タウリン
| タウリン | |
|---|---|
| IUPAC名 | 2-アミノエタンスルホン酸 |
| 別名 | アミノエチルスルホン酸 |
| 分子式 | C2H7NO3S |
| 分子量 | 125.14 |
| CAS登録番号 | [107-35-7] |
| 密度と相 | 1.734 g/cm3, ( -173.15 °C) |
| 融点 | 305.11 °C |
タウリン (Taurine)は生体内で重要な働きを示す分子で、含硫アミノ酸から合成される。アミノ酸と誤記されることがある[1][2]が、カルボキシル基を持たないためアミノ酸ではない。別名アミノエチルスルホン酸。
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[編集] 概要
タウリンは1827年にドイツの解剖学者・生理学者であるフリードリヒ・ティーデマンと化学者であるレオポルド・グメリンによってウシの胆汁中から発見された。タウリンという名前は、ラテン語で雄牛を意味するtaurusに由来する。
タウリンはヒトの体内などで胆汁の主要な成分である胆汁酸と結合(抱合)し、タウロコール酸などの形で存在する。消化作用を助けるほか、神経伝達物質としても作用する。白血球の一種である好中球が殺菌の際に放出する活性酸素や過酸化水素の放出(呼吸バースト)を抑える作用もある。哺乳類においては肝臓、肺、筋肉などに分布する。とりわけ軟体動物、特にタコ、イカはタウリンを多く含む。するめの表面に出る白い粉にはタウリンが凝縮されている。
ネコはタウリンを合成する酵素を持っていないため、ネコにとっての重要な栄養素といえる。このためキャットフードにはタウリンの含有量を明記したものが多い。ネコではタウリンの欠乏により拡張型心筋症が生じる。ただし、ヒト、トリ、ネズミなどは体内で合成できる。ヒトの生体内ではアミノ酸のシステインから合成される。
有機合成化学ではシスタミンの酸化、システアミンの酸化のほか、ブロモエタンスルホン酸とアンモニアなどから誘導される。構造式は、NH2CH2CH2SO2OH。分子量125.15。IUPAC名は2-アミノエタンスルホン酸。無色の結晶であり、約300℃で分解する。水溶性だが有機溶媒には溶けない。
[編集] 効能
ここでは、主にヒトが摂取することにおける効能について説明する。
タウリンには「体、細胞を正常状態で保つ作用(ホメオスタシス)」がある。例として、血圧上昇に対する下降作用などがこれに該当する。特に、肝臓に対して働きかける作用を持ち、大まかに分類すると以下のようになる。
[編集] 商品
日本では合成品は医薬品扱いとされ、主に医薬部外品を含むドリンク剤の主成分に使われる。
有名なものに第一三共ヘルスケアのRegain(リゲイン)、大正製薬のリポビタンD、大鵬薬品工業のチオビタドリンクなどがある。中国ではドライシロップが小児向けの風邪の初期症状を抑える薬として使用されている。レッドブルは通常タウリンを含んだ形で販売されるが、日本では清涼飲料水として発売しているためタウリンを使用せず、アルギニンで代用されている。
天然抽出物は食品添加物として使用が認められており、強化剤として育児用粉ミルクにも添加されている。
諸外国ではサプリメント(健康食品の一種)として販売されていることもある。
また、目の新陳代謝を促進する働きがあるため、目薬の成分として使用されることもある。
[編集] タウリンの代謝
合成経路においてはまず、タンパク質の構成成分にもなる含硫アミノ酸であるシステインからシステイン・ジオキゲナーゼによりシステイン酸が合成される。タウリンはシステインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(スルフィノアラニン・デカルボキシラーゼ)によりこのシステイン酸から合成される。ヒトはこの合成経路の両酵素をもつため、タンパク質を摂取していれば、タウリンの形での積極的摂取は不要である。胆汁酸と縮合したタウロコール酸はコリル・コエンザイムAとタウリンから合成される。タウリンは尿中に一日約200mgが排泄される。