ルパン三世 (TV第1シリーズ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ルパン三世 > ルパン三世 (TV第1シリーズ)
ルパン三世
アニメ:ルパン三世(TV第1シリーズ)
原作 モンキー・パンチ
監督 大隈正秋
Aプロダクション演出グループ
キャラクターデザイン 大塚康生
音楽 山下毅雄
アニメーション制作 東京ムービー
製作 トムス・エンタテインメント
放送局 読売テレビ
放送期間 1971年10月24日 - 1972年3月26日
話数 全23話
テンプレート - ノート

ルパン三世』(ルパンさんせい)は、アニメルパン三世』の作品群の内、連続テレビシリーズとして1971年10月24日-1972年3月26日に本放送したシリーズ。

後続するシリーズとの識別のため、タイトルに第1シリーズ第1期などと付記することがある。

放送期間など[編集]

第1シリーズの特徴[編集]

  • 怪盗ルパンの孫で大泥棒のルパン三世が、仲間の次元、不二子、五ェ門や、ルパン三世逮捕に執念を燃やす銭形警部と繰り広げる活躍を描く、基本的なストーリーの構造は各メディアの作品と同様。

登場人物[編集]

レギュラーメンバー全員が揃うことの方が少ない。

ルパン三世
上着の色は青緑色を使用。ただし、オープニング2では赤い上着を着ているカットがある(これはパイロットフィルムからの流用である為)。上着以外は、黒のレギュラーカラーのシャツ。黄色のニットタイをタイバーで止めている。紺色のスラックスはTV第1シリーズの特徴。白のハイソックスに茶色のチャッカブーツ。髪の色は黒ではなく茶色。
次元大介
石川五ェ門
第5話で初登場(オープニングには第4話から登場)。当初は名うての殺し屋でルパンの敵。第7話で仲間になるが、その後も出番が無かったり、あっても本筋にまったく絡まないことも少なくない。レギュラーとして定着するのは後の『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』(以下、『TV第2シリーズ』)以降である。一人称として「某(それがし)」や「俺」を使用したり、『TV第2シリーズ』以降に定着した女性を苦手とする素振りはここでは無く、傍らに女弟子(正体は不二子)をはべらせて肩を抱いていたり、初登場の時点で不二子に惚れていたりと、後のシリーズとは一味違った人物像で描かれる。
峰不二子
前半と後半の演出路線変更の影響が著しく、前期は、セクシーで小悪魔的な性格で、仲間というより利害が一致した時だけ手を組む独立した女盗賊として描かれている。後期は髪型もショートボブカットとなり、仲間的色彩が強くなる。性格も、より明朗活発な女性として描かれている。
銭形警部
警視庁の所属。第15話からはほぼ毎回警視総監(声:永井一郎)も登場する。

愛車[編集]

  • 初期の愛車は黄色いベンツSSK
    • オリジナルは200馬力を誇るが、ルパン仕様はエンジンを第一話「ルパンは燃えているか・・・・?!」でも使用したF1カー、フェラーリ・312B(劇中ではフェラリーと呼称)の水平対向12気筒(180°バンクV型12気筒)に乗せかえることで500馬力にパワーアップさせている。また、フロントのエンブレムがベンツ本来のマークではなく十字(島津家の家紋に類似)のものに変更されている(設定資料ではエンブレムそのものが取り付けられていない)。
    • ルパンは『TV第2シリーズ』でもSSKに似た形の車に乗っているが、こちらは主にアルファロメオ・グランスポルト・クアトロルオーテである。
  • 番組路線変更後は、映画『カリオストロの城』同様フィアット・500を愛車としていたが、『TV第1シリーズ』でのボディ色は白に近い淡い空色である。
    • 大塚康生の愛車としても知られる車であるが、作中に登場させるにあたっては、演出上の方向転換に加え、ディテールの複雑なSSKよりも作画のしやすさに配慮した宮崎駿からの注文であった[1]

その他[編集]

  • 全話の作風は大人向けのハードボイルドタッチな演出が多い前半と、子供も見る事をある程度考慮したギャグタッチな後半に別けられる(詳細については別項も参照の事)。
  • 物語の舞台はほとんどが日本。その他の国は第3話(国籍不明の孤島)と第10話のみである。

『TV第1シリーズ』製作概要[編集]

スタート時のルパン[編集]

初めに演出のオファーを受けたのは芝山努だったが、当時『天才バカボン』の製作に加わっていたため、『TV第1シリーズ』に先んじて製作されたパイロットフィルム版の制作のみに留まる。代わって人形劇などを手がけていた異色の演出家、大隅正秋に演出が依頼される。製作会社東京ムービーの当時の社長藤岡豊が、大隅の演出した『オバケのQ太郎』のオープニングを気に入っていたからである。

藤岡より「初の大人向けのアニメを作ろう」と言われた大隅は意気投合し、「中学生以下の視聴層は全くターゲットにしていなかった」と語っていた。原作のアダルトな雰囲気が強く出た作風に、当初アニメ化に難色を示していた原作者モンキー・パンチにも、パイロット・フィルムを見た後に「ぜひやってくれ」と言わしめた。

大隅は絵が描けないため、作画監督として芝山努の元同僚、大塚康生が抜擢される。当時、東映動画に所属していた大塚は、東映を退社して東京ムービーの下請けをやっていたAプロダクションに移籍した。そして、大隅・大塚両者の話し合いでテレビ用のルパン三世や峰不二子の人物造形が決まった[2]

パイロットフィルムではルパンの声は広川太一郎が演じていたが、広川のスケジュールの都合上出演が難しくなり、新たにテレビ用の声優を選ぶことになった。演出の大隅が色々な芝居の舞台を見て回った結果、山田康雄が選ばれた。大隅のイメージするルパンは、「しらけ世代の人物」で、祖父の多くの財宝を受け継ぎ、大邸宅に住み、物や金でアクセクせず、倦怠(アンニュイ)をまぎらわすためにときたま泥棒をし、場合によっては敵対する相手を手にかける事にも躊躇しない、という設定だった。飄々としていながら時にニヒルで、どこか暗さのある舞台上の山田は、まさに大隅のイメージするルパン像にぴったりだった。

パイロットフィルム製作から2年たち、ようやく大阪のよみうりテレビからTVアニメ化することが決定される。

この様な試行を経て大人向けに製作され、そして新聞広告などにも大人向けとして広告されたそれまでにないアニメとしてスタートしたが、視聴率は厳しいものとなる。当時、アニメは作ればたいていの場合はある程度の視聴率が取れると考えられていた時代(例えば、同じ東京ムービーの作品の巨人の星などは20%を超えていた)だったが、初回6%、その後も3%などといった桁違いに低い視聴率をとり、即打ち切りも仕方ない状況だった(同局の歴代ワースト記録で、今も破られていない)。ひとつの原因としては、大人向けと広告したのが、1970年代の家庭での倫理観にそぐわず、意識的に子供に見せまいとした親側の圧力などが考えられていた。初回から峰不二子の衣装作画やルパンとのからみ、退廃的な世界観は現代の視点でも扇情的なものであったが、作品の内容そのものはそこまでアダルトではなかった。

第3話の視聴率が出ると、よみうりテレビサイドやスポンサーは、東京ムービー社長藤岡と大隅を大阪に急遽呼び「この低視聴率はどういうことだ」「子供に人気がない」と問いただした。大隅は「大人向けのアニメを作ったまで」と率直に答えたが、対照的に藤岡は「今後は子供向けに改善して立て直す」と約束した。

その帰りに藤岡が大隅に「今後、子供向けの内容でやってくれないか?」と依頼したが、大隅は「じゃあ子供向けにやって、人気が出る確証はあるんですか?」と反論し「それでは自分は降ろさせてもらう」と番組降板を切り出した。この日を境に、大隅はスタジオに全く入ってない為、引継ぎなどは全くされなかった。

大隅は「誰もこのあと引き継ぐやつなんていないだろう」と考えていた。以降の話も見ず、十数年以上ルパンについての取材も断り続けた(NHKBSルパン特集2008年7月29日放送内、制作秘話より)。

方針転換、宮崎駿ら参加[編集]

岐路に立たされた大塚は、東映で一緒に子供向けアニメを作っていた高畑勲宮崎駿(当時東京ムービーの専属下請け会社であったAプロダクション(後のシンエイ動画)に在籍していた)2人に演出を依頼した[3]。 両名は以後原作の影響の強いハード・タッチの作風を中盤以降、徐々に低年齢層向けに軌道修正していく。しかし、大隅降板時点ですでにほとんど完成していたフィルムや、それ以前に発注済だった脚本・絵コンテ・作画もあったため、どこまでが大隅演出でどこからがAプロダクション演出かは、厳密には区別できない。高畑・宮崎両名で出来うる限りコンテや脚本を見直したりしたが、時間的に変更が不可能だった話もあったためでもあった(一応、演出クレジットは1-6、9、12話が大隅正秋名義となっている)。4-8話は高畑・宮崎コンビによる部分直しやコミカルな演出で、一般的にはAプロ演出と思われている7話の後半は大隅の指示を受けた出崎統によるもの、9話と12話は基本的には大隈演出のままということである。ストーリー的には、犯罪者を主人公とすることを嫌う高畑にはどうしても6話と9話は大きく変えることはできなかったと本人が回想している。完全にAプロダクション演出になったのは、宮崎によるキャラクターの性格変更が行われた13話以降であるが、絵は大隅演出時代のものと思しきものも流用されている。

宮崎は後年、大隅時代からAプロ時代のルパン像の変化を、“富裕の倦怠を紛らわすために泥棒をする退廃したフランス貴族の末裔から、常にスカンピンで何かオモシロイことはないかと目をギョロつかせているイタリア系の貧乏人への変化”と称している。高畑勲、宮崎駿演出のルパンは、視聴率は9%程度と序盤よりは安定していったものの、約半年後の全23話で放送が打ち切りとなった。

しかし、数年後の各局での再放送で、夕方の放送枠にもかかわらず、局によっては20%台という異例の高い視聴率を叩き出し評価が高まり、その質が改めて評価されることとなった[4]。ただし、大隅は後年、再放送の人気が高まった理由を当時のテレビ局で聞いた際、「余計な説明をしていない、新しさが未だにある」など、視聴率が低かった理由と全く同じであった、と語っており[5]、再放送の人気が高まった理由は、必ずしも宮崎・高畑両名の参加による路線変更のみによるもととは言えない。そして本放送終了から約5年後、再放送時の人気を背景として新作アニメ(『TV第2シリーズ』)が製作される事になった。

宮崎駿は、劇場版『ルパン三世 カリオストロの城』や『TV第2シリーズ』での2作は「第1シリーズでやったことの総棚ざらえ」と称している。『TV第1シリーズ』については「ぼくらはまぎれもなくハングリーだった。スカッとしたおもしろい仕事をやりたいという願望と気力はいくらでもあったのだ」と意欲が強かったことを語っている。しかし「放映中の路線変更は製作を混乱させ、テレビアニメーションの技法が停滞した時期もあって、画面は乱れ、完成度は低く、技術的に見るところのない作品であった」と評している。再放送で人気を得た理由を「ベンツに乗るルパンと大衆車のフィアットに乗るルパンがせめぎあい、結果として番組に活力をもたらしたのが原因では」と語っている[6]

なお前番組の『巨人の星』からのスタッフが多く流れていた。そのためにスタッフの一人に峰不二子を描かせると同番組の登場人物であった星明子と瓜二つの容姿になってしまったという逸話も残っている。

声の出演[編集]

スタッフ[編集]

再放送・デジタルリマスター版では「製作・著作:トムス・エンタテインメント、アニメーション制作:東京ムービー」となっている。

主題歌[編集]

オープニングテーマおよびエンディングテーマのタイトルは、放送当時から長年にわたってファンを混乱させる元となっていた。放送当時のシングルレコードはテイチク朝日ソノラマから発売されたが、テイチクではエンディングテーマに、朝日ソノラマではオープニングテーマに「ルパン三世その1」のタイトルが付けられている。後に様々なレコード会社から発売されるようになって以降も、発売元によってテイチクに準ずる場合と朝日ソノラマに準ずる場合があった。コロムビアに至っては、発売時期によってタイトルが逆転したこともある。なお、現在は以下の各欄に最初に記したものが正式なタイトルとしてJASRACに登録されているが、CDの種類によっては資料価値を考慮して意図的に旧タイトルを表記している場合もある。

また、レコード用音源の編曲者は馬飼野康二で、放送当時のシングルには表記されていたのだが、その後表記されないことが多かったため、山下毅雄が自ら編曲したと誤解されていた時期もある(TV用は山下自身が編曲)。

オープニングテーマ[編集]

オープニングテーマは全23話の中で何度も変更され、再放送やビデオ化の際にも一部差し替えが行われていた。また、当時の資料が一部散逸しているため、初回放送時の正確な使用状況については、公式な記録が現存しない。以下に記した使用状況は、初回放送時に最も近いと思われるDVD版のもの。

ルパン三世主題歌I」(「ルパン三世その1」[7])(第1-3、9話)
作詞 - 東京ムービー企画部 / 作曲 - 山下毅雄 / 編曲 - 山下毅雄(TV用)、馬飼野康二(レコード用) / 唄 - チャーリー・コーセイ
レコードで発売されていながら、実際には4回しか使用されていない。にもかかわらず、知名度は使用回数が最多の主題歌「AFRO "LUPIN '68"」をしのいでいる。レコード用音源は大人しい演奏や片仮名の発音になっているボーカルなど、TV用と大きく異なる印象になっている。
映像はパイロットフィルムの映像が元になっているが、テレビシリーズ用にキャラクターの顔や服装を修正して新たに作画し直されている。
AFRO "LUPIN '68"」(「ルパン三世その4」)(第4-8、10-15話)
作曲・編曲 - 山下毅雄 / 唄 - チャーリー・コーセイ / ナレーション - 山田康雄
本来は劇中音楽として作られたもので、実際に第1話から劇中で使用されているが、オープニング映像の変更に合わせてテーマ曲として使用されるようになった。
ルパンが自己紹介をした後、ルパンが次元・五ェ門・銭形・不二子の順に登場人物を紹介していくオープニングであるが、このオープニングには数種類のバリエーションが存在する。
第4話で使用された、最後の台詞が「どんな事件を巻き起こしてやろうかな…」というもの
第5話-第15話(第6話・第9話を除く)で使用された、最後の台詞が「今週は、どんな事件を巻き起こしてやろうかな…」というもの
第6話で使用された、音楽がラスト以外インストバージョンになっており、ナレーションが通常より押さえた口調になっているもの。オープニングのキャラクター紹介において、次元大介を紹介する際のナレーション「早撃ち0.3秒~」の読みは通常「早撃ちれいてん3秒~」であるが、このバージョンのみ「早撃ちれいコンマ3秒~」と読まれている。
また、第3話や第13話の劇中では別テイクが使用されている。
チャーリーによると、歌詞は「スタッフが用意した断片的なキーワードを元に即興で歌った」とのこと[8]。そのため、後年のリメイク音源では言葉の並べ方がオリジナルと異なる部分も多い。
1980年発売のテレビオリジナルBGMコレクション ルパン三世 〜山下毅雄オリジナルスコアによる「ルパン三世」の世界〜で新録音して収録した際に曲名が付けられたが、なぜ「'68」とTVアニメ化3年前の年号なのかは不明。
「ルパン三世 '71 ME TRACKS」17曲目収録の復元版の末尾は第15話ラストの音源を使用しているが、本編使用時に既にカットが行われているため、不自然になっている。「ルパン三世テーマ・ヒストリー」「ルパン三世 ザ・ファースト・シリーズ・アンソロジー」収録版の方が原形に近い。
大部分の映像はパイロットフィルムをそのまま流用している(オープニング1とは異なり、テレビシリーズ用の修正は行われていない)。このため、同じオープニング映像上においてもパイロットフィルムを流用したカットではルパンのジャケットの色が赤、新規作画のカットでは青緑となっている。キャラクターの顔もテレビシリーズ本編とは大きく異なる。
ルパン三世主題歌3」(「ルパン三世その3)(第16-23話)
作曲・編曲 - 山下毅雄 / 唄 - よしろう・広石 / ナレーション - 納谷悟朗(第16話のみ)
映像には歌唱者の名前がクレジットされておらず、当時はレコードの発売もなかったため、長年にわたって歌唱者が不明だった。そのため、2001年に広石が雑誌のインタビューで「自分が歌った」と証言[9]する以前は、関連書籍やCDにおいて「歌:チャーリー・コーセイ」と誤記されていることがあった。JASRACでは歌は「チャーリー・コーセイ」で登録されたままとなっている。
第16話のみ使用されたナレーション入りの音源には、曲もナレーションも別テイクのものが存在する。これは初回放送時や一部地方での放送時のみ使用された可能性が指摘されている[10]。別テイクは1980年に一度レコード化されたが、以後2001年発売のDVD-BOXまで商品化される事が無かった。当時のオープニングフィルムは発見されておらず、DVDにも「音声特典」として映像無しで収録されている。現存する映像とは音声のタイミングが合わないため別編集の映像が存在したと思われる、とCD『ルパン三世 ザ・ファースト・アンソロジー』のライナーノーツには書かれているが、同CDに収録された他の主題歌TVサイズ音源でも映像とのタイミングは合わない。
また、第12・19話の劇中では歌詞が2番まで有る別バージョンが使用されているが、後述の「'71ME TRACKS」には収録されていない。
映像は銭形警部が機動隊と走ってくるカットを除いて、本編のカットを流用している。

エンディングテーマ[編集]

ルパン三世主題歌II」(「ルパン三世その2」)
作詞 - 東京ムービー企画部 / 作曲 - 山下毅雄 / 編曲 - 山下毅雄(TV用)/馬飼野康二(レコード用) / 唄 - チャーリー・コーセイ
エンディングは曲・映像共に全話共通。但し、曲の終わりに入る(一部を除く)バイクのエンジン音のSEのタイミングにバリエーションがある。
第1話で使用されたSEのないもの
第2話で使用されたSEがトラックのエンジン音のもの
第3話で使用されたSEが歌の前に入るもの
第4話で使用されたSEがバイクの遠ざかっていくエンジン音のもの
第5話以降で使用されたSEがバイクの普通のエンジン音のもの。

作詞のクレジットは東京ムービー企画部で、個人名は記載されていない。近年、第15話にスチュワーデス役でゲスト出演した音楽評論家吉見佑子自身のツイッターにて「2万円だか3万円とかのギャラもらってバイトで描いた歌詞」と述べているが、詳細は不明。

なお、奥田民生によってカバーされている(シングルイージュー★ライダー」のカップリング曲)。

ソノシート[編集]

朝日ソノラマから録りおろしドラマ「魔術師パイカル」を収録したソノシート(品番AM-32)が発売された。第2話を元にしているが、パイカル役は村越伊知郎で、銭形が登場するなど展開が一部異なる。ドラマ部分はCD化されていないが、セリフが被っていなかったBGMが「ルパン三世 '71 ME TRACKS」に収録されている。

失われたサウンドトラック[編集]

山下毅雄によるサウンドトラックは、放送直後よりそのマスターテープが紛失しているため、完全な形でのレコード化あるいはCD化が不可能な状態となっている。それでも『TV第1シリーズ』を彩った音楽の音源化を望むファンは絶えず、代替案として過去に3つの企画盤が発売されている。

テレビオリジナルBGMコレクション ルパン三世 〜山下毅雄オリジナルスコアによる「ルパン三世」の世界〜
1980年3月25日、日本コロムビアより発売
完全新録音による音源を収録しており、メロディー等は劇中で使用されたものと共通しているが、テレビ放映からかなり時間が経って再レコーディングされた事もあり、放送当時のものとは音質やアレンジなどに大きな違いが生じていた。当初は本当にオリジナルBGMを収録する予定だったのだが、締め切り直前まで捜索しても音源を発見できず、かと言って発売中止にする訳にも行かなかったのでやむを得ず録音をやり直した、というのが真相である。なお、主題歌は、オリジナルLPでは当時は残っていたTVサイズオリジナル音源にSEやパーカッションの音を被せて収録していたが、2度目のCD化の際にフルサイズに差し替えられ、これが長年にわたって流通することになった。2007年に発売された限定復刻盤では、LPと同じ形に戻されている。
ルパン三世 '71 ME TRACKS
1999年2月21日、バップミュージックファイルEX)より発売
アニメ本編を製作工程において作られていたMEテープ(アテレコの前段階に場面に合せて選曲された音楽と効果音だけが収録された音源テープ)を利用し、デジタル処理で再編集を行ったものである。通常、個々の場面でフルレングスで音楽が使用される事はまず有り得ないため、複数の場面のMEテープを素材に、使用に適した個所を細切れで抽出し、それぞれを繋ぎ合わせて一曲の尺になるように編集が行われている。なお、素材の性質上やむを得ず効果音がそのまま残っている個所が多く、音質も本来レコード化に配慮したものではないため、いずれも芳しくない状態であり、やはりこれも苦肉の策といえる内容となっている。
ルパン三世 ザ・ファースト・シリーズ・アンソロジー
2003年3月21日、コロムビアミュージックエンタテインメントより発売
コロムビアで制作された音源を体系的にCD化する企画「ルパン三世クロニクル」の第1弾として、「ルパン・ザ・シングルス」(コロムビアから発売された全シングルを収録)と同時発売。主題歌のTVサイズの各バリエーションを放送で使用された音声から収録、さらに辛うじてオリジナル音源が残っていた「主題歌I」「主題歌II」のTVサイズ[11]とレコード用フルサイズ、『テレビオリジナルBGMコレクション』の完全復刻という内容になっている。

各話リスト[編集]

話数 放送日 サブタイトル 演出 脚本 コンテ
第1話 1971年
10月24日
ルパンは燃えているか・・・・?! 大隅正秋 山崎忠昭 高橋和美
第2話 10月31日 魔術師と呼ばれた男 大和屋竺 奥田誠二
第3話 11月7日 さらば愛しき魔女 宮田雪 斉九洋
第4話 11月14日 脱獄のチャンスは一度 佐脇徹 佐々木正広
第5話 11月21日 十三代五ヱ門登場 山崎忠昭 小華和ためお
第6話 11月28日 雨の午後はヤバイゼ 松岡清治 小泉謙三
第7話 12月5日 狼は狼を呼ぶ Aプロ演出グループ 大和屋竺 斉九洋
第8話 12月12日 全員集合トランプ作戦 宮田雪 奥田誠二
第9話 12月19日 殺し屋はブルースを歌う 大隅正秋 佐脇徹
第10話 12月26日 ニセ札つくりを狙え! Aプロ演出グループ 矢沢則夫
第11話 1972年
1月2日
7番目の橋が落ちるとき 宮田雪 小華和ためお
第12話 1月9日 誰が最後に笑ったか 大隅正秋 鶴見和一
第13話 1月16日 タイムマシンに気をつけろ! Aプロ演出グループ 宮田雪 斉九洋
第14話 1月23日 エメラルドの秘密 岡崎稔
第15話 1月30日 ルパンを捕まえてヨーロッパへ行こう 松岡清治 小華和ためお
第16話 2月6日 宝石横取り作戦 七條門 出崎哲
第17話 2月13日 罠にかかったルパン 斉九洋
第18話 2月20日 美人コンテストをマークせよ 松岡清治 小華和ためお
第19話 2月27日 どっちが勝つか三代目! 小山俊一郎 棚橋一徳
第20話 3月5日 ニセルパンを捕えろ! 七條門 小華和ためお
第21話 3月12日 ジャジャ馬娘を助けだせ! 松岡清治 高橋春男
第22話 3月19日 先手必勝コンピューター作戦! 宮田雪 小華和ためお
第23話 3月26日 黄金の大勝負! 田村多津夫 吉川惣司

使用された原作[編集]

  • 第1話:第56話「DEAD HEAT」を脚色。アニメではスコーピオンとの対決が、原作では金塊の強奪が目的になっている。
  • 第2話:第7話「魔術師」を脚色。お抱えの科学者などは登場せず。
  • 第3話:第24話「トブな悪党」をベースに33話「はなれ技」、34話「盗っ人ゲーム」を使用。
  • 第4話:第2話「脱獄」、12話「王手飛車とり」より冒頭の犯行場面。
  • 第5話:第28話「五右ェ門登場」、29話「ブラック・ポイント」より走る車での戦闘。原作にあった百地発見の錬金術や五ェ門の親友魔山などは登場せず。
  • 第6話:第18話「死体品切れ」、19話「ナサケ御無用」を脚色。
  • 第7話:第41話「砕く」、42話「免許皆伝」より示刀流という言葉、43話「殺しのない日」よりルパンの車の切断。
  • 第8話:第57話「トリプルプレイ」より病院の場面、第59話「きわどいカラッポ」より凧を使った脱出。
  • 第9話:第82話「能ある悪党は牙をかくす(その2)」。原作では外国のスパイであった女が不二子に変更され、ブーンがプーンへ変更。
  • 第10話:第75話「私を愛したルパン」より「フリンチ」のキャラクター名のみ。
  • 第11話:第14話「賞金稼ぎ」より人質のための犯罪、17話「どじ」より橋の爆破事件。
  • 第12話:第15話「シャモ狩り」を脚色。但し原作で登場していた銭形警部の登場はオミット。
  • 第13話:第83話「能ある悪党は牙をかくす(その3)」を脚色。魔毛は原作の未来人だった設定から現代人に変更され、最終的には生存している。
  • 第16話:第50話「サイケデリック氏」を脚色。宝石店襲撃場面のみを参考にしている。
  • 第20話:ルパン三世・新冒険・第2-5話を脚色。
  • 第21話:新冒険・第6話「ルパン勧進帳(その1)」を脚色。ルパン家に関わった人物(原作ではソーニャ家の令嬢)の救出のみ共通している。

未映像化作品[編集]

  • 死闘は夜明けに終わった(小山俊一郎)
  • Kマシン強奪(秘)作戦(松岡清治)
  • 秘宝は700海里に眠る(山崎忠昭)
  • 刺客の時は来た(小山俊一郎)
  • 野獣たちの終着駅(佐脇徹)
  • ルパンのとってもへんな日(小山俊一郎)
  • 弔い歌は奴のために(宮田雪)
  • 電撃ハトポッポ作戦(大和屋竺)
  • ルパンの法則(鶴見和一)
  • 秘密矢■奪取作戦(松岡清治)
  • 恐るべき鼠一族(山崎忠昭)
  • タイトル未定(大和屋竺)
  • ルパン故郷へ帰る(佐脇徹)

各話詳細[編集]

  • 第1話 - DVD版では、次元が丘からルパンのマシンを見送るシーンが左右反転になっている。また、サーキットで観客が逃げ回るシーンでは無関係なキャラクターがカットされた。
  • 第2話 - 劇中、峰不二子がシャワー中に口ずさんでいる曲は、「二人を愛してしまった私」。ラストシーンでは(極一部ではあるものの)アレンジされた音源が使用されている事からマスターが存在する楽曲である事は確かだが、上記の『テレビオリジナルBGMコレクション』への新録や、『ルパン三世 '71 ME TRACKS』への収録は見送られている状態であった。その後、山下毅雄とルパン三世1stシリーズの大ファンを公言するインディーズバンド・ザ・シロップのリーダー・松石ゲルの手により、山下の事務所の許可を得た上でメロディーと歌詞が補作されたものが、ザ・シロップのアルバム「ハダカになっちゃおうかな」にカヴァー曲として収録されている。[12]またシナリオは『荒野のダッチワイフ 大和屋竺ダイナマイト傑作選』に収録されている。大和屋竺の脚本は元々、とても30分の放送枠に収まらない膨大なボリュームであったが、これは演出の大隅正秋が意図して、最初から大和屋に要求したボリュームであった。
  • 第4話 - 予告編で使用されたギロチンの映像は本編では使用されなかった。
  • 第5話 - 五ェ門が聞いているラジオから流れる曲は小柳ルミ子が1971年9月にシングル曲として発表した「お祭りの夜」である。
  • 第9話 - で竹槍を撃ち込むシーンにおいて、当初のシナリオでは原作の通りにそれでキャップを突き殺すはずだったが、高畑・宮崎コンビによって演出が変更された。その結果、利用できるものは何でも利用し、チャンスをうかがうルパンの性格を表現することができた。またルパン(に変装した不二子)がキャップのアジトに乗り込むシーンでは白川奈美の「遠くはなれて子守唄」がテレビで流れていた。
  • 第10話 - 当初のシナリオでは銀狐のイワノフへの愛とそれを引き裂いた夫への憎悪など、複雑なドラマが展開されていたが、路線変更にともない、単純な話に変更された。
  • 第11話 - 悪役・ボルボの名前は設定資料にあるのみで、本編中では一度も出てこない。また、準備段階では第2話に登場した白乾児の弟・ラオチュウの登場が予定されていた。
  • 第14話 - 『TV第2シリーズ』以降に不二子を演じることになる増山江威子がキャサリンの声を担当した。予告編でのタイトルは「猫目石はどこへ」で、宝石の名前は「キャッツアイ」だった。乗船名簿の中に「銭型平次(7代目)」「モンキー・パンチ」が確認できる。
  • 第19話 - 『アルセーヌ・ルパンシリーズ』(モーリス・ルブラン作)でアルセーヌ・ルパンの敵役として登場するパリ警視庁のガニマール警部の孫が登場した。
  • 第21話 - 蒸気機関車の疾走シーンの一部は、後にAプロダクションが制作した劇場作品「パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻」の機関車疾走シーンに同じ構図で流用されている。
  • 第23話 - 銭形が警視総監にアジト壊滅作戦の内容書類を差し出すシーンに書かれていたのは「ルパンが始まって約半年程の年月が過ぎましたが、今回の話(第23話)をもちまして2クールで完結することになりました」という文で、すなわち終了のお知らせだった。その後に「私個人のことを申せば、途中入院を致したために…」と続くが、これが誰の事なのかは不明。
  • 次回予告は第21話を最後に制作されず、代わりに後番組「超人バロム・1」の新番組予告が放送された。
  • 一部の再放送時には、第13話の「昭和47年でござる」や番組後期の銭形の「来週こそは〜」といったセリフがカットされることがあった。1980年代以降は放送コードの改訂にともない、「気違い」などのセリフもカットされた。これらのセリフはビデオソフトでも発売時期によってカットされることがあったが、DVDにはノーカットで収録されている。2008年7月28日-7月30日の『BSアニメ夜話/とことん!ルパン三世』での集中放送でも多数のセリフがカットされた。

コミカライズ作品[編集]

ルパン三世officialマガジンでは、早川ナオヤによるコミカライズ版が連載されており、このうち、第1話から第4話と第17話がコミカライズ化されている。1話から4話は、アニメに忠実な作りになっている。ただし、第4話のコミカライズ版に関しては、一部の台詞に変更が加えられている。
17話は、不二子の視点で描いたコミカライズ作品となっている。物語の構成自体は同じだが、印刷したお札が、ルパンの手によって紙幣として使い物にならないようにいたずらされていた事を知って、不二子が本気で悔しがるというシーンが最後のページに加えられている。

放送局[編集]

放送系列は当時のもの。

放送地域 放送局 放送系列 備考
近畿広域圏 読売テレビ 日本テレビ系列 制作局
北海道 札幌テレビ 日本テレビ系列
フジテレビ系列
青森県 青森放送 日本テレビ系列
岩手県 テレビ岩手 日本テレビ系列
NETテレビ系列
宮城県 ミヤギテレビ
秋田県 秋田テレビ フジテレビ系列 [13]
山形県 山形放送 日本テレビ系列
福島県 福島中央テレビ 日本テレビ系列
NETテレビ系列
関東広域圏 日本テレビ 日本テレビ系列
山梨県 山梨放送
新潟県 新潟総合テレビ フジテレビ系列
日本テレビ系列
NETテレビ系列
長野県 信越放送 TBS系列
静岡県 静岡放送
富山県 北日本放送 日本テレビ系列
石川県 北陸放送 TBS系列
福井県 福井放送 日本テレビ系列
中京広域圏 名古屋放送 日本テレビ系列
NETテレビ系列
[14]
鳥取県 日本海テレビ 当時の放送エリアは鳥取県のみ
広島県 広島テレビ 日本テレビ系列
フジテレビ系列
山口県 山口放送 日本テレビ系列
徳島県 四国放送
香川県 西日本放送 当時の放送エリアは香川県のみ
愛媛県 南海放送
高知県 高知放送
福岡県 福岡放送
長崎県 テレビ長崎 フジテレビ系列
日本テレビ系列
熊本県 テレビ熊本 フジテレビ系列
日本テレビ系列
NETテレビ系列
大分県 テレビ大分
宮崎県 テレビ宮崎
鹿児島県 鹿児島テレビ
琉球政府 沖縄テレビ フジテレビ系列 当時は米国の施政下[15]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 当時はドライブ等で大塚の車をよく見ていたため、宮崎も描きやすかったという事情もあった。また、宮崎の個人的な車の好みも反映した模様であり、後年のインタビューでは「ベンツSSKって、ナチス親玉じゃあるまいし、そんなんでかっこいいと思ってる奴は好きじゃないです」、「スーパーカーって大嫌いです」とコメントしている(雑誌『熱風』2009年2月号より)。
  2. ^ 劇中でキャラクター達が使用する車や拳銃、時計、吸っている煙草の銘柄などにいたるまで、本作品ではリアリティを重要視し、写真やカタログを収集し、全て実在のものが事細かに設定されている(原作ではその点に関して明確な設定はされていなかった)。このあたりは当時流行していた大藪晴彦の作風を取り入れたものであり、企画趣旨で曲げなかったとされる2大基本として明記され、情報収集の際にはメカニックの知識に豊富な大塚康生の活躍によるところが大きいとされている(NHKBSルパン特集2008年7月29日放送内、制作秘話より)
  3. ^ 高畑・宮崎の両者が仕事を引き受けたのは、当時、Aプロは東京ムービーの下請けをやっており、また旧知の間柄の大塚が困っていたからである。その仕事を請ける際の条件は「匿名で」ということだったので、「Aプロ演出グループ」と名乗り、2人の名前はクレジットされていない。 「その話が決まったとたんテレビ局の会議室に引っ張り出されましてね、行くとテーブルの向こう側にスポンサーや放送局などの人間がズラリ、こちら側は東京ムービーの社長始め、僕たちが並んだ訳です。その会議室が、また凄まじくてね。『どうしてくれるんだ、コラッ!!』『こんな物作って子供たちは分かるか!!』と言った罵詈雑言のオンパレード。こちらは只ただ頭を下げるんですが、東京ムービーの社長など『ハハッ!』 って平伏しっぱなし(笑)。こりゃ、大変なところに足を踏み込んじゃったなぁ、とその時ツクヅク思った物でした。」 宮崎駿「大阪アニメポリスペロ・2周年記念講演」(大阪曽根崎新地東映会館、1982年7月27日)
  4. ^ NHKBSルパン特集2008年7月29日放送内、制作秘話より。なお、高畑・宮崎両名が築いた路線は『TV第2シリーズ』、ひいては以後のテレビシリーズの作風を決定付けたと言われている。
  5. ^ NHKBSルパン特集2008年7月29日放送内、制作秘話より。
  6. ^ 「宮崎駿著、『出発点』「ルパンはまさしく時代の子だった」より、初出はアニメージュ
  7. ^ オープニング映像のテロップでは「ルパン・ザ・サードの歌」と表記
  8. ^ GUY'S HEART -Charlie's Lupin Songs-』のライナーノーツにおける本人コメントより
  9. ^ 映画秘宝 Vol.23
  10. ^ DVD-BOXやCD『ルパン三世 ザ・ファースト・アンソロジー』のライナーノーツ、アニメの“音”を求めて 早川優 第1回「『ルパン三世』幻のオープニング曲/WEBアニメスタイル」(2012年5月4日閲覧)より
  11. ^ パーカッションやSEが被せられているので、厳密にはオリジナルそのままの音ではない。これは『テレビオリジナルBGMコレクション』のためのオーバーダビング作業の過程で残された音源と推定されている。
  12. ^ http://www.the-syrup.com/bbs/index.php?mode=past&pno=3 ザ・シロップ公式掲示板2007/07/26(Thu) 21:42の書き込みより。
  13. ^ 秋田放送における放送枠が無かったため。ただし、『TV第2シリーズ』と『ルパン三世 PartIII』は秋田放送で放送された。
  14. ^ 『TV第2シリーズ』以降は中京テレビで放送された。
  15. ^ ただし、『TV第2シリーズ』は琉球放送で放送された。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

日本テレビ系列 日曜19時台後半枠
【当番組より読売テレビ制作枠】
前番組 番組名 次番組
日曜日だョ!ドリフターズ!!
(19:00 - 19:56)
NNNニューススポット
(19:56 - 20:00)
以上 日本テレビ制作
ルパン三世 1st series
(1971年10月24日 - 1972年3月26日)