ユズ

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ユズ
ユズの果実
ユズの果実(2004年11月4日)
分類APG III
: 植物界 Plantae
: 被子植物 Angiosperms
: 真正双子葉類 Eudicots
亜綱 : コア真正双子葉類 Core eudicots
下綱 : バラ類 Rosids
上目 : 真正バラ類II Eurosids II
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
亜科 : ミカン亜科 Citroideae
: ミカン連 Citreae
: ミカン属 Citrus
: ユズ C. junos
学名
Citrus junos
(Makino) Siebold ex Tanaka[1]
シノニム

C. ichangensis x C. reticulata var.austera

和名
ユズ
英名
Yuzu

ユズ(柚子、学名: Citrus junos)は、ミカン科ミカン属常緑小高木柑橘類の1つ。ホンユズとも呼ばれる。消費・生産ともに日本が最大である。

果実が小形で早熟性のハナユ(ハナユズ、一才ユズ、Citrus hanayu)とは別種である。日本では両方をユズと言い、混同している場合が多い。また、獅子柚子(鬼柚子)は果実の形状からユズの仲間として扱われることがあるが、分類上はザボンブンタンの仲間であり、別種である。

形態・生態[編集]

果実は比較的大きく、果皮の表面はでこぼこしている。種子の多いものが多い。酸味は強く、香りもある。

柑橘類の中では耐寒性が強く、極東でも自生できる数少ない種である。また、柑橘類に多いそうか病かいよう病への耐久があるため、ほとんど消毒の必要がなく、他の柑橘類より手が掛からないこと、無農薬栽培が比較的簡単にできることも特徴のひとつである。

成長が遅いことでも知られ、「ユズの大馬鹿18年」などと呼ばれることがある。このため、栽培に当たっては、種子から育てる実生栽培では、結実まで10数年掛かってしまうため、結実までの期間を短縮するため、カラタチ接木することにより、数年で収穫可能にすることが多い。

分布・栽培[編集]

本ユズは、中華人民共和国中央および西域、揚子江上流の原産であると言われる。 日本の歴史書飛鳥時代奈良時代に栽培していたという記載があるのみである[2]

花ユズは日本原産とも言われるが、詳しいことは判っていない。

日本では、東北地方以南で広く栽培されている。産地としては、徳島県木頭村(現:那賀町)や高知県馬路村京都市右京区嵯峨水尾北川村など高知県東部地方の山間部が有名である他、山梨県富士川町栃木県茂木町、最も古い産地の埼玉県毛呂山町等、全国各地に産地がある。海外では、韓国最南部の済州島全羅南道高興郡など、中華人民共和国の一部地域で栽培されている。

現在の日本で栽培されるユズには主に3系統あり、本ユズとして「木頭系」・早期結実品種として「山根系」・無核(種無し)ユズとして「多田錦[3]」がある。「多田錦」は本ユズと比較して果実がやや小さく、香りが僅かに劣るとされているが、トゲが少なくて種もほとんどなく、果汁が多いので、本ユズよりも多田錦の方が栽培しやすい面がある(長いトゲは強風で果実を傷つけ、商品価値を下げてしまうため)。

なお、収穫時にその実をすべて収穫しないカキノキの「木守柿」の風習と同様に、ユズにも「木守柚」という風習がある地方もある[どこ?]

人間との関わり[編集]

食材[編集]

冷たい柚子茶

ユズの果汁は、日本料理等において調味料として、香味・酸味を加えるために用いられる。また、果肉部分だけでなく皮も七味唐辛子に加えられるなど、香辛料薬味として使用される。いずれも、青い状態・熟れた状態の両方とも用いられる。九州地方では、柚子胡椒と呼ばれる調味料としても使用される。これは柚子の皮に、皮が青い時は青唐辛子を、黄色く熟している時は赤唐辛子を、そしてを混ぜて作るもので、緑色または赤色をしている。幽庵焼きにも用いられる。

熟したユズでも酸味が非常に強いため、普通は直接食用とすることはない。薬味としてではなくユズ自体を味わう調理例としては、韓国柚子茶のように果皮ごと薄く輪切りにして砂糖蜂蜜に漬け込む方法などがある。ユズの果汁を砂糖と無発泡水で割ったレモネードのような飲み物もある。果汁はチューハイ等にも用いられ、ユズから作られたワインもある。

柚子の果実のうち果肉の部分をくりぬいて器状にしたものは「柚子釜」と呼ばれ、料理の盛りつけなどに用いられる。

近年ではスペインの著名なレストランであったエル・ブジが柚子を大々的に喧伝したのが発端となり、フランス料理を始めとした西洋料理にも柚子の使用が広まりつつある。

利用[編集]

独特の爽やかな香りのため、様々な香水に使用されている。最近[いつ?]、日本の植物から精油を精製する日本国内メーカーが増えており、果皮を圧搾することにより精油を採油している。その他、多彩な方法で利用されている。果汁搾汁後の残滓に含まれる精油が残滓を堆肥にする時の生物活性を低下させる要因になっていることから、精油を商品価値のある状態で取り除く方法として、超音波減圧水蒸気蒸留法が開発されている[4]

柚子湯[編集]

収穫時期の冬場に、果実全体または果皮を布袋にいれて湯船に浮かべる。薬効の成分は特定されていないが、血行を促進させることにより体温を上昇させ、風邪を引きにくくさせる効果があるとされている。

京都市右京区嵯峨水尾では、柚子の栽培農家9軒が、柚子風呂付きで鶏料理を提供している。

脚注[編集]

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Citrus junos (Makino) Siebold ex Tanaka”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年12月12日閲覧。
  2. ^ 高知県農業振興部 (2012年11月2日). “ユズ”. こうち農業ネット. 2012年12月12日閲覧。
  3. ^ 高知県農業振興部 (2012年10月26日). “多 田 錦 ”. こうち農業ネット. 2012年12月12日閲覧。
  4. ^ 沢村正義、柏木丈拡「柚子搾汁後残滓のエココンシャスな精油抽出・処理技術の開発 (PDF) 」 、『高知大学国際・地域連携センター年報2008』、国立大学法人高知大学 国際・地域連携センター、2008年、 64-66頁、2012年12月12日閲覧。

参考文献[編集]

  • 茂木透写真 『樹に咲く花 離弁花2』 高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、231頁。ISBN 4-635-07004-2

関連項目[編集]

外部リンク[編集]