大塚周夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
おおつか ちかお
大塚 周夫
プロフィール
性別 男性
出生地 日本の旗 日本東京府
生年月日 1929年7月5日(82歳)
血液型 B型
身長 170 cm
職業 声優俳優
事務所 青二プロダクション
家族 長男:大塚明夫
声優活動
活動時期 1963年 -
ジャンル アニメゲーム吹き替えナレーション
デビュー作 ヒラー総統
鉄腕アトム
俳優活動
活動時期 1953年 -
ジャンル テレビドラマ映画舞台
デビュー作 アナタハン島の眞相はこれだ!!』
声優テンプレート | プロジェクト | カテゴリ

大塚 周夫(おおつか ちかお、1929年7月5日[1] - )は、日本声優俳優ナレーター。本名同じ[1]

青二プロダクション所属。以前は劇団東芸劇団俳優小劇場芸能座などで活動。東京府出身。体重73kg。

目次

[編集] 来歴

4歳から新宿区内のダンス教室に通っており、俳優になる前はダンサーだった。戦後は、進駐軍のキャンプで踊っていた。だが両脚の膝関節炎結核のために俳優へ転向。タップダンスが得意で、今でも時折スタジオや待合室で披露する事もある。

テレビ放送が開始される以前、ラジオの仕事もなかった頃は、大八車を引いて小学校をまわり、『桃太郎』や『浦島太郎』などの演劇の芝居だけが唯一の仕事だったという苦労が続いた時期があったと語っている。その分、民放ラジオなどでラジオドラマなどの仕事がくると、やっと仕事が出来ると安堵し、嬉しかったと語っている。

俳優転向後は、その運動神経を活かしてスタントを交えたアクション映画の悪役の仕事に就く。特に丹波哲郎などに殴られて吹っ飛ぶアクションが上手く、殴った丹波が強そうに見えるということで出演を依頼されることが多かった。その折にたまたま映画館で見たリチャード・ウィドマークの凄みのある芝居に惹かれ、その芝居を研究するためテレビ局にウィドマークの吹き替えを担当させて欲しいと頼んだことが、声優業を始めるきっかけとなった。以後、数々の洋画吹き替え、アニメで活躍している。

声の仕事と平行して、舞台では小沢昭一らとの『しみじみ日本・乃木大将』『国語事件殺人辞典』(どちらも井上ひさし著)などに多数出演。またテレビでは、NHK大河ドラマフジテレビ系ドラマの常連として知られている。

[編集] 特色

アニメでの代表的なキャラクターは『ルパン三世』(TV第1シリーズ)の石川五右エ門、『ガンバの冒険』のノロイ、『美味しんぼ』の海原雄山といった重厚な演技、『ピーターパンの冒険』のフック船長、『ソニックX』のDr.エッグマン、『名探偵ホームズ』のモリアーティ教授、そして後述にある代表作の『ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男や『チキチキマシン猛レース』、『スカイキッドブラック魔王』のブラック魔王といった、悪役に分類されるがコミカルな面から憎めないキャラクターたちの二つがある。一方で、『機動戦士ガンダム0083』のエイパー・シナプス艦長のような頭の切れるキャラクターや、『忍たま乱太郎』の山田伝蔵先生のような柔和な面をあわせ持つキャラクターまで演じ分けられる。『タイガーマスク二世』ではヒーロー物作品によくある、主人公の隣のギャグキャラと、悪の幹部を一人二役で演じた。

吹き替えではウィドマークをはじめ、チャールズ・ブロンソンジャック・パランスピーター・セラーズなどを持ち役とする。 特にウィドマークは、日本で吹き替えが始まる以前から彼の芝居を研究していたため、自ら日本テレビの外画部に売り込み、合わない場合は使わなくて良いと言うことで吹き替えが行われた。以降、ウィドマークの作品はほぼ大塚が吹き替えている。

大塚といえばブロンソンである。大塚曰く、「ブロンソンには独特の間合いがある」とのことで、吹き替えを担当する役者にとっては非常に難しい存在であったと語っている。

また、ブロンソンが出演した作品も含め、西部劇にも数多く声を当てており、納谷悟朗山田康雄小林清志野沢那智らと共にテレビ洋画劇場のマカロニ・ウェスタン放映を支えた吹替役者の一人とされる。

平成に入ってからは、鋭い言説で他人をたじろがせるような知識人的初老の男役が際立って多い。海原雄山(『美味しんぼ』)、ヨラン・ペールゼン(『装甲騎兵ボトムズ』OVAシリーズ)、そしてアドルフ・ヒトラー(『ヒトラー 〜最期の12日間〜』)、ビッグ・ボス(『メタルギアソリッド4』)等々、いずれの役も、劇中何らかの専門探求分野で名を馳せている首魁に位置づけられている人物である。

[編集] 人物・エピソード

親しい間柄からは「ちかさん」または「ちかちゃん」という愛称で呼ばれている。長男は同じく俳優・声優の大塚明夫。伯父は彫塑家の渡辺長男、その弟でやはり彫塑家の朝倉文夫(周夫、明夫共に文夫の命名)。

仕事に関しては非常に厳しい姿勢だが(後述)、茶目っ気溢れる愛嬌のある人柄から現場の空気を明るくする存在として、仕事仲間や後輩から慕われている。小沢昭一に「ちかちゃん、あんたうまく立ち回れば天下取れた人間なのに、欲がないんだよなあ」と言われたことがある。

2006年4月10日放送の『ブラック・ジャック21』(第1話「医師免許が返る日」)にて長男、明夫と共演している。そのストーリーで演じた医師会長の息子の名前を「明夫!」と叫んでいる。これは当初、台本には「息子よ!」という台詞が書かれていたが、「自分の息子のことを『息子』と呼ぶような親はいない」との周夫の指摘があり、製作者の判断で「明夫!」と変更になったといい、これらは後述の人間観察の賜物であるといえよう。

息子たちに「(財産もないし)何も遺してやれなくてごめんなぁ」と語ったところ、明夫から「俳優として一番大切なものを遺してもらった」と言われる。氏がそれは何かと問うと「血だ」と言われたことに感動し、嬉しかったと、インタビューなどでたびたび口にしている。吹き替えでの担当俳優のお気に入りは、『事件記者コルチャック』で声を担当したダーレン・マクギャヴィンだという。

プレイステーション3用ソフト『メタルギアソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』のビッグ・ボス役では、アフレコをする際のモニタ映像でモーションアクターである明夫の芝居をみながら、それにあわせて声をあてるという珍しい現象が起きた。

バビル2世』では彼の演じたヨミ役を明夫が1992年版OVAで演じて話題になった。『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』ではマスター・ゼアノートとして出演。これは『キングダム ハーツ』でゼアノートを演じた明夫と親子であることを意識したキャスティングである[2]。趣味はへら鮒釣り

[編集] 姿勢

芝居に関しては自他ともに認めるほど熱心であり、80代になった現在でも丹念な人間観察を行いながら、自身の芸に磨きをかける努力を惜しまない。若い頃は、リアルな会話とはどういうことかを勉強するために小さなテレコを持って電車に乗り、乗客の声のトーンを研究した逸話がある。60歳を迎えたとき、「これからは老いを表現していかなければならない」と考えた。そこで70歳以上からしか会員になれないへら鮒釣りの会に、頼み込んで入会させてもらい、そこで自分より高齢の人たちを観察し勉強をしたと、野沢那智のラジオに出演した際に語っていた。

移動は電車か徒歩である。車は「人間観察をしなくてはいけない俳優には不必要」と語ったことがある。

持ち役のブロンソンに関して、吹き替えを初めて担当した際、独特の声を表現するため、前日にブランデージンを飲み喉をわざと荒らしてアフレコに挑んだといわれていたが、とり・みき著『映画吹替王』の中で、「(略)あれはね、オーバー。ただ、前の日少しは飲んでも大丈夫っていう感じでね」とやんわりと訂正している。また、「ただ声を低くして、渋く喋っているだけじゃ駄目。彼の持つ雰囲気、また台詞と台詞の間(ま)など、彼の魅力を声で表現する場合、一番大切なのは台詞の最後の音を『半音』にすることを意識している」そうである。それにより「少ない台詞に言外の意味合いや雰囲気を持たせることができる」といっている。なお、半音にするという方法は市原悦子の独特な喋り方を観察して発見したそうである。

吹き替えで活躍してきた多くの名優たちと同様に「声優以前に俳優である」という姿勢を持っている。このため、声の吹き替えはあくまでも俳優業の一つという意識を強く持っており、「声優という職業はない」と語ったこともある。このことは息子の明夫も後者の発言までは言っていないが、守っている。ただし、他の人が「声優」という言葉を使うことに関しては抵抗はない。

ナレーション業が苦手で、アニメのアフレコも本音を言えば苦手であるということを語っている。前述のナレーションに関しては、「前提(職業などの設定)がないと自分がどこにいるかわからなくなるため」。アニメにおいては近年アフレコ時に絵が入らなくなった(完成していない)ことに不満を述べている[3]

自身の所属する青二プロダクションの新人育成傾向が、声優専門に偏っていることには懸念を持っており、敢えて若手の指導に当たっていない。ただし「人間なんてねずみ男みたいに時間が経てば、コロコロ考え方が変わってしまうもんだから、言ったことと逆のことをしているかもしれない」と語ったこともある。また、あるインタビューで「いっそのこと、スパルタ教育の"大塚塾"を開かれたらどうですか」と冗談で言われたときには全否定をし、「この歳になったから色々言っているだけで、役者がそんなことを言うべきではない」と主張している[3]

[編集] ねずみ男

ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男がお気に入りであり、人間の本質でもあるいい加減さを体現したキャラクターに共感を覚えると語っている。しかし、人間でもなく妖怪でもないという、非常にあやふやなキャラクターを演じるにあたって「どうすりゃいいんだ」と頭を悩ませたという。なお、度々ねずみ男がおネエ口調になるのは台詞の印象を和らげるためであり、その技術は共演者の田の中勇に教わったという。また、ねずみ男を演じたおかげで、子ども達は学校で「小ねずみ男」などと呼ばれ、いじめられたという(息子の明夫が雑誌でたびたび語っている)。近年でもねずみ男役としてインタビューを受けると、毎回自分なりのねずみ男に対する見解を多く語っている。

放送当時は元々同じ劇団の野沢・田の中がレギュラーとして入っていたこともあり、遠慮無くそれぞれ話し合いながらキャラクターを創り上げていけたという。こうして数年間積み上げてきたものであっただけに、第三期シリーズで声優陣が変更された際は残念な思いを抱いた。大塚は特に創り上げてきたねずみ男像に自信を持っていたため、「(自分の芝居の)何で?何が原因?」と考えたという。決定した後は、ねずみ男役を継ぐ役者に対し「おもいっきりやって欲しい、ただ先代を越えるものを目指してもらいたい」と考えていたことを後に明かしている。

ラジオの『オールナイトニッポン』出演の際は、数年ぶりにねずみ男を演じた(厳密にはその声の調子で様々なことを語った)ためか、終始「俺はいい加減なんだから」と、楽しんでいるような調子でねずみ男に成り切っていた。また、同ラジオで特別に製作されたラジオドラマにおいては、久方振りにねずみ男を演じた。その後もNHKで放映された『鬼太郎が見た玉砕』においては、第5期放映中にも関わらず、野沢ら第1期のメンバーが演じている。ちなみに、ラジオ番組ではねずみ男を中心に多くのことを語っており、近年の若者に対して「ねずみ男はいけません」と告げたり、後に別の人間が演じていたねずみ男に対しても、短いながらも意見を述べていた。

自分のハイトーンだけで喋るとねずみ男になるという。ねずみ男のこと自体は気に入ってはいるものの、ハイトーンを維持するのは大変らしく、「くたびれたね、あれは」と語っている。野沢雅子によると、当時のアフレコの際、大塚がねずみ男のパートを喋った後、後頭部を摩りながら「熱くて……」とこぼしていたとのこと。

初代ねずみ男を演じた大塚であるが、当時バラエティ番組などにおいて鬼太郎の出演声優が呼ばれるという企画があった際にも、狂言回しであるねずみ男がピックアップされることは少なく、番組においてもあまり出演がなかった。代表作としても、吹き替え等が先行される等の事情があってか、以前は積極的に発表されにくかった。しかし近年では『墓場鬼太郎』等の影響から、彼が初代ねずみ男を演じていたことが改めて世に知れ渡ることとなった。なお、それ以前に前述の二作品にねずみ男役として出演している他、初代ねずみ男を演じた特別ゲスト出演として、鬼太郎第5期においてゲストキャラクターを二役演じている。そのうち一役は毎回高木渉演じるねずみ男との絡みが多い役柄であった。

本人のねずみ男に対する分析は、「(ねずみ男の)本質は『自分で自分のことが大嫌いなヤツ』」であり、人間でも妖怪でもないということから、行き先や居場所をなくし、どんどん孤独化して寂しくなり、結果性格が悪質になっていくのだという。物事の善悪もわからないため、逆に言えば何が来ても彼にとっては恐怖はなく、「怖いのは鬼太郎だけ」と語っている。コミカルさを軽減した『墓場鬼太郎』では、その本質を見え隠れさせている。

息子の明夫は、「(父の)一番すごい仕事はねずみ男だと思っている」と語っている。ブラック魔王などもこのねずみ男あってのものだと分析し、本人も軽く同意した。また、いじめの材料にされたキャラであるが、逆に明夫は「ねずみ男を自分が演じて見たい」と冗談めかして言ったこともある。

[編集] 出演作品

太字は主要キャラクター

[編集] テレビドラマ

[編集] 映画

  • ロッキー・ブラウン
  • ナイトクラブ「東方光」の司会者
  • 読唇術のトリアーノ
  • 取調室の制服警官
  • エンディングナレーション
以上をそれぞれ吹き替え
  • 砂の上のロビンソン (1989年)
  • 東京夜曲 (1997年)

[編集] テレビアニメ

1963年

1964年

1967年

1968年

1969年

1970年

1971年

1972年

1973年

1974年

1975年

1977年

1978年

1979年

1980年

1981年

1983年

1984年

1986年

1987年

1988年

1989年

1993年

1996年

  • ゲゲゲの鬼太郎(第4作)(白山坊)

1997年

1998年

1999年

2000年

2001年

2002年

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年

2008年

2009年

2010年

2011年

[編集] OVA

[編集] 劇場版アニメ

[編集] ゲーム

[編集] 吹き替え

[編集] 映画

[編集] テレビドラマ

[編集] アニメ

[編集] 人形劇

[編集] ラジオ

[編集] CD

[編集] CM

[編集] ナレーション

[編集] その他

[編集] 脚注

  1. ^ a b 『声優名鑑』、384頁、成美堂出版、1999年、ISBN 978-4415008783
  2. ^ 『キングダム ハーツ バース バイ スリープ アルティマニア』で野村哲也による
  3. ^ a b 吹替の帝王 声優インタビュー
  4. ^ 東映アニメーション、映画『虹色ほたる~永遠の夏休み~』を5月19日公開”. マイコミジャーナル. 2012年2月1日閲覧。
  5. ^ 『アスラズ ラース』で敵対する七星天とアスラの娘を紹介”. 電撃オンライン. 2011年9月6日閲覧。
  6. ^ 『幻想水滸伝 紡がれし百年の時』店舗別購入特典と登場キャラクターの新情報が公開”. 電撃オンライン. 2012年1月7日閲覧。

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語