比べて価格が安い。蒸し物などに向く。

ささみ[編集]

胸肉に近接した部位。脂肪が少なく、淡白な風味がある。形が笹の葉に似ていることから付けられた名称。サラダ和え物に良い。中央に固い筋があり、筋を取り除いて販売されることもある。タンパク質の含有率が高く、低脂肪

もも肉[編集]

脂肪が多く赤身でこくのある味が楽しめる。鶏は脚を歩行や走行によく使うため、ももに遅筋繊維が発達しているせいである。骨を付けたまま調理されることも多い。骨付き肉のうち中央の関節で切り離した下の部分をドラムスティックとも呼ぶ。

手羽[編集]

の部分。以下の3つの名称がある。
手羽先
肉はほとんど無く、多くがゼラチン質と脂肪である。このため、主にから揚げ、煮込み、出汁に使用する。人間の肘から指先までの部分に該当する。手羽先から手羽中の部分を除いた先端部分は「手羽端」という。
手羽中
肉と共にゼラチン質部分が多い。肉を骨から一部離して裏返し、骨を手で持って食べやすくしたものを「チューリップ 」と呼び、から揚げにする。これを開いたものが手羽中開きで、これ若しくは手羽中を串に刺したものをイカダ串と呼ぶ。さらに手羽中を二つ割にしたものをチキンリブまたはチキンスペアリブとも呼ぶ。人間の肘と手首の間の部分に該当する。
手羽元
別名「ウィングスティック」。骨と肉と皮が程々にあるために正肉に近く、他の料理の具としたりから揚げや煮物にも適する。人間の肘と肩の間の部分に該当する。手羽元を使用したチューリップも存在する。

派生語[編集]

以下は、鶏肉の部位としては認められていないが、焼き鳥・焼肉・煮物などの料理ではこのように呼ばれる。
  • もつ、ホルモン、ジブレッツ内臓肉の総称
  • 砂肝…筋胃 (砂嚢)
  • 皮、ひな皮…鶏皮
  • ぼんじり、三角、ぼんぼち(ぽんぽち)…尾
  • ヤゲン(軟骨)…ささみ肉の部位にある剣状突起の軟骨
  • ひざ軟骨…膝の関節にある軟骨(一般的にから揚げに使われる部位)
  • ネック(せせり、小肉)…首・頚部筋
  • さえずり(ジューシーせせり)…食道・気道
  • 烏帽子(えぼし)…とさか

チキンオイスター英語版という部分がももの付け根の近く(腸骨の背側のくぼみ)にあり、フランス語ではソリレス(sot-l'y-laisse、「愚か者だけが残す」)という名称で呼ばれている[5]

また、肉・内臓を取り去った残り(大部分は)を鶏がら、足の部分をその形状からモミジと呼ぶ。どちらも中華料理西洋料理ラーメン等の出汁を取るのに使われる。モミジは中華料理では「鳳爪」(繁体字鳳爪簡体字凤爪広東語:フォンジャーウ)と称して、揚げて煮込み、皮と軟骨を食べる料理にも加工される。日本では大分県日田市周辺の郷土料理となっている。

細菌による食中毒[編集]

腸管などに常在菌として存在しているカンピロバクター(Campylobacter)、サルモネラ(Salmonella)、アルコバクター(Arcobacter) や、屠畜過程で大腸菌ブドウ球菌により汚染される事があり、新鮮な肉でも高い率で食中毒原因菌に汚染されている[6]為、食中毒を引き起こすことがある。従って、生食には向かない[7][8] が、主にささみが刺身たたきユッケなどで供されることもある。

特に、日本でのカンピロバクターによる食中毒患者の報告数は、2003年以降年間2000人を越え重要な食中毒菌となっている[6]

料理[編集]

養鶏が盛んな地域では特有の地鶏品種が存在することが多く、鳥料理も盛んである。

鶏料理の種類[編集]

豚肉料理や牛肉料理に替わる素材とされる事もある(チキンカツなど)。また挽肉にする事もあり、つくねなどにもされる。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ http://www.nal.usda.gov/fnic/foodcomp/search/
  2. ^ [『タンパク質・アミノ酸の必要量 WHO/FAO/UNU合同専門協議会報告』日本アミノ酸学会監訳、医歯薬出版、2009年05月。ISBN 978-4263705681 邦訳元 Protein and amino acid requirements in human nutrition, Report of a Joint WHO/FAO/UNU Expert Consultation, 2007]
  3. ^ http://ndb.nal.usda.gov/
  4. ^ Rennard BO, Ertl RF, Gossman GL, Robbins RA, Rennard SI (October 2000). “Chicken soup inhibits neutrophil chemotaxis in vitro”. Chest 118 (4): 1150–7. PMID 11035691. http://www.chestjournal.org/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=11035691. 
  5. ^ スチュワート・アレン『愛の林檎と燻製の猿と―禁じられた食べものたち』集英社、2003年、ISBN 978-4087733990
  6. ^ a b カンピロバクター食中毒の現状と対策について 国立感染症研究所 感染症情報センター
  7. ^ 市販鶏ひき肉中の ArcobacterCampylobacterSalmonella 汚染状況日本家政学会誌 Vol.62 (2011) No.11 p.721-725
  8. ^ 東京都食品安全情報評価委員会 (2004年7月9日). “カンピロバクター食中毒を低減させるために” (ja). 2006年11月29日閲覧。 実験により、調理の際「中心部まで肉の色が変化していることを確認すれば、ほぼカンピロバクターが不活化する温度に達していると推測できる」と結論している。

関連項目[編集]