風の谷のナウシカ

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風の谷のナウシカ』(かぜのたにの-)は、徳間書店アニメ情報誌アニメージュ』に連載された宮崎駿漫画作品、および1984年に劇場公開された宮崎駿監督のアニメ映画作品、及び同映画のシンボル・テーマソング(イメージソング)の曲名である。

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目次

[編集] 概要

漫画作品は、アニメージュ誌上で1982年に連載が開始され、1994年に終了した。その間、映画制作などのため何度か休載している。多忙を極めた宮崎駿が連載を維持するために、鉛筆原稿のまま雑誌掲載された回もある。単行本の発行部数は累計1200万部[1]

映画作品は、単行本全7巻の漫画全体から見ると序盤に当たる2巻目の途中まで連載された時点での作品であり、映画公開後に連載を再開した漫画とは内容が異なる。

漫画版は第23回日本漫画家協会賞の大賞を受賞、8ヶ国語で翻訳・発売されている。映画版も各賞を受賞した[2]


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] あらすじ

極限まで発達した人類文明が「火の七日間」と呼ばれる最終戦争を引き起こした結果滅亡し、瘴気(有毒ガス)が充満する「腐海」と呼ばれる菌類の森や獰猛な蟲(むし)が発生した。それから千年余り、拡大を続ける腐海に脅かされながら、わずかに残った人類は、古の文明の遺物を発掘して利用しつつ生きていた。

腐海のほとりにある辺境の小国「風の谷」は、大国トルメキアの戦乱に巻き込まれる。風の谷の族長ジルの娘であるナウシカは、運命に翻弄されながらさまざまな人びとと出会い、自分自身と世界の運命、太古より繰り返されて来た人の営みに向き合い、大国と小国、そして腐海と人類との共生の道を探っていく。

[編集] 作品の背景

いくつかの宮崎駿作品に見られる、自然と科学文明の対立、文明の破壊と再生がテーマとされ、公害自然破壊などの環境問題や、戦争への批判という側面がある。

漫画版では物語序盤に提示されていた自然と科学技術の対立という構図が、後半ではより複雑な構図に変化していった。宮崎は、この作品を結ぶにあたり影響を受けた事件としてユーゴスラビア内戦を挙げ「あれだけひどいことをやってきた場所だから、もう飽きているだろうと思ったら、飽きてないんですね」「戦争というのは、正義みたいなものがあっても、ひとたび始めると、どんな戦争でも腐ってゆく」[3]と述べており、これを物語終盤に反映させた。

宮崎は、主人公ナウシカのモデルとして日本の古典文学である堤中納言物語に登場する「虫愛づる姫君」を挙げている。名前はギリシア神話に登場する王女ナウシカアに由来する(オデュッセウスの項目を参照)[4]

物語のモデルとなった場所は明確にされないが、漫画版では旧世界の産業文明が発生した場所をユーラシア大陸の西としている。また、宮崎は風の谷のイメージを「中央アジアの乾燥地帯なんです」と発言し[5]、腐海のモデルはウクライナクリミア半島シュワージュ[6]としている[7]。オーストラリアがモデルとされたこともあるが、スタジオジブリは否定している[8]。辺境の国々の原形として古エフタル王国と言う名前が出てくるが、歴史上の中央アジアの遊牧民にも、言語などが謎に包まれたエフタルと呼ばれる民族が存在した。

[編集] 漫画連載から映画化までの経緯

アニメージュ編集部では、宮崎の監督作『未来少年コナン』『ルパン三世 カリオストロの城』を通じて、まだ無名だった宮崎の才能に着目しており、1981年8月号には「宮崎駿特集」を掲載していた。

当時の宮崎は、アニメ制作会社テレコム・アニメーションフィルムに在籍しており、『ルパン三世 カリオストロの城』の監督を務めた後、『リトル・ニモ』の準備とイメージボードの作成、イタリアとの合作である『名探偵ホームズ』の演出などを担当していた。この時点では両作品共に一般公開される目処が立っていなかったことに加え、自ら『もののけ姫』などのアニメ化企画を提出したが会社には採用されなかったため、自分が関わった作品が世に出ない事に不満を抱えている状態だった。

「宮崎駿特集」担当編集者の鈴木敏夫は宮崎に漫画連載を依頼し、渋る宮崎を口説き落とした。漫画の依頼に対し宮崎は、『戦国魔城』というアニメ化前提の企画を提出したが、徳間書店側は傘下の映画会社大映に原作が存在しないことを理由の一つとして、この企画を却下している。『ナウシカ』の連載は、1982年1月発売の1982年2月号から開始された。結果的にアニメ化を前提としないマンガ作品を描くことになったため、宮崎は当初、「漫画として描くならアニメーションで絶対できないような作品を」と意図していた[9]

その後、宮崎は『ニモ』を降板、1982年11月にはテレコムを退社してフリーとなり、一時『ナウシカ』の漫画連載が唯一の仕事となる。この状況を知った尾形英夫アニメージュ編集長は、同誌の主催するイベント「アニメグランプリ」で上映する短編としてのアニメ化を提案し、宮崎も了承したが結局実現しなかった[10]。次にOVAの企画があがったが、これも採算が合わないとして消滅した[10]。宮崎は「どうせ作るなら劇場用長編に」と提案し、尾形が徳間書店社長の徳間康快の承諾を得たことで『ナウシカ』の劇場用長編アニメ映画化構想が始動した[10]広告代理店大手の博報堂に宮崎の弟が勤めていたのも大きな原動力となり、映画化構想が実現することになる。

[編集] 映画『風の谷のナウシカ』

風の谷のナウシカ
監督 宮崎駿
製作総指揮 徳間康快
近藤道生
製作 高畑勲
脚本 宮崎駿
出演者 島本須美
松田洋治
榊原良子
納谷悟朗
京田尚子
家弓家正
辻村真人
永井一郎
宮内幸平
八奈見乗児
矢田稔
富永みーな
寺田誠
坪井章子
吉田理保子
菅谷政子
貴家堂子
坂本千夏
TARAKO
水鳥鉄夫
中村武己
太田貴子
島田敏
野村信次
大塚芳忠
鮎原久子
音楽 久石譲
撮影 白神孝治
首藤行朝
清水泰弘
杉浦守
編集 木田伴子
金子尚樹
酒井正次
配給 東映
公開 日本1984年3月11日
アメリカ合衆国1985年6月
韓国2000年12月30日
オーストラリア1984年3月11日
ドイツ2005年9月5日
フランス2006年5月18日
トルコ2007年7月6日
ロシア ロシア2007年7月26日
エストニアの旗 エストニア2008年4月11日
フィンランド フィンランド2008年9月26日
上映時間 116分
製作国 日本
言語 日本語
allcinema
キネマ旬報
allmovie
IMDb
  

[編集] 概要

徳間書店博報堂による製作委員会方式アニメ映画化され、全国の東映洋画系で1984年3月11日より劇場公開された。アニメーション制作はトップクラフトが担当した。

環境問題をテーマの一つに盛り込んでいたこともあって、朝日新聞コラム天声人語」で取り上げられる[11]など、従来のアニメ映画の枠を越える評価を受けた。91万人の観客を動員し、配給収入は約7億円。複数の映画賞を受賞し、アニメーション作家としての宮崎駿の知名度を大きく引き上げた作品となった。サウンドトラック『風の谷のナウシカ』(ANL-1020)はオリコンLPチャートで最高8位[12]を記録した。

映画版では、演出上の理由からナウシカが王蟲の群を止めるため王蟲の暴走に巻き込まれるエピソードなどが加えられている。これについて宮崎は、映画を宗教的な画面にしてしまったことへの想いから、宿題が残った映画であると発言した[13]

映画版には、大国トルメキアと対立する土鬼諸侯連合(ドルク)が登場しない。映画版ではナウシカが伝説の救世主的キャラクターとして描かれるが、その後に連載された漫画版ではそのような記述は抑えられている。

同時上映は、『名探偵ホームズ』の「青い紅玉(ルビー)の巻」と「海底の財宝の巻」の2作品[14]

映画完成後、トップクラフトを改組する形でスタジオジブリが設立され、以降の宮崎と高畑勲の長編アニメーション映画を制作する拠点となった。

[編集] 制作体制

映画製作にあたっては、宮崎の漫画を連載していた『アニメージュ』を発行する徳間書店が中心的な役割を果たした。当時、徳間グループは大映を傘下に抱えていたが、アニメへの理解とノウハウがなかったため、大映は製作に関与せず、グループ総帥である徳間康快指揮の下、徳間ジャパンなども含めたグループ総動員で宣伝活動がなされている。

映画は1983年になって始動し、同年5月、プロデューサーに高畑勲が選ばれる。長年宮崎と仕事を組んで来た仲間であり、宮崎の指名によるものだった。当初、自分はプロデューサー向きではないと渋ったものの、徳間書店の鈴木敏夫の説得により受諾し[15][16]、8月から作画に取りかかる。制作拠点となったのは、宮崎や高畑の東映動画時代の同僚である原徹たちが運営し、主に海外合作を手がけていたトップクラフト。ここに宮崎らはフリーで参加するという形を取る。当初、宮崎らは、東京ムービー傘下のテレコム・アニメーションフィルム日本アニメーションを制作母体とすることを考えていた[17]。テレコム社は長編アニメーション制作を目的に設立された会社で「ルパン三世 カリオストロの城」もここで制作された。宮崎や高畑は籍を離れたとはいえ、大塚康生などかつての仲間たちも在籍している。宮崎の考える制作環境としてはうってつけだったが、同社は『NEMO/ニモ』の準備に忙しく、一部スタッフが手伝い程度に参加するに留まった。

本作には、それまで宮崎と付き合いのなかった新しい顔ぶれのスタッフも多数参加している。宮崎や高畑が要求する高いレベルのスタッフがトップクラフト内だけでは不十分だったこともあり、2人が過去に関係した人材のみならず、尾形英夫ら「アニメージュ」関係者も、取材を通じて知った人材などをスカウトしてスタッフが集められた。

タツノコプロ系のなかむらたかし中村光毅、テレビ時代の東映動画の中心アニメーターであるOH!プロダクションの小松原一男、金田パースという独特の作画で人気だった金田伊功、後に『新世紀エヴァンゲリオン』で名を馳せる庵野秀明などが集結している。金田は、その後ジブリと宮崎アニメを支える有力スタッフとなり、1997年の『もののけ姫』まで連続して参加したが、本作では人物にパースを付けすぎて、宮崎に大幅に手直しされた。庵野は作品ラストの巨神兵のシーンの原画を担当したが、人物作画が出来ず丸や記号だけで済ませて宮崎に任せてしまったり、宮崎の指示に不満があってタイムシートを勝手に書き換えたと述懐している。宮崎が絵コンテを仕上げるスピードが遅かったために、それに応じて作品の規模は縮小している。

映画化にあたってイメージガールが募集され、後に女優となる安田成美がグランプリを獲得して、松本隆作詞、細野晴臣作曲の『風の谷のナウシカ』[18]を歌った。同曲は、当初、主題歌となる旨が発表されていたが、本作の内容と楽曲の乖離等の理由によって宮崎と高畑の反対で劇中本編で使用されることはなく、映画プロモーション用のイメージソングとしてEDタイトルに刻まれるに留まった[19]

音楽では、後の宮崎作品にも関わっていく久石譲が初めて参加している。当初、久石は映画に先行して発売されたイメージアルバムの担当で、映画の劇伴音楽は前述の安田成美の主題歌を担当した細野が担当する予定であったが、宮崎と高畑が久石のイメージアルバムを気に入ったため、本編の音楽にも起用され、主題歌のみが存在することになった。久石のイメージアルバムへの起用はレコード会社の推薦で、それまで宮崎も高畑も久石の予備知識は何もなかったとされる。しかしこれ以降、宮崎アニメ=久石譲の音楽というコンビネーションが確立されていく事になる。

[編集] 海外版

『風の谷のナウシカ』には、『Warriors of the Wind(風の戦士たち)』という題になっている改変バージョンが存在しており、1985年米国ニューヨークのみで短期間劇場公開されている。これは低予算映画で知られるロジャー・コーマンが創立したニューワールド・ピクチャーズ社の配給であり、単純明快な勧善懲悪、ヒロイック・ファンタジーを好むと思われた米国市場に合わせるべく、難解な設定(腐海の浄化作用など)やナウシカの過去に関する描写を省いた。そういった編集によりオリジナルと比べると比較的アクション要素が強い内容へと変更され、日本で116分だった上映時間は95分に短縮された。またナウシカが「ザンドラ姫」となっているなど、登場人物の名前もほとんどが改変されている。このバージョンを知らなかった宮崎は、朝日新聞1985年9月17日夕刊「いまアニメの時代」の連載3回目を読んで初めて知り[20]、無断で改変されたことに激怒、結果的にこの改変を許してしまった徳間書店側は宮崎に謝罪したとされる。

『Warriors of the Wind』は同年にVHSビデオで発売されている。その後南アメリカやヨーロッパに二次輸出され、アルゼンチン、イギリス、スペイン、フランス、ドイツなどで改変された内容のままVHSがリリースされた。フランスではVIP Internationalから『Le Vaisseau Fantôme』(幽霊船)の題で、Blue Kid's Videoから『星のプリンセス(La Princesse des Etoiles)』の題で発売された[21][22]

その後ディズニー配下のブエナビスタ・インターナショナルがビデオ配給の権利を得て、改変が施されていないオリジナルバージョンが各国に配給されるようになった。2005年にDVDで発売されたナウシカの完全英語版[23]は、同年アメリカで最も売れた日本アニメDVD作品となっている。またこのバージョンはカンヌ国際映画祭のカンヌ・クラシック部門でも上映され、フランスでは劇場公開が行われた。

[編集] キャッチコピー

少女の愛が奇跡を呼んだ」とのキャッチコピーが使われている。これは映画宣伝会社メイジャーの宣伝プロデューサー徳山雅也によるもの[24]

[編集] 声の出演

キャラクター 声の出演 日本語版 声の出演 英語版
ナウシカ 島本須美 アリソン・ローマン
アスベル 松田洋治 シャイア・ラブーフ
クシャナ 榊原良子 ユマ・サーマン
ユパ 納谷悟朗 パトリック・スチュアート
大ババ 京田尚子 トレス・マクニール
クロトワ 家弓家正 クリス・サランドン
ジル 辻村真人 マーク・シルヴァーマン
ミト 永井一郎 エドワード・ジェームズ・オルモス
ゴル 宮内幸平 フランク・ウェルカー
ギックリ 八奈見乗児 ジェフ・ベネット
ムズ 辻村真人 ジェームズ・アーノルド・テイラー
ニガ 矢田稔 マーク・シルヴァーマン
ラステル 冨永みーな エミリー・バウアー
ペジテ市長 寺田誠 マーク・ハミル
ラステルの母 坪井章子 ジョディ・ベンソン
トエト 吉田理保子
少年 坂本千夏TARAKO鮎原久子
少女 菅谷政子貴家堂子吉田理保子 グレイス・ロレク
コマンド 水鳥鉄夫
トルメキア兵 野村信次大塚芳忠
ペジテ市民 中村武己島田敏
ペジテの少女 太田貴子 アシュレイ・ ローズ・オル
ナレーター トニー・ジェイ

[編集] スタッフ

[編集] 受賞・推薦

[編集] 国内

  • WWF世界野生生物保護基金(現・世界自然保護基金)推薦
  • 文化庁優秀映画製作奨励賞
  • 第39回(1984年)毎日映画コンクール 大藤信郎賞
  • キネマ旬報1984年度ベスト・テン日本映画第7位/読者選出日本映画第1位/読者選出日本映画監督賞
  • 1984年(第13回)ぴあテン 映画部門第2位
  • 第2回アニメフェスティバル 日本アニメ大賞 最優秀作品賞
  • 全国映連賞日本映画作品部門第1位 日本映画作品賞部門1位
  • 日本SF大会星雲賞 メディア部門 第1位(1985年)
  • 第1回映像ソフト大賞 ビデオ部門アニメ賞
  • 第7回(1984年)月刊アニメージュ アニメグランプリ 作品賞
  • 第8回~15回(1984年~1992年)月刊アニメージュ アニメグランプリ 歴代ベスト1作品

ここまでの出典[10]

[編集] 海外

  • 第14回パリ国際SF&ファンタジー・フェスティバル 特別審査委員賞(準グランプリ)
  • ザグレブSF&ファンタジーフィルムフェスティバル 第1位
  • ローマ・ファンタジー&SFフィルムフェスティバル 第1位

ここまでの出典[10]

[編集] 売上記録

(日本国内)

内容 記録 補足
興行収入 約14.8億円[25] 推測
配給収入 約7.42億円[25]
全国動員 91万4767人[25]
『イメージアルバム〜鳥の人〜』 6万枚出荷(1983年発売のLP)[26]
5万本出荷(1983年発売のCA)[26]
4万枚出荷(1985年発売のCD)[26]
3万枚出荷(1993年発売の再発CD)[26]
0.5万枚出荷(2004年発売の再々発CD)[26]
『サウンドトラック〜はるかな地へ〜』 9万枚出荷(1984年発売のLP)[26]
10万本出荷(1984年発売のCA)[26]
9万枚出荷(1984年発売のCD)[26]
11万枚出荷(1993年発売の再発CD)[26]
1万枚出荷(2004年発売の再々発CD)[26]
『ドラマ編〜風の神さま〜』 4万枚出荷(1984年発売のLP)[26]
4万本出荷(1984年発売のCA)[26]
1.2万枚出荷(1989年発売のCD)[26]
1万枚出荷(1993年発売のCD)[26]
『シンフォニー編〜風の伝説〜』 6万枚出荷(1984年発売のLP)[26]
5万本出荷(1984年発売のCA)[26]
4万枚出荷(1984年発売のCD)[26]
3万枚出荷(1993年発売の再発CD)[26]
0.5万枚出荷(2004年発売の再々発CD)[26]
『ハイテックシリーズ』 2万本出荷(1989年発売のCA)[26]
6万枚出荷(1989年発売のCD)[26]
2万枚出荷(1993年発売の再発CD)
0.5万枚出荷(2004年発売の再々発CD)[26]
『BEST COLLECTION』 5万枚出荷(1986年発売のCD)[26]
シンボルテーマソング
『風の谷のナウシカ/風の妖精』
4万枚出荷(1986年発売のシングルCD)[26]
9万枚出荷(1988年発売の再発シングルCD)[26]
0.5万枚出荷(2004年発売の再々発シングルCD)[26]
VHS・ベータ(徳間版) 12万本出荷[27] 1989年7月時点
VHS(ブエナビスタ版) 90万本出荷[27] 2003年6月時点
DVD 75万枚出荷[27] 2005年3月時点

[編集] 実現しなかった外伝と続編

原画として参加した庵野秀明は、後に作中の登場人物クシャナを主人公にした外伝映画『クシャナ戦記』の監督をしたいと申し出るが、宮崎は「最低のものになる、できるものなら自分でやっている」と却下している[28]

漫画作品の連載がクライマックスを迎えた頃には映画会社内で続編の企画が存在したが、宮崎駿の意向により制作は行われず企画は立ち消えとなった[29]

[編集] ラジオドラマ

アニメ映画公開前日の1984年3月10日深夜(日付は3月11日)にニッポン放送オールナイトニッポン」で映画を宣伝する「風の谷のナウシカスペシャル」が生放送された。ゲストは宮崎駿監督やナウシカガールの安田成美。この特別番組内では、約30分のラジオドラマが流された。当時の同種のアニメ映画のオールナイトニッポンスペシャルでは生のラジオドラマも多かったが、本作では事前に収録が行なわれていた。宣伝という性格上、ストーリーと声優のキャスティングはアニメ版に準拠し、途中までをドラマ化し、続きを映画館で見せるとの趣向だった。脚色は藤井青銅、演出はドン上野こと上野修

[編集] ゲーム

劇場アニメ版とのタイアップとして、1984年に徳間書店からテクノポリスソフトのブランド名で、当時の8ビットパソコン用にナウシカを素材としたコンピュータゲームが発売された。

  • 『風の谷のナウシカ』PC-8801用。アドベンチャーゲーム
  • 『ナウシカ危機一髪』PC-6001mkII用。シューティングゲーム。土鬼の飛行ガメを撃ち落としていく。
  • 『忘れじのナウシカ・ゲーム』MSX用。シューティングゲーム。ストーリー的には漫画版をベースにしている。風の谷へ侵攻する土鬼を最終的には交渉して引き返させるのが目的。ガンシップ、メーヴェ、パージの連結・切り離し、土鬼の浮砲台、飛行ガメ、王蟲、ストロボ光弾など原作の要素が含まれている。飛行している蟲は撃ち落とすことはできず、接触すると減点となる。

「ナウシカのゲームが、ナウシカが腐海の蟲たちを撃ち殺してスコアを稼いでゆくというもので、このゲームに宮崎や高畑が激怒したため、以降の作品がゲーム化されなくなった」という説があるが[30]、実際にはこのような内容のゲームは存在しない。

その他、徳間書店アニメージュ文庫から『巨神兵を倒せ! 風の谷のナウシカ』というゲームブックが発売された。

[編集] 諸設定

(原)は原作に登場、(映)は映画版に登場

[編集] 年代設定

極限まで科学技術の発展した人類社会が、「火の7日間」と呼ばれる最終戦争によって滅びてから千年余りが経過した未来の地球が舞台となる。最終戦争以前の高度産業文明は旧世界と呼ばれ、エンジンなどの遺物が発掘、利用されているが、人々の生活様式は中世から近世にかけての水準まで退行している。

「火の7日間」の後に拡がった菌類の森「腐海」が陸地の大部分を覆っており、人間は沿岸の腐海が及ばない地域を中心に暮らしている。風の谷は潮風が胞子の侵入を拒み、豊かな森や水源、田畑が残っているが、それ以外の土地は不毛な荒地が多い。また、海は「この星の汚染物質が最後にたどり着くところ」とされ、生物が生息できる環境ではなくなっている。

[編集] 技術

文明の滅亡によって多くの科学技術が失われており、電気電子機器水道などは使われていない。乗り物は旧世界の技術の名残りである高性能な「船」と呼ばれる飛行機が盛んに利用されているが、陸上では映画版におけるトルメキア軍の戦車以外、トリウマなどの動物を利用する程度の移動手段しか残っていない。電話無線等の通信技術も失われており、船上では信号旗やモールス信号のようなもの、伝声管を使ってコミュニケーションをとっている。旧世界の名残から、セラミック金属に代わる一般的な素材として刃物や航空機に使われている。

[編集] 風の谷

主人公ナウシカの故郷である辺境の小国。人口は500人程度。

海から吹き付ける風を風車で動力としながら、中世レベルの農業と採取活動により成り立っている。「海から吹く風様」と形容される潮風で腐海の胞子による侵蝕から守られているが、わずかに届く腐海の毒は人々を確実に蝕んでおり、死産や四肢硬化を引き起こしている。

族長の住む城の大風車で地下500メルテ(作中における長さの単位)から水を汲み上げ、それを貯水池に引いて寝かせてから沸かし、飲料水や農業に用いている。

付近の砂漠(映画版では山の向こうにある酸の海湖畔)には旧世界の廃船があり、風の谷の人々が篭城するために使われた。この廃船は旧世界の宇宙船とされており、「火の七日間の間、星へ行っていたらしい」と言われている。漫画版では船の周りにセラミックを切り出すだめの鉱山町が造られていた。

漫画版では、自治権の保証と引き替えに、族長が招集に応じてガンシップで参戦するという盟約をトルメキアと結んでいる。

ナウシカ(原,映)
風の谷の姫。大気の流れを読み腐海の毒から人々を守り導く「風使い」の少女。16歳[31]。漫画では、王蟲をはじめ、世界の様々なものと触れ合うことになる。
ジル(原,映)
風の谷の族長でナウシカの父。かつては風使いとして名を馳せたが、腐海の毒に侵されており、ナウシカに谷の行く末を託す。原作では病によって死去するが、映画ではトルメキア兵に殺害されている。原作ではナウシカ以外に夭折した10人の子供がいた事が判明する。
ユパ・ミラルダ(原,映)
ジルの旧友でナウシカの師。腐海辺境一の剣豪。腐海の謎を解くためトリウマのカイ、クイとともに旅を続けており、各国の文化や歴史にも造詣が深い。風の谷に久々に帰還する途中、羽蟲にさらわれたキツネリスを人間の子供と勘違いして救助の為に発砲、それに怒った王蟲に追われていた所を、風使いとして成長したナウシカに助け出された。
ミト(原,映)
眼帯をしたいかつい風貌の男。腐海の毒による四肢硬化で農作業を離れ城の守りに就いた「城オジ」の一人で、ナウシカの忠臣。原作では、ジルの遺言でユパとナウシカを探して土鬼領地へ入り、聖地シュワに向かうナウシカを追った。映画版では状況に応じてナウシカやユパと行動を共にし、主にガンシップの砲手や操縦を担当した。寿命が近いことが示唆されているが、映画版では寿命が近いキャラクターが彼からゴルへ変更されている。土鬼語を話せるが、上手くは無く、ムズからは「毛長牛が唸ってるのかと思った」と言われている。
大ババ(原,映)
100歳を超える腐海辺境一の年寄り。「大海嘯」や「青き衣の者」の伝承を語る。
ゴル(映)、ギックリ(映)、ムズ(原)、ニガ(原,映)
城オジ達。ナウシカの初陣に4人が同行し、ジルの遺言でユパの捜索をしていた時はムズが、土鬼の地へ入った時にはニガが同行した。
映画版ではクシャナから人質としてゴル、ギックリ、ニガの3人がペジテに同行した。ニガのみ原作・映画版の両方に登場している。

[編集] 辺境諸国

風の谷をはじめ、砂の谷やペジテなど、腐海のほとりにある小国群。人口は少なく風の谷で500人程度、産業文明の遺産「ガンシップ」と呼ばれる高性能小型戦闘機を所有している。漫画版ではトルメキアを盟主として同盟を結んでいる。 この地には「火の七日間」を経てもなお、産業文明の技術を伝えるエフタルと言う巨大王国が栄えていたが、王位継承戦争やそれが引き金になって起こった3度目の大海嘯(蟲の暴走と大規模な腐海の拡大)によりナウシカの時代から300年前に滅亡。以後小国に分裂し、トルメキアの宗主権下に入ったとされる。その名残で辺境の人びとは、国に関わらず自らをエフタルの民と称しており、風の谷の場合「エフタル風の谷の民」となる。

腐海のほとりということもあり、毎年多くの都市が腐海に飲み込まれ、人が住める土地が減っている。

高性能な戦闘機であるガンシップを所有しているため、同盟国であるトルメキアにとって貴重な兵力調達先となっていた。トルメキアの南下作戦に際してクシャナらによって徴兵されたが、土鬼軍の罠によりトルメキア軍はクシャナの乗るコルベット単艦を残し全滅。自ら志願したナウシカを除く全ガンシップは土鬼が辺境の地を狙っている事を知り、再びトルメキアに徴兵されることを嫌ってトルメキアとの同盟を破棄し、土鬼の襲来に備え再びエフタルの旗の下に集い連合を組んだ。

映画版では風の谷とペジテのみ登場し、トルメキアは辺境の国々を統合し国家を建設しようとしていた。

実際に5世紀中頃から6世紀中頃にかけて、中央アジアにエフタルと言う国家が存在している。突厥サーサーン朝ペルシアによって地上から抹殺された遊牧民国家で、民族ごと破壊されたために、文明的痕跡は無い。

[編集] トルメキア

漫画版では風の谷東方に存在する王国で、都はトラス。辺境の族単位の小国群を従えている。国王はヴ王と称し、子は3人の皇子と末娘の皇女クシャナ。

王族による過酷な王位継承争いが古くから続いている。クシャナの母(王妃)は「正統なトルメキア王家の血を引くのはクシャナのみ」としているが、ヴ王はオーマと対峙した際、自身の血筋をして「我が血は最も古く、しかして常に新しい」と誇っている。3人の皇子の支持者は正統な王位継承権者のクシャナを幼いころに毒殺しようとしており、身代わりとなった母は精神に異常をきたす。これが元で、クシャナは父と兄達への復讐を誓うことになる。

3皇子はクシャナの兄だが、「正統な王家の血を引いていない」とされ、ヴ王の連れ子ということになる。特に第3皇子とクシャナの対立は激しく、兄達は彼女の軍事力を削ごうと、わざと不利な戦線へ派遣したり、無謀な作戦を実行させている。敵に情報を漏洩させるなど兄弟同士の争いも描かれており、クシャナは3人の兄たちと父を「毒蛇・肉塊の化け物」、ヴ王も「王宮は陰謀と術策の蛇の巣だ ゴミの如き王族、血族がひしめいておる」と述べた。トルメキア王家の紋章である、互いに争う双頭の蛇は、これらの王家代々の骨肉の争いを象徴していると言われている。

漫画版最後で3皇子が行方不明になっていたため、王位は崩御寸前のヴ王からクシャナに譲られたが、クシャナは「すでに新しい王を持っている」として生涯「代王」を名乗り、以後トルメキアは「王を持たぬ王国」になったとされる[32]

映画版では、風の谷のはるか西方に存在する強大な帝政軍事国家で、風の谷などとの同盟、主従関係は存在せず、辺境諸国を征服しに来た国家として描かれる。王族はクシャナのみ登場した。

クシャナ(原,映)
トルメキアの第4皇女。25歳。容姿端麗かつ優れた軍人であり、第3軍(ヴ王親衛隊)の最高指揮官として、兵から絶大な信頼と忠誠を得ている。その卓越した戦術的能力と部隊全体を鼓舞するカリスマ性から、敵軍勢からは「トルメキアの白い魔女」と呼ばれ恐れられている。非常に思慮深く聡明な女性だが、王家の人間としての帝王学からか冷徹な態度を貫き、喜怒哀楽など個人的な感情を表に出す事は少ない。しかし母親への侮辱だけは許さず、逆上し怒りをあらわにする事がある。戦乱の中、ナウシカやユパとの出会いを経て真の王道に目覚めていく。
戦陣を指揮する際は鎧に身を包んでいるが、アクセサリーを身に着けるなど女性らしい一面もある。
映画版では過去に蟲に襲われ身体の一部を失っており、腕は義手になっている。巨神兵をトルメキア本国に引き渡す事を良しとせず、その力で腐海を焼き払い、旧時代のような人間が支配する世界の再建を目論む。原作にあった戦死した兵たちへの手向けとして自ら髪を切るシーンは無く、終始ロングヘアを編んだ髪型である。
クロトワ(原,映)
軍参謀。軍大学院の学生で27歳。表向きは辺境作戦終了までクシャナの補佐の為に派遣されたが、実際はヴ王から秘石の入手とともに、クシャナの監視・謀殺の任務を命じられていた。しかしその事実をクシャナに見破られ、お偉方の秘密を知り過ぎた故に、いずれにせよ自分は抹殺されると悟ってからはクシャナの側に付く。もともとコルベット艦の乗員だったため操船術に長けており、現場叩き上げの上官として兵からの人望も厚い。
映画版ではクシャナ直属の軍参謀として登場。原作にある謀略の手先という設定は削除されている。平民あがりではあるが、トルメキア帝国辺境派遣軍のナンバー2として知略を振るう。クシャナが行方不明になった際には部隊の全権を掌握し、ペジテのトルメキア軍吸収を目論んだ野心家。クシャナもその飄々とした言動の裏に隠された狡猾な一面を察しており、彼を「め」と評している。
セネイ(原)
第3軍士官。クシャナの忠臣。トルメキア軍の最南端拠点サパタに派遣されていた。指揮官としても優秀で、司令部が状況を把握していないことを指摘し、全滅回避と第3軍再建の基礎を残す為に撤退を将軍に進言した。クシャナの生存を知ったときは感極まって涙を流していた。
攻城砲破壊後、カボへ向かったクシャナを本隊撤退後も待っていたが、ヒドラの襲撃を受け無念の死を遂げた。
将軍(原)
固有の名称は無し。3皇子率いる第2軍からサパタ駐留第3軍第1連隊の指揮官として送り込まれた人物。兵を捨て駒として扱い、兵を戦地に見捨てて自らは戦利品を持って逃げるような人物で、兵士からは「土鬼の出陣前の祈祷が終わる前に逃げ出す」「腰抜け」と陰口を叩かれ、クシャナの逮捕を命じた時は、誰も従おうとはしなかった。
クシャナと共に攻城砲破壊に出陣するが、攻城砲の直撃を受け死亡した。
3皇子(原)
クシャナの異母兄である3人の皇子の総称。ヴ王の命で第2軍を率いて土鬼に侵攻する。3人とも父王に容貌がそっくりで、体型も皆同じ肥満体。
第3皇子
3人の皇子の末子。賢い女と生意気な女を嫌う。カボに船の奪取に来たクシャナと遭遇。これを妨害し、彼女を抹殺しようと試みるもクロトワが機転を利かし失敗。そのまま逃げようとするが、蟲に襲われ死亡した。
第1、第2皇子
ヴ王の長男と次男。基地に蟲の大群が迫った際、先に撤退し本国へ逃げ帰るも、虚偽の報告がヴ王の逆鱗に触れて帰還を禁じられ、国境を固めるよう言い渡された。その後、自らもシュワの秘密を手に入れる為に秘密裏にシュワへ侵攻。その際、同じくシュワへ向かっていたナウシカとオーマに接触した。クシャナからは暗愚な小心者と言われているが、本人は「愚者を演じていなければ、当に殺されていた」と述べている。絶えず2人で行動しており、外見では区別がつかない。
ヴ王(原)
トルメキア国王。首が胴体にめり込んだ、樽のような肥満体の持ち主。常に道化師を周囲に従えている。先王の血を引くクシャナの謀殺を図っていた。聖地シュワの科学力を手に入れる為に土鬼辺境へ侵攻したが、第1、第2皇子が蟲が来たことを口実に逃げ帰ってきた為、壊滅したトルメキア軍を再編し、自ら軍を率いてシュワへ急襲を仕掛ける。オーマの介入に遭い全兵力を失うも、墓所の主の元へ案内された。しかし、不死やヒドラには一切興味を示さず、ナウシカと共に墓所の秘密を知ったため、主の勧誘も拒否した。共に墓所の主と対峙したナウシカの事を気に入りを「破壊と慈悲の混沌」と評していた。
息子の3皇子と共に映画版には登場していない。

[編集] 土鬼諸侯連合

「土鬼」は「ドルク」と読む。映画版には登場しない。

トルメキアと拮抗する国家連合。皇帝領、7つの大侯国、20余の小侯国と23の小部族国家での計51ヶ国から成り立つ。神聖皇帝と、その下の官僚機構である僧会が国政を担っている。宗教色が強く、各侯国の族長が僧侶であったり、国政を儀式化している部分もある。代々超常能力のある神聖皇帝の家系が治める。現神聖皇帝は皇兄ナムリスであるが、超常の力がなかったために皇弟ミラルパに実権を奪われていた。ミラルパは土民を支配しやすいように宗教を利用していた。その後無神論者のナムリスは、弟を謀殺し、実権を奪回すると、苛烈な宗教排斥を行った。国内でも種族・部族間の揉め事が絶えず、内紛の火種を抱えた状態にある。その為、国の統治は僧会と神聖皇帝家に対する畏怖と崇拝、力への恐怖と尊崇による恐怖政治を行っていた。

以前は土王と呼ばれるクルバルカ家が治めていたが、時代が下るごとに圧政と狂気に満ちた政治になり、先代の神聖皇帝により追放された。土鬼諸国の庶民の間には、いまだにクルバルカ家に対する崇敬や、神聖皇帝と僧会によって禁止されたはずの土着宗教の信仰が密かに残っており、僧会の布教と土着信仰が混同されているところもある。

材料こそ木製や土製が主流だが、「火の七日間」で焼き尽くされる以前の技術が、聖都シュワにある墓所に封印されており、神聖皇帝や土王などは墓所の主から君主としての権威を承認され、墓所の技術を利用している。この為、科学的には優位に立っており、トルメキアとの戦争でも、墓所のもつ古代の技術を利用し、腐海の植物を人為的に強毒化させたり、巨神兵を蘇生させるなどして戦争を有利に導くはずだったが、逆に大海嘯に国土を飲み込まれ、沿岸部を残し消滅した。

マニ族僧正(原)
マニ族の長で、神聖皇帝より北上作戦の先遣隊として派遣されていた。王蟲を使ってクシャナの艦隊を壊滅させたものの、王蟲を止めたナウシカが古き伝承にある「青き衣の者」であると感じて作戦を中断し帰還、土鬼軍の作戦に自滅の危険性があることを説いた。王蟲の培養槽の破壊に失敗し(破壊自体は成功したが逃走に失敗)、ユパたちを逃がす為に壮絶な最期を遂げるが、死してなおナウシカを守っている。
ケチャ(原)
マニ族の娘でエフタル語を解する。気性は激しい。僧正の死後、アスベルやユパと行動を共にする。当初は僧正を死に追いやったユパ達と対立していたものの、徐々に打ち解けていった。トルメキア人の抹殺を訴える過激な者が多いマニ族の中で、ナウシカや僧正、ユパ達と接してきた為、トルメキア人を嫌っているものの、無益な争いは避けるべきとの考えを持っている。
ミラルパ(原)
神聖皇弟。超常の力を持ち、兄ナムリスを差し置いて帝国の実権を握っている。初めの20年は名君として臣民のことを案じていたが、いつまで経っても愚かな民衆に絶望し、恐怖政治へと移行した。熱心な宗教家で、宗教を支配に利用していたが、いつしか自分ものめり込んでいった。マニの僧正から青き衣の者(ナウシカ)の存在を聞かされ、危機感を抱き抹殺しようと試みる。老いと死を何より恐れており、シュワの墓所の技術で延命処置を行っているが、幼少時のトラウマから移植を嫌い、沐浴などの化学的処置で長寿を保っている。その為、肉体がすでに限界に達しており、長時間外気にふれる事の出来ない体になっている。死後、入浴中のナムリスの前に現れるが、「これが、お前の帝国の行き着く先だ」と言われると消え、ナウシカの前に現れ彼女の中に入り込む。
ナムリス(原)
神聖皇帝(皇兄)。超常の力が無かった為、帝位に着きながらも実権を弟に奪われていた。体が分解する恐怖を克服し、肉体移植により若さを保っている。狡猾かつ冷酷な性格で、治療のため帰還した弟を謀殺。実権を取り戻すとヒドラを率いて自ら出陣し、クシャナのトルメキア王位継承権と第3軍精兵の持参金を狙い政略結婚を図った。高台に避難していた避難民と合流し、僧会の僧達を公開処刑で殺害、トルメキアへ侵攻しようとするが、ナウシカの説得で諸侯が離反。乗り込んできたナウシカと対峙する。その後、巨神兵の攻撃を食らって重傷を負い、叛乱を起こしたクシャナに自らヒドラとなった事を明かし「何をやっても墓所の主の言うとおりにしかならん」と墓所の主の存在も明かした。
初代神聖皇帝(原)
ナムリス、ミラルパの父。かつては民衆の救済を願う少年であり、200年ほど前にシュワへ向かう途中に庭の主の元を訪れ、音楽と写本に秀でた才能を持っていたことで、庭の主を師と仰いでいた。ある日「人類を救いたい」と書き残して庭の主の許から去り、共に連れ出した僅かな数のヒドラと共にクルバルカ家を滅ぼし帝位に就くが、過去の人の歴史と同じ過ちを繰り返していく。肉体移植により長寿を保とうとしたが、何らかの異常により身体が分解して死亡した。その場に居合わせた事が、ミラルパが移植による延命を拒む理由になっている。
チクク(原)
先の土鬼王朝であるクルバルカ家の末裔の少年。本名ルワ・チクク・クルバルカ。砂漠の中のオアシスで土着宗教の僧達とともに暮らしていた。粘菌を積んだ土鬼の戦艦が瘴気を撒き散らしたせいでオアシスに蟲が来襲、腐海に没する危険があった為、ナウシカとともに脱出し、以降は彼女と行動を共にする。メーヴェに乗っていたナウシカを「白き翼の使徒」と確信し慕っている。非常に強力な超常(念話)能力を持っているが、幼さゆえに能力をもてあまし気味で、彼らを庇うチヤルカを慌てさせる。人と接する機会が少なかった為、目上の人物に対しても敬語は使わない。吹き矢を武器として使う。
上人(原)
ナウシカが敬愛する人物で、チククと共にオアシスに隠れ住んでいた土着宗教の僧で唯一の生存者。他の僧と共に、墓である祠の奥に暮らしていた。ナウシカに神聖皇帝に追放されこの地に来たことや、土着宗教の古き教えを聞かせる。ナウシカに大海嘯を止める手段を問われたことに対し「滅びは必然であり、世界が生まれ変わる試練」と答えた。「優しく、猛々しい風」が来たのを確信すると同時に老衰で死亡。この後、ナウシカの前に出現する「虚無」が彼と同じ姿を取った。
チヤルカ(原)
軍司令官。僧兵上がりで超常の力は無い。平民出身であったが、皇弟ミラルパに取り立てられた為、彼への忠誠心は強い。軍法に従い攻城砲全滅の責任を負って司令官を解任されるが、その後も重用された。ナウシカやチククとの出会いにより国土や国民を大海嘯から救おうとする。ナウシカに救出された際、右腕を骨折した為、作中ではずっと右腕を固定している。死亡したと思われた際に僧会の幹部から「チヤルカを失ったのは皇弟様や我々にとって痛手となった」と言われ、ナムリスにも「殺すには惜しい人物」と評されている。ミラルパに忠誠を誓いつつも、国と民の事を第一に考える善人だが、職業柄恨みを買うこともある。
庭の主(原)
シュワから20リーグほど離れた廃墟に偽装された集落に住むヒドラ。瞬時に人の心を探る能力を持ち、訪れた人の心に入り込み、悲しみや苦痛を忘れさせ呪縛してしまう。決まった姿を持たず、ナウシカの前に現れた姿は母親に似た女性。1000年以上生きており、客人とヒドラ達と共に、古の詩や曲、古代の生物などの文化を伝える役目を担っていた。

[編集] 聖なる文章の解読と検証に全てを捧げる教団

歴代の土鬼王朝に科学技術を提供していた秘密結社。高度な科学技術が封印されており、それの解析・解読を目的とし、きたるべき浄化の時の為に再建の光となるべく活動している。聖都シュワにある深さ300メルテの堀と超硬度セラミック以上の硬さを誇る黒い墓所を拠点としている。墓所の最深部には墓所の主が存在し、人間の王を選定し、王が協力者である限り、技術提供をするという契約を結ぶ。外部の権力に従うことを良しとせず、相手の武装解除を交渉の条件としている。歴代の土鬼王朝はこの地を征服すると必ずこの地に都を築いてきた。権上層部の人間に対しては開放されているが、一度王が封印を命令すると、再び王が封印の解除を命じるか、新王が現れるまで開放される事は無い。

博士(原)
土鬼の僧会に仕えていた科学者の総称。教団の構成員であり、表舞台に出てくる者は神聖皇帝との取り決めに従い、僧会に提供された下人。自らを「墓所の主の下僕として中に住むことを許された選民」と語っている。選民思想が強く、基本的に王に従いつつも、下人を除いて絶えず上からものをいう態度を取る。
登場する博士には男性が多いが、女性や子供もおり、ナウシカが墓所の中に入るシーンに子供を抱えてうずくまる女性住民が描かれている。
墓所の主(原)
シュワの墓所の地下最深部にに存在する球形の肉塊。「火の七日間」以前の高度な技術や腐海の秘密を守り続ける一種のバイオコンピュータで、夏至と冬至の年2回、1行ずつ表面に古代文字が浮き出てくる。彼も又ヒドラであり、千年前に作られた神の一つ。協力を拒否したナウシカとヴ王を希望の敵として抹殺しようと試みる。体液は王蟲と同じ成分で、より深い青色をしている。

[編集] ペジテ

トルメキアと同盟を結んでいる小さな都市国家。火の7日間以前の遺跡からエンジンやセラミック装甲等を発掘しては加工供給する工房都市。巨神兵の骨格(映画版では卵)が発掘され、それを狙ったトルメキアの侵攻を受けた事が物語の発端となる。

漫画版では、クシャナ率いるトルメキア親衛隊に滅ぼされ、避難民船も蟲に襲われ墜落し、アスベルを残し全滅してしまう。

映画版では、生き残りの避難民達は巨神兵を使った腐海の焼却を目的に行動しており、駐留するトルメキア軍を壊滅させるために王蟲を暴走させ、みずからの手で国を滅ぼしている。 「ペジテ」という地名は、以前に宮崎の漫画『砂漠の民』で主人公の属する民族ソクートの王都として登場している。

アスベル(原,映)
ペジテの王子。トルメキアへの復讐心に捕われていたが、ナウシカとの出会いにより世界を救うために行動する。
映画版では、巨神兵による腐海の排除に賛同しており、ナウシカから「クシャナと同じこと」と指摘されても考えを変えることは無かったが、目的の為に自らの国も滅ぼし、罪も無い人々を殺す部族の仲間に失望し考えを改める。ペジテの船に捕えられたナウシカの脱出を助け、一連の事件が解決した後は、ユパとともに旅に出た。
ラステル(原,映)
アスベルの双子の妹で、ペジテの王女。乗っていた難民船がトルメキア軍の追撃をかわすために腐海に侵入した結果、蟲に襲われ風の谷の近辺で墜落する。墜落した船体の残骸の下から瀕死のラステルを発見したナウシカに看取られて息を引き取った。この時、ナウシカに、兄へ渡すようにと秘石を託す。
映画版ではトルメキアの大型輸送船に人質として乗せられていた。輸送船が、積んでいた巨神兵の重さに耐えられずに腐海へ侵入して蟲を殺してしまった為、蟲の追撃を受け風の谷の岩壁に激突、墜落してしまう。原作と同じくナウシカに看取られ、「積荷(巨神兵)を燃やして」と頼み息を引き取る。

[編集] 蟲使いと「森の人」

いずれも映画版には登場しない。映画版のトルメキア軍コマンド兵が蟲使いと似た形状のヘルメットを使用している。

蟲使いは、蟲を操り遺跡や墓所を探索して宝物を探し当てるのを生業にしている。強烈な悪臭と、死体を好んでまさぐり金品を盗る事、探索用の蟲を連れている事から、一般の人々には忌み嫌われており、ナウシカも当初は嫌っていた。腐海内の換気装置を備えた岩穴に住んでいる。

発祥はかつての王国、エフタルの武器商人の末裔であると言われているが、ユパは森の人が蟲使いの祖であるとの伝承も伝えている。300年前、エフタルの王位継承をめぐり、武器の材料として大量に王蟲狩りをしたため大海嘯が起こった。11の部族が存在したらしいが、長年の間に3つの血が絶え、8つになっている。子孫を残すため、自分たちの子供だけでなく、戦争孤児を育てている。

今回の戦争では、トルメキア・クシャナ軍に秘石の探索用に、土鬼側にはオトリ用王蟲確保のためにそれぞれ雇われている。終盤では、各部族から1人ずつ選ばれた屈強な若者たちがシュワに向かうナウシカと行動をともにした。

「森の人」は火を使わず、蟲の腸を衣とし、卵を食べ、体液で作った泡を住処とする。また、地上で暮らす人々が使っているよりも高性能な瘴気遮断マスクを持ち、蟲の体液のテントも腐海の瘴気に耐えられる。素性は謎につつまれており、多くは語られていないが、ユパは、エフタルが滅びた際に腐海に入ったエフタルの民(王族)では無いかとの説を挙げている。森の人の一人セルムが「私の祖父と母は蟲使いの出です」とも語っている。蟲使いたちは「森の人」を恐れ敬っており、作中では「森の人」に対して住居の森に勝手に入った事を謝罪し、なりふり構わず持っていくはずの墜落した船のエンジンすら置いて帰った。

博識のユパさえも実在したことに驚いたほど、外界と接触を持たず、ある種の伝説とされてきたが、ナウシカの考えとは繋がるものがあり、セルムは彼女を孤独の淵から救い、「森の人」しか知らない腐海の秘密を教えた。物語が終わった後のナウシカの消息について、ある伝承は森の人の元へ去ったとも伝えている。

セルム(原)
「森の人」の長の息子。腐海の異変を調べるために派遣された。腐海に墜落したユパたちを救い、ナウシカを導く。
セライネ(原)
セルムの妹。ユパたちを救った時にケチャと仲良くなっている。王蟲の群れを単独で追うナウシカと会い、壊れていたナウシカのマスクを修繕した。

[編集] 腐海

滅亡した過去の文明に汚染され不毛と化した大地に生まれた、新しい生態系の世界[33]。そのほとんどは巨大な菌類がはびこる広大な樹海で、蟲(むし)と呼ばれる異形の動物達のみが棲んでいる。作中で,腐海が地上に出現したのは物語の時代から約1000年前の「火の七日間」直後であると語られている。その後腐海は徐々に面積を拡大し、従来の生態系や人間の生存を脅かす存在となっている。

腐海の植物は菌糸を体の構成単位とする糸状菌が主であるが、植物体の構造や生態は従来の菌類とは大きく異なっている。顕微鏡サイズの微小な種から種子植物並みかそれ以上に巨大に生長する種まで、その大きさは多種多様で、大型の種は一般に、地中深く張った菌糸の根と幹、枝、葉に分化した地上部をもつ巨大な樹木となる。

一般に「胞子」と呼ばれる物を空中に飛ばして繁殖する。成木がつける「花」と呼ばれる胞子嚢のほか、発芽時にも無数の胞子を放出するが、世代交代生活環の詳細については明らかになっていない。胞子から発芽してしばらくは動植物の遺体を苗床として養分を得る従属栄養性であるが、生長後は葉緑素を持つを展開し光合成によって養分を得る独立栄養生活を営むようになるものもある。

腐海ではいかなる菌類も単独では存在せず,互いに共生寄生しあって複雑な生態系を構成しているとされる。

腐海植物は「瘴気」と呼ばれる猛毒の物質を大気中に放出する。そのため腐海では従来の動植物はいっさい生息できず、瘴気は腐海の周辺に住む人間の健康や作物の生育にも深刻な影響を及ぼしている。人間や家畜が腐海に分け入る際は瘴気マスクと呼ばれる器具を身につけなければならない。胞子の生命力は強く、腐海ではない場所に僅かでも胞子が入り込めばたちまち繁殖して、一帯は腐海に飲み込まれてしまう。このため、腐海周辺の人びとは居住地に胞子を持ち込まないように注意を払っており、胞子は発見され次第、焼却処理される。

漫画版では、自らの過ちを悟ったかつての科学文明によって人工的に創り出された浄化装置であることが明かされ、バイオレメディエーションの一種とされている。瘴気の毒素は腐海植物が地中の有毒物質を無毒化固定する過程で生じた二次代謝物とされる。腐海の植物群はその土地を無毒化しきってしまえば枯れて珪化し最終的には崩れて砂になるが,それまでには1000年前後の長い時間を要する。腐海の植物の胞子を清浄な水と空気の中で水耕栽培した場合、瘴気を出さず、また大きく育たない事がナウシカの研究により判明した。

腐海を貫くタリア河の石は、その美しさから装飾品として珍重されており、ユパも現金代わりに用いている。

ヒソクサリ(原,映)
猛毒の腐海植物。漫画版では,土鬼軍が生物兵器として利用するべく墓所の技術を用いて遺伝子操作を試みたが、凍結保存されていた種苗が粘菌状に突然変異して暴走、大海嘯の引き金となった。作中ではヒソクカリとの表記もある。
ムシゴヤシ(原,映)
代表的な腐海植物。王蟲が好んで食べることからこう呼ばれる。新しい腐海が出来るときはムシゴヤシが先駆的に成長し、そのあと小型で多様な植物群がゆっくりと育って、多様な腐海の生態系を形成していく。成木は光合成を行い、最大樹高は50メルテ(作中の単位)に達する。

[編集] 蟲(むし)

腐海に生息する動物の総称。王蟲のように巨大なものから微小なものまで、多種多様な大きさや形態のものが存在する。その多くは体節制をとる外骨格の体に多数の関節肢をそなえた、現生の節足動物に似た形態をしているが、は節足動物のような横開きではなく脊椎動物のように上下に開閉する構造を持つものもいる。

主に生息空間によって地蟲、羽蟲、管蟲などに大別され、羽蟲は2対以上のを持ち飛行することができる。王蟲をはじめ草食のものが多いが、他の蟲を補食する描写もある。基本的に生であり、脱皮によって成長するが、変態をするものと無変態のものがある。王蟲など水中で活動できるものもいる一方、瘴気の無いところでは長く生きられない。強い光や高い音に敏感で、閃光弾や蟲笛といった道具で一時的に活動を停止させたり、行動をある程度誘導することもできる。菌類とならんで腐海生態系の主要な構成要素であるとともに、人びとが容易に腐海に踏み込めないように配置された守護者でもあり、個体や種をも越えた生物群集としての全体意識を共有している。大型の種は一般に攻撃性が強く、種類を問わず他の蟲が外敵(主に人間)によって傷付けられると群れをなして攻撃を加える為、腐海のほとりで暮らす人々の間では蟲を殺すことはタブーとされている。作中における表記では「蟲」の字が用いられ、漫画版では腐海以外に生息する昆虫類などは「虫」と表記され、区別されている。

王蟲(オーム)(原,映)
腐海最大の蟲。卵から孵化した数十cmほどの幼生は脱皮を繰り返して成長し、成体は体長80mに達する。十数節の体節からなる体に14個の眼と多数の歩脚を持つ。眼の色は普段は青いが、怒ると赤くなる。体液の色は青。口腔内には治癒能力を有する糸状の触手が無数にある。消化管内壁から「漿液」とよばれる液体を分泌し、人間は肺に漿液を満たすことで液体呼吸が可能となる。表皮は非常に堅牢かつ弾性に富み、抜け殻はガンシップの装甲板や刃物に加工し利用される。透明でドーム状の眼はガラスの代用品として、ゴーグルのレンズや航空機の風防に用いられる。
ムシゴヤシを好んで食べ、食べ進んだ跡は森の中のトンネル状の空間となって残り「王蟲の道」と呼ばれる。
種全体で共有する高度な知性をそなえており、思いやり、慈しみといった精神文化も持っている。念話(テレパシー)で人間と対話したり、他種の蟲に指令を与え行動を制御することもできる。怒った際の攻撃性は強く、群をなして暴走し、人間の居住地に甚大な被害をもたらす。エフタルや土鬼の土着の宗教には畏怖と畏敬の念を込めて王蟲を神聖視する思想がみられる。
映画版では王蟲の巨大さと重量感を表現するためにハーモニー技法が用いられ、さらに体節の動きを再現する為に、パーツを貼り付けたゴム板を伸縮させて撮影している。
大王ヤンマ(原,映)
人の身長と同程度の体長の羽蟲で、青緑色の細身の体に同形同大の2対の翅を持つ。脚は場面によって異なるが3~4対。クチバシ状の口器を持ち、口腔内には舌のような器官がある。活動の際には、身体から軋むような音を発する。
「森の見張り役」と呼ばれ、腐海に何らかの異常が起こったとき、ほかの蟲を呼び集める働きを持つ。人間を攻撃する王蟲などに随伴することが多いが、自ら人間を襲う描写はほとんどない。
ウシアブ(原,映)
羽蟲の一種。赤ないし紫色の丸い体に2対の翅を持ち,開張(翅を広げた幅)はメーヴェの全幅の倍ほど。水辺に産卵し親が卵を守る。危機を感じるとスズメバチのように顎を噛み鳴らし、触角を震わせて仲間を呼ぼうとする。顎の力はセラミック装甲を噛み砕くほど強い。
実在の昆虫ウシアブとは別物。
ヘビケラ(原,映)
のように細長く平たい体に4対の翅を持つ大型の羽蟲で、全長は数十mに達する。脚はなく、頭部に昆虫の大腮(おおあご)のような巨大な鍬状の器官をそなえ、尾端には剣状の突起がある。飛行速度は航空機であるバカガラスより速い。
集団で移動する前に大量の卵を産み残す習性がある。
ミノネズミ(原,映)
地蟲の一種で、ヘビケラの幼生[34]。漫画版では名前の通り体に毛が密生している。

[編集] 動物

キツネリス(原,映)
長い尾と耳を持つ、小型の獣。雑食性。黄色の体毛に茶色の大きなトラ柄がある。眼は緑色。『天空の城ラピュタ』にも登場しロボット兵の上で戯れる姿が描写されている。
テト(原,映)
ナウシカと行動を共にするキツネリス。本来、人には懐かないが、ナウシカには心を許した。
トリウマ(原,映)
恐鳥類のような巨大な嘴と頭部、強大な脚を持つ地上性の鳥。原作のユパの言葉によれば、過去の産業文明が造り出した種であり、作品中ではウマ哺乳類であったことも忘れられている。トルメキア及びエフタルの民の主な移動手段となっている。
クイ、カイ(原,映)
ユパの連れている2匹のトリウマ。トリウマには仲間が死ぬと卵を産む習性があるとされ、原作でカイが死んだ際にクイが卵を産んでいる。生まれた雛はチククと仲良くなっている。
毛長牛(原)
土鬼での主な移動手段であり、トルメキアやエフタル諸国でも荷を運ぶ家畜として飼育される。『天空の城ラピュタ』での冒頭に登場する家畜が同じ形態をしており、こちらはヤクと呼ばれている。

[編集] 火の七日間

1000年前に産業文明を滅ぼし、世界をわずか7日間で焼き尽くしたとされる最終戦争。これによって都市は有毒物質を撒き散らして崩壊し、高度な文明も失われ、世界の殆どが不毛の地と化した。半ば伝説となっており、生物兵器「巨神兵」を使い世界を焼き尽くした戦争と伝えられているが、真実は国家間で収拾のつかなくなった紛争の調停の為に裁定者として巨神兵を生み出し対処させた結果、人間又は文明を害悪と裁定した巨神兵が実行したものだった。

映画版では文明を崩壊させた最終戦争以上の内容は語られていない。

[編集] 青き衣の者

この世界各地で伝えられている伝承、予言。「その者青き衣をまといて金色の野におりたつべし。失われし大地との絆を結び、ついに人々を青き清浄の地にみちびかん」と伝えられている。原作では主に土鬼側で盛んに語られており、僧会によって異端、邪教とされている。森の人の間にも伝えられており、彼らは「青き衣の者に率いられて腐海へと入った」と語った。両者で意味合いが違い、土鬼側では「世界を救う救世主」とされ、森の人側では「道を指し示す者」となっている。ユパは土鬼の土着宗教が事実を聞いて語り継いだ願望、もしくは破滅の危機に人類が時空を隔てて生み出す人々と推測している。

ミラルパはバラバラだった帝国を僧会と自らへの信仰心でまとめ上げた為、異端である青き衣の者が現れるとそこから芋づる式に帝国を崩壊させると考えており、異様に危機感を募らせている。それを聞いたチヤルカが「噂は度々流れた」と言い、ナムリスも「またか。同じ話を何十回と聞かされた」と言っている事から、過去にも現れたことがあるらしく、その度にミラルパは大騒ぎし容疑者を処刑していた(奇しくも彼の予言は結果的に的中してしまう)。

原作、映画版ともに、王蟲の血で染まった真っ青な衣をまとったナウシカがこの伝承の具現とされた。

[編集] 白き翼の使徒

青き衣の者と同じく土鬼の土着宗教が語り継いでいる経典。汚れた世界に終わりが来たときに現れ、永い浄化の時の始まりを告げると伝えられている。こちらも僧会に異端視されており邪教としている。しかし、青き衣とともに土鬼の住民の間には密かに伝えられていた。時には大海嘯から生き延びる為の希望となり、ある時は彼岸への憧れとなる。

白い機体のメーヴェを操って空を飛ぶナウシカの事であるとされ、同様に白く、より大きな航空機であるガンシップが親鳥とされた。

[編集] ヒドラ

土鬼が使用する不死身の人造人間で、かつて神聖皇帝が土鬼の地を征服した時に従えていたと伝えられている。

サボテンの様な外見に3つ目の姿をしており、唯一の弱点である頭部への攻撃を防ぐ為、顔面に食い込む様に作られた鉄仮面と、その上に神聖皇帝家の紋章(眼球)の入った綿布を着用している。

現在使用されているヒドラは、先の神聖皇帝であるミラルパとナムリスの父親が、庭の主の元で農耕用に使用されていたものを持ち出し、墓所の技術で培養したもの。200年前に先の神聖皇帝は御禁令として使用を禁じていたが、息子のナムリスの手によって秘密裏に量産と調教が進められ、ナムリス出陣の際に200年ぶりに実戦投入された。

性格は凶暴で、知能が低い為に共食いをすることもある。ヒドラの制御は歯に細工をした専門の調教師(ヒドラ使い)が人間には聞こえない高音域の周波数の音を出してコントロールするが、興奮して暴れだしたヒドラには効き難い。餌はろうと状の器具を挿し、流し込む形で与える。

人間も手術をすることで、ヒドラと同じ不死身の体を得ることができる。その場合、記憶や知能はベースとなった人間のものが受け継がれる。頭部を破壊されない限り死ぬことは無いが、苦痛は人間だったころと同様に感じ、老化現象も止められないため、ナムリスは肉体移植を行い若さを維持していた。物語終盤にはナウシカが「庭の主」や「墓所の主」もヒドラと呼んでいる。

[編集] 巨神兵

「火の七日間」で世界を焼き払った巨大な人工生命体。この世界ではその全てが化石となり腐海にその骸をさらしていると考えられている。

漫画版の巨神兵には歯の部分に「東亜工廠」と読める商標がある。残骸には角のあるものや、顎部のデザインなどに違いがあり、様々な形態がある。骨格に相当する部分は超硬質セラミック製で、「謎の黒い箱」の中にある秘石を右のくぼみから左のくぼみへ移すと、心臓や筋肉が形成される。

漫画版
一体分だけ骨格がペジテで発見され、「謎の黒い箱」にある秘石を動かしたことで成長が始まる。巨神兵の覚醒、火の7日間の再現を恐れたペジテの工房が石を外したことで成長は止まり、その後破壊を試みるも、火や爆薬では傷を付ける事も適わず、坑道の奥に放置された。これを知ったトルメキアが奪取に乗り出すが、秘石を発見できなかったために断念。後に土鬼に奪取され聖都シュワにて蘇生される。その後、トルメキアに侵攻するためにナムリスの元にサナギ(人工子宮)の状態で運ばれるが、ガンシップの砲撃に反応して孵化が始まり目覚めてしまった。このとき秘石を持っていた人物がナウシカであったため、ナウシカのことを母親と認識し「ママ」「母さん」と呼んだ。
秘石を得る前は言葉を発することもできず、気に入らないことがあると癇癪を起こし、ナウシカの笑顔を見て喜ぶなど赤子同然。秘石を体内に取り込むと片言の言葉を話すようになり、ある程度の知能を得たが、思考回路は子供同然だった。その後、ナウシカにエフタル語で「無垢」を意味する「オーマ」の名を与えられると急激に知性を発達させ、真の力を覚醒させた。巨神兵の正体は、伝承で言われる様な兵器ではなく、前文明があらゆる紛争に対処すべく生み出した調停者にして裁定者だった。ナウシカの前での一人称は「僕」で、それ以外には「私」。相手に下心がある事を見抜くと笑う癖があり、裁定の為(生かすに価するかどうか見極める為に)にあえて知らぬ振りをする。全身からは、生物に有害な「毒の光」を放つ。
その後、オーマの力を欲した第1・第2皇子と接触。毒の光で衰弱したナウシカを人質に取れば言うことを聞かせることが出来ると考えた皇子達に彼女を人質にされるも、ナウシカの体にはそのほうが良いと考え、あえて従う振りを見せた。ナウシカの体調がある程度回復するとテトの埋葬の為に脱出、その際「我らもお供に」と口を滑らせて締まった(我らの艦隊も共にと言う意味だが、オーマは2人だけで行きたいと解釈した)皇子2人を合意の下連れ出した。しかし、その際の無理がたたり2度目の発作を起こし、ナウシカが庭の主の元に保護されると「母さんには休養が必要」と単身でシュワへ向かった。
シュワに着くとトルメキア軍との戦闘に介入、戦闘の中止とヴ王との面会を求めるが、パニックに陥ったトルメキア軍が戦闘を止めなかった為、プロトンビームを放ちシュワを焦土と化した。直後、面会に応じたヴ王に墓所へと案内され、墓所と対峙。プロトンビームの撃ち合いとなりシュワを消滅させ、自らは掘りへと落下してしまう。だが、奇跡的に生存しており、墓所の主と対峙したナウシカの呼びかけに応じ彼女の元へと動き出す。
肉体の腐敗
プロトンビームの発射や長距離の飛行といった力を使うことで肉体が徐々に腐敗し、ある程度進むと発作的に体が動かなくなる。1日程度休息を取ると動けるようになるが、二度目の腐敗では肉体の維持が困難なほどになり、歩くことすら儘ならなくなった。
プロトンビーム
口から発射される光線で、額からも出力を弱めたものが発射可能。当初は地平線の彼方にある山を吹き飛ばし巨大なきのこ雲を作るほどの威力だったが、身体の腐敗が進んだ後は、20リーグも離れていない近距離から小さなきのこ雲が確認できるほどに威力が落ちた。それでも、都市ひとつを焦土と化し、その後跡形も無く吹き飛ばすだけの破壊力を持つ。
飛行能力
空間を歪めて宙に浮き、高速で移動することができる。飛行の際は、肩の突起が伸張して光をおび、光輪又は翼状に変形する。当初はガンシップも追いつけない高速を発揮したが、1度目の発作で体が動かなくなった際は通常の船並み、2度目で飛行能力そのものを失ってしまった。
映画版での設定
ペジテで卵が発見され、トルメキアが奪取した。その後、輸送用の大型船が巨神兵の重さに耐えられず腐海に着陸、蟲に襲われ、舵を誤って風の谷に墜落する。その後、捜索に来たクシャナが風の谷にて蘇生しようとする。王蟲の大群が風の谷に迫った際、これを食い止めるためクシャナが覚醒させたが、目覚めが早すぎたために体が腐っており、プロトンビームを2発撃った後、崩れ落ちて死んでしまう。言葉による命令は理解しているが、会話など、知能の度合いを示す描写は無い。

[編集] 秘石

巨神兵を起動させる鍵で、胎盤としての役割も持つ。制御用最終認識システムとして、起動した巨神兵に秘石を与えた人間が親と認識され、その指示に従うようになっている。ペジテの地下坑道で、巨神兵の骨格に繋がれた黒い箱の右の穴に置かれた状態で発見された。ペジテの工房が解析を試み、巨神兵を動かす装置だと考えられて左の穴に移動されるが、その時には何の変化もなかった為、しばらく様子を見た後、分解することとなる。数日後、骨格の状態で放置されていたはずの巨神兵に心臓と筋肉が形成され、これが巨神兵の胎盤だと理解した工房によって石は外され、巨神兵の成長は止まった。

物語前半のキーとなるもので、作中ではトルメキア軍が奪取に乗り出すが、アスベルの妹ラステルによって持ち出され、救助に駆けつけたナウシカの手に渡る。その後、ラステルの遺言に従いアスベルに返還された。当初、アスベルは腐海のそこに捨てたと語っていたが、実は隠し持っており、巨神兵の復活が近づいた際に再びナウシカへと託された。

[編集] 火の七日間後の人間

火の七日間後、腐海が世界を覆う前に、人間は毒に対する耐性を持つように作り直された。これによって、劇中の人類は清浄な空気の中では生きられないようになっており、清浄な空気を吸い込むと血を吐き死んでしまう。腐海により世界が浄化された後には、人間の体を元にもどす必要があるが、これらの知識技術は、墓の主により守られている。

[編集] 粘菌

漫画版のみに登場。腐海植物ヒソクサリが土鬼軍による兵器転用を目的とした実験の過程で突然変異した姿。従来の瘴気マスクが効かず、蟲さえも死に至らしめる猛毒の瘴気をまき散らしながら巨大なアメーバ状の体(変形体)で全てを飲み込み、さらには大海嘯の直接的な引き金となったことで土鬼の国土に壊滅的被害をもたらした。最終的には飲み込んだ王蟲の群に付着していた腐海植物に苗床としてその大部分が吸収され、腐海生態系の一部として取り込まれる形で安定化した。

腐海にはもともと微小な粘菌が生息しており、ナウシカもこれを研究していた。ナウシカはその経験から大海嘯の真の意味を理解している。

[編集] 大海嘯

腐海に住む蟲たち、特に王蟲の大群が津波のように押し寄せることを大海嘯と呼ぶ。名称は漫画版のみの登場で、映画版では王蟲の暴走と表現されている。

本来「海嘯」とは、ポロロッカのように河川が猛烈な勢いで逆流する現象をさす。

[編集] 船(飛行機)

エンジンを造る技術は失われており、現存するエンジンを回収、再利用して船を建造している。腐海においても、瘴気が届かなくなる高度を保てばマスク無しでの移動が可能であり、貴重かつ重要な輸送、移動手段とされている。作中で「船」と言えば一般的には航空機を指す。海上を航行する船舶に関しては、漫画版の第1巻のクロトワがクシャナに主戦線の戦況を報告する場面で、海上から強襲揚陸艦型の船で揚陸作戦を行う描写があるのみ。

メーヴェ(原,映)
辺境の風使いが用いる小型軽量飛行機。強力なエンジンを1機備えており、小柄な成人2名程度なら乗せて飛行することが可能。詳しくは「メーヴェ」を参照。
ガンシップ(原,映)
小型の戦闘機。映画版では風の谷及びペジテの物2機が描写されている。詳しくは、「ガンシップ (風の谷のナウシカ)」を参照。
バージ(原,映)
艀船(はしけぶね)。エンジンを持たない輸送用の船で、ガンシップなどがワイヤーで曳航する。
ブリッグ(原,映)
貨物船。映画版ではペジテの生き残りが使用。漫画版では対土鬼戦争に参戦した辺境諸国の機体や、蟲使いの所有する機体などが登場する。
戦列艦(原)
トルメキアの大型輸送船で、トルメキア兵からはバカガラスと呼ばれている。詳しくは「バカガラス」を参照。
コルベット(原,映)
トルメキアの戦闘艦。機体の前後に主翼を持つタンデム翼機で、映画版にも登場したクシャナ戦隊の小型の機体や、三皇子が使用した重コルベットなどが存在する。詳細は「コルベット (風の谷のナウシカ)」を参照。
バムケッチ
トルメキアの戦闘艦。タンデム翼のコルベットに対して小型の単翼機で、漫画版では先尾翼形式のものと、通常航空機形式のものが描かれている。
浮砲台(原)
土鬼の各侯国が所有する戦闘兼輸送艦。巨大な艦体にいくつもの砲を装備する。土鬼軍では浮砲台が諸侯国の輸送と戦闘の役割を兼任している。攻撃力は大きいが木製であるため防御力は低く、動きも鈍い。
戦艦(原)
土鬼僧会が保有する大型戦闘艦。浮砲台に数倍する大きさの船体に多数の砲を備える。浮砲台と異なり防御力も高く、消火設備や防火扉を艦内の随所に設ける等ダメージコントロールも考慮されいてる。艦内には神聖皇帝専用の小型連絡艇を搭載している。またその巨体を生かして艦内で腐海植物の兵器転用実験を行ったり、ヒドラの飼育設備を設けていた。王蟲培養設備の監視や巨神兵の輸送など、戦略的重要性の高い任務に従事することが多く、神聖皇帝自らが座乗して指揮を執ることもある。
作中ではペジテ市から巨神兵を奪い去る途中、ミトの駆る風の谷のガンシップの攻撃を受けた艦と、実験中に腐海植物が暴走し粘菌化したため、軍司令官チヤルカと乗り込んだナウシカによって自爆させられた艦が同時期に存在している為、少なくとも2隻以上存在することが解る。皇弟ミラルパが座乗する艦は蟲使いの村から脱出したユパらの乗る船を追撃して撃墜、上記の粘菌の暴走の為爆破処理された。皇兄ナムリスが座乗する艦はナムリスが政権を掌握したのちにシュワより出撃、大海嘯後の救助活動のために集結しつつあった土鬼艦隊の指揮系統を奪還し、巨神兵を引き連れてトルメキアに侵攻しようとするものの、ナウシカらの攻撃で巨神兵が覚醒し艦は損傷。当初は見かけほど損傷はしていなかったが、ナウシカを守ろうとした巨神兵のプロトンビームを食らい甲板に穴が開き(後に貫通していた事が発覚)、艦橋を吹き飛ばされた事で艦の運行に支障をきたし、その隙をついたクシャナに艦の主要部を占拠されナムリスは行方不明となる。最終的には損傷と巨神兵の荷重によって操艦不能に陥り、山頂に不時着して座礁した。
飛行ガメ(飛行ポット)(原,映)
原作版では飛行ガメと呼ばれる土鬼の小型偵察機。高さ2m、直径1mほどのカメの形状をし、浮遊しながら移動する。
映画版では飛行ポットと呼ばれ、ペジテが王蟲の幼虫を移送するのに使っていた。

[編集] 他作品からの影響

ルネ・ラルーのアニメ映画『ファンタスティック・プラネット』(1973年)や、漫画家手塚治虫諸星大二郎の影響も指摘される[35][36]。なかでもフランスの漫画家メビウス[37]の『アルザック』(1975年)には強い影響を受け「『ナウシカ』という作品は、明らかにメビウスに影響されつくられたものです」と宮崎自身メビウスと対談した際に語っている。また、腐海と人間との関連性には、中尾佐助の唱えた照葉樹林文化論も影響している[38]。他に『パステル都市』『地球の長い午後』『デューン/砂の惑星』等のSF小説の影響を指摘する論者もいる[39]。また、腐海の森については「マルクス社会進化論を森林生態系に置き換えた発想」という分析がある。[40]

[編集] 脚注

  1. ^ 本屋さんもジブリでいっぱい! 「崖の上のポニョ」公開記念フェア開催中、徳間書店、2008年7月17日。
  2. ^ 監督であり原作者である宮崎は、漫画作品の途中までしか描かれていない映画作品を不完全な作品とし、あまり自身で評価していない(叶 (2006)、pp.72-73)。1997年に公開された宮崎駿監督作品『もののけ姫』は、テーマが本作の延長線上にあり比較される事もある。
  3. ^ 「インタビュー 物語は終わらない 宮崎駿」、『よむ』1994年6月号。
  4. ^ 漫画第1巻作者あとがきより。
  5. ^COMIC BOX』1984年5・6月号の対談
  6. ^ en:Syvashシュワージュ、シバスとも読まれる。
  7. ^ 『風の谷のナウシカ 宮崎駿水彩画集』、徳間書店、1996、p.149。
  8. ^ "スタジオジブリ - STUDIO GHIBLI - 2002年12月". 2007年9月9日 閲覧。
  9. ^ 叶 (2006)、p.40。
  10. ^ a b c d e 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年。ISBN 4-84590687-2
  11. ^ 『朝日新聞』、1985年1月8日。
  12. ^ 『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年-平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、332頁。ISBN 4871310256
  13. ^ 押井守は『映画 風の谷のナウシカ GUIDE BOOK』で、演出で強引にラストへと持っていったことに関して「あそこは納得できません」としている。
  14. ^ 宮崎が1982年にテレコム・アニメーションフィルム在籍時に演出として参加していながらお蔵入りになっていたもので、宮崎の手がけた短編6作品のうちの2作品。後のテレビシリーズとは声優など細部で異なる点がある。
  15. ^ 鈴木 (2005)、p.72。鈴木 (2008)、p.42。
  16. ^ 最初に高畑にプロデューサー就任を断られたとき、宮崎は酒席で「高畑に全青春を捧げたのに」と涙を流したという(鈴木(2008)、p.41)。
  17. ^ 叶 (2006)、p.42
  18. ^ 2007年に発売された『細野晴臣トリビュート・アルバム』で坂本龍一嶺川貴子のコンビでカヴァーされている。
  19. ^ 叶 (2006)、p.61およびp.63
  20. ^ 叶 (2006)、p.67。
  21. ^ 叶 (2006)、p.68。
  22. ^ 海外版ナウシカの紹介ページ
  23. ^ Nausicaa of the Valley of Wind (www.allmovie.com)
  24. ^ 叶 (2006)、p.63。
  25. ^ a b c 叶精二『宮崎駿全書』65頁
  26. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 叶精二『宮崎駿全書』62頁
  27. ^ a b c 叶精二『宮崎駿全書』66頁
  28. ^ コミックボックス 1995年1月号
  29. ^ 鈴木貴博. "ビジネスを考える目 第143回 映画『風の谷のナウシカ2』は実現するのか". ITマネジメント. 2008-09-11 閲覧。
  30. ^ 宮崎駿がコンピューターゲーム嫌いになったのはこのゲームが原因という記述が井坂十蔵の『宮崎駿のススメ。』にもある。
  31. ^ 『ロマンアルバム・エクストラ(61) 風の谷のナウシカ』 徳間書店、1984年、p.166。
  32. ^ 漫画第7巻終末部より
  33. ^ 漫画版第1巻26ページ
  34. ^ 映画公開時パンフレットより
  35. ^ 叶 (2006)、p.50。
  36. ^ 大口孝之「カットアウト・アニメーション」 文化庁メディア芸術プラザ
  37. ^ 1980年代のロサンジェルスのフランス人コミュニティには日本アニメ愛好家による不法コピーのビデオテープが流通していたという。メビウスは息子が持っていたコピービデオで『風の谷のナウシカ』に出会い、自分の娘に Nausicaä と命名するほどのファンとなった。
    三鷹の森ジブリ美術館, ed., 美術館日誌 2002年08月01日 (木), 徳間記念アニメーション文化財団, http://www.ghibli-museum.jp/diary/004624.html 2008-05-18 閲覧。 
    Bordenave, Julie, Miyazaki Moebius : coup d’envoi, animeland.com, http://animeland.com/index.php?rub=articles&id=618 2008-05-20 閲覧。 
  38. ^ 叶 (2006)、p.51。
  39. ^ 叶精二『「千と千尋の神隠し」を読む40の目』キネマ旬報社、2001年、p111など。
  40. ^ 久美薫『宮崎駿の時代 1941~2008』鳥影社、2008年

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年。ISBN 4-84590687-2
  • 井坂十蔵編著『宮崎駿のススメ。-「宮崎アニメ」完全攻略ガイド』、21世紀BOX 、2001年7月。ISBN 4-88469-235-7
  • 尾形英夫『あの旗を撃て!-『アニメージュ』血風録』、オークラ出版、2004年11月。ISBN 4-7755-0480-0
  • 鈴木敏夫『映画道楽』、ぴあ、2005年4月。ISBN 4-8356-1540-9
  • 鈴木敏夫『仕事道楽 スタジオジブリの現場』岩波新書、2008年。 ISBN 978-4-00-431143-0
  • スタジオジブリ責任編集『ナウシカの「新聞広告」って見たことありますか。-ジブリの新聞広告18年史』、徳間書店スタジオジブリ事業本部、2002年7月。ISBN 4-19-861538-1
  • 高畑勲『映画を作りながら考えたこと-1955~1991』、徳間書店、1991年8月。ISBN 4-19-554639-7
  • 宮崎駿『風の帰る場所-ナウシカから千尋までの軌跡』、ロッキング・オン、2002年7月。ISBN 4-86052-007-6
  • 藤井青銅『ラジオな日々 80's RADIO DAYS』、小学館、2007年。

[編集] 外部リンク

星雲賞メディア部門
第15回 1984年度
ダーククリスタル
ジム・ヘンソン&フランク・オズ監督
第16回 1985年度
風の谷のナウシカ
宮崎駿監督
第17回 1986年度
バック・トゥ・ザ・フューチャー
ロバート・ゼメキス監督
星雲賞コミック部門
第25回 1994年度
グラン・ローヴァ物語
紫堂恭子
DAI-HONYA
とり・みき
第26回 1995年度
風の谷のナウシカ
宮崎駿
第27回 1996年度
寄生獣
岩明均