ナイトスラッシャーズ
『ナイトスラッシャーズ』(Night Slashers)は、1993年にデータイーストからアーケードゲームとして発売されたベルトスクロールアクションゲーム。
概要[編集]
いわゆるベルトスクロールアクションに分類されるタイプのゲームである。3人まで同時プレイ可能。
連続攻撃、ジャンプ攻撃、掴み攻撃といったお馴染みの攻撃方法以外にも、溜め攻撃である「オーラ技」、敵を地面に埋め込んで追い討ちを掛けられる攻撃など、このゲームならではの攻撃方法も多数存在する。隠し技が多いのも特徴であり、中には2人プレイ以上でなければ出せない合体技などもある。
また、「好物システム」が導入されており、同じフードアイテムを取っても使用キャラクターにより体力回復量が違う(例をあげると、蒸し餃子は紅華(ホンファ)が取ると回復量が大きいが、他の二人ではあまり回復しない)。
プレイヤーキャラクター[編集]
- ジェイク・ホワイト
- 両腕をサイボーグ化したモンスターハンター。ゲーム中の位置づけとしてはパワーキャラである。
- 超自然系の敵(ゴーレム、狼男など)を得意とするが、超自然系の敵は数が少ないため、難易度は高め。しかしボスに対しては攻撃力補正のかかる対象が全キャラ中一番多く、ボス戦に特化した性能といえる。
- 好物はハンバーガー、フライドチキン、バドワイザーだが、ソロプレイだとこれらのフードが登場しないため、回復量は全キャラ中最低。そのため、ソロプレイの1コインクリアは困難を極めるが、不可能ではない。
- クリストファー・スミス
- 代々と続く、バンパイアハンターの家系出身。ゲーム中の位置づけとしてはバランスキャラである。
- 3面のボスであるバンパイア・ロードに父と祖父が殺されている。吸血鬼系の敵を得意とする。最も1コインクリアに近いキャラクターとされている。
- 好物はシチュー、甘い物。彼は甘党であり、ケーキを肴にお酒を飲めるほどである。ちなみに攻撃のフィニッシュには十字架を使うが、海外版では水晶玉に変更されている。
- 後年、内藤泰弘の漫画作品『血界戦線』で、クラウス・V・ラインヘルツのモデルとして引用されている。
- 趙 紅華
- 中国系の退魔師。ゲーム中の位置づけとしてはスピードキャラである。
- 同じく退魔師を目指している妹がいるが、実力は紅華にとうてい及ばない模様。データイースト公式で描かれた『コミックゲーメスト』の4コマ漫画によると、普段はレンタルビデオ店でアルバイトをしているらしい。
- ゾンビ系の敵を得意とする。ゾンビ系の敵は作中最も数が多いため、ザコ敵との戦いでは絶大な力を発揮するが、ジェイクとは逆にボス戦は攻撃力補正のかかる相手が少ない。
- 好物は肉まん、ココナッツミルク。
ストーリー[編集]
- ある日を境に、世界各地で『モンスター』たちが出現。空想の存在でしかないはずだったそれらの魔物は瞬く間に勢力を拡大し、軍ですら壊滅状態に陥り、いくつもの都市が滅んだ。
- それから三ヶ月が経ち、生き残った人々はモンスターの恐怖におびえ暮らす日々だった。だが、人類に希望は失われていなかった。闇の勢力に対抗する力を持った人間も、確かに存在していたのだ。
- 彼らは自らをこう呼んだ - 夜を切り裂く者達、『ナイトスラッシャーズ』と。
- 今、闇の軍勢との最後の戦いが始まろうとしていた。
操作方法[編集]
8方向レバーと3つのボタンを使用、Aで通常攻撃、Bでジャンプ、Cで必殺技(使用すると体力が減る)を使用する。
Aを押し続けるとオーラ溜め(プレイヤー周囲に円形のエフェクトが出る。この状態からでのみ出る特殊技がある)
A+Bで回避技(使用すると必殺技より少なく体力が減る)を出せる。
また、キャラクターごとに以下のコマンド技が存在する。
コマンド技[編集]
- ジェイク専用
- ヘルサーファー 掴んで2+AB同時押し
- サドンインパクト 体力半分以下の状況で282+A
- クリストファー専用
- ニースパーク A溜め2放す
- ソリッドスラッシュ 体力半分以下の状況でA溜め236放す
- 紅華専用
- 閃身飛影 ダウンした際にレバーを振りながらA連連打
- 破岩脚 掴んで2B
- 鳳龍雷火弾 体力半分以下の状況でA溜め236放す
ステージ構成[編集]
ゲーム中ではボス含めた殆どの敵が名称不明であり、便宜上の呼称。
- 1面
- ゾンビや改造人間を次々と生み出しているという病院。
- 中ボス:マッドサイエンティスト。プレイヤーキャラに改造の要望を訊くが一蹴される。
- ステージボス:フランケンシュタインの怪物。凶暴かつ幼稚な性格でプレイヤーキャラを玩具呼ばわりする。
- 2面
- バンパイア・ロードの城までの道のり。
- 中ボス:幽霊馬車の御者と操り人形の二人組。御者は人形を息子と呼ぶ。
- ステージボス:ゴーレム。特定の技を受けるとコアが露出する。
- 3面
- バンパイア・ロードの城内。
- 中ボス:鎧の騎士。本体は鎧が持っている剣。
- ステージボス:バンパイア・ロード。クリストファーにとっては一族の敵である因縁の相手。
- 4面
- 2つある魔力の源のうちの1つであるメキシコのアステカ文明の遺跡。
- ステージボス:魔力の源を守る二人組の格闘家。ツープラトン攻撃を仕掛けてくる。2面中ボスと違い体力を共有。
- 5面
- オーストラリアにある魔力の源へ向かう飛行機とヘリコプター。
- 中ボス:鎧の騎士(3面中ボスの色違い)。セリフはない。
- ステージボス:黄金の棺に安置されたミイラ。クリストファー曰く「古代エジプトの格闘王」。
- 6面
- 魔力の源のうちの1つであるオーストラリアの秘密基地。
- 中ボス:ヘリコプターの幽霊。他にゴーレム、マッドサイエンティスト、バンパイア・ロードの3体が復活して襲ってくる。
- ステージボス:死神。ザルツとの契約に基づき、世界を魔物で包み込むべく暗躍していた。ボスを復活させる演出でも顔見せ登場する。
- 7面
- 最終ステージ。秘密基地の中枢。
- ラストボス:古代王ザルツ。太古の悪霊で、ロボットの体に宿り現世への復活を目論む。一度倒しても上半身のみで再戦を挑んでくる。
備考[編集]
日本語版において流血シーンの修正はないが、海外では血の色や暴力シーンのレベルを変えることができる。
『コミックゲーメスト』1994年3月号には、読み切りコミカライズ作品が掲載された。作者は池上竜矢。また、独特の世界観は後年、内藤泰弘『血界戦線』の元ネタとして引用されている。