コブミカン

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コブミカン
Citrus hystrix dsc07772.jpg
コブミカンの果実
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
: ミカン属 Citrus
: C. hystrix
学名
Citrus hystrix
DC.[1]
和名
コブミカン(瘤蜜柑)
英名
Kaffir lime
Makrud lime

コブミカン(瘤蜜柑、学名: Citrus hystrix)は英語でカフィア・ライム(kaffir lime)とも呼ばれるインドネシアマレーシア原産のライムの一種である。香りがよいため東南アジアの料理でよく使われ、裏庭の灌木として広く栽培されている。

概要[編集]

緑色の果実をつけ、枝には棘がある。他の多くのミカン属植物同様に葉柄部分の左右に翼(よく)があるが、葉柄部分と葉身部分の大きさの差があまり無いため、葉全体が二段になっているように見える。この葉は強い芳香を持ち、煮込み料理用ハーブとして使われる。鉢植えにも向く。緑色の実はそのごつごつとした外観とおよそ4cmほどの小さなサイズが特徴である。日本でも関東以西で、冬季のに遭わなければ屋外で栽培が可能である。尚、東南アジアの各国から生の果実や枝を検疫を受けずに日本国内に持ち込むことは防疫上禁止されているので注意が必要である。

名称[編集]

コブミカンの各国での名称:

"The Oxford Companion to Food" (ISBN 0-19-211579-0) ではカフィア・ライムの呼称を避け、マクルード・ライム (makrud lime) という呼称を支持している。カフィア (kaffir) には黒人や異教徒を指す侮辱的な意味があり、この植物をカフィア・ライムと呼ぶ明確な理由もないからである(このため、南アフリカではこの植物を「K-ライム」と呼んでいる)。しかしながら、世界的にはカフィア・ライムという呼称の方が広く使われている。

利用[編集]

コブミカンの果実(左)
葉も東南アジア料理ではよく使われる。

料理[編集]

砂時計のような形状の葉はクルウングと呼ばれるペーストのベースとなり、タイ料理ラオス料理カンボジア料理で広く使われる。またインドネシア料理(特にバリ島ジャワ島)でもポピュラーで、サユール・アサム(「酸っぱいスープ」の意味)等で使われ、またインドネシア産ベイ・リーフと共に鶏料理、魚料理に使われる。マレー料理ミャンマー料理でも見ることができる。

生のまま、あるいは乾燥させて使うが、冷凍保存したものもある。

果実の外皮はレユニオン島やマダガスカル島でクレオール料理によく使われ、スパイスド・ラムの香りづけにも使われる。

尚、"無印良品"等で販売されている"手作りタイカレー"等で材料に本品が含まれるものがあるがその場合調理法に"こぶみかんの葉は非常に辛いので食べる前に取り除いてください。"と云う注意書きが書かれている[2]

医療[編集]

果汁と果皮はインドネシアの医療で使用される。このため、この果実はインドネシアではジェルク・オバット(「薬のミカン」という意味)と呼ばれることがある。果皮から取れる油には強い殺虫効果がある。また近年の研究で、コブミカンの葉は複素環アミン類等の変異原物質に対して強い抗変異原性を示すことが明らかになっており、発がんリスクを低減できると考えられている[3]

その他の利用[編集]

脚注[編集]

  1. ^ TPL, treatment of Citrus hystrix DC.”. The Plant List; Version 1. (published on the internet). Royal Botanic Gardens, Kew and the Missouri Botanical Garden (2010年). 2013年3月9日閲覧。
  2. ^ 上記食品をはじめ複数の手作りカレーやレトルトタイカレーの"注意"欄には本品を用いている場合必ず明記されている。
  3. ^ :中原和彦 コブミカン(Citrus hystrix)の葉に含まれる抗変異原物質フラノクマリンの同定 国際農林水産業研究成果情報 第17 号(2009年度)-122013年6月19日閲覧

参考文献[編集]

外部リンク[編集]