キャディラックス 恐竜新世紀

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キャディラックス 恐竜新世紀』は、1993年4月カプコンからアーケードゲームとして発売されたベルトスクロールアクションゲーム。3人同時プレイ可能。「キャデラックス」としばしば誤記される。

海外での販売名は「Cadillacs and Dinosaurs」。

概要[編集]

舞台は天変地異によって恐竜が人間と共存するようになった26世紀。 恐竜を狩り集めようとする密猟者・ディノハンター達を相手に4人の戦士が闘いを繰り広げる。

この世界ではディノハンターと闘う戦士のことを「キャディラックス」と言う。彼らが使う自動車は「キャディラック」と発音する。この車のモデルは不明だが、パイプが露骨にボディに出るなど完全に改造品である。

基本的な操作方法は『キャプテンコマンドー』を昇華させたような内容で全方向にダッシュが可能、ダッシュジャンプも可能であり、全体的に操作の自由度が高い。他にもコマンド入力で出せる技があり、ドラム缶や樽などを持ち上げて移動したり、投げつけたりすることもできる。従来のベルトスクロールアクションゲームに比べ、全体的にプレイヤーの攻撃力が高めに設定されている。

原作はアニメ「Cadillacs and Dinosaurs」1993年・米国CBS放送。その原作はアメコミ「Xenozoic Tales」(作:Mark Schultz)。本ゲーム稼動時の日本では原作の知名度が皆無に等しく、同時期に稼動した『パニッシャー』の方がまだ知名度があった。

日本では知名度の低さからあまり人気作品とはならなかったが、 アメリカでは大ヒットし、メジャータイトル入りすることとなった。

なお、敵キャラクターには以下で述べられているものの他に、凶暴化した恐竜が存在する。攻撃することによって体力をゼロにする(体色を赤から緑にする)と正気に戻す事が出来る。

ちなみにキャラクター共通コマンド技は以下のとおり。

  • 対空攻撃:レバーを↓↑と入力し、攻撃ボタンを押す。(ハンナだけ前転攻撃)
  • スラッシュダウンキック:垂直ジャンプ中、ジャンプ頂点で攻撃ボタンを押す。ムスタファは垂直ジャンプでない時からも出せる。

プレイヤーキャラクター[編集]

ジャック・テンレック
主人公格でキャディラックスのリーダー。メカニックでもあり霊媒師でもある男。技・能力ともに平均的なバランス型キャラクターで、どんな状況でも、オールマイティーに戦うことができる。
対空技は前方にジャンプし、敵を蹴り上げる「ローリング昇龍脚」。
メガクラッシュは「ダイノアッパーカット」。
ハンナ・ダンディー
このゲームのヒロイン。格闘力の面では劣ってしまうが、武器の扱いに長けているキャラクター。グラマーな女性だが、アメコミと言うこともあり顔のアップがかなり濃い。上級者向け。
対空技の代わりに「前転攻撃」を使う。
メガクラッシュは「スパイラルスマッシュ」。
ムスタファ・カイロ
エンジニアであり、ジャックの良き友人でもある男。リーチとスピードに優れたスピード型キャラクター。全キャラの中で使用率が高く、ジャックよりやや扱いやすい性能となっている。
対空技は「サマーソルトキック」。
メガクラッシュは「トルネードキック」。
メガクラッシュ時の掛け声は「Get out of me(消え失せろ)!」。
メス・オブラドビッチ
筋骨隆々の巨漢で、投げ技に優れたパワータイプのキャラクター。リーチもあるため、使いにくそうな見た目に反してかなり使いやすい。
対空技は高くジャンプして背中から落下する「テラ魚雷」。
メガクラッシュは「ヘッドブレイカー」。
彼には投げ技が二種類あって、通常の投げはボディー・スラムだが、掴んでから後ろへ投げる場合はブレーン・バスターをお見舞いする。

アイテム[編集]

基本的に『ファイナルファイト』と同様に、ステージ中にあるドラム缶タイヤなどの障害物を破壊すると出現する。柱などの背景に隠されているものもある。

回復アイテム[編集]

バイタリティが満タンの時は得点が入る。

得点アイテム[編集]

武器アイテム[編集]

  • 拳銃:装弾数6発。ごく一般的な銃。3発当てるとダウンさせることが出来る。弾切れになると使い捨てで投げて攻撃する。銃火器類は一部を除き、弾切れになると投げて攻撃出来る。
  • ライフル:装弾数6発。ハンタータイプの雑魚敵も使用している。発射時に反動がある他、当てるとダウンさせられる。弾が切れても投げずに殴って使用することも出来る。
  • ウージー:装弾数48発。ボタンを押す時間で発射数を調整できるマシンガン。キャラクターによって連射速度・一度に発射する弾数が異なる。
  • M16A1:装弾数48発。ウージーと同じ性質を持つが、威力がウージーよりも高威力になっている他、弾切れになっても投げ捨てずにライフルと同じように殴って使用することも出来る。ウージーが置いてある箇所で極稀にしか出ない。
  • ショットガン:装弾数6発。攻撃範囲が広く、一度の発射で連続ダメージを狙える。
  • バズーカ:装弾数4発。本体と爆風の2段階のダメージがある。この銃火器のみ、弾が切れると自動的に使い捨てになり、消滅する。コンティニューで復活または途中参加する時は、空から爆撃に加え、これを持っている。
  • 手榴弾:投げつけて使い、爆発して攻撃する。本体と爆風の2段階のダメージがあるが、移動中の方の場合によって効果が異なる。歩く方は投げから地面に落ちて後か直撃させると爆発する。ダッシュする方は遠くだと投げ、敵に当たると爆発し、さらに横一直線に爆風を巻き起こす。
  • ダイナマイト:投げつけて使い、地面に落ちてしばらくすると爆発する。投げつけた敵は必ず気絶する。

※ バズーカ、手榴弾、ダイナマイトで敵を倒すと、ボスを除き、吹っ飛んでバラバラになる。

  • ナイフ:敵の近くにいると突き刺して攻撃(ハンナは3連撃)、敵から遠くだと投げて攻撃できる武器。敵が投げたのを落とせば、拾って使用可能。
  • たいまつ:振り回して使い、触れた敵を燃やしてダウンさせる。
  • 角材:殴って攻撃できるが、攻撃力が低い。何度か使うと破損して「棒切れ」になる。
    • 棒切れ:ナイフとほぼ同じ性質を持つ武器で、「角材」が破損すると自動的にこれになる。
  • 棍棒:振り回して使う武器で、威力が非常に高い。
  • 石:敵に投げつけて使う。攻撃力が低く、1回限りの使い捨ての武器だが、ダッシュで投げた場合は横一直線に敵を貫通してダメージを与える。
  • Bナイフ:ナイフというよりは大剣。振り回して使う武器で、アトミックが持っている。

特殊アイテム[編集]

  • マガジン:銃系のアイテムを持っている時に取ると残弾数が完全回復する。持っていない時でも、点数が増える。
  • 通信機:EPISODE3にのみ登場、取るとキャデラック(車)が出てくる。

敵キャラクター[編集]

一般雑魚[編集]

アストロ(海外名:FERRIS)
最も弱い一般的な雑魚キャラクター。下級の雇われ兵士で集団戦闘に優れている。喧嘩慣れした動きでゆっくりとプレイヤーキャラクターを囲んで行く。攻撃手段は殴る・蹴る程度のことしかしてこない。距離が離れているとダッシュで間合いを詰めてくる。滅多に使わないが、飛び蹴りを放ってくることもある。
リスク(海外名:GNEISS)
アストロより少し強い。頭に付けたスコープが特徴的。アストロよりも動きが良く、新たにダッシュして助走を付けてからのキック攻撃を使用する。バイクに乗って突っ込んでくるタイプも存在し、バイクを壊すと逃げずにそのまま残る。
D.D(海外名:DRIVER)
アストロの色違い。アストロやリスクに比べて全体的な能力が高めで、動きが良く、非常に好戦的。

ハンター[編集]

ジョー(海外名:POACHER J)
ライフルを所持した密猟ハンター風の雑魚。アトミックの元で恐竜の密猟を繰り返すアウトロー。元は軍人で、剣術・射撃に長けている。手持ちのライフルは彼の唯一の相棒でもある。ライフルでの射撃攻撃以外にも、ライフルで殴ってきたり、小さくジャンプして飛び蹴り、ローリングしつつライフルで突いてくる、リロードして撃つなど多彩な攻撃手段を持つ。しかし、動きは鈍い。緑のコートを着ていて、このタイプでは最弱のキャラクター。
コブラ(海外名:SKINNER)
ジョーと同じタイプの雑魚。赤いコートにヒゲ面の中年風の男。攻撃方法もジョーと全く同じ。
サターン(海外名:GUTTER)
前述の2名と同じタイプ。バンダナに初老風の男で黄色のコートを着ている。倒した時に入る得点が最も高い。

ナイフ使い[編集]

ブレード(BLADE)
常にサバイバルナイフを懐に所持している雑魚。前に長く伸びた金髪が外見的特徴。長身だけに攻撃のリーチが長い。ナイフを両手に装備して攻撃してくる。ナイフを所持していない場合は取り出して持ち直す。走って切りかかったり、ナイフを投げたり、ジャンプしながら攻撃したりもしてくる。ナイフを投げてすぐに逃げるタイプも存在し、この場合は耐久力が低くなっている上にアイテムを落とすことが多い。
レイザー(RAZOR)
ブレードと同じタイプの雑魚。こちらは紫色のサングラスが外見的特徴。ブレードに比べてジャンプ攻撃を多用する傾向が強い。

小男[編集]

ニトロ(海外名:PUNK)
帽子を被ったパンクヘアーの小男。考えるよりも体を動かすことを第一に行なう奇妙な男。見た通りに身軽に動き回り、こちらをかく乱させつつ隙を付いて攻撃してくる反面、攻撃力・耐久力が低い。ときおり勢いよくタックルをしてくることもある。手榴弾を所持して現れるタイプもおり、その場合は手榴弾を投げると同時に逃げていく他、耐久力も極めて低くなっている。手榴弾を投げる前に攻撃することが出来ると、プレイヤーが手榴弾を奪うことも出来る。
ターボ(海外名:THUG)
ニトロと同じタイプの雑魚。ニトロに比べてボス戦時に登場することが多く、非常に厄介。こちらはダイナマイトを得意武器としており、ニトロ同様にダイナマイトを投げてすぐに逃げるタイプも登場する。

デブ男[編集]

ハンマー(HAMMER)
突進などパワーのある攻撃を得意としている雑魚。身体を動かさずに他人に命令するようなことばかりしていたため、めっきり太ってしまった男。アメフト経験があり、その経験を活かした瞬発力から繰り出される攻撃が得意。食べ物を隠し持っていることが多く、実際ゲーム中でも倒すと場所によっては時々回復アイテムを落とす。画面からいきなり突進してきたり、飛びながらヒップアタックなど攻撃力の高い技を多く持つ。また、寝ている恐竜を叩き起してきたり、こちらがダウンすると笑って馬鹿にしてきたり、戦闘中も稀に葉巻を吸ってくつろぐなど他の雑魚に比べてユーモラスな行動が目立つ。
ジェームス(海外名:BLK ELMER)
ハンマーと同じタイプの雑魚。ヒゲ面。倒した時の得点が二番目に高い。
レンチ(WRENCH)
前述の2名とほぼ同じ攻撃方法を持つ。倒した時の得点が最も高い。

中堅雑魚キャラクター[編集]

ファントム(海外名:BLUDGE)
ブランカカメレオンを合成させたような姿の獣人。フェッセンデンに改造を受けた哀れな男。身軽に動き回りつつ攻撃する他、溶解液を吐いたり、長い舌で巻きついてきたりもする。近くのアイテムを飲み込んでしまうことがあり、その場合はすぐに倒せば取り戻すことが可能。
ラッシュ(LASH)
長いロープに巻きつけた鉄球を武器にしている大男。仕事にまじめな性格で、それゆえ時折その巨体を持余すこともある。ロープに巻きつけた鉄球を伸ばして攻撃してくるため、離れた距離からの攻撃を得意としている。反面、概ね接近戦に弱く、特に投げ技には弱い。
コルト(海外名:WALTHER)
ヴァイスの義兄弟。攻撃手段もヴァイスと殆ど同じ。雑魚扱いで出てくるが、他の雑魚キャラクターに比べて強力な攻撃を兼ね備えているので強い。しかし、強さ的にはヴァイスには一歩及ばない様子。
タイログ2(TYLOG2)
タイログの雑魚扱いバージョン。最終面にのみ登場する。

ボスキャラクター[編集]

ヴァイス(VICE)
ステージ1のボス。兵士達の親分的な存在で、人使いが荒く、アストロ達をこき扱っている。コルトという義兄弟がいる。ビルから逃げようとした所を主人公たちに追い詰められ、捕らえた恐竜を怒らせて利用し、殺しにかかってくる。大きくジャンプして飛び蹴りや拳銃で発砲してくる他、間合いを取りつつ強烈なボディーブローで殴り飛ばしてきたりする。体力が減ると拳銃で雑魚敵を呼ぶ。倒された後は密猟者達の居場所を吐く。
アトミック(海外名:BUTCHER)
ステージ2のボス。骨で出来た首飾りを付けている太ったスキンヘッドの大男。恐竜の森で恐竜達の密猟を繰り返し、惨殺していた。性格は残酷かつ凶暴で、時には仲間にさえも危害を加えることもあるほど。下卑た笑いを見せた後、両手に持ったBナイフによる振り回し攻撃や、ジャンプしてヒップアタックをしてくるなど、パワーのある攻撃を得意としている。
ガスパー(海外名:HOGG)
ステージ3のボス。ライダースーツを身にまとった金髪の男で、ジャック達のアジトを潰そうとバイクを走らせていた。アメリカンスタイルにとことん拘る性格。車に乗ってきた場合は逃げながら手榴弾を投げてくる。地上に下りた際にはひたすら左右からバイクで現れては手榴弾を投げるの繰り返しで攻撃してくる他、時折車体を大きく上げてひき殺そうとしてきたりもする。なお、このボス戦に出てくる雑魚達は、倒すと銃火器類を落とすことが多い。
スライス(SLICE)
ステージ4のボス。ブーメランを懐に忍ばせている背の高いモヒカン男。ジャック達のガレージを占領しており、恐るべき素早さと身軽さで残像を出しながら高速移動しつつ、手持ちのブーメランで斬り付けてきたり、投げたりしてくる。リーチの長さもかなりのもの。
モルガン(MORGAN)
ステージ5のボス。白衣姿の研究員の姿をした小男。村に火を放ったり、秘密を話そうとした村長をためらいなく撃ち殺すなど、極めて残忍な性格。背の低さにコンプレックスを抱いている。動き回りながら手持ちのマシンガンで発砲してきたり、ナイフや石・手榴弾などを投げて来たりするなど飛び道具を多用する。倒した際には持っていたマシンガンを落とす他、変身して再び襲い掛かってくる。
モルギー(MORGUE)
モルガンが恐竜に変身した姿。背の低さにコンプレックスを抱くあまり、自ら肉体改造を望み、フェッセンデンに改造手術を施されることで、恐竜の力を手に入れた。突進からの頭突きや力任せに引っ叩くなど、パワーのある攻撃を仕掛けてくる。
タイログ(TYROG)
ステージ6のボス。フェッセンデンが作り出した寄生体生物。人に取り付き、怪物に変化することが出来る。戦闘時には雑魚敵に寄生し、倒されると新たな雑魚敵に寄生して復活し、合計3回倒さなければならない。固体ごとに使用する攻撃が異なり、腹から棘状の触手を出したり、火の玉を吐いたり、血のような溶解液をばら撒いて来たりする他、大きく飛び掛って攻撃してきたりもする。
スライサウルス(SLISAUR)
ステージ7のボス。スライスが改造・複製された姿。ジャック達に敗北したスライスがフェッセンデンにそそのかされ、生まれ変わらされた姿。攻撃手段はスライスと全く同じだが、1人プレイ時は2体(2人同時プレイ時は3体、3人同時プレイ時は4体)出てくるため、本作でトップを争うほどの最難関となっている。
ドクター・フェッセンデン(FESSENDEN)
ステージ8のボス。最終ボスで悪の親玉。密猟者を使って恐竜を集め、恐竜と人間を組み合わせた最強の生物を作ろうとしている狂気の科学者。最初はモルギーと同じタイプの恐竜に変身し、モルギーと全く同じ攻撃を仕掛けてくるが、倒されるとさらに変化し、より強力な恐竜に変身して襲ってくる。
自身の最後の姿は研究の粋と言えるものだろうが、頭部が2つある上に火球を吐くなど、恐竜と言うより怪獣に近い姿となっている。

ステージ[編集]

  • EPISODE1(名前表示なし)CITY IN THE SEA/BOSS:VICE
  • EPISODE2(北の森へ向かえ!)THE SWAMP FOREST/BOSS:ATMIC(海外名:BUTCHER)
  • EPISODE3(地獄のロード)WASTE LAND/BOSS:GASPER(海外名:HOGG)
道中はキャディラック(車)を運転して敵を轢き殺しまくる事実上のボーナスステージ。
  • EPISODE4(アジトをとりもどせ!)JACK'S GARAGE/BOSS:SLICE
  • EPISODE5(火の村)VILLAGE OF FLAME/BOSS:MORGAN/MORGUE(MORGANを倒すとMORGUEになる)
  • EPISODE6(狂気の改造実験)JANGLE&MINE/BOSS:TYROG
  • EPISODE7(地下へ)THE BASEMENT/BOSS:SLISAUR(SLICEのパワーアップ版)
  • EPISODE8(最期の闘い)DEEP DEEP DOWN/BOSS:FESSENDEN(最初はMORGUEの色違いだが、倒されるとパワーアップした姿になる)

原作について[編集]

  • 原作となったアメコミ「Xenozoic Tales」は大手出版社(MARVEL・DC・DARKHORSE・IMAGE)でないKITCHEN SINK PRESSから刊行されていた作品だが、アニメ化をきっかけにMARVELやDARKHORSEからもリプリント(再出版)された。日本語版はない。
  • 作者Mark Schultzはこのアメコミ一本しか執筆していない。
  • 日本国外ではアニメ化を契機にブレイクした作品で、家庭用ゲームやテーブルトークRPGも作られた。
  • いずれにせよ、日本では本ゲームぐらいでしか知ることがない作品であり、同社のゲームとしては類例がないほど海外向けに徹した作品と言える。