クズ

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?葛(クズ)

クズ(兵庫県川西市・2005年9月)
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
: クズ属 Pueraria
: クズ P. lobata
学名
Pueraria lobata (Willd.) Ohwi (1947)
和名
クズ
英名
kudzu
葛の花穂は下から上へと咲いていく。写真は下部の花は終わって既に落ち、中間部が咲いているところ。上部のつぼみはまだ固い

クズは、マメ科のつる性の多年草。根を用いて食品の葛粉や漢方薬が作られる。秋の七草の一つ。名前はの文字を当てる。(「」で表記する場合もある)

目次

[編集] 特徴

葉は3出複葉、小葉は草質で幅広く、とても大きい。つるは年がたつと太くなり、やや木質化する。地面を這うつるは、節から根を出し、あちこちに根付く。根は非常に深く、太って長芋状となる。花は8~9月の秋に咲き、穂状花序が立ち上がり、赤紫の豆の花を咲かせる。花は甘い芳香を発する。果実は枝豆に似て、やや小型。

和名は、かつて大和国(現:奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来する。

[編集] 分布と生育環境

北海道~九州までの日本各地のほか、中国からフィリピン、インドネシア、ニューギニアに分布している。

荒れ地に多く、人手の入った薮によく繁茂する。

[編集] 近似種

沖縄には同属のタイワンクズ(P. montana (Lour.) Merr.)がある。全体にクズに似るが葉の形や花の姿などに若干の差がある。なお、沖縄ではほぼ同様な姿でナタマメ属(Canavalia)のタカナタマメ(C. cathartica Thouars)も路傍によく出現する。

[編集] 昆虫など

いろいろな昆虫のつく植物でもあり、結構目を引くものがある。たとえば黒と白のはっきりした模様のオジロアシナガゾウムシ、まん丸の形が可愛いマルカメムシはよくクズで見かける。また、クズの葉に細かい虫食いがある場合、クズノチビタマムシであることが多い。

[編集] 利害

よく繁茂する蔓草としての利害と、食品その他の利用がある。後者については後述する。

雑草としては、これほどやっかいなものはない。蔓性で草地を這い回り、あちこちで根を下ろすので、駆除するのはほとんど不可能に近い。他方で、その蔓は有用であった。

かつての農村では、田畑周辺の薮に育つクズのつるを作業に用いた。そのため、クズは定期的に切り取られ、それほど繁茂しなかった。しかし、刈り取りを行わない場合、クズの生長はすさまじいものがあり、ちょっとした低木林ならば、その上を覆い尽くす。木から新しい枝が上に伸びると、それに巻き付いてねじ曲げてしまうこともある。そのため、人工林に於いては、若木の生長を妨げる有害植物と見なされている。

なお、この派手な成長ぶりを買われ、中国奥地の緑化のために種子が運ばれたことがある。北アメリカにも1876年にフィラデルフィアの独立百年祭博覧会の際に日本から運ばれて飼料作物および庭園装飾用として展示されたのがきっかけとして、東屋やポーチの飾り、さらには緑化・土壌流失防止用として推奨され一時は持てはやされたが、原産地の中国や日本以上に北アメリカの南部は生育に適していたため、あるいは天敵の欠如から想像以上の繁茂・拡散をとげ、有害植物及びに侵略的外来種として指定されたが、駆除ははかどっていない。なお、葛の英語名は日本語からkudzu(クズ)である。近年ではアメリカ南部の象徴的存在にまでなっている。

駆除は、根茎により増殖するため根絶やしにすることが困難である。抜本的に除去する方法として、除草剤のイマザピルを使う手法がある。除草剤は、薬剤を染みこませた楊枝状の製品であり、根株に打ち込むことにより効果を発揮する。

2008年に宮崎大学により、クズ属植物からバイオマスエタノールを抽出する技術が開発された。

[編集] 食品

食品の葛粉(くずこ)はクズの根から取れるデンプンを精製することによって作られ、葛切り葛餅などの原料となる。貝原益軒の菜譜や大蔵永常の製葛録に記されている通り、もともとは救荒食糧としてして認知されていた。葛粉は良質の澱粉であり、効率よく栄養を摂取するには最適の食材である。 室町時代、とある山中で、が葛根をしきりに掘り出そうとしているのを見た人が「食べ物ではないか」と思いついたのが、食糧として認知された始まりであるという伝説がある。が、飛鳥時代の庶民の住居跡からも葛根や葛餅様食品が出土している限り、かなり古来から食された可能性がある。

葛粉は、葛根を潰して澱粉を取り出し、水にさらす作業を何度も繰り返してアクと不純物を取り除く。最後に塊を自然乾燥させて完成となる。したがって、良質の葛粉を作るためには、水は清く冷たくなければならず、空気は乾燥していなければならない。良質の水と冬の寒さが厳しい奈良県の吉野葛、富山の宝達葛、静岡の掛川葛、三重県の伊勢葛、福井県の若狭葛、福岡県の秋月葛などは、既述の条件を満たしているといえる。

葛粉を湯で溶かしたものを葛湯(くずゆ)、熱を加えて溶かしたものは固まると半透明もしくは透明になることから和菓子等の材料として古くから用いられている。

各種食料品店で入手できる葛粉と呼ばれる食品の多くは馬鈴薯澱粉が混ざっており、混じり気のない葛粉100%のものを本葛(ほんくず)と呼び区別する。

[編集] 本葛

クズの根から作られるデンプンを本葛と呼ぶ、なめらかで口当たりが良いが、本来多少の苦味を伴う。この苦味が薄いと薬効が落ちるとも言われている。

本葛は生産量が少なく高価であるため、現在「本葛」として市販されている物でさえ小麦ジャガイモサツマイモ(甘藷)やなどのデンプンを混入した物が多い。(ジャガイモは、体を冷やす作用がある)

ただし、西日本、特に産地の多い近畿や九州では本葛粉が比較的手に入りやすい。

[編集] 本葛の生産の現状 

本葛の生産はクズの根を掘り出す人の高齢化と天然資源の減少によって、現在、国内で出回る本葛にしめる中国製の割合が高まっている。

中国製については、中国から寒根葛()の根を輸入し国内で製造した物を国産本葛と表示しているケースや国産本葛と中国産葛を混ぜ合わせて国産本葛としている事が多々見受けられる。

中国産の寒根葛()の根のポストハーベスト(残留農薬)の危険性が問題になっている。

国内産本葛の大生産地は、現在、鹿児島であるが南九州産を原料とする三軒は、信頼のおける生産者といえるだろう。

※ 台湾産の葛根は、タイワンクズ、中国産の葛根は、シナノクズ、日本産の葛根とは、植物学的には同種類ではない

[編集] 本葛の原料原産地名表示の現状

現在、本葛には、原料原産地名の表示義務がない為、本葛の表示があっても国産とは限らないのが現状、商品内容表示に原料原産地名の表示のない物については、外国産が混じっていると言える。


[編集] 漢方薬

クズの根を干したものを生薬名葛根(かっこん)と呼ぶ。日本薬局方に収録されている生薬である。発汗作用・鎮痛作用があるとされ、漢方方剤の葛根湯参蘇飲(じんそいん)などの原料になる。これを題材にした落語に『葛根湯医者』がある。

[編集] 蔓(つる)

クズのは長いことから、切り取った蔓部が乾燥して固くなる前に編むことで、籠(かご)などの生活用品を作ることができる。

また、蔓を煮てから発酵させ、取りだした繊維で編んだ布は葛布(くずふ)と呼ばれる。平安時代頃から作られていたとされる。江戸時代には『和漢三才図会』でも紹介された。かつては衣服・壁紙などに幅広く使われたが、現在では生活雑貨や土産物として、数少ない専門店によって小規模ながら生産がつづけられている。遠州、現在の静岡県掛川市の特産品である。

[編集] 家紋

クズ固有の小さな葉を意匠的に図案化した家紋が数多く存在する。

[編集] 関連記事

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