目玉おやじ
目玉親父(めだまおやじ)は、水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』(旧題:『墓場の鬼太郎』)の主人公・鬼太郎の父親。
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[編集] キャスト
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第1作目より殆どの媒体において田の中勇が担当した。その甲高い声は印象的で、物真似のレパートリーとしてもよく用いられる(例:「オイ 鬼太郎!」)。なお、2007年の映画化およびアニメ放送に伴うプロモーションでは、田の中のプライベートを織り交ぜたオリジナルの設定追加も見られた。
『ゲゲゲの鬼太郎 異聞妖怪奇譚』、『ゲゲゲの鬼太郎 逆襲!妖魔大血戦』、『ゲゲゲの鬼太郎 危機一髪!妖怪列島』の『ゲゲゲの鬼太郎』を題材にした一部のゲーム作品では熊倉一雄が担当。また、アニメ第2作の第4話『雨ふり天狗』では、大竹宏が代役した(クレジットは「田の中勇」と表記されており、ゲストに表記されている)。また、田の中の死去後、2010年3月13日に放送されたNHKハイビジョン「鬼太郎 幸せ探しの旅~100年後の遠野物語~」では、青野武が目玉おやじ役を担当した。
[編集] 概要
鬼太郎の父親。目玉に体の付いたユーモラスな外見。非常に博学で知識面で鬼太郎たちをサポートする。身長9.9cm、体重33.25g。
かつて地上を支配していた種族である幽霊族の生き残り。鬼太郎誕生以前は、不治の病である「溶ける病」を患い、ミイラ男のような風貌をしていた(罹病前の風貌は不明である)。身籠った妻とひっそり暮らしていたが、生活の手段として売った血液が、輸血した患者を幽霊化する混乱の元となってしまう。調査に訪れた血液銀行の銀行員・水木に、身の上を打ち明け調査の引き伸ばしを願い出たが、妻ともども病死。鬼太郎を案じて、自らの遺体の眼球に魂を宿らせて生き返り、現在の姿となった[1]。なお、実写映画版では目玉おやじとなった時期が江戸時代と変更された。
原作では普段は鬼太郎の左眼の眼窩に入っている。アニメ版では髪の毛に潜り込んでいるよう変更された。原作『妖怪獣』で右眼を潰された鬼太郎の左眼に入り、眼の代わりを務めたり、原作『雨ふり天狗』でも指鉄砲で失明した雨ふり天狗の右眼に移植されるなど、眼球としての機能もそのまま残している(彼の四肢胴体は、もともと視神経である)。
鬼太郎誕生まで世界中を放浪していたため、世界中の妖怪について博学。ほぼ全ての妖怪の種類、性格を知っている。生死関係からか閻魔大王とも旧知の仲であり、他にインカの旧文明人や、悪魔などにも知り合いがいる。
鬼太郎同様に生命力が高く、踏み潰されて紙のように薄くなっても、目玉部分を潰されても、天ぷらにされて大やけどをしても、しばらくすると元通りになる。原作『鬼太郎国盗り物語』では鬼太郎共々、飲まず食わずで10年間もの間活動できることが明らかになっている[2]。
趣味は茶碗風呂。自宅で浴槽として使われる茶碗は鬼太郎の食器と兼用である。アニメ第3~5作では風呂のバリエーションが増え、ワンカップ風呂、湯飲み風呂、紅茶風呂、コーヒー風呂、砂風呂、酒風呂、茶碗ではなくイチゴパックを使った炭酸水プールなどと多彩。入る理由は涙を隠すため。
まぶた(「黒目部を覆う蓋」のようなもの)がある。水木しげるは「泣いたり寝たりするのだからまぶたがあって当然」とし、原作でも眠る際はまぶたを閉じている。
口は非常に小さいが、唇を突き出したような形で眼球の前下方にあり、出したり引っ込めたりできる[3]。ただし、原作やアニメでは曖昧(『目目連』の原作およびアニメ第2、3作では、黒目の中央から息を吹きかけるシーンがある)にされている。そのせいかアニメ第4作までは食事シーンが滅多にない(声優の田の中は食べたところを見たことがない、一度たくさん食べてるところを見たいと語っている)。好物はサクランボ、梅。朝食には朝露を飲む[4]。アニメ5作では「魚の目玉のスープ」が好きで、飲むシーンも描かれた(黒眼の下あたりが口のような描写。その後も食事シーンは頻繁に見られ、頬=黒目の両斜め下や腹を膨らます演出がなされる)。また同5作目ではくしゃみをして鼻水(または痰)を噴き出すシーンもあるので気管支も持っていると考えられる。歯は無い。
基本的に裸だが、浴衣や白衣などを着ることもある。また、イギリスの小鬼から貰ったシルクハットや、サンタクロースから貰ったこの世にただ一つしかない靴など衣類も所有している[5]。なお、アニメ第5作の第4エンディング「夏の魔物」の映像では、カラフルな上着、アフロヘアーのかつらと赤ベレー帽を着け絵筆を担いだ芸術家スタイルで登場した。
目玉親父を用いた商品もあり、新選組、メイド服、クリオネなどに扮した日本各地のご当地商品としてキーホルダー・ストラップや、ゲートから「目玉おやじPCカメラ」が発売されている。また、コンタクトレンズのイメージキャラクターに起用されたこともある。
また、1994年4月21日に放送された「TMNのオールナイトニッポン・終了スペシャル」(ニッポン放送)では、木根尚登への質問役として出演した。
アニメ版のエンドロールにおいては、第1作、第2作では「父親」、第3作では「目玉」、第4作以降は「目玉おやじ」と表記されている(第4作劇場版『妖怪特急! まぼろしの汽車』では「目玉のおやじ」と表記)。鬼太郎からの呼称は原作では「おとうさん」(貸本初期では「おとっつあん」)、映像作品や(水木以外による)派生漫画では「父さん」。仲間妖怪からは「目玉」「おやじ」、若い妖怪からは「おやじさん」(猫娘からも同様だが、彼女は“将来の義父”の意味合いで「お父さん」「お父様」と呼ぶことがある。)、人間の子供からは「目玉のおやじさん」と呼ばれる。また、『地上絵の秘密』では「世界の目玉」なる異名で海外の知り合いから呼ばれている。
[編集] 妖術・技
[編集] 体内戦術
その体の小ささを活用し、敵に呑み込まれたり自ら体内に侵入したりして内部から攻撃する。
- 脳操縦
- 敵の脳に侵入して操る。貸本『顔の中の敵』でねずみ男に初使用。『地上絵の秘密』では大悪魔ルキフェルをもこれで手玉に取った。
- 貸本時代は侵入された者の頭部に瘤やおできの様な物が現れているが、雑誌連載開始以降はなくなった。
- 息子である鬼太郎も『妖怪獣』の大なまずなど、巨大な敵に対して同様の技を使うことがある。
他にも、
などのバリエーションがある。
[編集] 肉体変形技
- 逆モチ殺し
- 『逆モチ殺し』(アニメ第2作第23話「逆餅殺し」)にて、火車に「モチ殺し」で餅につき込まれた際に使った反撃技。餅を尾を引いて飛ぶ多数の目玉に変化させ、敵を追いかけ包み込む。アニメ第2作によると1度使う毎に命が5年縮むと言う。
- フロシキ目玉
- 『死神』(アニメ第2作第30話)にて、死神に宇宙旅行と称して大砲で打ち上げられた際に変化。普通の生物なら粉砕される所だが、目玉親父はフロシキ状に膨張、鬼太郎の魂を奪った死神を包み捕らえた。
- 『妖怪千物語』第27話では自分の意志でフロシキ化。この形態は3分しか持たない。
- 隙間を抜ける
- 鍵穴(アニメ第2作第33話)や水道の蛇口(第5作第54話)の様に目玉の大きさでも無理そうな狭い隙間を潜り抜ける事も出来る。第3作第46話ではこれが災いして、密室殺人の容疑をかけられそうになった。
[編集] まぼろしの汽車
『まぼろしの汽車』(アニメ第2作第26話)にて使用。時を遡る汽車を召喚し、乗った者の状態を過去に戻す。吸血鬼ピーに吸血鬼にされた鬼太郎や村人達をこれで元に戻した。この術は親が子を思う強い心があってこそ可能。「逆モチ殺し」よりさらに消耗が激しく、1ヶ月は起き上がれないほどのダメージを受ける上に[6]、寿命が10年縮む[7]。使用後に目玉は倒れ、次回まで入院する破目になった。アニメ第3・4作ではこの汽車は閻魔大王の管理下にあり、使用者が消耗する様子は見られない。
[編集] その他の術・武器
- 霊素
- 『目目連』(アニメ第2作第32話)にて、目目連の幽素で石化した鬼太郎に必死で吹き付けた。どのようなものか、詳しい説明はない。ここでは幽素と霊素が混じった為(アニメ第3作版では霊素の量が不十分だった為)、鬼太郎は幽霊になり、目目連を倒した後で別の処置を施し元に戻った。
- 針
- 縫い針のような針や釘で敵の急所などを突く(針を持ち歩いたりしている様な描写は特に無いが、アニメ第2作6話ではゲゲゲハウスのはしごに出ていた釘を、第5作60話では鬼太郎の髪の毛針を借用している)。『妖怪大戦争』では敵の大将バックベアードをこの技で倒している。また、『奪衣婆』では又五郎鬼から借りた「金剛針」で奪衣婆の術具「万有自在玉」を破壊、無力化した。
- 魂の離脱
- 精神を集中する事で魂を肉体から分離して行動する。『獏』にて獏に吸われた鬼太郎の魂を奪い返す為に使った。
- 耳電話
- 耳の中にあり、遠く離れた仲間とも会話できる[8]。
[編集] アニメにおける変遷
- 第1作・第2作
初期は現在の音声よりも甲高い印象がある。1期では現代っ子の気質を見せる鬼太郎を嘆いたり、2期では強力な妖怪を相手にすると知って「行くな」と言ったり、かまぼこになった鬼太郎のために借金までするなど、様々な面における親心が強い。幽霊族の生き残りという事で、鬼太郎のことを「妖怪の中でも名門の生まれ」と鼻高々に語ることも。第1期では、瞳を開けたまま失神したり、頭(眼球)全体から涙を流すなど、第2期以降と表現が異なる描写も見られる。
- 第3作
黒目の中に幻(天童ユメコの祖母の代から現代までの歴史)を見せる(『鏡じじい』)、黒目から光線を出し、削り取られた名前を再現して見せる(『おばけナイター』)など、アニメオリジナルの技を度々披露した。
鬼太郎とユメコの交際を応援する傾向にあり、41話でデートの準備をしている所をからかったり、46話で邪魔なねずみ男を食べ物で釣って二人きりにしたりしている(人間の寿命は長くても約100年であり、人間を愛しても妖怪の鬼太郎だけが残されて孤独な思いをさせてしまうことから、鬼太郎と人間の女の子との恋愛は原作や実写版では反対する傾向にある。第3作の目玉おやじが鬼太郎とユメコとの交際を応援するのは彼の妻=鬼太郎の母である岩子が人間だった為で、第3作の鬼太郎は原作や他シリーズの鬼太郎と違い、人間と幽霊族とのハーフという設定が地獄編で明らかになった)
地獄編6話の回想場面で、アニメでは初めて目玉だけになる前の姿が登場(但し原作の様な包帯姿ではなく、蒲団の中から髪と目と手が覗くのみ)。行方不明になった妻を捜す為に、動かない体を捨て目玉になったとされた。
- 第4作
この時期から以前より過保護な面が見受けられる様になった。鬼太郎が食べられたりしてしまうと、愕然として涙を流すというパターンがよく見られる。一刻堂の言霊で変えられた姿はキーホルダーだった。人の家にお邪魔した際に飲むように出されたお茶につかるのはお約束。
- 第5作
この期においてはマスコット的な役割を前面に出されている。その事から、非常に俗っぽく「親父」らしい面が多く見られる様になった。
第4作以降の少々過保護な言動に加えて、肥満を気にして様々なトレーニングを試す(蓄音機をルームランナーとして使用するなど)、花火の爆音で気絶(7話。その直後鬼太郎を救うため、命懸けで地獄の炎を借りたことで克服した模様)、お笑い番組をちょっとズレたセンスで楽しみ駄洒落を連発するなどである。流行に割と敏感で、ミーハーな所も時折見せる。
2話でネコ娘を鬼太郎の嫁にと考えている発言をしているが、その直後に親子して彼女にかなり失礼な事を言っており(鬼太郎「“悪い冗談”はやめてください」と恋愛への鈍感さゆえ一蹴、おやじ「もう200年位“辛抱すれば”けっこう美人になるかも知れんぞ」)、どこまで真剣か疑わしいが、結婚するのは自分ではなく鬼太郎だということを自覚しており、妖怪には人間とは比べ物にならないほど長い寿命があるのだから、無理強いするつもりはないようだ。
ちなみに5作の設定を取り入れた漫画「妖怪千物語」四巻では、猫娘の料理を「きっといい嫁さんになるじゃろ」と高く評価している。だが、その料理を貶して「こんな猫飯はネコに食わせろ!」とたたき落としたねずみ男にバケツの水をぶっかけたり彼が逃げ去った後でも化け猫顔で唸りながらコマの枠線に噛みついたりしている猫娘を見て、目玉おやじは鬼太郎の髪の中に避難して「将来は鬼嫁じゃな」と言っており、鬼太郎も苦笑しながら同意している。
終了翌年に田の中が死去したため、彼が演じる目玉おやじはこれが最後となった。
- 墓場
ミイラ男(声: 郷里大輔)の状態から登場。鬼太郎ともども原作初期のややアナーキーな性格を反映しているため、目玉になってからも、いわゆる年齢の高さを感じる言動が少ない。例として、目玉が血走ったり、鬼太郎に物凄い剣幕で怒ったり、ねずみ男に口汚く啖呵を切ったりする[9]。幽霊族としての自覚がない鬼太郎の不甲斐性を嘆いて自殺未遂を起こしたこともあった。
[編集] 脚注
- ^ 一般的に目玉おやじは、鬼太郎がいつも左目を髪で隠しているうえ、その間から目玉おやじが出てきていることから鬼太郎の左目であると思われがちだが、それは誤りである。
- ^ 水木しげる『鬼太郎国盗り物語(1)』 角川書店〈角川文庫〉 2007年、119頁。ISBN 4-041-92920-2。
- ^ 小学館『鬼太郎大百科』で水木しげるが描き下ろした体内図解イラストや鬼太郎茶屋にあるキャラクター紹介パネルより。
- ^ 水木しげる 『水木しげる 鬼太郎大百科』 小学館、2004年、58頁。ISBN 4-092-20322-5。
- ^ 『水木しげる 鬼太郎大百科』 36頁。
- ^ 水木しげる 『電子書籍番 鬼太郎大全集 14』 水木プロダクション、94頁。
- ^ 『電子書籍番 鬼太郎大全集 14』 247頁。
- ^ 『水木しげる 鬼太郎大百科』 39頁。
- ^ それでも現代の放送倫理を考慮し、原作よりかなり抑えた表現になっている。貸本版「あいつは二回も脳まくえんやってんだから」→マガジン版「あいつぁ頭がおかしいんだ」→墓場アニメ版「あいつぁおつむがモケケのケだ」等。
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