常用漢字
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常用漢字(じょうようかんじ)とは、日常の使用に必要なものとして選ばれた漢字をいい、以下のようなものがある。
- 1923年(大正12年)、文部省臨時国語調査会が指定した漢字1962字とその略字154字。一部資料に1960字とあるのは略字によって2組が同字となるため。同年9月1日実施予定であったが、同日発生した関東大震災により頓挫した。
- 1931年(昭和6年)、「常用漢字表及仮名遣改定案に関する修正」にて上記常用漢字表中の147字を減らし45字を増やして修正した1858字。
- 1942年(昭和17年)、国語審議会が作成した標準漢字表2528字のうちの常用漢字1134字。他に準常用漢字1320字、特別漢字74字。簡易字体(略字)の本体78字、許容64字があった。
- 1946年(昭和21年)、国語審議会が上記標準漢字表の中の常用漢字から88字を削り249字を加えた常用漢字表1295字案。この案は採択されず、同年、これを修正した1850字が当用漢字として公布された。
- 1981年(昭和56年)、公布された常用漢字表1945字。以下、詳説。
![]() 漢字 |
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| 国字 方言字 則天文字 | ||||||||||||||||||||
| 仮名 古壮字 字喃 女書 | ||||||||||||||||||||
| 契丹文字 女真文字 西夏文字 | ||||||||||||||||||||
| →字音 | ||||||||||||||||||||
常用漢字(じょうようかんじ)は、現代日本の漢字であり、文部省国語審議会(現文部科学省文化審議会国語分科会)の政策による「当用漢字」の後継。1981年10月1日に昭和56年内閣告示第1号「常用漢字表」の「本表」により発表された漢字使用の基準。「法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等、一般の社会生活で用いる場合の、効率的で共通性の高い漢字を収め、分かりやすく通じやすい文章を書き表すための漢字使用の目安」(同告示)を示す。1945字からなる。
常用漢字表の目的は、漢字使用の目安であって制限ではないため、強制力を有するものではない。しかし、義務教育の国語で読みを習う漢字であるため、漢字修得における制限となる。(更に、漢字を適切に使うことに関しては、義務教育では学年別漢字配当表に示されている漢字にとどまる。)マスメディアのほとんどは、常用漢字のほかに使用可能な漢字を独自にまたは任意に選定し、常用漢字に準用している。一般的な新聞は、新聞協会用語懇談会が示す新聞漢字表に基づき、各社で多少手を加えて、漢字使用を運用している。
目次 |
[編集] 当用漢字との違い
- 字数の上では、以下の95字が増加した。削除された文字はない。
- 猿 凹 渦 靴 稼 拐 涯 垣 殻 潟 喝 褐 缶 頑 挟 矯 襟 隅 渓 蛍 嫌 洪 溝 昆 崎 皿 桟 傘 肢 遮 蛇 酌 汁 塾 尚 宵 縄 壌 唇 甚 据 杉 斉 逝 仙 栓 挿 曹 槽 藻 駄 濯 棚 挑 眺 釣 塚 漬 亭 偵 泥 搭 棟 洞 凸 屯 把 覇 漠 肌 鉢 披 扉 猫 頻 瓶 雰 塀 泡 俸 褒 朴 僕 堀 磨 抹 岬 妄 厄 癒 悠 羅 竜 戻 枠
- 字体を改めた字。
- 当用漢字の「燈」が「灯」に改められた。
- 音訓が加わった字。
- 栄 はえる
- 危 あやぶむ
- 憩 いこう
- 香 かおる
- 愁 うれえる
- 謡 うたう
- 露 ロウ
- 和 オ
- 付表に加わったもの。
- 叔父/伯父 おじ
- 叔母/伯母 おば
- 凸凹 でこぼこ
- 桟敷 さじき
- 音訓が削られた字。
- 膚 はだ
- 盲 めくら
[編集] 法令における使用
法令では常用漢字のみを使用することを原則として、常用漢字外の字は、語そのものの言い換えが行われるか、その字のみ平仮名書きするか、常用漢字外の字を使用しつつ初出の箇所にのみ振り仮名(ルビ)を振る運用がなされる。
同音の漢字による書きかえは、戦後の当用漢字策定期に多用される。例えば「抛棄」を「放棄」と改める例などである。
平仮名書きは、機械的に行えるために多く使用されてきたが、同音異義語がある場合や、「だ捕」(拿捕)「改ざん」(改竄)「隠ぺい」(隠蔽)など語の一部のみ平仮名書きされる不自然さがあり、また講学上は漢字を使用するのが通常なため、次第に避けられるようになりつつある。
初出箇所にのみ振り仮名を振る方式は、常用漢字使用の原則に沿いつつ、自然な記載をなしうるため、法令の条文の記載において、多く用いられるようになりつつある。平成に入って口語化された刑法・民事訴訟法等はいずれもこの方式によっている例である。
法令以外の公用文においても、公用文作成の要領により、常用漢字のみを使用することを原則とするように定められている。
[編集] 問題点と今後の傾向
別項「日本語の乱れ」・「日本語の変化」にもあるように、言葉は生きた人間が使うものであるから、それ相応に時代に即して変化するものである。常用漢字は、あくまでも小学校・中学校間の義務教育において学ぶことが必須とされる漢字の最低限の基準(中学校学習指導要綱にて明記されており、これに常用漢字外300程度の漢字を読めるようにすることとある)でもあり、一般の社会においてはこれ以上の漢字の知識が必須であるが、常用漢字の使用に固執すると、上記のような問題が出てくるのは必然である。この傾向はワードプロセッサが普及した1980年代から顕著になったと指摘されている。
[編集] 常用漢字表記にない例
- 表外音訓 (参照日本漢字能力検定協会発行「漢字必携一級」。太字の読みは、既に新常用漢字表の読みに採り入れられている。)
- 名詞の例
- 主(あるじ)、粋(いき)、古(いにしえ)、家(うち)、宴(うたげ)、鑑(かがみ)、要(かなめ)、毎(ごと)、直(じか)、旬(シュン)、類(たぐい)、匠・工(たくみ)、為(ため)、屯(たむろ)、歳・齢(とし)、鶏(とり)、虜(とりこ)、等(など・ら)、斜(はす)、他(ほか)、薪(まき)、雅(みやび)、刃(やいば)、館(やかた)、輩・族(やから)、奴(やつ)、齢・歳(よわい)、私(わたし)
- 動詞の例
- 崇める(あがめる)、論う・評う(あげつらう)、与る(あずかる)、肖る(あやかる)、癒える・癒やす(いえる・いやす)、活きる・活ける・活かす(いきる・いける・いかす)、逝く(いく)、失せる(うせる)、疑る(うたぐる)、圧す(おす)、憶える(おぼえる)、想う(おもう)、屈む(かがむ)、関わる(かかわる)、画く(かく)、匿う(かくまう)、象る(かたどる)、敵う(かなう)、適う(かなう)、被る・被せる(かぶる・かぶせる)、鑑みる(かんがみる)、括る・括る・括れる(くくる・くびる・くびれる)、降る・降す(くだる・くだす)、寛ぐ(くつろぐ)、応える(こたえる)、堪える(こたえる・こらえる)、拘る(こだわる)、零れる(こぼれる)、混む(こむ)、射す(さす)、焦れる・焦らす(じれる・じらす)、雪ぐ(すすぐ・そそぐ)、逸れる・逸らす(それる・そらす)、企む(たくらむ)、貯える(たくわえる)、称える・賛える(たたえる)、発つ(たつ)、司る・宰る・掌る(つかさどる)、衝く(つく)、創る(つくる)、灯す(ともす)、点る(ともる)、囚える・囚われる(とらえる・とらわれる)、摂る(とる)、準える・擬える・准える(なぞらえる)、均す(ならす)、臭う(におう)、遺す(のこす)、育む(はぐくむ)、弾く(はじく)、逸る(はやる)、凹む・凹ます・凹む(へこむ・へこます・くぼむ)、放る(ほうる)、愛でる(めでる)、止む・止める(やむ・やめる)、委ねる(ゆだねる)、赦す(ゆるす)、過る(よぎる)、避ける(よける)、慶ぶ(よろこぶ)、力む(りきむ)、解る・判る(わかる)、弁える(わきまえる)
- 形容詞・形容動詞の例
- 篤い(あつい)、愛しい(いとしい)、空ろ・虚ろ(うつろ)、旨い・美味い(うまい)、巧い・上手い(うまい)、疎か(おろそか)、微か(かすか)、頑(かたくな)、淑やか(しとやか)、拙い(つたない)、審らか・詳らか(つまびらか)、辛い(つらい)、温い(ぬるい・ぬくい)、酷い・虐い・惨い(むごい)、空しい・虚しい(むなしい)、易い(やすい)、邪(よこしま)、宜しい(よろしい)
- その他の品詞の例
- 敢えて(あえて)、予め(あらかじめ)、未だ(いまだ)、概ね(おおむね)、却って(かえって)、如し(ごとし)、頻りに(しきりに)、暫く(しばらく)、即ち・則ち(すなわち)、全て(すべて)、因みに(ちなみに)、遂に・終に(ついに)、序でに(ついでに)、尚(なお)、秘かに・密かに・私かに・窃かに(ひそかに)、先ず(まず)、濫りに・妄りに・乱りに(みだりに)、寧ろ(むしろ)、以て(もって)、漸く(ようやく)
- 音読みの例
- 衣紋(エモン)、壊死(エシ)、隠密(オンミツ)、公家(クゲ)、怪我(ケガ)、荘園(ショウエン)、寿司(スシ)、一途(イチズ)、下駄(ゲタ)、堪能(タンノウ、カンノウとも読む)、刃傷(ニンジョウ)、苗字(ミョウジ)、明朝体(ミンチョウタイ)
- 訓読みのその他の例
- 私達(わたしたち)、外様(とざま)、愛娘(まなむすめ)
- 表外漢字の例
(以下、JIS第1・第2水準に含まれていないものが正字の場合は《》内にそれを示す。) (最新JIS対応のフォントであるか否かで細部なものが多いが(所謂パソコン略字による)字体に差が出るものが多くある。)
その他、名詞、動詞、形容詞、あるいは地名などで頻繁に常用される漢字があり、一部は下述の新常用漢字の候補に含まれる。しかし、同一覧表は造語力(熟語構成力)に重点を置いているため、日常で用いるとされる「嘘《噓》」「噂」「叩く」「嬉しい」などは現在、候補の対象外に置かれている。対して、交ぜ書きを減らしていくという見解の下、以下に挙げるような構成熟語を持つ漢字に重点を置いているのが特色である。
- 表外漢字を用いた熟語で、下記の新常用漢字の候補に該当するもの(太字の漢字が該当。漢字は重複する場合もある。また[ ]でくくった熟語は追加候補字種には入っているが、音訓には採り入れられていない。)
- 愛玩(あいがん)、挨拶(あいさつ)、曖昧(あいまい)、遺骸(いがい)、畏敬(いけい)、萎縮(いしゅく)、椅子(いす)、一蹴(いっしゅう)、一旦(いったん)、畏怖(いふ)、淫行(いんこう)、咽喉(いんこう)、隠蔽(いんぺい)、鬱積(うっせき)、怨恨(えんこん)、旺盛(おうせい)、臆病(おくびょう)、怨念(おんねん)、骸骨(がいこつ)、潰瘍(かいよう)、瓦解(がかい)、[鶴首(かくしゅ)]、覚醒(かくせい)、苛酷(かこく)、牙城(がじょう)、喝采(かっさい)、葛藤(かっとう)、歌舞伎(かぶき)、玩具(がんぐ)、間隙(かんげき)、完璧(かんぺき)、[伎楽(ぎがく)]、危惧(きぐ)、忌憚(きたん)、嗅覚(きゅうかく)、亀裂(きれつ)、僅差(きんさ)、巾着(きんちゃく)、愚弄(ぐろう)、稽古(けいこ)、軽蔑(けいべつ)、血痕(けっこん)、拳銃(けんじゅう)、謙遜(けんそん)、鍵盤(けんばん)、語彙(ごい)、口蓋(こうがい)、梗概(こうがい)、[虹彩(こうさい)]、梗塞(こうそく)、傲慢(ごうまん)、股間(こかん)、語呂(ごろ)、才媛(さいえん)、挫傷(ざしょう)、沙汰(さた)、参詣(さんけい)、斬新(ざんしん)、山麓(さんろく)、恣意的(しいてき)、[膝下(しっか)]、叱《𠮟》責(しっせき)、失踪(しっそう)、嫉妬(しっと)、遮蔽(しゃへい)、羞恥(しゅうち)、充填《塡》(じゅうてん)、呪縛(じゅばく)、腫瘍(しゅよう)、哨戒(しょうかい)、憧憬(しょうけい・どうけい)、焼酎(しょうちゅう)、招聘(しょうへい)、浄瑠璃(じょうるり)、食膳(しょくぜん)、所詮(しょせん)、処方箋(しょほうせん)、真摯(しんし)、親戚(しんせき)、腎臓(じんぞう)、進捗(しんちょく)、辛辣(しんらつ)、推戴(すいたい)、[翠嵐(すいらん)]、凄惨(せいさん)、精緻(せいち)、整頓(せいとん)、脊椎(せきつい)、刹那(せつな)、煎餅(せんべい)、羨望(せんぼう)、全貌(ぜんぼう)、戦慄(せんりつ)、爽快(そうかい)、巣窟(そうくつ)、[爪牙(そうが)]、象牙(ぞうげ)、痩《瘦》身(そうしん)、僧侶(そうりょ)、遡及(そきゅう)、狙撃(そげき)、堆積(たいせき)、唾液(だえき)、脱臼(だっきゅう)、断崖(だんがい)、旦那(だんな)、嘲笑(ちょうしょう)、頂戴(ちょうだい)、貼付(ちょうふ・てんぷ)、諜報(ちょうほう)、諦観(ていかん)、溺愛(できあい)、溺死(できし)、洞窟(どうくつ)、瞳孔(どうこう)、陶冶(とうや)、灯籠(とうろう)、毒牙(どくが)、賭博(とばく)、頓挫(とんざ)、貪欲(たんよく)、奈落(ならく)、捻挫(ねんざ)、捻出(ねんしゅつ)、俳諧(はいかい)、配膳(はいぜん)、剥《剝》製(はくせい)、剥《剝》奪(はくだつ)、剥《剝》落(はくらく)、剥《剝》離(はくり)、罵声(ばせい)、破綻(はたん)、罵倒(ばとう)、斑点(はんてん)、汎用(はんよう)、氾濫(はんらん)、伴侶(はんりょ)、必須(ひっす)、美貌(びぼう)、比喩(ひゆ)、肥沃(ひよく)、便箋(びんせん)、風貌(ふうぼう)、布巾(ふきん)、浮腫(ふしゅ)、付箋(ふせん)、払拭(ふっしょく)、訃報(ふほう)、風呂(ふろ)、閉塞(へいそく)、蔑視(べっし)、変貌(へんぼう)、蜂起(ほうき)、歩哨(ほしょう)、捕捉(ほそく)、勃起(ぼっき)、勃興(ぼっこう)、勃発(ぼっぱつ)、補填《塡》(ほてん)、翻弄(ほんろう)、眉間(みけん)、未曾有(みぞう)、蜜月(みつげつ)、冥利(みょうり)、名刹(めいさつ)、冥土(めいど)、冥福(めいふく)、明瞭(めいりょう)、冶金(やきん)、憂鬱(ゆううつ)、湧水(ゆうすい)、妖艶(ようえん)、妖怪(ようかい)、要塞(ようさい)、妖精(ようせい)、容貌(ようぼう)、拉致(らち)、辣腕(らつわん)、[梨園(りえん)]、領袖(りょうしゅう)、瞭然(りょうぜん)、涙腺(るいせん)、籠城(ろうじょう)など
しかし、今回の追加候補漢字だけでは熟語の交ぜ書きや平仮名書きは解消されない。以下のような熟語は引き続き交ぜ書きや平仮名書きになることが多いと考えられる。
- 表外漢字を用いた熟語で、今回の追加候補漢字に該当しないもの(太字の漢字が該当。今回、追加候補漢字に含まれている漢字は太字にはしていない。)
- 愛嬌(あいきょう)、愛撫(あいぶ)、唖《啞》然(あぜん)、斡旋(あっせん)、軋轢(あつれき)、阿呆(あほう)、安堵(あんど)、溢血(いっけつ)、迂回(うかい)、迂闊(うかつ)、胡散(うさん)、曳航(えいこう)、冤罪(えんざい)、謳歌(おうか)、嘔吐(おうと)、押捺(おうなつ)、海淵(かいえん)、改竄(かいざん)、凱旋(がいせん)、乖離(かいり)、界隈(かいわい)、愕然(がくぜん)、化膿(かのう)、瓦礫(がれき)、可憐(かれん)、貫禄(かんろく)、飢饉(ききん)、毅然(きぜん)、毀損(きそん)、拮抗(きっこう)、祈祷《禱》(きとう)、急遽(きゅうきょ)、仇敵(きゅうてき)、驚愕(きょうがく)、強靱(きょうじん)、教鞭(きょうべん)、綺麗(きれい)、苦悶(くもん)、桂馬(けいま)、啓蒙(けいもう)、稀有(けう)、牽引(けんいん)、喧嘩(けんか)、牽制(けんせい)、喧騒(けんそう)、倦怠(けんたい)、強姦(ごうかん)、好好爺(こうこうや)、恍惚(こうこつ)、合祀(ごうし)、膠着(こうちゃく)、勾配(こうばい)、姑息(こそく)、胡蝶(こちょう)、忽然(こつぜん)、骨董(こっとう)、糊塗(こと)、胡麻(ごま)、渾身(こんしん)、昏睡(こんすい)、混沌(こんとん)、梱包(こんぽう)、祭祀(さいし)、賽銭(さいせん)、錯綜(さくそう)、些細(ささい)、砂塵(さじん)、弛緩(しかん)、歯垢(しこう)、嗜好(しこう)、刺繍《繡》(ししゅう)、湿疹(しっしん)、執拗(しつよう)、灼熱(しゃくねつ)、終焉(しゅうえん)、什器(じゅうき)、熟柿(じゅくし)、竣工(しゅんこう)、浚渫(しゅんせつ)、常套(じょうとう)、醤《醬》油(しょうゆ)、深淵(しんえん)、震撼(しんかん)、靱帯(じんたい)、親睦(しんぼく)、枢機卿(すうききょう)、脆弱(ぜいじゃく)、清楚(せいそ)、贅沢(ぜいたく)、閃光(せんこう)、操舵(そうだ)、蒼白(そうはく)、聡明(そうめい)、掻《搔》痒(そうよう)、蘇生(そせい)、対峙(たいじ)、大腿(だいたい)、楕円(だえん)、拿捕(だほ)、蛋白(たんぱく)、耽美(たんび)、痴呆(ちほう)、茶碗(ちゃわん)、躊躇(ちゅうちょ)、厨房(ちゅうぼう)、寵愛(ちょうあい)、寵児(ちょうじ)、天狗(てんぐ)、伝播(でんぱ)、顛《顚》末(てんまつ)、投函(とうかん)、同棲(どうせい)、淘汰(とうた)、棟梁(とうりょう)、怒濤(どとう)、捺印(なついん)、捏造(ねつぞう)、徘徊(はいかい)、排泄(はいせつ)、莫大(ばくだい)、播種(はしゅ)、撥水(はっすい)、抜擢(ばってき)、挽回(ばんかい)、範疇(はんちゅう)、煩悶(はんもん)、卑怯(ひきょう)、秘訣(ひけつ)、庇護(ひご)、飛翔(ひしょう)、逼迫(ひっぱく)、誹謗(ひぼう)、飛沫(ひまつ)、媚薬(びやく)、豹変(ひょうへん)、卑猥(ひわい)、復讐(ふくしゅう)、埠頭(ふとう)、粉塵(ふんじん)、糞尿(ふんにょう)、分娩(ぶんべん)、平坦(へいたん)、片鱗(へんりん)、萌芽(ほうが)、呆然(ぼうぜん)、放蕩(ほうとう)、冒涜《瀆》(ぼうとく)、菩提(ぼだい)、発疹(ほっしん)、哺乳(ほにゅう)、邁進(まいしん)、麻痺(まひ)、蔓延(まんえん)、微塵(みじん)、無垢(むく)、瞑想(めいそう)、蒙昧(もうまい)、黙祷《禱》(もくとう)、勿論(もちろん)、悶絶(もんぜつ)、悶着(もんちゃく)、楊枝(ようじ)、溜飲(りゅういん)、流暢(りゅうちょう)、凌駕(りょうが)、黎明(れいめい)、漏洩(泄)(ろうえい)、狼狽(ろうばい)、濾過(ろか)、肋骨(ろっこつ)、歪曲(わいきょく)、賄賂(わいろ)、和睦(わぼく)、など
[編集] 常用漢字に含まれているが、一般的に用いられていない字や音訓
- 以下、5字は常用漢字の本表から削除検討されている。
- 錘 :「スイ」「つむ」は糸を巻き取る道具。熟語として紡錘などがある。
- 銑 :「セン」は鍛えられていない鉄(ずく)の意である。銑鉄などの熟語がある。
- 勺 :「シャク」は昔の容積の単位。合の十分の一。
- 匁 :「もんめ」は昔の重量の単位。
- 脹 :「チョウ」はふくらむという意味。膨脹が最も頻出の熟語だが、膨張でも代用できるため(もっとも、膨脹に対する膨張への書き換えは昭和35年より新聞協会が私的に始めたものである)。
- 新聞協会などマスコミが用いない常用漢字の一例
- 虞 :「おそれ」(何々の危険がある、の意)。「虞」は常用漢字で読みも「おそれ」と示されている。しかし、この意味の「おそれ」に(恐怖の意味がないにもかかわらず)「恐れ」や「怖れ」と表記されることが少なくなく、新聞社を含むマスコミではひらがな表記される。
- 且 :「か-つ」は副詞で、「または~」、「~したり」という意味を持つが、仮名書きが一般的で、新聞社などマスコミでは漢字を用いない。
- 遵 :遵は決められた規則などにしたがうという意味。遵守、遵法などの用語があるが、新聞社では順法、順守などと書き換えて使用している。
- 謁 :は”まみえる”という意味。謁見などの用語を持つが、宮内庁では「引見」を使用。新聞社では他の表現に書き換えられる。
- 使用用途が極めて特殊な常用漢字
- 璽 :「ジ」とは天子(皇族)の印のこと。印璽、御璽などといった熟語を持つが、日常で用いられることが極めて少ない。この字を常用漢字に採用した理由は宮内省(現宮内庁)からの要望が強かったことによる。
- 朕 :「チン」は天皇の旧一人称。現在は廃止されているが、日本国憲法の上諭で使われている。日常で用いることは極めてまれである。
- 古い単位に用いられた常用漢字
- 畝 :「せ・うね」は昔の広さの単位や畑の土盛りの部分。日常で用いる機会は極めてまれである。
- 斤 :「キン」は尺貫法に用いられる質量の単位であり、江戸時代は貨幣の単位にも用いられた。削除が検討されたが、慣習的にパンを数える単位として用いられる理由で常用漢字一覧に残される見込みとなった。熟語として斤量がある。
- 国語世論調査によって、あまり使用しないと回答された漢字
- 逓 :「テイ」は”一定の数だけ~していく”という意味の副詞。逓増、逓減という熟語がある。前述の世論調査によって、6割以上の人があまり使用しないと回答した漢字の一つである。マスコミでは逓減は低減と書き換えることがある。
[編集] 見直し
2005年2月に国語分科会が「情報化時代に対応するために常用漢字のあり方を検討すべき」であるとした報告書を文化審議会に提出した。これを受けて、同年3月、中山文部科学相は常用漢字表の見直しの検討などを文化審議会に諮問した。同年9月から文化審議会・国語分科会の漢字小委員会が常用漢字見直しの審議に入った。
その後、開催された第1次漢字小委員会では、2010年の新常用漢字表制定を目指し、また総字数が多くなった場合、読んで分かればいい漢字等を集めた「準常用漢字表」の制定や使用頻度が限られ、特定の熟語にのみ使用する漢字等を集めた「特別漢字表」の制定も検討するとこの時点では決定していた。しかし、その後の第2次漢字小委員会で、表の煩雑化に疑問の声があり、「準常用漢字表」「特別漢字表」の制定は見送られた。2008年1月、府県名に使われている漢字で常用漢字に現在含まれていない「阪」「鹿」「奈」「岡」「熊」「梨」「阜」「埼」「茨」「栃」「媛」の11字を常用漢字に含めることを決めた。これは基本的には地名は表内に入れないのが原則であり、今後も維持するが、日本人として地域に限らずあまねく知っておく必要性がある都道府県名、又、その後、委員会で「韓」「畿」が追加候補漢字に入ったが、これは都道府県名やそれに準じる漢字としての位置付けである。
2008年5月12日の漢字小委員会に第1次素案218字が発表された(主要新聞社は220字と発表したが、実際には「闇」が書体違いで2つ載っていたことと、既に常用漢字表に入っている「靴」がこの素案に入っていたという誤りがあり218字が正しい)。この時点では特定の熟語のみ使用する漢字を搭載した「別表」が付記されていたが、やはり委員会の中で位置付けのあいまいさ(特定の熟語のみ使用とされたのに「別表」の中の字種には複数の熟語もあり、特に「唄」は例示熟語の最後に”等”と記載された)や必要性に疑問との声が出て、その後の6月16日の漢字小委員会で第2次素案が発表された際には「別表」制定の見送りが決まり、この中に入っていた字種の一部を第2次素案と統合し、更に字種を絞って188字になった。更に次の7月15日の漢字小委員会では字種の変動はなく、この188字の字種が追加候補漢字にすることが了承された。但し、今回の字種選定は確定ではなく、今後、音訓の読みの選定の際に字種の出し入れの可能性はあることが付された。実際にその後の9月22日の漢字小委員会では、「蒙」が追加候補漢字から除外され、新たに「刹」「椎」「賭」「遡」の4字種が追加された。
追加候補
- 藤誰俺岡頃奈阪韓弥那鹿斬虎狙脇熊尻旦闇籠呂亀頬《頰》膝鶴匂沙須椅股眉挨拶鎌凄謎稽曾喉拭貌塞蹴鍵膳袖潰駒剥《剝》鍋湧葛梨賭貼拉枕顎苛蓋裾腫爪嵐鬱妖藍捉宛崖叱《𠮟》瓦拳乞呪汰勃昧唾艶痕諦餅瞳椎唄隙淫錦箸戚妬蔑嗅蜜戴痩《瘦》怨醒詣窟巾蜂骸弄嫉罵璧阜埼伎曖餌爽詮芯綻肘麓憧頓牙咽嘲臆挫溺侶丼瘍僅諜柵腎梗瑠羨酎畿畏瞭踪栃蔽茨慄傲虹捻臼喩萎腺桁玩冶羞惧遡舷貪刹采堆煎斑冥遜旺麺《麵》璃串填《塡》箋脊緻辣摯汎憚哨氾諧媛彙恣聘沃憬捗訃
又、「銑」「錘」「勺」「匁」「脹」の現・常用漢字5字については今日の日常生活に使われることがほとんどないとして今後、削除対象となる模様。
一度は追加候補漢字に入りながら、その後、外された漢字
- 叩嘘《噓》噂濡笠嬉朋覗撫庄溜鷹揃頷掴《摑》翔喋噛《嚙》洩禄栗馴駕鴨淵駿蘭胡蘇狼蝶掻《搔》惚蒼腿菩吊雀樽壺祀卿歪棲蒙釜毅磯桶柿揆躇躊鷲憐狽萌媚寵秤撥謳套蔓醤《醬》疼賤顛《顚》捏糊饉倦屏《屛》毀恍斡膠誼疇謗乖截誹綬
また、現行の常用漢字の音訓に以下のものの追加、削除等が候補となっている。
- 追加
- 愛(え)、委(ゆだねる)、育(はぐくむ)、応(こたえる)、神(か)、滑(コツ)、関(かかわる)、館(やかた)、堪(タン・備考欄に語例追加「堪能」)、岐(ギ)、混(こむ)、私(わたし)、児(ご)、滋(シ)、臭(におう)、十(ジュッ・備考欄に読み注記)、旬(シュン)、城(き)、伸(のべる)、振(ふれる)、粋(いき)、逝(いく)、拙(つたない)、創(つくる)、速(はやまる)、分(いた)、放(ほうる)、癒(いえる・いやす)、要(かなめ)、良(ラ)、絡(からめる)、力(リキむ・備考欄に語例追加「力む」)、務(つとまる)、全(すべて)、中(ジュウ)
- 削除
- 疲(つからす)
他にも現行の常用漢字の「付表」に以下のものの追加、変更、削除等が候補となっている。
- 追加
- 尻尾(しっぽ)、固唾(かたず)、鍛冶(かじ)、弥生(やよい)
- 変更
- 居士(こじ) - 「一言居士」を「居士」に変更
- 五月(さつき) - 「五月晴れ」を「五月」に変更
- 母さん(かあさん) - 「お母さん」を「母さん」に変更
- 父さん(とうさん) - 「お父さん」を「父さん」に変更
- 削除
- 稚児(ちご)、野良(のら)
共に都道府県名の読みとして「児(ご)」と「良(ラ)」を追加するので、現「付表」に掲載されている「稚児」と「野良」を削除し、「児(ご)」と「良(ラ)」の語例に追加。
[編集] パブリックコメント
また、文部科学省はこの改定案について、パブリックコメントを募っており、4月16日から行われた第一回の結果がニュースなどで発表された。それによると、新たに302字の追加希望があったという。最も多かったのは「鷹」の25票であるが、これは三鷹市、白鷹町などの自治体が組織票を行っていたことを公表している。続いて「碍」の20票は障害者団体が「障害」を「障碍」に書き換える推進運動を行っていることが大きく関与している。その他、6票以上を獲得したのが「睦」「柿」「迂」「哺」「蘇」「棲」「疹」「楷」「揃」「叩」「濡」「吊」「悶」「牽」「挽」「捏」「膿」「嘘」「禄」であった。一方、削除希望の漢字も挙げられ、目立ったのが「鬱」「顎」であった。理由として画数が多いため、中学生に学習させるには難しすぎるという教育委員会の意見が目立っている。他にさほど実用的でないという理由から「聘」「憚」「憬」などが挙げられたほか、「埼」「阪」「阜」など都道府県に用いられる漢字も列挙された。これらパブリックコメントは有効意見で220件寄せられており、前回行った「敬語の指針案」の5倍に上っている。このパブリックコメントを加味した上で、再度指針案を練り直すとともに、秋口には第二回のパブリックコメントを開始すると発表している。


