太陽がいっぱい (映画)

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太陽がいっぱい
Plein soleil
監督 ルネ・クレマン
脚本 ポール・ジェゴフ
ルネ・クレマン
原作 パトリシア・ハイスミス
製作 ロベール・アキム
レイモン・アキム
出演者 アラン・ドロン
マリー・ラフォレ
モーリス・ロネ
音楽 ニーノ・ロータ
撮影 アンリ・ドカエ
編集 フランソワーズ・ジャヴェ
製作会社 ロベール・エ・レイモン・アキム
パリタリア 他
配給 イタリアの旗 ティタヌス
日本の旗 新外映配給
公開 フランスの旗 1960年3月10日
日本の旗 1960年6月11日
上映時間 118分
製作国 フランスの旗 フランス
イタリアの旗 イタリア
言語 フランス語
イタリア語
英語
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太陽がいっぱい』(たいようがいっぱい、原題:Plein soleil )は、1960年のフランスとイタリアの合作映画。主演:アラン・ドロン、監督:ルネ・クレマン

パトリシア・ハイスミスの小説 The Talented Mr. Ripley (才人リプレイ君)(邦訳本の題名は『太陽がいっぱい』、『リプリー』)を原作とした、ピカレスクサスペンス

1999年、マット・デイモン主演で、ハイスミスの同じ作品を基にした映画『リプリー』が公開されたが、この2つの作品は原作が同じというだけで『リプリー』は『太陽がいっぱい』のリメイクではない。

2008年9月、“『太陽がいっぱい』スペシャル・エディション”として、デジタルリマスターした本編と、オリジナルフランス語音声と共に、1972年にフジテレビ『ゴールデン洋画劇場』で放映された時の日本語吹替を収録したDVDが発売された。

ストーリー[編集]

トム・リプリーは悪友フィリップを彼の父親から謝礼金5000ドルで雇われてアメリカから連れ戻しに来た。放蕩息子であるフィリップは父の元へ戻る気はなく、親の金でイタリアを遊び回る。父親に帰国を断ったので、約束を果たせず謝礼金を受けることが出来なくなったトムは手持ち金がなくなる。フィリップの金目当てに彼と行動を共にするが、トム自身やフィリップの恋人マルジュに対してフィリップが時折見せる傍若無人な態度に怒りが増す。そしていつしかフィリップから疎まれるようになった。

やがてヨットで沖合に出てマルジュが作った料理を3人で食事する。テーブルにはマスカットや洋梨が盛られたフルーツ皿、魚のムニエルにレモンを絞り、フィリップは魚を指を使って小骨を丁寧に取りながら食べていて、昔話になる。トムが「親父さんには嫌われていた。身分が違うから。それが今では信用されている。頭がいいからさ、貧しいわりに」というと、フィリップは「上品ぶるのは下品な奴のすることだ。魚はナイフで切るもんじゃない。ナイフの持ち方が間違っている。こうやって持つんだ。ほら。君のために言ってるんだぞ」(石原千麻訳 )という。小細工を弄してマルジュを下船させてから、トムはついに船上でフィリップを殺害し、死体をロープで縛って海に捨てた。

港に戻った後にトムはフィリップになりすまして彼の財産を手に入れようと画策し、彼の身分証明書を写真を自分のものに変えて粘土で押印して偽造し、彼のサインをソックリ真似るためスライドで彼の筆跡を壁に拡大して白い紙に練習し、彼の声色を真似てフィリップになりすましていく。そしてフィリップに会いたがるマルジュにタイプで打った手紙を渡す。フィリップの友人で、利子で食っているというフレディの訪問を受け、トムがフィリップになりすましてるのを見破られたため、布袋様の置物で殴って殺害する。フレディの死体を捨てるときに放ったセリフ、「君を殺したのはフィリップさ、僕じゃないよ。」と。やがてヨットを売り払う交渉も順調にいきトムはマルジュと結ばれた。ヨットの売却でマルジュが港に向かい、イスキアの浜辺でトムは一人極上のカクテルを飲みながら「太陽がいっぱいで最高の気分さ」と完全犯罪に酔いしれる。売却のためにヨットが陸に引き揚げられる。マルジュが立ち会い、そしてヨットの舳先から一本のロープが見えて次第に水面上に上がってくる。その時悲鳴が…。[1]

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
TBS フジテレビ 日本テレビ テレビ朝日 テレビ東京
トム・リプレー アラン・ドロン 石立鉄男 野沢那智 松橋登 野沢那智
フィリップ・グリンリーフ モーリス・ロネ 堀勝之祐 中尾彬 有川博 池田秀一
マルジュ・デュヴァル マリー・ラフォレ 斉藤昭子 上田みゆき 二宮さよ子 榊原良子 岡寛恵
リコルディ刑事 エルノ・クリサ 村越伊知郎 西山連 木村元 中田浩二 堀内賢雄
フレディ・マイルズ ビル・カーンズ 加茂喜久 村瀬正彦 東野英心 飯塚昭三 谷口節
オブライエン フランク・ラティモア 村越伊知郎 宮田光 大塚周夫
ボリス ニコラス・ペトロフ 仲木隆司
ポポヴァ夫人 エルヴィーレ・ポペスコ 川路夏子 寺島信子 楠田薫 翠準子
フレディの連れの女性 ロミー・シュナイダー
カメオ出演[2]
恵比寿まさ子
  • TBS版 - 初放映1969年4月4日(金) 『金曜ロードショー』
『金曜ロードショー』第1回作品。(ポニー版の名作洋画劇場と記されたVHSに収録)
  • フジテレビ版 - 初放映1972年10月6日(金) 『ゴールデン洋画劇場』 ※スペシャル・エディションDVDのみ収録
  • 日本テレビ版 - 初放映1977年1月12日(水) 『水曜ロードショー
  • テレビ朝日版 - 初放映1984年9月2日(日) 『日曜洋画劇場
  • テレビ東京版 - 初放映2008年7月20日(日) 『夏の名作シネマスペシャル』

エピソード[編集]

  • ルネ・クレマン監督は「鉄路の闘い」で第1回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、その後「海の牙」「禁じられた遊び」「居酒屋」など社会性の強い作品を撮り続けてきて、この作品は初めての娯楽映画であり、当初あまり演技の実績の無いアラン・ドロンの起用には気乗りがしなかったと言われる。しかしこの一作だけで一躍世界的スターまで彼が登りつめて以後は、「生きる歓び」や「パリは燃えているか」でもドロンを起用している。[3]
  • 原作パトリシア・ハイスミスの作品を映画化したものとしては、「見知らぬ乗客」(1951)「死刑台の接吻」(1969)があり、またトム・リプリーがプロの詐欺師となって暗躍するシリーズ物「アメリカの友人」(1977)「リプリーズ・ゲーム」(2002)「リプリー暴かれた贋作」(2005)がある。[4]
  • 本作で作曲を担当したニーノ・ロータは、この作品に携わった事を非常に不満を残している。フェデリコ・フェリーニの常連作曲家であった彼は、フェリーニのようにお互いに話し合いながら音楽を練っていく方法を是としていた。しかし、本作の監督であるルネ・クレマンは居丈高にロータにフィルムを一方的に送りつけ、これに似合う音楽を作れと命令したため、クレマンの態度にロータは立腹したという。

参考文献[編集]

  1. ^ 淀川長治吉行淳之介 との『恐怖対談』(新潮社  1980年)で「あの映画はホモセクシャル映画の第1号なんですよね」と発言した。
  2. ^ Plein soleil (1960) - Full cast and crew” (英語). IMDb. 2012年4月16日閲覧。
  3. ^ 第2回新・午前10時の映画祭プログラム 20~21P 「太陽がいっぱい」参照。
  4. ^ 第2回新・午前10時の映画祭プログラム 20~21P 「太陽がいっぱい」参照。

外部リンク[編集]