聊斎志異

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聊齋志異』(りょうさいしい、聊斎志異)は、中国代の短編小説集。作者は蒲松齢1640年崇禎13年) - 1715年康熙54年))。

概要[編集]

聊齋は作者の号および書斎の名であり、『聊齋志異』とは「聊齋が怪異を記す」の意味。内容は神仙幽霊妖狐等にまつわる怪異譚で、当時世間に口伝されていたものを収集して小説の形にまとめたものである。聊斎志異がいつ頃書かれたのかについて正確な所は分からないが、作者の没後約半世紀を経て刻本として上梓された。版本によって異同があるが、会校会注会評本では全12巻503篇。

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1巻
「考城隍」「耳中人」「尸変(尸變)」「噴水」「瞳人語」「画壁(畫壁)」「山魈」「咬鬼」「捉狐」「蕎中怪」「宅妖」「王六郎」「偸桃」「種梨」「労山道士(勞山道士)」「長清僧」「蛇人」「斫蟒」「犬奸」「雹神(雹神)」「狐嫁女」「嬌娜」「僧孽(僧孽)」「妖術」「野狗」「三生」「狐入瓶」「鬼哭」「真定女(眞定女)」「焦螟」「葉生」「四十千」「成仙」「新郎」「霊官(靈官)」「王蘭」「鷹虎神(鷹虎神)」「王成」「青鳳(靑鳳)」「画皮(畫皮)」「賈児(賈兒)」「蛇癖」
2巻
「金世成」「董生」「石」「廟鬼」「陸判」「嬰寧」「聶小倩」「義鼠」「地震」「海公子」「丁前溪」「海大魚」「張老相公」「水莽草」「造畜」「鳳陽士人」「耿十八」「珠児(珠兒)」「小官人」「胡四姐」「祝翁」「猟婆龍(獵婆龍)」「某公」「快刀」「俠女」「酒友」「蓮香」「阿宝(阿寶)」「九山王」「遵化署狐」「張誠」「汾州狐」「巧娘」「呉令」「口技」「狐聯」「濰水狐」「紅玉」「龍」「林四娘」
3巻
「江中」「魯公女」「道士」「胡氏」「戲術」「丐僧」「伏狐」「蟄龍」「蘇仙」「李伯言」「黄九郎(黃九郎)」「金陵女子」「湯公」「閻羅」「連瑣」「単道士(單道士)」「白於玉」「夜叉国(夜叉國)」「小髻」「西僧」「老饕」「連城」「霍生」「汪士秀」「商三官」「於江」「小二」「庚娘」「宮夢弼」「鴝鵒」「劉海石」「諭鬼」「泥鬼」「夢別」「犬灯(犬燈)」「番僧」「狐妾」「雷曹」「賭符」「阿霞」「李司鑒」「五朗大夫」「毛狐」「翩翩」「黒獣(黑獸)」
4巻
「余徳(余德)」「楊千総(楊千總)」「瓜異」「青梅(靑梅)」「羅剎海市」「田七郎」「産龍(產龍)」「保住」「公孫九娘」「促織」「柳秀才」「水災」「諸城某甲」「庫官」「酆都御史」「龍無目」「狐諧」「雨銭(雨錢)」「妾杖撃賊(妾杖擊賊)」「秀才駆怪(秀才驅怪)」「姉妹易嫁(姊妹易嫁)」「続黄粱(續黃粱)」「龍取水」「小猟犬(小獵犬)」「棋鬼」「辛十四娘」「白蓮教」「双灯(雙燈)」「捉鬼射狐」「蹇償債」「頭滾」「鬼作筵」「胡四相公」「念秧」「蛙曲」「鼠戲」「泥書生」「土地夫人」「寒月芙蕖」「酒狂」
5巻
「陽武侯」「趙城虎」「螳螂捕蛇」「武技」「小人」「秦生」「鴉頭」「酒虫(酒蟲)」「木雕美人」「封三娘」「狐夢」「布客」「農人」「章阿端」「稞秭媼」「金永年」「花姑子」「武孝廉」「西湖主」「孝子」「獅子」「閻王」「土偶」「長治女子」「義犬」「鄱陽神(鄱陽神)」「伍秋月」「蓮花公主」「緑衣女(綠衣女)」「黎氏」「荷花三娘子」「罵鴨」「柳氏子」「上仙」「侯静山(侯靜山)」「銭流(錢流)」「郭生」「金生色」「彭海秋」「堪輿」「竇氏」「梁彦(梁彥)」「龍肉」
6巻
「潞令」「馬介甫」「魁星」「厙将軍(厙將軍)」「絳妃」「河間生」「雲翠仙」「跳神(跳神)」「鉄布衫法(鐵布衫法)」「大力将軍(大力將軍)」「白蓮教」「顔氏(顏氏)」「杜翁」「小謝」「縊鬼」「呉門画工(吳門畫工)」「林氏」「胡大姑」「細侯」「狼」「美人首」「劉亮採」「蕙芳」「山神(山神)」「蕭七」「乱離(亂離)」「豢蛇」「雷公」「菱角」「餓鬼」「考弊司」「閻羅」「大人」「向杲」「董公子」「周三」「鴿異」「聶政」「冷生」「狐懲淫」「山市」「江城」「孫生」「八大王」「戲縊」
7巻
羅祖」「劉姓」「邵九娘」「鞏仙」「二商」「沂水秀才」「梅女」「郭秀才」「死僧」「阿英」「橘樹」「赤字」「牛成章」「青娥(靑蛾)」「鏡聴(鏡聽)」「牛」「金姑夫」「梓潼令」「鬼津」「仙人島」「閻羅薨」「顛道人」「胡四娘」「僧術」「禄数(祿數)」「柳生」「冤獄」「鬼令」「甄後」「宦娘」「阿繡」「楊疤眼」「小翠」「金和尚」「龍戲蛛」「商婦」「閻羅宴」「役鬼」「細柳」
8巻
「画馬(畫馬)」「局詐」「放蝶」「男生子」「鐘生」「鬼妻」「黄将軍(黃將軍)」「三朝元老」「医術(醫術)」「蔵虱(藏虱)」「夢狼」「夜明」「夏雪」「化男」「禽俠」「鴻」「象」「負屍」「紫花和尚」「周克昌」「嫦娥」「鞠樂如」「褚生」「盗戸(盜戶)」「某乙」「霍女」「司文郎」「醜狐」「呂無病」「銭卜巫(錢卜巫)」「姚安」「採微翁(採薇翁)」「崔猛」「詩讞」「鹿銜草」「小棺」「邢子儀」「李生」「陸押官」「蔣太史」「邵士梅」「顧生」「陳錫九」
9巻
「邵臨淄」「於去悪(於去惡)」「狂生」「俗」「鳳仙」「佟客」「遼陽軍」「張貢士」「愛奴」「単父宰(單父宰)」「孫必振」「邑人」「元宝(元寶)」「研石」「武夷」「大鼠」「張不量」「牧豎」「富翁」「王司馬」「岳神(岳神)」「小梅」「薬僧(藥僧)」「於中丞」「皂隸」「績女」「紅毛氈」「抽腸」「張鴻漸」「太医(太醫)」「牛飛」「王子安」「刁姓」「農婦」「金陵乙」「郭安」「折獄」「義犬」「楊大洪」「查牙山洞」「安期島」「沅俗」「雲蘿公主」「鳥語」「天宮」「喬女」「蛤此名寄生」「劉夫人」「陵県狐(陵縣狐)」
10巻
「王貨郎」「疲龍」「真生」「布商」「彭二挣(彭二掙)」「何仙」「牛同人」「神女(神女)」「湘裙」「三生」「長亭」「席方平」「素秋」「賈奉雉」「胭脂」「阿繊(阿纖)」「瑞雲」「仇大娘」「曹操塚」「龍飛相公」「珊瑚」「五通」「申氏」「恒娘(恆娘)」「葛巾」
11巻
「馮木匠」「黄英(黃英)」「書痴」「斉天大聖(齊天大聖)」「青蛙神(靑蛙神)」「任秀」「晩霞(晚霞)」「白秋練」「王者」「某甲」「衢州三怪」「拆樓人」「大蠍」「陳雲犧」「司札吏」「蚰蜓」「司訓」「黒鬼(黑鬼)」「織成」「竹青(竹靑)」「段氏」「狐女」「張氏婦」「於子游」「男妾」「汪可受」「牛犢」「王大」「楽仲(樂仲)」「香玉」「三仙」「鬼隸」「王十」「大男」「外国人(外國人)」「韋公子」「石清虚(石淸虛)」「曽友於(曾友於)」「嘉平公子」
12巻
「二班」「車夫」「乩仙」「苗生」「蠍客」「杜小雷」「毛大福」「雹神」「李八缸」「老龍船戸(老龍船戶)」「青城婦(靑城婦)」「鳥」「古瓶」「元少先生」「薛慰娘」「田子成」「王桂庵」「寄生附」「周生」「褚遂良」「劉全」「土化兎(土化兔)」「鳥使」「姫生(姬生)」「果報」「公孫夏」「韓方」「紉針」「桓侯」「粉蝶」「李檀斯」「錦瑟」「太原獄」「新鄭訟」「李象先」「房文淑」「秦檜」「浙東生」「博興女」「一員官」「丐汕」「人妖」「蟄蛇」「晋人(晉人)」「龍」「愛纔」

後世への影響[編集]

評価[編集]

日本には江戸時代の後期に伝わり、翻訳翻案がなされた。近代作家では芥川龍之介佐藤春夫木下杢太郎太宰治などに影響を与えた。井伏鱒二柴田天馬訳の賛辞を書いている。司馬遼太郎も初期エッセイの一節で、柴田天馬訳のファンだったと述べている。

チェコの作家フランツ・カフカは本作からの数編を翻訳し、その内容の「精巧さ」を賞賛した。

なお、澁澤龍彦も作品の中で何度か触れている。

翻案[編集]

安岡章太郎は、作者の生きかたとみずからの人生を重ね合わせた、『私説聊斎志異』(講談社講談社文芸文庫 のち「作品集」岩波書店)を書き、小林恭二も日本を舞台とした『本朝聊斎志異』(集英社)を著した。

佐藤さとるは、翻案ファンタジー集『机の上の仙人 机上庵志異』(講談社文庫)を書き、手塚治虫は、後期の短編作品集『新・聊斎志異』を描いた。

1959年には日本テレビで『名作劇場 聊斎志異』としてテレビドラマ化された[1]。1959年4月21日 - 6月9日、20:00 - 20:30放送[1]

本作の一編「聶小倩」が、1987年レスリー・チャンジョイ・ウォン主演で『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(原題:倩女幽魂)として映画化されヒットした。

本作の一編[要説明]を基に、『花情曲』が描かれた。

出版[編集]

訳書[編集]

※現行で購入しやすい版本のみ

論考[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 「BonusColumn 西遊記の映像化伝説」『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』 竹書房/イオン編、竹書房1995年11月30日、150頁。C0076。ISBN 4-88475-874-9

関連項目[編集]