刑事コジャック

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刑事コジャック
フォーマット 犯罪ドラマ
製作者 アビー・マン
出演者 テリー・サバラス
ダン・フレーザー
ケヴィン・ドブソン
ジョージ・サバラス
マーク・ラッセル
ヴィンス・コンティ
アンドレ・ブラウアー
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
シーズン数 5
話数 125 (エピソード一覧)
製作
製作総指揮 アビー・マン(1973)
マシュー・ラフ(1973-1978)
放送時間 60分(1話当たり)
放送
放送局 CBS
放送期間 1973年10月24日 – 1978年3月18日

刑事コジャック』(けいじこじゃっく、原題:KOJAK)は、1973年から1978年までアメリカCBSテレビで放映された刑事ドラマユニヴァーサル・スタジオ製作。日本では1975年から1979年までTBS系列で放映された。

概要[編集]

CBSテレビと脚本家プロデューサーのアビー・マンは、当時人気を誇っていた『刑事コロンボ』に対抗する刑事ドラマの構想を練っていた。大都会ニューヨークを舞台にし、大げさなアクションや現実離れした美女を排し、地道な捜査活動をじっくりと見せるというリアル志向の刑事ドラマである。

やがて、セルウィン・ラーブの原作を元に企画が具体化すると、当時スランプに陥っていた個性派俳優テリー・サバラスを主演に白羽の矢が立てられた。サバラスの資質が、大都会をタフに生き抜くベテラン刑事のキャラクターに一致していたこともあるが、またサバラス自身がもつギリシア系の移民という要素を打ち出すことで、より作品にリアリティーと新鮮さを持ち込もうとしたのである。こうして、南マンハッタンで起こる殺人事件の数々に果敢に挑む、ギリシア系でスキン・ヘッドとダンディな風貌の「ニューヨーク怒りの用心棒」(日本での本放送時のキャッチコピーより)テオ・コジャックが産声を上げることとなる。

1973年のテレビ映画『刑事コジャック・スペシャル / マーカス=ネルソン殺人事件』が高視聴率を上げたことを皮切りに、連続ドラマの制作に踏み切り同年の10月24日に初放送を開始。ニューヨーク市全域の犯罪に取材したリアルな描写を盛り込み、巧みなストーリー展開をみせる高水準の脚本とニューヨークでのロケ撮影を中心にしたドキュメンタリータッチの演出はたちまち評判を呼びまた、高視聴率を維持したまま5シーズンも続けられ、終了後もテレビ映画として何度か復活している(後述)。

ふてぶてしい犯罪者や上層部を知性を感じさせる毒舌であしらいながら、犯罪を憎み、凶悪な犯罪者には非情ともいえる容赦ない態度で捜査に望む硬派な面を持つ一方で、棒付きキャンディー(禁煙のためにサバラスが取り入れた小道具)を愛用し、上司のフランク・マクニール(ダン・フレイザー)や信頼する部下のクロッカー(ケビン・ドブソン)、スタブロス(サバラスの実弟ジョージ。最初の2シーズンでは“デモステネス”の名で出演)などとのやり取りでは、人間的なユーモアを醸し出すなど、コジャックの魅力を十二分に演じきったサバラスは、エミー賞の連続ドラマ部門で主演男優賞を受賞した。視聴者だけではなく、実際に犯罪現場で働く刑事からも高い評価を受けた本作は、ピーター・フォーク刑事コロンボと並ぶ刑事ドラマのアイコンとして国民的な人気を誇ることとなった。

また、無名時代のシルヴェスター・スタローンクリストファー・ウォーケンリチャード・ギアハーヴェイ・カイテルなどが、ゲスト出演していたことでも知られる。

日本での放送[編集]

日本ではTBS系列で火曜日22時台に放送された。人気番組だった鬼警部アイアンサイドの後番組としてスタートしたことも幸いしたが、ほどなく独自の人気を獲得して高視聴率番組となった。

コジャックの吹き替えには、当時ジャン・ギャバンなどのいぶし銀の渋い役柄を得意としていた森山周一郎があたることとなった。森山は、下町で活躍していた大工の長をモデルとして、日本独自のくせのあるいぶし銀の人間味あふれるコジャック像を生み出した。また、放送開始までは『特攻大作戦』『狼の挽歌』などのエキセントリックな演技が目立つ、知る人ぞ知る性格俳優・悪役俳優でしかなかったテリー・サバラスは、本作によって幅広い人気を獲得することとなり、手塚治虫の『ブラック・ジャック』や青池保子の『エロイカより愛をこめて』などの人気漫画にもサバラスをモデルとした人物が登場するほか、宮崎駿もこの番組のファンであったことから、長編アニメ紅の豚』で森山を起用するきっかけとなった。

また、サバラス自身もこうした日本での人気を耳にし、森山に対しては感謝の意を評し、森山の出演作品がアメリカで上映された時は、森山の吹き替えを担当すると約束したが、『紅の豚』が全米で公開されたのは、サバラスの死後のことであった。

登場人物[編集]

ニューヨーク市警察第13分署刑事課主任テオ・コジャック警部補(デカ長“チョーさん”)
演:テリー・サバラス Telly Savalas、吹替:森山周一郎
分署長フランク・マクニール警部(“おやじさん”)
演:ダン・フレイザー Dan Frazer、吹替:柳生博
“ボビィ”ロバート・クロッカー巡査部長
演:ケヴィン・ドブスン Kevin Dobson、吹替:津嘉山正種 
スタブロス刑事(“子豚ちゃん”)
演:ジョージ・サバラス George Savalas、吹替:神山卓三
サーパスティン刑事
演:マーク・ラッセル Mark Russell、吹替:若本紀昭(現:若本規夫
ユダヤ系 
リッツォ刑事
演:ヴィンス・コンティ Vince Conti、吹替:千田光男(シーズン2~)
イタリア系、吹替えではリゾと呼ばれている
ギル・ウィーヴァー刑事
演:ロジャー・ロビンソン Roger_Robinson
アフリカ系
ゴメス刑事
演:ビクター・カンポス
スペイン系

復活と終了[編集]

TVシリーズ終了後も人気は衰えず、1985年2月に2時間のTVムービー「ベラルス・ファイル」(The Belarus File)で復活。他のレギュラー陣も、当時Knots Landingにレギュラー出演していたクロッカー役のドブソン以外が勢揃いしたが、その年の10月にスタブロス役のジョージが白血病で死去。2年後の1987年2月に再び2時間のTVムービー「幼児殺人・不倫の代償」(The Price of Justice)が制作され、この作品でコジャックは警部補から警部に昇格したが、コジャック以外のレギュラーメンバーは不在だった。

1989年秋、ABCはこの年の2月にスタートした2時間のドラマ枠「ABCミステリー・ムービー」を土曜21:00の激戦区に移動するにあたり、「新・刑事コロンボ」「BLストライカー」に続く目玉として、コジャックの新シリーズをスタートさせた。このシリーズではコジャック以外のレギュラー陣は一新され、デビュー間もないアンドレ・ブラウアーがコジャックの部下の若手刑事ウィンストン・ブレイク役で、またサバラスの実娘・キャンディスがコジャックの秘書パメラ役で出演した。ゲストでは第2話でドン・キングが本人役でカメオ出演したり、第4話ではかつてレギュラー出演者だったドブソンが「クロッカー検事補」役で出演したが、「ABCミステリー・ムービー」は視聴率が振るわずこの第2シーズンで打ち切りとなり、コジャックの新シリーズはわずか5回で終了となった。

サバラスの死後から10年以上が経過した2005年、アフリカ系黒人俳優ヴィング・レイムス主演でコジャックのリメイクが製作された。他のレギュラー陣の役名も「マクニール」「クロッカー」が復活(演じたのはチャズ・パルミンテリマイケル・ケリー)、棒付きキャンディーやキメ台詞の "Who loves ya, baby?" といったアイテムも見られたが、シリーズは2ヶ月で終了した。

エミー賞受賞歴[編集]

  • 主演男優賞・ドラマ部門:テリー・サバラス(1974年)
  • 助演女優賞・ドラマ部門:ゾーラ・ランパート(1975年)
TBS 火曜22時
前番組 番組名 次番組
鬼警部アイアンサイド(第4シリーズ)
1975年1月28日~1975年9月23日
刑事コジャック(第1シリーズ)
1975年9月30日~1976年6月1日
海外ドラマ枠一旦中断】
夜のデラックス りらっくす
(歌謡番組)
1976年6月8日~1976年9月28日
夜のデラックス りらっくす
1976年6月8日~1976年9月28日
刑事コジャック(第2シリーズ)
1976年10月5日~1976年12月28日
【海外ドラマ枠再開】
刑事ブロンク
1977年1月4日~1977年6月21日
刑事ブロンク
1977年1月4日~1977年6月21日
刑事コジャック(第3シリーズ)
1977年6月28日~1977年12月13日
刑事スタスキー&ハッチ(第1シリーズ)
1977年12月20日~1978年6月6日
刑事スタスキー&ハッチ(第1シリーズ)
1977年12月20日~1978年6月6日
刑事コジャック(第4シリーズ)
1978年6月13日~1978年12月19日
刑事スタスキー&ハッチ(第2シリーズ)
1978年12月26日~1979年6月26日
刑事スタスキー&ハッチ(第2シリーズ)
1978年12月26日~1979年6月26日
刑事コジャック(第5シリーズ)
1979年7月3日~1979年11月27日
刑事スタスキー&ハッチ(第3シリーズ)
1979年12月4日~1980年4月15日