寄生獣

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寄生獣
ジャンル SF漫画[1][2]青年漫画
漫画
作者 岩明均
出版社 講談社
掲載誌 モーニングオープン増刊
月刊アフタヌーン
レーベル アフタヌーンKC
KCデラックス(完全版、新装版)
講談社文庫
発表号 F号 - H号
(モーニングオープン増刊)
1990年1月号 - 1995年2月号
(月刊アフタヌーン)
発表期間 1988年 - 1995年
巻数 全10巻(アフタヌーンKC)
全8巻(完全版)
全10巻(新装版)
全8巻(講談社文庫)
話数 全64話
アニメ:寄生獣 セイの格率
原作 岩明均
監督 清水健一
シリーズ構成 米村正二
キャラクターデザイン 平松禎史
音楽 Ken Arai
アニメーション制作 マッドハウス
製作 日本テレビバップ
フォアキャスト・コミュニケーションズ
放送局 放送局参照
放送期間 2014年10月 -
話数 全24話予定
テンプレート - ノート
ウィキプロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

寄生獣』(きせいじゅう)は、岩明均による日本漫画作品。『モーニングオープン増刊』(講談社)にてF号(1988年)からH号(1989年)まで連載された後、『月刊アフタヌーン』(同)に1990年1月号から1995年2月号にかけて、全64話が連載された。単行本はアフタヌーンKCより全10巻のコミックが発行された。2003年には連載時のカラーページを収録した完全版全8巻がKCデラックスで新しく発売され、その後も新装版、文庫版が発売されている。

謎の寄生生物と共生することになった、平凡な高校生・新一の数奇な運命を描く。物語の構図は人間の頭に寄生して人間を食べる「寄生生物」側、最初は捕食されるがままであったが後に反撃に転ずる「人間」側、そしてその中間者として存在する「新一とミギー」側という三者によって成立しているが、話の焦点は新一に置かれている。表題の「寄生獣」とは、劇中においては寄生生物の呼称ではなく、地球環境に害をなす人間を意味する単語として物語の終盤に登場する。人間がむごたらしく食い殺されるなど、過激な[3]描写もある一方で、物語の軸には哲学的な主題があり[4]、テーマ性の高さや[3]、意外性のある劇的な展開[2][3]、物語の世界観[2]などが評価されて熱心なファンを獲得した[3]。2003年時点での累計部数は1000万部で、ベストセラーとなった[5]

2014年には10月より日本テレビ他にてテレビアニメが放送中。同年には山崎貴により実写映画化(2015年の完結編と合わせて2部構成)される予定(各媒体の詳細はそれぞれの節を参照)。

あらすじ[編集]

ある日突然、空から人知れず多数の正体不明の生物が飛来する。その生物は鼻腔や耳介から人間の頭に侵入し、を含めた頭部全体と置き換わる形で寄生して全身を支配し、超人的な戦闘能力で他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後の頭部はもはや人間の物ではないが、自在に変形して人間そっくりに擬態する。彼ら「パラサイト(寄生生物)」は高い学習能力で急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に紛れ込んでいった。

その日まで平凡な高校生であった泉新一は、1匹のパラサイトに襲撃されるが、間一髪で脳の乗っ取りだけは免れる。パラサイトは新一の右腕に寄生して同化し、右手にちなんで「ミギー」を名乗るパラサイトと、人間である新一の共生生活が始まる。それと同時期に、他のパラサイトによるミンチ殺人事件が世界中で頻発し始めるが、犯人は不明とされる世間に対して新一は真実を明かさなくても良いのかと葛藤するが、ミギーは自己保身のみを考えており、宿主である新一以外の人命には興味を示さず、自らの正体が露見すれば共生関係は終わりであると主張する。また、新一が死ねば自分も生きられないとも主張するミギーは、必要であれば新一を他のパラサイトから守るために同類と殺し合うことにも葛藤を抱かない。

しかし、そうした新一とミギーの特殊な関係は他のパラサイトから警戒される。高校教師のパラサイト「田宮良子」や彼女の仲間と敵対することになった新一は両親が戦いに巻き込まれないことを願うが、彼の母親は新しい宿主を探していたパラサイトに遭遇し、殺害される。新一はパラサイトとなって自宅に現れた母に手出しのできないまま心臓を刺し貫かれて致命傷を負うが、ミギーが新一の体内に入って心臓を動かしながら修復することで心肺停止状態から蘇生する。その際、ミギーの寄生細胞が体内へ拡散した影響で超人的な身体能力を獲得した新一は、母親を乗っ取ったパラサイトへの復讐を遂げる。しかし、融合による変化は新一の精神面にも現れ、彼を悩ませるようになる。その一方、ミギーも新一との交流を通じて次第に人間の価値観を理解していく。新一に想いを寄せる同窓生の村野里美は、彼の劇的な変化と変わらない優しさに困惑する。

その頃、新一の住む地域の隣町ではパラサイトこそが地球の環境に調和をもたらす救世主であると考える政治家広川剛志の元に、不完全ながらも社会性を獲得したパラサイトたちが集まるようになる。学校を去り「田村玲子」と名を変えていた「田宮良子」は広川の試みに協力しつつも、生物学的には普通の人間でしかない赤ん坊を妊娠・出産し、生殖能力を持たないパラサイトのアイデンティティーについて思索を重ねる。

「田村玲子」は新一とミギーの存在を、パラサイトたちの今後にとって指針となると考え、他のパラサイトや人間を調査のために差し向けるが、行き違いを経て新一は幾度となくパラサイトと戦うこととなる。その結果、新一は周辺の人々が巻き込まれて犠牲となることに、市長となって秘密裏にパラサイトを支援する広川と対決する決意を固めていく。また、「田村玲子」も独自の思想を他のパラサイトから警戒され、仲間割れによって広川のグループを追われる。「田村玲子」を敵とみなしたパラサイトたちは彼女の策略によって返り討ちにされるが、彼女もまた一連の事件に巻き込んだ人間から復讐されて命を落とすこととなり、育ててきた赤ん坊と思索の末に出した結論を新一に託す。

一連の事件を経て、すでにパラサイトの存在は警察自衛隊の知るところとなっており、広川たちの拠点である市庁舎への掃討作戦が計画されていた。新一は自分がミギーに寄生されていることを隠しつつも、パラサイトと遭遇してきた経歴を買われ、快楽殺人鬼として警察に拘留されつつも、その経歴から人間とパラサイトを判別する超能力を持ったもう1人の協力者の浦上と共に、作戦に参加する。周到な準備と人間としての組織力、そして一般人の犠牲をいとわない作戦によって、市庁舎にいたパラサイトたちの大半は駆除される。広川は敗北を悟ると、突入してきた自衛隊員たちへ「地球環境を汚染する人間は万物の霊長などではなく、地球を食い物にする『寄生獣』である」と演説するが、彼らに射殺される。その直後、広川の正体が人間だったことに困惑する自衛隊員たちは四肢に合計5体が融合したパラサイト「後藤」に襲撃され、全滅する。「後藤」は以前から因縁のあった新一とミギーを宿敵と見なし、再戦を宣言する。また、浦上は混乱に乗じて目付役を殺害し、現場から脱走する。

新一とミギーは「後藤」から逃げ回りながら勝ち目のない戦いを挑むが、乾坤一擲の策を講じて敗れた結果、ミギーは新一を逃走させるための犠牲となり、「後藤」に取り込まれてしまう。新一は失ったミギーの存在の大きさと友情から失意に暮れるが、逃走先で見ず知らずの他人に助けられ、再戦を決意する。新一は半ば自暴自棄になっていたために苦戦するが、有毒な産業廃棄物に助けられる形で勝機を掴み、ミギーを取り戻して逆転する。勝利した新一は、必死に生き延びようとする「後藤」の姿に心を動かされてとどめを躊躇するが、最終的には手を汚す。広川の一件をきっかけにパラサイトたちが表立った行動を控えるようになると、ミギーは「後藤」との一時的な融合で得た経験を糧に思索のための長い眠りにつくことを宣言し、普通の右手に戻る。

1年後、新一は戦いの中で精神的な支えとなった里美との交際を続けながら平穏な日常を取り戻していたが、彼らの前に逃走していた浦上が再び現れる。ミギーの秘密を見抜いていた浦上は、里美を人質に新一を呼び寄せ、自分のような快楽殺人者こそ人間の本質であると主張し、人間とパラサイトの中間的存在と見込んだ新一の見地からの感想を求める。新一は言い淀むが、里美は浦上の主張を一蹴する。新一は里美を救出するために反撃し、一歩及ばなかったものの、里美は助かる。眠っていたはずのミギーが助けてくれたと新一が思いを馳せる中、物語は幕を下ろす。

登場人物[編集]

著者の岩明は本作を執筆するに当たって、先に結末までのプロットを決めてから登場人物を作っていく形で本作を執筆した[6]。岩明にとっては初めての試みであったが、そうした作り方は自分に合っていたと述懐している[6]。ただし当初の想定よりも連載が長期に及び、一部の登場人物の末路やテーマ性などには変遷もあったとされる[6]。以下では原作の登場人物について説明する。

主人公[編集]

泉 新一(いずみ しんいち)
本作の主人公。ごく平凡な高校生[注釈 1]であったが、右手に宿ったパラサイト、「ミギー」により数奇な運命を辿ることになる。変化(詳細は後述)後は髪型をオールバックにしていたが、物語の終盤には元の髪型に落ち着く。
ミギーとの共生は、パラサイトを探知する能力と同時に探知される役目も果たし、このためもあって人間と寄生生物との中間者としてパラサイトに関する一連の事件に巻き込まれる羽目になる。また自身の安全のみを考えるミギーの意向に逆らうわけにもいかず、家族や親しい友人に己の境遇を明かすことのできないジレンマを抱え、物語の終盤までそれに苦しむ事になった。ミギーとの出会い、母親の死、学友の虐殺など、数々の悲劇や救いの経験を通じて次第に命に対する価値観死生観を変化させ、紆余曲折を経て成長していく。
ミギー
新一に寄生したパラサイト。ベッドに横たわりヘッドホンで音楽を聴いていた新一の耳から侵入できず、鼻孔から侵入を図るが失敗。その後、目を覚ました新一の右手に突き刺さるようにして侵入し脳を目指すが、新一が自身の上腕をヘッドホンのコードできつく縛り上げ阻止したため、そのまま右腕に寄生した。
好奇心旺盛で読書家。宿主の身体から直接養分を摂取しているため独自に捕食活動を行う必要はないが、その分だけ新一が大食漢になっている。新一とは通常、口頭で会話をするが、最終回のラストシーンを含めて数回、夢の中で「有線」と称する意識の共有も行っている。
寄生当初は他のパラサイトと同じく感情に乏しく、宿主と自分以外の生死には極めて冷淡かつ淡白で、人間を盾にし敵と戦う策を練るなど、人間社会の常識に外れる思考から、新一との間には大きな意識の乖離があった。その後、共存関係にある新一に対しては食事や健康を気遣い、新一の置かれている状況や精神状態に応じて考えを変更するなど柔軟な思考も持つようになり、一時の感情や自己満足に流されて行動しようとする新一を諌める事もあった。そのやり取りの中で徐々に感情に近いものを理解するようになっていき、変化(詳細は後述)を経て、互いに信頼し合えるようになる。9巻のラストには、後藤との戦いに負け自己犠牲とも取れる行動を起こしたり、死を予感した際に「きみの脳を奪わなかったお陰で、友だちとして色々な楽しい思い出を作れた」と回想するなど、この頃には新一に対して友情めいた感情を抱き、最終話には人間を「心に余裕(ヒマ)のある生物」だと賞賛するなど価値観に変化が生じている。
宇田に「きれいな言葉遣いをしている」と評されるが、これについて新一は、図鑑など主に本で言語を学んだ結果ではないかと推察している。
右腕の動きについては基本的にミギーが主導権を持つが、その委譲により「普通の右腕」として新一が動かすことも可能で、新一がそれを要求する際に「手動権」と呼んだことがある。
後藤に吸収されていた時期に、眠っている間も情報が頭を駆け抜けるという体験を得たことで更に体質が変わり、一度に複数の思考ができるようになる。そして、持ち前の好奇心からその「別世界」へと旅立つ事を決意し、新一に一方的に別れを告げた上で無期限の「眠り」についた。だがその後、物語の最後で里美がビルから突き落とされた際、新一に代わって彼女を救ったかのような描写があり、2人の繋がりが完全に切れた訳ではない事を示唆している。

新一を取り巻く人物[編集]

新一の家族[編集]

泉 一之(いずみ かずゆき)
人間。新一の父。フリーのルポライター。新一の右手がパラサイトであることには気付いていない。夫婦水入らずで伊豆旅行した際、目の前で妻がパラサイトに乗っ取られ、自身も負傷させられ入院する。退院後はしばらく事件のショックを引き摺って悲しみに沈んでおり、悲しみを表に出さない新一に対して「鉄で出来ているんじゃないのか」との言葉をぶつけることもあった[9]
その後、自分の遭遇した事件について警察から事情聴取を受けた時、パラサイトの存在を世に知らしめることを望むが聞き入れられなかった。これを機に静かに妻の死を新一へ告げた。
泉 信子(いずみ のぶこ)
人間。新一の母。専業主婦。家事は上手で、ミギーは「君の母親の作る食事はいつも栄養のバランスが取れていた」と評価している。新一が小さいころ大やけどを負いそうになるところを庇い、自らが手にやけどを負ってしまう。この記憶のため新一はその後、特に反抗期もなく育った。
夫である一之曰く、「お嬢様育ち」らしく、臆病で泣き虫な面もあるが、新一を思う気持ちだけは誰よりも強い。夫とは異なり、ミギーが取りついてからの新一の変化に気づき、強く新一を問い詰めている。
気分転換も兼ねて一之と行った伊豆の旅先で、人間部分が拒絶反応を起こし別の肉体を求めていたパラサイトに一瞬で斬首され、首から下を乗っ取られる。その後は後述のパラサイト「泉 信子」を参照のこと。

新一を取り巻く学生[編集]

村野 里美(むらの さとみ)
人間。新一と同じ高校に通うガールフレンド中学生時代から新一を知っており、高校進学と同時に新一と交際を始めた。新一が抱えているミギーの秘密や母親の死といった出来事については何も知らされていないが、彼の身に何かが起こって悩み続けていることには気がついている[10][11]。変貌していく新一のことを理解できないことに悩み、新一に対して辛辣な言葉を投げかけて気まずくなることも幾度かあったものの、物語の最後まで新一のことを信じて身を案じ続ける。
パラサイト・島田秀雄が学校内で錯乱して高校大量殺戮を引き起こした際には、惨殺された同級生たちの遺体を前にして恐怖で身がすくんでいるところを新一に救出された。また物語の結末でも浦上からナイフで脅され、ミギーに窮地を救われている。しかしその内面では、自分を置き去りにするかのように「知らない世界」へと行ってしまう新一に追いつきたいという想いを抱いている[12]。物語の終盤では後藤との戦いに怯える新一と結ばれており、そのことが新一にとって生き残ることへのモチベーションにもなった[13][14]。また最終話では浦上から新一が隠していたミギーの秘密を暴露された際も、普通と違う部分はあっても新一は人間だと言い返し、ようやく新一を追い抜くことができたという感慨を抱く。
加奈(かな)
人間。新一の住む町と隣接する東福山市に住む[15]北高の女生徒で、いわゆるスケバン[16]。登場時には光夫と付き合っていたが、新一の目の中に人間以外のモノを感じ、徐々に新一に興味を抱くようになる。ミギーと融合する以前の新一の人柄についてはあまり知らず[17]、彼のことを凄味や野性味のある男性だと感じている[18]
当人にその能力の自覚は無かったが、パラサイト同士が存在を確認できる「信号」を感知する特殊な能力を持っていた。新一に宿るミギーへの反応を、新一との「運命の赤い糸」と信じ込むようになり[19]、自分の柄にもないこととして戸惑いながらも[19][17]、白馬の騎士に分した新一に抱かれる夢を見るほどにまで想いを募らせる[17][20]。この自分の想いを新一に伝えたい一心から、やがて微弱ながらパラサイトと同じ「信号」を発する事ができるようになってしまう[21]。彼女が住む東福山市の市長に広川が就任し、そのことに危機感を抱いた新一からミギーの秘密を打ち明けられても信じようとせず[22]、詳しい説明をするため東福山市を訪れようとした新一からの「行くまで家から出るな」という禁を破り、新一と勘違いして通りすがりのパラサイトと遭遇してしまう。捕食現場を見られて危機感を抱いたパラサイトの攻撃によって致命傷を負い、一足違いで駆けつけた新一の腕に抱かれ息を引き取った[20]
光夫(みつお)
人間。「自称」加奈の彼氏。北高の生徒で体が大きく喧嘩も強い。新一たちの通う西高の生徒とよく喧嘩をしていた。初めは新一を圧倒しており、当時の新一の戦闘力が10なら彼は18とミギーが分析比較している。
新一の変化後は、喧嘩ではまるで歯が立たなくなり、加奈が新一に心変わりしていくのに苛立ち、新一に激しい嫉妬の感情を抱く。新一と加奈に絡んでいたパラサイト・島田秀雄に因縁をつけようとしたところを殴り返され、その後仲間を引き連れて報復を試みたところを新一に仲裁される場面もあった。最後まで新一の事情を知ることはなく、自分の知らないところで加奈が殺された際には、葬儀の席で号泣したのち、加奈の死に悲しんだ素振りを見せない新一に怒りをぶつけ、加奈を守ってやれなかったことを責めている[20][注釈 2]

新一とミギーの事情を知った者[編集]

宇田 守(うだ まもる)
パラサイトに寄生されながらも脳が残っている人間。伊豆のホテルの従業員で、小太りの男性。かつての離婚が原因で自殺を念頭に、海の見える崖の上で物思いにふけっていたところに幼生パラサイトの襲撃を受ける。驚いた拍子に崖から海に転落してしまったものの、寄生を試みたパラサイトが宿主の生命維持に努めた為に命を繋ぐ。そのため辛うじて脳は寄生されず、鼻の下から胸までが寄生された。
母を乗っ取ったパラサイトを追って伊豆を訪れた新一と知り合い、脳を乗っ取られずにパラサイトと共存している寄生主の境遇を分かち合える唯一の友人として連絡を取り合っている。涙もろく温和な性格で、自身のパラサイトには英語で「顎」という意味合いで「ジョー」と名づけている。新一との初対面まで他のパラサイトとの遭遇経験が生活環境の違いから無かった。寄生された「泉信子」と初めて戦闘を行い、負傷しつつも新一自身にに母親を手にかけさせるべきではないという想いから戦いを助けたほか、後に倉森が田村玲子の差し金で新一の身辺を調べ回っていた際にも、新一に協力している。
ジョー
宇田に寄生するパラサイト。幼生時に宇田の体内へ潜り込んだ際、海へと転落した母体(=宇田)の生命を救う事を優先した結果、脳を奪うことに失敗し、現在は顔下半分から胸部にかけて寄生している。ミギー同様、宿主の身体から直接養分を摂取しているため、独自の捕食活動を必要としない。言葉を発する時は宇田から口の主導権を奪う形でしゃべり出す事がある。
当初は宇田から「パラサイト」と呼ばれていたが、後に世間では寄生生物に対してその呼称が一般化したことから、再登場した際に「ジョー(下顎)」と名づけられている。宇田がテレビドラマ映画を好んで見ていた影響で、読書家のミギーに比べ言葉遣いはかなりくだけており、エピローグではアメリカン・コメディの翻訳調セリフ回しに似せた表現を披露するなど、作中他のパラサイトにはあまり見られないユーモアもある。
性格は他のパラサイトと同じように極めて冷静で、泉信子の体を乗っ取ったパラサイトと戦った際には正確に状況を分析し、倒す事に成功した。母体である宇田の身体能力が低い上に、寄生箇所の問題で戦闘時は呼吸用に口を形成する余裕が無く、また宇田の頭や首に掛かる負担が大きすぎる為、スタミナ切れを起こしやすい。しかし、母体の重要な循環器の位置を直接ずらして守ることができるという、彼ならではの利点もある。
倉森(くらもり)
人間。興信所の調査員。シャーロック・ホームズに憧れてこの職を選んだ。妻ひとり娘ひとりの冴えない父親であったが、田村玲子に新一の身辺調査を依頼されたことを発端に、その運命を大きく狂わされる。
田村に中間報告をしているが、追加調査を断わられている。その際、彼の慌てふためいた滑稽な動作が、田村に「笑い」の感情を芽生えさせた。
調査を断られたことを機に、逆に田村にも興味を示して探りを入れたため、広川一味に危険視される。その後、新一たちに捕まり、これまでの事情を聞かされ、深入りしないよう忠告されるが無視。田村調査のため雇っていたアルバイトが音信不通になったことを機に、寄生生物の恐ろしさを垣間見てしまう。そのため自身の分不相応を自覚し調査から撤退する。しかしながらその後、自身は偶然難を逃れたが、代わりに妻子を殺害されてしまう。
事情聴取時に平間から妻子のかたき討ちを諭されたことから、一部は名前を伏せながらも、新一から得たパラサイト・広川一味の情報を提供した。これが後のパラサイト大量駆逐作戦へと繋がる倉森レポートとなった。
その後、復讐を果たそうとして田村玲子の子供を連れ出し、公園の高台から下の道に投げ落とそうとするが、阻止しようとする田村玲子に殺された。なお、投げ落とそうとしたのはあくまで素振りであると最期に発している[注釈 3]

警察・自衛隊の関係者[編集]

パラサイトに対抗する人間の勢力。広川の勢力との対決において新一と協力関係にあるが、ミギーの事情を自ら明かすまでには至らない。

平間(ひらま)
人間。パラサイト対策の特命捜査を指揮するベテラン刑事。初登場時の階級は警部補、物語の途中で警部に昇進する。
パラサイトは単なる猛獣ではないとし、実際に関わりを持った人間の生の声を聞いてみることを重要視、思慮深さを発揮した。分不相応な事件に首を突っ込んだ挙句、家族をパラサイトに殺され絶望している倉森を諭し、パラサイトに関するレポートを書かせている。
そのため、パラサイト関連事件によく遭遇する新一に対し「何かある」と感じており、倉森を殺害した直後の田村玲子を尋問したのち、新一の目の前で田村を射殺している。
東福山市役所でのパラサイト殲滅作戦(以下、市役所戦)における「外環(包囲部隊)」の指揮官となった際には、パラサイト駆除のため新一に助言を請うと共に現場に呼び出したり、収監中の浦上をパラサイト判別のため自衛隊に同行させるなど柔軟な思考を見せる。射撃の腕前も中々のようであり、作戦終了時に屋上から現れた後藤の胸部を正確に狙って銃撃するが全く通用せず、後藤と相対していた新一を見て疑惑を強めた。
山岸(やまぎし)
第50話から第56話にかけて登場。人間。陸上自衛隊二佐。市役所戦における「内環(掃討部隊)」の指揮官。パラサイト判別のために市役所中の人間を1階ホールに集めた際、指示に反して他階へ移動した広川市長以下パラサイト一味を駆逐すべく、一部隊を率いて追討する。部下の死を目の当たりにしたり自ら人間を射殺しても顔色一つ変えず、パラサイトを「害虫」と言い切る冷徹な人物。ほぼ全てのパラサイト殲滅に成功するが、最後に残った後藤ただ一匹に自分を含め追討部隊を全滅させられた。死の間際、武器の選択について新一の言葉を思い出し後悔する。
浦上(うらがみ)
人間。人間を惨殺する事に快感を覚える殺人鬼。人間を使って「遊んだ」ため、見ただけでパラサイトを判別する事ができる能力が自然と身に付いた[注釈 4]
指名手配されて追われている中、パラサイトの存在に気がついて何をするのか興味を抱き、好奇心からリスクを冒して捕食後の現場を見に行くが、「結局自分と同じこと(虐殺)をやっているだけ」として失望し興味を失う。しかしその時の現場に偶然居合わせた警官に逮捕されてしまう。その後収監され、死刑を免れない身だったが[注釈 5]、その判別能力を見込まれて捜査活動に利用され、新一と対面した時には、彼をたじろがせるほどの威圧感を見せた。市役所戦に駆り出された際に後藤の出現による混乱に乗じ、監視役を殺害して逃走する。
物語の最終話に再登場。逃走後、市役所での騒ぎが落ち着き捜査の網が狭まる中、これ以上逃げきれないと観念し、里美を人質にとって「混ざっている」として興味を抱いていた新一と接触を図る。衝動を抑えて生きている現代の人間こそ異常であり、自分は本能に沿って生きる正しい人間の姿だと主張し、普通の人間とは違う新一に意見を求めた。しかし里美に「あんたこそパラサイト以上のバケモン」と言われた事で標的を彼女に切り替え、ナイフを里美の首に当てる。その光景を見た新一が瞬間的に攻撃に向かってきたため、ビルの屋上から彼女を突き落とすが、最後は新一のパンチによる一撃で顎部を砕かれた[注釈 6]

その他の人間[編集]

早瀬 真樹子(はやせ まきこ)
第13話から第16話にかけて登場。人間。伊豆で民宿を営む家庭の娘で中学生。新一の父がパラサイトに襲撃され大ケガで入院した際、新一が見舞いに出向く途中の高速船の中で出会う。新一によって同乗船していた生活指導教諭によるトラブルを一部回避できたことから、新一に興味を持つ。
新一が高校生一人のため怪しまれ、病院周辺のホテル・旅館に宿泊を断られていた際、偶然にも再会して家族に口添えし、彼に宿を提供することに成功する。新一が連泊するにつれ次第にほのかな恋心を抱くようになるが、祖父は新一をヤクザの子分と誤解しており、彼に不信感を抱く母親からは心配され、弟[注釈 7]からはヤクザ者への好意を茶化されている。新一がミギーとの同化によって得た超人的な走力や跳躍力を初めて発揮する場面に居合わせ、その後母親を殺害したパラサイトへの復讐を遂げて帰る新一を見送るが、彼の詳しい事情を知ることはなく、新一との別れを惜しむ。
裕子(ゆうこ)
第21話から第23話にかけて登場。人間。新一の通う高校の美術部員で、島田秀雄の同級生。新一とは学年が異なることもあり面識がないが[29]、兄は犯人の似顔絵描きをする警官で、パラサイト殺人に関する泉一之への事情聴取に同席していた[9][29]。兄からの伝聞によってパラサイトの存在を断片的に知っており、島田の無表情さに興味を抱いて観察している内に、島田がそのパラサイトである事に気づく。思い悩んだ末、言葉が通じるのならばと島田に殺人をやめるよう説得を試みるが、逆に襲い掛かられ、その時に護身用に準備していた強酸入りの瓶を島田に投げつけたことが、高校大量殺戮事件の引き金になってしまう。
強酸により細胞がただれた状態の島田が混乱している隙に校舎の窓から飛び降り、木に引っかかりながら落下したことが幸いし救助された。
美津代(みつよ)
第59話から第62話にかけて登場。人間。田舎に住む老婆。後藤との戦いに敗れた上にミギーを失い負傷して徘徊中の新一を数日間自宅に匿った。街で水商売をしていたが、夫の要望で田舎に移り住み、夫の死後は一人暮らし。口は悪いが思いやりのある優しい性格で、半ば死に急ぐような態度の新一を懇々と諭した。彼女から借りたを手に、新一は後藤との最後の戦いに臨み、その間は夫の遺影に新一の無事を祈っていた。返却されていた鉈を見て、新一の勝利と無事を知る。

パラサイトとそれに与する者[編集]

新一とミギーに敵対的な立場で登場するパラサイトと、その協力者たち。

田宮良子 / 田村 玲子とその協力者[編集]

田宮 良子(たみや りょうこ)→田村 玲子(たむら れいこ)
新一の通う高校の代用かつ新任の教師として現れたパラサイト。数学教師「田宮良子」の名前と社会的立場をそのまま受け継ぎ、パラサイトの中でも特に高い知能を持つ個体。
言動を心配した実母が田宮に会いに来た際、直ちに偽者と見抜かれ、パニックに陥った実母をその場で殺害している。この時、特別な能力もない人間に正体を見破られたことから「何故だ」と疑問を持ち、やがて人間のように「笑う」という感情表現を身につけていく。
「A」襲撃事件直後に父親不明の子を妊娠していることが発覚した際、身分を捨てて姿をくらまし[注釈 8]、再登場時には名前を「田村玲子」と変え未婚の母となっている。
研究者的な探究心を見せており、パラサイトの生殖能力を確認する実験目的で、「A」と性交して子供を妊娠したり[30]、新一とミギーを「貴重なサンプル」として観察を続けたり、最強のパラサイト集合体である後藤を作ったりしている。なお、生まれてきた子供は普通の人間であり、「実験に使うか、用が無くなれば食う」という程度の考えで育て始める。
緻密な戦術と多彩な攻撃形態による高い戦闘能力を持ち、ミギーは「正面から戦った場合に勝ち目は無い」と言い、後藤からも「良い戦いができそうな相手」と認識されている。さらに、殺意を持った草間らパラサイト3体の襲撃を受けた際には一方的に返り討ちにしている[注釈 9]
思考を巡らせる中、徐々に「自分達は何のために生まれてきたのか、どこから来てどこへ行くのか」という考えに行き着く。その答えを得るため、倉森に新一の身辺調査を依頼したり、大学講義を受ける[注釈 10]など、他のパラサイトと違った立場を取るようになる。広川剛志に興味を覚え、彼が提唱したパラサイト組織の設立に協力するが、本人としてはパラサイトが生まれた目的の追求が第一になっており、設立後の組織の目的にはあまり協力的ではなく、傍観者的立場を取っていた。
草野らを撃退しているさなかに、妻子をパラサイトに殺害された事を逆恨みした倉森に子供を連れ去られたため、指定された公園に赴くが、子供を盾にされた際に人間で言う母性が目覚め、反射的に倉森を殺害。さらにその直後、新一と接触し「パラサイトと人間は一つの家族であり、パラサイトは人間の『子供』」という結論に達した事を伝え終わったところを平間達に見つかり、尋問後に銃撃を受ける。赤ん坊を身を挺して守り、反撃も逃走もせずに、無抵抗のまま銃撃を受け続け、最期に新一に子供を預けるというパラサイトとしてはあり得ない行動に出る。新一にパラサイトが生まれた疑問を追求したことも伝えたのち崩れ落ちるように死亡。銃撃時、新一の母親に擬態化したため新一に大きな影響を与え、彼の「胸の穴」を塞いだ。
A
第6話から第8話にかけて登場。田宮良子が教師でいる時期に新一に紹介したパラサイト。特に名前を持たず、田宮良子が便宜的に「A」と呼んだ。新一たちと引き合わされた際、彼らの存在に強い警戒感を覚え、彼らを抹殺する衝動的な目的で彼の通う高校へ単身乗り込む。しかしながら新一とミギーに返り討ち遭い、瀕死の状態に陥る。そのため田宮良子の肉体と同居を目論むが、田宮の罠にかかり爆死。爆発で寄生部分が吹き飛んだため、この時点では人間側に情報は渡らなかった。身元不明という意味で、皮肉なことに死後も「殺人鬼『A』」と呼ばれることとなった。
その行動からミギーに「楽天的で行きあたりばったりなヤツだ」と評されている。また後には田村玲子(田宮良子)から、草野の言動を評する際に、似たタイプとして「A」が引き合いに出される場面がある[31]。生前、田宮良子の実験に付き合う形で寄生された人間同士の性行為を試みて子供を妊娠させており[30]、その際の赤ん坊は田宮良子に育てられることになった。
島田 秀雄(しまだ ひでお)
第18話から第25話にかけて登場。新一を観察するために田村玲子が高校に送り込んだパラサイトで、新一より1学年上の3年2組に転入生として転入してくる。体の操作が上達するという理由でスポーツを好んだ。新一たちには「人間と同じ食事を摂り、パラサイトと人間との共存を目指している」などと語った。しかしこれは嘘で、実際には夜ごとにナンパした女を捕食していた。新一と明確に敵対せず接近を目論み、「A」などとは違い表面上は理性的であるため、ミギーからは「話せば分かるタイプ」と分類された。
後に正体を見破った同級生・裕子が突発的に投げた瓶入りの強酸を浴びて細胞統制が錯乱した状態に陥り、頭部が変形したまま校内で暴れながら生徒・教師・警官の計17名を殺害した。最後は屋上に出たところを、新一の身体能力と変形したミギーの連携による遠距離からの石の投擲で胸部を破壊されて絶命する。公的には「覚醒剤中毒により狂暴化した少年」として発表されたが、マスコミや評論家は「人間では考えられない行為」として真実を追究しようとした。その死体は専門機関の手に渡り、日本における初めてのパラサイトのサンプルとなった。

広川の勢力[編集]

当初は田村玲子と協力関係にあったが、後に草野らの独断を発端として袂を分かつことになる。

広川 剛志(ひろかわ たけし)
人間。パラサイト一味のボス。パラサイトに寄生されていない生身の人間だが、そのことは物語の終盤まで読者に伏せられており、劇中においても新一をはじめ、パラサイトの存在を知る一部の人間からパラサイトの一人と誤認されている{{efn|新一とミギーは広川を初めて見かけた際、四肢に複数のパラサイトを融合させた「後藤」と並んでいた広川を、反応の数からパラサイトであると誤認してしていた[32]地球を汚し他の生物を圧迫する「人間」を憎んでおり、その思想に興味を持った田村玲子が仲間に引き入れた[注釈 11]。パラサイトの食事を安定供給させ、広川の目的である人口抑制するための組織を結成、その活動の一環として東福山市長選に出馬し当選を果たす。
当選後は市長の立場を利用し、パラサイトが人目に付かずに人間を捕食するための「食堂」の管理を組織的に行うことになる。市役所戦では、その気になれば人間としての正体を明かして脱出できることを後藤に指摘されながらも市役所に残り、会議場で自衛隊員たちに包囲される中、自論について一席ぶった末にパラサイトと誤認されたまま射殺される。その口ぶりは完全にパラサイトの側に立ち、人間を「寄生獣」[注釈 12]として糾弾するものだった。
作者の岩明によれば、本作の連載開始時の構想では「愚かな人類に対する自然からの警鐘」といったテーマが予定されていたが、その後の世論の変化を反映してテーマに一捻りを加えたために、当初のテーマが広川に引き継がれることになったとされる[6]
草野(くさの)
組織の幹部的役割を持つとみられるパラサイト。広川が市長に立候補した際には、広川や後藤と共に壇上に立っている[32]。邪魔者は手段を問わずに即刻排除するという強引で性急な考え方の持ち主。組織にとって障害となった新一と倉森の抹殺を企てたものの、その実行者が後先を考えずに倉森の家族のみを殺害し、本来の目的を果たすこと自体には失敗したという報告を受けた際には、まるで人間のように怒りの感情を発露した。彼らの無謀な行動を咎めた田村玲子を危険視し仲間と共に抹殺しようとしたが、仲間共々田村の返り討ちに遭い死亡した。
後藤(ごとう)
田村玲子が作り上げたパラサイト集合体[注釈 13]。本作におけるラストボス的な存在。通常は人間1人の身体に1匹のパラサイトが宿るのに対し、彼の場合は1体に5匹のパラサイトが宿り、後にミギーを含め一時6匹となった。その名前は「五頭」→「ごとう」に由来する。
5匹のうち1匹が通常のパラサイト同様頭部に寄生しており、「統率者」として他のパラサイトを自在に操っている。その際、頭部は全身の制御に専念しなければならないため、自らが変形・攻撃等をしている余裕は無い。後藤というのは、その統率者としての1匹のパラサイトを指す場合もあり、これは別の統率者である三木(後述)と頭部役を交代する事もある。運動性がいまひとつの三木とは違い、一瞬にして体の他のパラサイトを統率する事ができた。
初登場時は顔を変えて、暴力団事務所に白昼堂々玄関から侵入。暴力団員の殺戮を始めてからの自分の受けた攻撃をカウント、掃討後に通行人と即座に入れ替わり逃走するという実験的殺戮を行うなど、戦闘的な「練習」も行っている。
頭部を統率できるのは後藤と三木の2匹で、自身以外の4匹を完全に統率できるのは後藤だけである。これについて後藤自身は三木との交代時に「できるようになったのはつい最近」と述べており、非常に難しい行為のようである[注釈 14]。また、「体の操縦」の訓練のためにショパンのピアノ曲を弾いている場面もある。
母体である人体の大半がパラサイトに置き換わっているために、かなりの自由度でその姿を変える事ができる。体はパラサイトので守られており、対向走行しているトラック同士の交差による激突の衝撃にも耐え、ショットガンの直撃を複数受けるなどしても基本的にダメージを受けない。
極めて高い戦闘能力を有しており、市役所戦では前述の防御力に加えて廊下や壁を利用した高速移動や、全身に浴びた散弾銃の弾を指先に集めて撃ち返す技術を用い、自衛隊の一部隊を単身で壊滅状態に追いやった。この時、広川を初めとする多くの仲間を失うも、前述の通り単身で戦局をひっくり返し、「戦いこそが自分の存在意義である」と自覚するようになる。
その後は純粋な殺戮本能に従って、殺し損ねた新一とミギーを追跡。両者に追いつき戦闘を始めた。予想外の作戦に追い詰められながらも勝利し、新一から分離したミギーを取り込んだ。その後は完全に人間の姿を捨て、化け物となって山中で殺戮を繰り返していた。
新一との最後の戦いでも終始圧倒的な実力差を見せつけたが、新一が一か八かで山中に不法投棄されていた鉄棒をパラサイトの鎧のすき間ではないかと考えた後藤の脇腹に打ち込んだところ、たまたまその鉄棒に猛毒のダイオキシン類が付着しており、毒素を感知した他のパラサイトがパニックを起こしたために統制がとれなくなり形勢が逆転。その混乱に乗じて後藤の重要器官にダメージを与えつつ新一の右腕へ戻ったミギーが後藤の首へ一撃を与えた。これにより統制が取れなくなった全身がバラバラに弾け飛んだが、それでも何とか存命していた。飛び散った肉片たちへ必死に招集をかけて元の姿に戻ろうとしていたが、最後は新一の手によって、剥き出しになった内臓をで破壊され死亡した[注釈 15]
作者の岩明は後藤の存在を、「美しき野生」「偉大なる大自然の代表選手」としている[6]。連載開始時の構想では、新一は後藤にとどめを刺さず、後藤は野生化して自然へと還っていくという結末が予定されていたが、物語のテーマ性を深化させていった結果、新一はいったん後藤を殺さない決断をした後に翻意し、後藤に謝罪しながら手を下すという結末に改められたという[6]
三木(みき)
普段は後藤の右腕を構成するパラサイト。その名前は「右手」→「みぎ」に由来する。メインの統率者である後藤に代わって頭部の統率をこなすことが可能であり、その際は後藤が代わって右腕部を務める。
新一・ミギーへの刺客として後藤が推挙されたところに自ら志願し、彼らの元へ赴く。刃物化した両腕による攻撃を繰り出し、新一たちに脅威を感じさせたが、戦っていくうちに徐々に露呈した制御力不足という弱点を突かれて敗北、後藤と交代する。以降は作中の描写内では「三木」として現れることはなかった。
全身を完全に統一制御することはできず運動性はいまひとつである。新一・ミギーとの戦闘の際も走るスピードが遅いため追いつけない、両腕を変形しての攻撃をうまく扱えずに空中で衝突させてしまい勝機を逃すなどした。総じて1頭のみのパラサイトとの戦いでは向かい合ってのチャンバラが若干有利であるといった程度の戦闘力である。
無駄を嫌うパラサイトの中では珍しく饒舌でお調子者的な性格をしており、人間の「表情」を意識して真似ようとする遊び心も持つ。そのため、一見すると他のパラサイトと違って陽気で表情豊かに見えるが、実際には人間としての感情を身につけているわけでなく、微妙な機微を察することが出来ずに作った表情は大げさかつ場違いとなる事が多い。その違和感は人間とパラサイトの間の本質的な違いに通じている。

その他のパラサイト[編集]

イヌ
第2話に登場。新一が初めて出会ったパラサイト。人間ではなく犬に寄生してしまい、そのために学習環境ハンデを抱えていた[注釈 16]。他の犬を捕食していた時に新一に遭遇する。体を変形させ空中を飛行しながら新一を追いかけたが、飛ぶことに労力を費やして隙を生み出してしまい、難なくミギーによって倒された。
名前不明の人に寄生したパラサイト[注釈 17]
第3話に登場[注釈 18]。新一が初めて出会った、人に寄生したパラサイト。人目を引く不良のような恰好をしている。ミギーを自身の体へ誘致しようとしたものの、移動する際のリスクを考慮したミギーは動き出さず、それに焦れて新一の首を切り落とそうと刃を伸ばしたところで敢え無くミギーによって倒された。
パラサイト「泉 信子」
第11話から第16話にかけて登場。元々は若い女性に寄生したパラサイト。「無個性派」と形容されるような、これといった特徴のないパラサイトであった。性交を目的とした若い男を食料にするため、ナンパに応じてクルマに同乗する。ところが、シートベルトの使い方を知らなかったため、男のわき見による交通事故で内臓に致命的な損傷を負い、助かっていた男をやむなく斬首して移動する。しかし人間部分が拒絶反応を起こし、女の肉体でないと生き延びられないと自ら悟ったため、偶然遭遇した新一の母親、泉信子を斬首し首から下を乗っ取る。
現場に居合わせた一之を始末しようとするが、一之は崖から転落。一之の消息を確認するため泉宅へ行き、新一と遭遇する。「母がパラサイトに寄生された」という現実を拒絶している新一の胸部を刺し貫き、瀕死の重傷を負わせた。ミギーによる急場の治療措置により新一は一命をとりとめるが、この事が新一達の心身面変化へのきっかけを作った。その後、母の仇を取ろうと追ってきた新一と対決するが、最後はジョーの奇襲により倒され、乗っ取られた信子の肉体は崖から海に消えた。しかし彼女が新一を刺し貫いた際の肉体的および精神的な傷痕は残り、「胸の穴」と形容されるようになる。

設定[編集]

パラサイトとは[編集]

元来の「パラサイト」とは寄生生物全般を表す英語parasiteである。作中ではそれから転じて、人間に寄生して脳を食べて体を乗っ取ってしまう謎の生命体を、劇中における日本政府・日本人が「パラサイト」と呼称している[注釈 19]。パラサイトには細かい設定やルール付けがなされており、それらが複雑に絡み合っている。

寄生ルート[編集]

パラサイト誕生のあらまし
作中での最初の描写は、どこからか飛来して(人口の多い都市部に多く飛来したとされる)、上空からボール状の卵のようなものが落下したところから始まる。彼らがどのような経緯によって誕生したのかは劇中では明確にはされず、後の劇中の描写においても地球外生命体説、突然変異説、病気説、バイオ兵器説などが入り乱れて結論が出されていないと説明されているが[33]、作者としては地球上のどこかで発生したというイメージだったという[注釈 20]。卵から生まれて脳を奪ったパラサイトによる、捕食後の人間の遺体(食べかす)について当初詳細を知っている人間は新一だけだった。ニュースでは「ミンチ(ひき肉)殺人事件」として扱われ、唾液も検出されたがパラサイトという存在は分からなかった。また、国内だけではなく世界中で犠牲者が増え、5ヶ月たっても犯人が1人も捕まっていないことから、カルトのような狂信的集団の組織犯罪と認識された。その後、徐々にパラサイトの存在が明らかになり、世間を騒がせることとなる。
寄生前の形状
卵のようなもの
空から落ちても割れないように、クッション代わりの毛のようなもので包まれたテニスボールほどの大きさの卵のようなものから生まれる。
幼生パラサイトの形態
大きめのヒルミミズのような姿(新一と宇田は当初、ヘビと誤解した)をしているが、体は薄い。頭部にあたる部分はドリル部の先端が少し出ており、上半身にあたる部分には小さな突起物が四方八方に数本生えている。
人間への侵入方法
卵から生まれるとすぐに本能に基づいて、地を這って移動し人間を探す。体が薄いため閉じられたや、ドアのわずかなすき間からでも入ることができる。そして、変形した後にドリル部を使って人間の鼻や耳など頭部の孔から侵入する。場合によっては、タンスほどの高さから目標めがけて飛びついたり、成人男性の顔の高さまで地面からジャンプすることもある。この時ドリル部は強い力を発揮し、ポロシャツ程度の厚さの服であれば、服もろとも皮膚を突き破って体内に侵入する。その後は脳に向かって進行し、寄生すると宿主の頭部および首の辺りまでが完全にパラサイトの組織に置き換わる。

思考的特性[編集]

本能
卵から生まれた時は、「人間の脳を奪って寄生する」という本能により行動する。続けて、寄生生物が肉体を奪うことに成功した際に発せられる本能(田宮によると「命令」)は、「この種を食い殺せ」つまり、共食いにより人間の数を減らすことだとされる。寄生生物の行動パターン原理の大半はこれに従って形造られている。
基本的な思考パターン
性格に個体差はあるが、基本的には思考パターンが人間とは全く異なる。そのため、人間の感情を理解することも無く自己中心的で冷酷である。生存本能が強く、自分の生存を守るためならたとえ同種であっても他者を殺す事をためらわない。
元が擬態であるため、またパラサイトにとってその必要性がないことから、感情表現があまり無い。ただし、知能が高く経験を積んだ個体は、時に「笑い」などを自覚することがあり、特に「怒り」のような感情を作中において何度か垣間見せることがある。ちなみに島田はその無表情な顔のせいで、同じクラスの裕子から密かに「能面男」と呼ばれていた。
また、登場時のパラサイトたちは基本的に個人行動していたが、一部のパラサイトたちは田村などを中心に時折集まり、様々なことについて話し合いで方向性を決めるなど徐々に社会的・組織的に活動するようになった。
思考変化、個性
パラサイトの思考や行動は、寄生する宿主の環境や様々な状況から影響を受けて変化し、それが個性となる場合がある。
田宮は脳を奪った当初、宿主の以前の立場をそのまま引き継ぐという珍しいタイプで、その後様々な要因からパラサイトとしての性質・考え方が大きく変化した。
時が経つにつれ、田村のように人間の考え方について勉強しようとしたり、ミギーのように他人のために命を投げ出したりする変化が現れた。また、そうとは知らず「怒り」の感情を抱く草野、あえて普通の人間のように表情を変え欺こうとする三木、さらに田村は宿主の肉体が生んだ子供であるにもかかわらず、人間で言う「母性」を持って、死を覚悟して子供を守っている。
このように感情、もしくはそれに類似する物が発生した個体も存在し、その可能性については未知数なところが多い。後に田村は草野が自身のリンチを決行したことに対し、「徹底して合理的な行動・考え方をするパラサイトは、組織づくりも容易いと思っていたが、見込み違いだった。寄生生物それぞれが個体差――個性を持ったことを喜ばしく思う」と語っている。
名前に無頓着
考え方を表す特徴の一つに「自身の名前に対して無頓着」というものがある。パラサイトたちは「大した意味はないが、便宜上とりあえず名付けた」というような名前のものが多い。そのため作中では、三木を除いたミギーや後藤など多くのパラサイトが「名前なんてどうでもいい」という考えを持っている。
新一がミギーの名前を考えた時に「いらん。私は人間ではないし、ペットでもない」と一度断わっており、ミギーと名付けられた(正確には自ら提案した)後も名前の必要性を感じていない。また、ジョーのように、しばらくは名無しで通しており、それで十分としていた者もいる。加えて高い知性を持つ田宮良子ですらその傾向が見られ、その後、顔と立場を変えて別人になったが名前に無頓着なため元の名前に似た「田村玲子」に改名した。
三木はミギーと同じく『右腕→みぎ』という意味から、後藤は、「五体の統率者→五頭(当初は『五人』と表現されていた)」から、どちらもかなりいい加減で安直なイメージから名付けられている。ちなみに三木は、この名づけ方に不満がある様子で、ミギーと会った後に「ほんとにみんな呼び名に工夫がないな」と気持ちを漏らしている。

身体的性質[編集]

身体的な特徴として、パラサイトは基本的に物を考える「寄生部分」と、元の人間や生物の肉体である「宿主」に分かれる。

寄生部分の役割
パラサイトは人間の脳を奪うと首から上と同化して全身を操り、顔は同じでも元の宿主とは全く別の人格となる。寄生部分である表面を含めた頭部全体が「脳細胞」の状態となり、脳・眼・触手・口などの役割を兼ねる。
一見すると一般の人間と同じだが、頭部は自由に変形しゴムのように伸縮したり、鋼鉄のように強くすることができる。刃物の形状で攻撃する際には鉄をも切断するほど強力であり、重いものを持ち上げる腕力と動きの素早さも尋常でなく、一般人の動体視力ではその動きを捉えることすら不可能に等しい。
これらの要素を総合し、作中では学者の由井がパラサイト細胞体のことを、わかりやすい例えとして「考える筋肉」と表現している。
頭部やその他の特徴
寄生体は、体のどの部分を攻撃されてもほとんど痛みを感じないような描写が見て取れる。ただし、痛みを感じにくいだけであって、自身が受けたダメージが命の危険が及ぶかどうかについては気づく。ちなみに、Aは痛みに弱い人間や動物を「痛がり屋」と表現して蔑視している。
加えて頭部を切りつけられても容易に再結合でき、生命や思考力に危険は無く、再度血液の循環する人体内などへ入り込めば生命を維持できる。ただし、あくまでも「寄生生物」に過ぎず、宿主の内臓や消化器官を借りて生きているため、主要な内臓の機能が失われれば死んでしまう。同じく頭部が肉体から切り離されると、その体を維持できず、死ぬ直前の形態のまま急速にミイラ化して死ぬ。
身体能力を引き出す
寄生体は、宿主の体を身体能力の限界に近い状態で長期間稼働させることが可能である。作中の学者、由井によると「全身の司令塔の役割を150%も果たしきる能力を持っている」と解説している。作中での島田は体育の授業で優れた身体能力を活かしてスーパープレイを披露している。ただし、Aのようにコンクリートを素手で殴って腕が折れるなど、寄生部分以外の限界はあくまでも人間のままである。
また、学習能力も高く、特に言語は基本的に1 - 数日あれば一つの言語をほぼマスターできる。
弱点
先述のとおりパラサイトには様々な性質・特別な能力があり、少々の攻撃では防御されたり、ダメージとして感じないなどほぼ影響がない。パラサイトを殺害するには寄生部位ではなく、弱点である宿主の肉体への攻撃が不可欠だが、常人が武器なしで彼らと戦うことは自殺行為に近い。有効な攻撃方法としてショットガンにより大粒の弾を心臓へ撃ち込む面的破壊が考案され、人類はこれで多くの個体を葬った。
また、物理的な攻撃には極端に強靭な一方で、毒物劇物を浴びたり体内に取り込まされる、火をつけられるなどの「性質そのものを変化させられる攻撃」には耐性が低く、不覚を取ることが多い。

一般的生態[編集]

コミュニケーション方法
パラサイト自ら人間に寄生して脳に成り代わるため言語等は引き継がれず、寄生後にそれぞれが独自の方法、周囲の状況に応じて学習することになる。基本的には言語による会話、文字、その他、人間が持ち得るあらゆる通信手段を行使可能である。
コミュニケーションにおける最大の特徴として独自の通信手段を持っており、微弱ながら特殊な脳波のようなものを常に発信、及び受信することで、付近にいる同種の存在をお互いに感知することができるとされる。受信の有効半径は約300メートルだが、発信元の個体の判別についてはパラサイト同士でも難しい。ただし、予め発信パターンを仲間内で決めておけばモールス信号のように簡単な通信手段として使うこともできる。なお、パラサイト同士で一番強く感じる信号は「殺意」とされている。
この脳波は通常の人間では受信できない。なお、作中の人間では加奈だけが微弱ながら感じ取り、さらにその加奈からも信号を発信できるかのような描写がなされた。
食事
一般的なパラサイトは、本能により宿主と同種の生物(人間なら人間、犬なら犬)を主食としている。前述の通り消化器を含めた内臓は宿主のものを流用しているため、その生物の本来の食事だけでも(共食いをしなくても)生きていくことはでき、田村はそれを実証した。「人間を食い殺せ」という最初の本能があるにもかかわらず、人間を捕食しなくても生きていけることは、田村にとって自己実存の疑念となった。
また、アルコール等を摂取すると通常の人間同様に酔っぱらい、人間の顔に戻したつもりが知らず知らずのうちに顔が歪んでしまう。他にもタバコや麻薬、その他薬物など「有害物質」を含んだ人間の肉は好まない。
パラサイトが出現し始めた頃は、行き当たりばったりにその場で人間を殺して食べ、食べかす(遺体)を放ったらかしにしていた。その後、一般人に見つかると色々と面倒になることを学習して、ナンパを装うなどして人間に近づき人気のない所で襲って食し、食べかすも処分するようになった。
一部のパラサイトたちは、広川剛志を中心としたグループを結成し、人間を食す場所を「食堂」と名づけて、基本的に街中に指定されたいくつかの場所で「食事」するというルールを作った。このため、表向きは「ミンチ殺人事件」が減ったように見えたが、その代わり行方不明者数が増えることになる。広川グループはその後崩壊し、それ以外にパラサイトがグループを結成している様子は無い。また、共食いをやめて普通の人間と同じ食事に移行したパラサイトもいた。
生殖活動・寿命
寄生生物には生殖能力が無く、新しい世代を作れない。寄生体の男女が宿主部分同士で性交を行っても、生み出されるのは、通常の宿主と同種の子供である。
パラサイトの寿命は不明だが、新一が初めて会った、人間に寄生したパラサイトは「我々(自身とミギー)が管理するこの肉体なら140年は生きられるだろう」と語り、ミギーを自分の肉体に誘ったことがある。

寄生部位の分離・合体[編集]

分離・分裂
前述の通り、母体から離れたパラサイトは死んでしまうが、一時的であれば母体から離れた状態でも活動することはできる。訓練によって自らの力で母体から離れて動いたり、複数に分裂・思考することができるようにもなる。ただし、分裂体が小さくなるほど知能が落ちていき、ついには元に戻れず、その細胞は干からびて死んでしまう。ミギーの場合、分裂前に「元の通り1つに戻る」などと簡単な意思統一(合言葉)をすることで元の状態に戻っている。
ちなみに、ミギーは細胞を作り出すことは不可能であった[注釈 21]。なお新一の場合、ミギーの細胞が体中に散らばり取り込まれた際、身体能力が飛躍的に向上し、精神面にも影響があったような描写がなされている。詳細は後述
寄生部分の他者への移動・合体
同じ部位同士の移動
寄生した肉体が致命傷を負った時には手近な他の人間の頭部を斬り落とし、相手の頭部へ移動してつながりその肉体を奪うケースがある。ただし、性別の異なる体へ移動した場合は、生殖器[注釈 22]を操る方法が分からず尿を漏らすなど、更に拒否反応が起こる。
パラサイトによると脳ほど複雑でない「腕から腕」などへの移動は簡単にできるとのこと。ただし、ミギーが別のパラサイトから自分の右腕に移動(つまり合体)してくるよう誘われた時に「肉体の移動に確信が持てない」との理由で断っている。
別の部位への移動
初めに同化した部位よりも複雑な構造の部位(例えば「右手」から「頭部」)への移動は「操り方が分からない」という理由で不可能だが、「頭」から「手」や「足」などの逆パターンは安易。
合体
複数のパラサイトが同居する寄生体は、1体のみが寄生するものに比べ、より強力になり、前述の通り長寿も得られるという。
パラサイトの見分け方
パラサイトは頭部に寄生すると、髪の毛などの頭部の毛1本1本に至るまでパラサイトの細胞となる。前述の通り、細かい細胞のため髪の毛に意思はないものの、体から離れると戻ることはできないが、生きようとしばらくもがく。劇中ではこの性質を利用して、髪の毛(頭部であれば眉毛でもいい)を引き抜いて「毛がもがけばパラサイト」というように人間とパラサイトを判別するという方法が考え出された。その方法は警察などの一部事情を知る政府関係者によって「噂」として流され、一般市民の間で流行した[注釈 23]
特殊な例として[注釈 24]、上記の方法を使うことなく見分けられる人間もいる。浦上は「人間」と「人間以外の何か」を判別できており、後に人間以外の何か=パラサイトであることを知り、警察に協力させられた。また、加奈は人間の集団の中に「運命の赤い糸」を感じる者がいたが、それがパラサイトだとは気づいていなかった。
人間以外の動物では、ライオンが「A」と対峙した際、本能的に「自分より強いもの」としてイメージし、怯えている[注釈 25]

寄生失敗[編集]

本来この生物は、本能的に「人間の体内に潜り込んで脳を奪って寄生すること」が目的だが、様々な理由から「寄生失敗」となることがある。

  • 人間以外の生物に間違って寄生したパターン……作中ではイヌに寄生したものが登場している。
    • このタイプでは、「同種の生き物を捕食する(共食い)」の本能は受け継がれているため、寄生した生き物(犬なら犬)を食べる。
    • 知能や戦闘能力は人間型に比べかなり劣っていたが、人語を理解しつつ拙いながらも言葉を発する。また、身軽さを活かして若干強引ではあるが、寄生部分である頭部を翼に変えて飛行するなど本来のイヌの能力を上回っていることには変わりない。
  • 侵入時のなんらかのアクシデントによって頭以外の部位に寄生(周辺組織と同化することもある)したパターン……ミギーやジョーがこのタイプである。
    • このタイプは、脳を「食べた」パラサイトと違い「宿主となった種を捕食する」という本能が目覚めないという大きな違いがある。彼らは寄生部位に宿主とは独立した意思を持ち、目や口などの器官もあるため宿主と会話できるのが特徴。
    • 他のパラサイトが「寄生した脳」が変形するのと同様、寄生した部位(ミギーなら右腕)が自由自在に変形することができる。戦闘時は、ミギーは新一と会話をしながら2人で作戦を練って、協力して攻撃と防御を織りまぜながら戦う。しかし、宇田の場合は寄生部位が「口から胸のあたり」ということで変形すると会話はできず、鼻だけで呼吸するので息苦しくなる。
    • 食事に関して、同種の生き物を共食いするという本能がないため、人間から養分をもらっており、そもそも食欲というものがない。ミギーの場合は食事の味は全く関係なく、むしろ栄養バランスを気にかけていた。また、普通よりも栄養分が必要になるためか、新一は寄生されて以降、食欲が旺盛になった。
    • 脳に寄生したタイプと遭遇した場合、「危険な存在」と認識され、抹殺される危険性が高い。さらに新一は上記の犬に寄生したタイプからも攻撃されている。

新一とミギーの変化[編集]

新一は物語の途中で母の体を乗っ取ったパラサイトに胸部を貫かれ、心臓への直撃により客観的には「即死」[35]と形容されるようなダメージを受ける。しかし脳死に至る前にミギーが新一の体内に潜り込んで一時的に心臓と一体化し[36]、蘇生を行いながら損傷を修復したことにより一命を取り留めた。しかし、その際、ミギーの体組織が心臓から拡散し、全身に混ざったことで影響(副作用)が起きている。

新一の変化
肉体面
世界記録をあっさり更新できるほどの俊足・助走なしで数メートルの壁を跳び越える跳躍力・片手で大人一人を放り投げてコンクリート壁を崩すほどの怪力・人ひとりを抱えたまま数メートル下へ飛び降りて爪先で着地しても平気な強靭な足腰・異様な動体視力や聴力など、常人離れした身体能力と五感を身につけた。その能力はミギーが眠っていても独力でパラサイトに対抗できるほどだが、更にミギーが防御・新一が攻撃を行う「分業」という作戦により、並の個体では歯が立たない戦闘能力を得た。
精神面
パラサイトのような感情鈍磨や、異常なほどの感情の切り替えの早さが生じる結果となり、感情を揺さぶられても涙を流すことができなくなった[注釈 26]。精神的な動揺から即座に立ち直ることができる強みを得た反面、こうした変化は家族や友人たちを困惑させ、新一自身もこの変化に苦悩するようになる。この原因を、ミギーは新一が生物として強くなった影響であると推測したのに対し[33]、新一はミギーの一部が自分の心に混じった結果であると考え[32]、気がつかないうちに脳まで乗っ取られているのではないかという不安を抱くが[20]、その一方で里美は新一が人知れず抱える苦悩が大きすぎるためにそのような精神状態になったのだと察する[10]。劇中では、どの推測が正しかったのかという明確な結論は出されないが、新一は後に田村玲子(田宮良子)の最期に立ち会うことで精神の安定を取り戻す。
ミギーの変化
治療を行った際、パラサイトとしての性質に突然変異をきたし、一日のうち連続して4時間程度、不定期に同属を察知する能力さえ働かない「完全な眠り」に陥るようになった(眠る前に形質を変化させておけば、眠っている最中も維持される)。この間は、普段よりさらに発信する「信号」が弱くなる。同時に新一の全身に散らばった全体の1/3にあたる寄生細胞が回収不能なため、腕の付け根まであった寄生部分が肘の上あたりまでとなった。

評価[編集]

早稲田大学教授・文芸評論家の加藤典洋は「文学を含め、戦後のベストテンに入る」としている。また「進路選択に迷ったとき、あるいは大学の授業がつまらないと感じたとき、異性にふられて悲しいときに読んでみることを薦める」としている[38]

評論家哲学者鶴見俊輔はこの作品を「人生、2度目の衝撃でした」[5]、「生涯に読んだもっともおもしろい本のひとつ」と評しており、夕食後読み始めて全巻を読了したときには夜が明けていたという[39]竹田青嗣も当作品を薦められた際に徹夜したが、その結果喀血し、結核の疑いで約1か月病臥した。

心理学研究家の山竹伸二は書評“親殺しの文学”において「誰かが救うのではなく、自分自身で救う」という、外側からの救出ではない内側からの自己救出の物語として、村上春樹の『海辺のカフカ』と共に『寄生獣』を挙げている[40]

福本伸行はお勧めの漫画のベスト3を挙げるよう求められた時、その中の一つに挙げている。[41]

受賞[編集]

書誌情報[編集]

単行本[編集]

完全版[編集]

完全版では連載当時のカラー原稿がカラーページとして収録されている[5]

新装版[編集]

表紙を変更した新装版が発売されている。ISBNがアフタヌーンKC版と異なる。完全版と異なりカラーページはない。

文庫版[編集]

2003年の『寄生獣(完全版)』に準じた内容を文庫サイズに縮小して発売された[44]。完全版と異なりカラーページはない。

電子書籍[編集]

本作の電子書籍版は、アフタヌーンKC版の単行本に準じた内容の通常版のほかに、連載当時にはモノクロであったページにも彩色を施した全10巻の『寄生獣 フルカラー版』が、2014年2月21日から2014年5月9日[48]にかけて発売されている。

他言語版[編集]

2013年10月現在、以下の6か国語に翻訳されている。

中国語版(『寄生獸』)
台湾の東立出版から1998年9月に全10巻で刊行された。
イタリア語版(『Kiseiju: L'Ospite indesiderato』)
1998年10月にPhoenix Enterprise が刊行を始めて、第4巻から第8巻(完結)まではMagic Press が刊行した。
英語版(『Parasyte』)
Mixx (Tokyopop) 版は1999年から2002年にかけて全12巻で刊行された。Mixx 版では左開きに対応させるため、原作の左右を反転させており、「ミギー」の名前も「Lefty」(左利き、左派)と改められている。また新一は「Shin」、田村玲子は「Tamara Rockford」となっている。
Del Rey 版は2007年から2009年にかけて全8巻で刊行された。右開きに戻され、翻訳と登場人物の名前も原文に忠実に改められた。
Kodansha America 版は2011年から2012年にかけて全8巻で刊行された。
フランス語版(『Parasite』)
Glénat 社から全10巻で2002年11月から2004年8月にかけて刊行された。
韓国語版(『기생수』)
鶴山文化社から全8巻で2003年に刊行された。
タイ語版(『ปรสิต』)
Siam Inter Comics から全8巻で2011年に刊行された。

テレビアニメ[編集]

寄生獣 セイの格率』(きせいじゅう セイのかくりつ)のタイトルで、2014年10月8日より日本テレビほかで放送中。全24話予定[49]

テレビアニメ化の発表は、同年の実写映画版の発表と同時に行われた[2]。テレビアニメ化が発表された2013年頃における映画・放送業界では、実写映画とテレビアニメの企画を同時進行させることが多く行われており、本作の同時映像化もその流れに沿ったものである[2]

原作漫画が連載当時の1980年代末から1990年代初頭を舞台としており、不良生徒の描かれ方などに当時の時代性を感じさせる描写がされていたのに対し[3]、テレビアニメ版では物語の舞台が21世紀に変更されており[49][3]、インターネットやスマートフォンの普及など、テレビアニメ版の放送開始時点における世相を反映させた日常風景が描写されている[3]

登場人物(アニメ)[編集]

多くの登場人物の外見は、原作者である岩明の了承を受けた上で原作漫画から変更されている[50]。放送前にキャラクターデザインが発表された際には原作読者の間で賛否両論を起こしたものの[3]、本編の内容は原作の台詞や伏線を忠実に拾ったものとなっている[3]。テレビアニメ版のキャラクターデザインを務めた平松禎史は自身の個人ブログで、原作における普遍的な部分は連載開始から26年が経過した現在においても変わっていないことを視聴者に見せるためにも、物語の舞台となる時代は置き換えつつ、変更は表層的な部分のみに留めるようにするという意識が制作スタッフの間で共有されていたとしている[51]

泉 新一
- 島﨑信長
主人公。テレビアニメ版では容姿にアレンジが施され、目鼻立ちは原作に沿った容姿となっているものの[50]、登場当初は眼鏡をかけており原作とは印象を異にする姿で描かれている[50][3]。しかしこの眼鏡は新一の変化や成長を表現するための小道具であり[50]、第6話でミギーとの融合が進んでからは眼鏡を外すようになり[注釈 27]、さらに第7話で母親の仇との決着がつき復讐を終えた後には、原作同様に髪型をオールバックにして登場する。オープニング映像では第1話の時点から後者の姿も描かれている。
物語開始時の年齢には差異があり、原作では物語序盤で母親をパラサイトに殺害された時点では高校2年生で[7]、後に3年生へ進級した描写がされているが、テレビアニメ版ではその時点で高校3年生となっている[53]
ミギー
声 - 平野綾、moving effect - Rinka
新一の右手に寄生したパラサイト。原作のミギーは、新一の協力で図書館から借りた本で知識を得ていたのに対し、テレビアニメ版では時代設定の変更を反映し、タッチパネル式スマートフォンやデスクトップパソコンを用いて、インターネットからも知識を得るという描写に変更されている[3]。ミギー役の声を演じた平野綾によれば、第6話で新一との融合が進んでからの演技をそれ以前と演じ分けているといい、それ以前は独り言のような調子で喋っていたものが、若干ながら人間らしい会話をするように変化したとされる[54]。ミギーが動くときの効果音はヒューマンビートボクサーのRinkaが担当している[55]
村野 里美
声 - 花澤香菜
ヒロイン。テレビアニメ版では容姿が変更され、前髪を髪留めでまとめて額を出したポンパドゥールの髪型になっている。
君嶋 加奈(きみしま かな)
声 - 沢城みゆき
隣町の高校の不良少女。原作では「スケ番」[16]と形容されるような昭和の不良少女として描かれていたが、テレビアニメ版では容姿にアレンジが施され、また「君嶋」という姓が設定されている。
立川 裕子(たちかわ ゆうこ)
声 - 安野希世乃
原作では物語中盤において島田秀雄の同級生[注釈 28]として合計3話のみ登場する人物であったが、テレビアニメ版では第1話からレギュラーキャラクターとして登場している。容姿や、美術部員で兄が警察官などの設定は原作を踏襲しつつも、「立川」という姓の、新一の同級生という設定に変更されている。里美の幼馴染でもあり[57]、新一と里美の間柄を取り持とうとする。
鈴木 アキホ(すずき アキホ)
声 - 前田玲奈
新一の同級生。テレビアニメ版のオリジナルキャラクター[57][50]。明るい性格で[50]、そばかすのあるポニーテールの女子高校生。新一に密かな想いを寄せているが、彼には気づかれていない。
田宮 良子
声 - 田中敦子
高校教師として赴任してきたパラサイト。第4話に登場した田宮良子の母親の声は藤生聖子が演じている。
浦上
声 - 吉野裕行
人間の殺人鬼。テレビアニメ版では第1話にも登場し、快楽殺人にふける最中、パラサイトの卵のようなものが空から飛来するのを目撃する姿が描かれている。
泉 一之
声 - 相沢まさき
新一の父親。原作に忠実な容姿で描かれている。テレビアニメ版ではタブレット(スレート型PC)で新聞を読み携帯電話を使いこなす人物として描写されているが、第5話ではいずれもパラサイトに襲われて海に落ちた際に水没して破損し[58]、新一に助けを求める際には原作通りに公衆電話を使う描写がされている。
泉 信子
声 - 笹井千恵子
新一の母親。原作とは髪型が異なる。
長井 和輝(ながい かずき)
声 - 浜添伸也
新一の同級生の不良少年。里美に想いを寄せており、彼女と仲の良い新一に喧嘩で決闘を申し込むが、ミギーの反撃を受けて逃げ出す。後にミツオの所属する他校の不良グループに叩きのめされたところを新一に助けられるが、その後、新一が里美を人質に取られてミツオに叩きのめされていた際には、仲間を引き連れて助太刀する。
原作では第4話に、「古谷」という名の同級生が里美に横恋慕して新一に決闘を挑む場面が、原作第10話には「長井」という同姓の同級生[注釈 29]と光夫のエピソードがあり、原作において端役であった複数の生徒の役割を担っている。なおテレビアニメ版には古谷タク(声 - 榎木淳弥)という名の新一の同級生が登場しているが、原作の古谷とは容姿も役回りも異なっている。
B
声 - 奈良徹
第2話に登場。テレビアニメ版では、新一が初めて遭遇することになる人間に寄生したパラサイトに、「B」という名前が設定されている[59][注釈 30]。ただし劇中でそのように呼ばれることはなく、由来も不明[注釈 31]。容姿は大きく変更されているが役回りや台詞は原作と同様。
A
声 - 保村真
第2話から第4話にかけて登場。田宮良子の仲間のパラサイト。テレビアニメ版第2話では、原作第3話冒頭に登場したサラリーマン風の外見をしたパラサイト(声 - 相沢まさき)も「A」であったとされている[注釈 32]。第4話では、田宮良子に誘い出されて最期を遂げる経緯が具体的に描かれている。
ミツオ
声 - KENN
隣町の高校の不良少年。原作では「光夫」という名前で表記されていた人物だが、テレビアニメ版では漢字ではなくカタカナで役名が表記されている[61][62]。原作では大柄な昭和の不良風であった外見が変更され、痩せていてニット帽を被った茶髪の若者という容姿に変更されている。
真樹子[注釈 33]
声 - 芹澤優
第6話から第7話にかけて登場。新一が旅先で出会う少女。乗り合わせた船の中で出会い民宿で再会し、その後新一が劇中で初めて超人的な身体能力を発揮する場面に立ち会うという骨子は原作に準じているが、テレビアニメ版では新一と出会う経緯や、家族の描写が削られている。着ているセーラー服は、原作では夏服だがテレビアニメ版では冬服。
宇田 守
声 - 鈴木琢磨
パラサイトに寄生されながらも脳が残っている人物。概ね原作に準じた描写がされている。原作では斜線で表現されていた頬の赤みの表現は、赤丸ほっぺとして表現されている[注釈 34]。原作では公衆電話や、パラサイト同士の信号を用いて新一と連絡を取り合う描写がされていたが、テレビアニメ版では折り畳み式の携帯電話(フィーチャー・フォン)を所持している。
ジョー[注釈 35]
声 - 村瀬歩
宇田の下顎に寄生しているパラサイト。原作のカラーページ[63]においては瞳の色は黒茶であったが、テレビアニメ版では鮮やかな緑色となっている。
島田 秀雄
声 - 石田彰
広川 剛志
声 - 水島裕
パラサイト犬
声 - Velo武田
第1話に登場。新一が初めて遭遇したパラサイト。原作では単に「イヌ」と呼ばれていたが、テレビアニメ版では「パラサイト犬」という役名が設定されている[64][注釈 36]。原作では首輪をつけていない中型犬として描かれていたが、テレビアニメ版では外見が変更され、ドッグウェアを着せられた小型犬として描かれている。役回りや台詞は原作を踏襲している。

スタッフ(アニメ)[編集]

アニメスタッフの情報は、日本テレビ公式サイト『寄生獣』に基づく。

  • 原作 - 岩明均(講談社アフタヌーン」所載)
  • 企画 - 田村徹、田村学、成島誉
  • 監督 - 清水健一
  • 監督補佐 - 山城智恵
  • シリーズ構成 - 米村正二
  • キャラクターデザイン - 平松禎史
  • サブキャラクターデザイン・総作画監督 - 小丸敏之
  • プロップデザイン - 垪和等
  • アニメーションディレクター - 垪和等、菅野芳弘、Yang Byung-Gil、水谷正之
  • 美術監督 - 赤井文尚
  • 色彩設計 - 橋本賢
  • 撮影監督 - 伏原あかね
  • CG監督 - 福士直也
  • 編集 - 木村佳史子
  • 音響監督 - 山田知明
  • 音楽 - Ken Arai
  • 音楽プロデューサー - 千石一成
  • プロデューサー - 中谷敏夫、稲毛弘之、桐本篤、大島由香、塩入聡太、深田大介
  • アニメーションプロデューサー - 林雅紀
  • アソシエイトプロデューサー - 篠原昭、服部優太、林加都恵
  • アニメーション制作 - マッドハウス
  • 製作 - 日本テレビ、バップ、フォアキャスト・コミュニケーションズ

主題歌[編集]

オープニングテーマ「Let Me Hear」
歌 - Fear, and loathing in Las Vegas
エンディングテーマ「IT'S THE RIGHT TIME」
歌 - 三浦大知

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
stage:1 変身 米村正二 清水健一 山城智恵 平松禎史
stage:2 肉体の悪魔 葛谷直行 吉田徹、垪和等
stage:3 饗宴 藤田伸三 澤井幸次 嶋謙一
stage:4 みだれ髪 米村正二 佐藤雄三 石田暢 芦谷耕平
stage:5 異邦人 高橋亨 又野弘道 山崎展義
stage:6 日はまた昇る 青山弘 山城智恵 櫻井邦彦
stage:7 暗夜行路 藤田伸三 細川ヒデキ 稲葉友紀 Kim Bong Duck
さゆみれい、原田理恵

放送局[編集]

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間[65]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域・備考 [66]
2014年10月9日 - 木曜 1:29 - 1:59(水曜深夜) 日本テレビ 関東広域圏 / 製作局
2014年10月18日 - 土曜 1:55 - 2:25(金曜深夜) 鹿児島読売テレビ 鹿児島県
土曜 2:00 - 2:30(金曜深夜) 札幌テレビ 北海道
土曜 2:25 - 2:55(金曜深夜) ミヤギテレビ 宮城県
2014年10月21日 - 火曜 1:59 - 2:29(月曜深夜) 福岡放送 福岡県
2014年10月22日 - 水曜 2:30 - 3:00(火曜深夜) BS日テレ 日本全域
2014年10月23日 - 木曜 2:04 - 2:34(水曜深夜) 静岡第一テレビ 静岡県
2014年10月24日 - 金曜 2:14 - 2:44(木曜深夜) テレビ信州 長野県
2014年10月25日 - 土曜 2:55 - 3:25(金曜深夜) 南海放送 愛媛県
2014年11月2日 - 日曜 2:05 - 2:35(土曜深夜) 福島中央テレビ 福島県
2014年11月4日 - 火曜 3:12 - 3:42(月曜深夜) 読売テレビ 近畿広域圏 / 『MANPA』 第3部
2014年11月6日 - 木曜 1:59 - 2:29(水曜深夜) 広島テレビ 広島県
2014年11月23日 - 日曜 1:39 - 2:09(土曜深夜) 長崎国際テレビ 長崎県
2014年12月8日 - 月曜 1:20 - 1:50(日曜深夜) テレビ大分 大分県
日本国内 インターネット放送 / 放送期間および放送時間[67]
放送期間 放送時間 放送局 備考
2014年10月9日 - 木曜 0:00(水曜深夜) 更新 日テレオンデマンド
Hulu
木曜 23:00 - 23:30 ニコニコ生放送
木曜 23:30 更新 ニコニコチャンネル 第2話以降無料期間なし
2014年10月10日 - 金曜 0:00(木曜深夜) 更新 GyaO!
金曜 12:00 更新 バンダイチャンネル
dアニメストア 見放題サービス利用者は全話見放題

映画[編集]

寄生獣
監督 山崎貴
脚本 古沢良太、山崎貴
原作 岩明均
音楽 佐藤直紀
主題歌 BUMP OF CHICKEN「パレード」
撮影 阿藤正一
製作会社 映画「寄生獣」製作委員会
配給 東宝
公開 日本の旗
PART1:2014年10月30日東京国際映画祭
PART1:2014年11月29日
完結編:2015年4月25日
製作国 日本の旗 日本
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前後編の二部作による日本映画として2014年11月29日にPART1、2015年4月25日に完結編を公開予定[1]。監督は山崎貴、脚本を山崎貴と古沢良太が共同で手がけ、染谷将太深津絵里橋本愛らが出演。

この日本映画版から遡ること約10年前の2005年にはアメリカの配給会社であるニュー・ライン・シネマが原作の排他的な映像化権を獲得し[1][2]、ハリウッド映画化が発表されていたものの[2][68]、結局この時はその後の続報がないまま[68]企画が休止となり[2][注釈 37]、映画としては制作されずに2013年に入って映画化権の契約期間が終了している[1][2]。しかし原作漫画の人気は根強く[2]、以前から映像化の機会をうかがっていた日本国内の数十社によって争奪戦が繰り広げられ、最終的に東宝が映画化権を取得した[1][2]2013年11月20日には日本での実写映画化およびテレビアニメ化が同時に正式発表され、実写映画版のスタッフ・主要キャストが公開された。

キャスト(映画)[編集]

スタッフ(映画)[編集]

ムービーコミック[編集]

原作漫画にセリフ・サウンドを加えたもの。2014年11月20日よりNTTドコモの動画配信サービス「dビデオ powered by BeeTV」にて配信予定[69]。毎週月曜日更新。全20話予定。なお主題歌はテレビアニメ版のエンディングテーマ「IT’S THE RIGHT TIME」を使用する。

キャスト(ムービーコミック)[編集]

スタッフ(ムービーコミック)[編集]

  • 原作 - 岩明均(講談社刊)
  • 演出 - 石川孝樹
  • プロデューサー - 内部健太郎、龍貴大、須藤洋子
  • 制作 - THE EINS
  • 製作 - BeeTV

関連書籍[編集]

  • リチャード・ドーキンス利己的な遺伝子』(紀伊國屋書店、1991年) ISBN 4314005564
    • 『寄生獣』作品中、田村玲子が大学で学ぶ講義で言及される他、中盤以降の背景に置かれている。
  • パラサイト博物誌編集部『寄生獣の秘密』(データハウス、1994年) ISBN 9784887182363
    • 『寄生獣』をテーマとした研究本
  • ぱふ』1995年3月号
    • 著者インタビュー
  • 佐倉統『生命をめぐる冒険 進化・ミーム・コンピュータ』(河出書房新社、1998年) ISBN 4309250955
    • 『寄生獣』論から人工生命や情報などのテーマを説き起こした論考。
  • 熊田一雄『“男らしさ”という病? ポップ・カルチャーの新・男性学』(風媒社、2005年) ISBN 4833110679
    • 『寄生獣』が読者に強烈な衝撃を与える背景を社会学的に考察した論考が収録されている。
  • 青土社『現代思想』2006年12月号 ISBN 4791711572
    • 杉田俊介「自立と倫理・カントとともにある『寄生獣』、『寄生獣』によるカント」 p152 - p170

フィギュア[編集]

月刊アフタヌーン2003年5月号では、ミギーのフィギュアが付録化された。その後、月刊アフタヌーンでは2014年の映画公開に合わせ、2014年12月号(2014年10月25日発売)にて再びフィギュアの付録を予告していたが、フィギュアの一部に不具合があったため、直前になって本誌の発売そのものが中止。本誌自体は10月30日に付録抜きで発売されたが、フィギュアはお蔵入りとなった。

2014年にはタカラトミーアーツより、ミギーのソフトビニール製のフィギュアやぬいぐるみが発売されている[70]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 初登場時は高校2年生で16歳[7]。物語終盤では高校を卒業し[8]、クライマックスから1年後となる最終2話では大学合格を目指して浪人生をしている。
  2. ^ その際にも逆上した新一に反撃されて叩きのめされている。
  3. ^ その他、倉森の復讐行動は田村の母性本能を自覚させる契機となっている。
  4. ^ 感覚的なものではなく、視覚的にも別の存在として捉えられるようで、後藤を目の当たりにした際には「あれが人間に見えたのか」と言っている。さらに、新一とミギーが「混ざっている」事をも見分けている。加奈のように信号を送受するような力ではないため、パラサイトから狙われることは無い。
  5. ^ 劇中では警察官や自衛官から「殺人犯」[23][24][25]「殺人鬼」[26]と呼ばれており、浦上自身も自分のことを「死刑は決まってた」[27]「吊るされる」[28]と述べている。ただし既に死刑判決が確定している死刑囚なのか、言い逃れが困難な状況に置かれている被疑者(容疑者)であるのかは、劇中では明言されていない。
  6. ^ その後の容態は不明。
  7. ^ SAUSY(生意気な、正確な綴りはSAUCY[独自研究?])と書かれたTシャツを着ている。
  8. ^ 同僚の教師達からそれについて追及を受けた為で、人間の倫理観までは理解していなかった。
  9. ^ ミギーによれば、通常一匹のパラサイトの攻撃は防御との兼ね合いや、自分の触手との空中衝突を防ぐため、パターンが決まっているが、彼女の場合は少なくとも2パターン以上を持っているとのこと。また、頭部の上半分を意識的に本体から分離して敵パラサイトの体内に侵入させ、相手の体の制御を奪うなどといった攻撃手段を用いたこともある。
  10. ^ 講義のテーマは「動物の利他行動とその疑問点」
  11. ^ ただし後藤の台詞でそのように説明されているものの、具体的な経緯がどのようなものであったのかという描写はされていない。
  12. ^ 作品タイトルになっている「寄生獣」の語が作中で使われたのは、広川が人間を指して「寄生獣」と呼んだ、この1件のみである。
  13. ^ 田村玲子がどのようにして作成したかは描かれていない。
  14. ^ 統率が完全では無い「三木」について、ミギーは「3体のパラサイト」と感じた事がある。なお後藤と新一が初めて目を合わせた広川の選挙演説の時、広川と後藤、および草野を含めた壇上の選挙スタッフたちを見てミギーは6体のパラサイトがいると判別していた[32]。新一は壇上にいた6人全員がパラサイトであると誤認するが、後に少なくとも広川が人間であることが明かされる。
  15. ^ この時、新一にとどめを促されたミギーは「一度は肉体を共有した同種を殺すのは人間で言う殺人と同じだ」として、手を下すのを止めている。新一も長い逡巡の後、一度は手を下さない決意をして立ち去るが、ミギーとの会話を経て考えを改め、泣きながら謝罪しつつも自分が手を汚すことを決断する。
  16. ^ 劇中ではミギーから「育った環境のせいもあるだろうが不勉強なヤツ」と指摘されている。
  17. ^ テレビアニメ版『セイの格率』では「B」という名前が設定されている。詳細はテレビアニメ版の節を参照。
  18. ^ 本編では1度きりの出番のキャラクターだが、アフタヌーンKC版単行本の第1巻では表紙に大きく描かれて登場している。
  19. ^ 作中では、世界中でパラサイトによると思われる殺人事件が頻発していることは言及されたが、日本以外の国の状況は描写されていない。日本政府がアメリカに問い合わせた結果、はぐらかしの回答しか得られていない事だけが描写されている。
  20. ^ その描写と後述の「形状」から宇宙からの飛来物であると解釈した読者が多かった[34]
  21. ^ 死ぬなどして失われた細胞は成長などで補えるのか、それとも失ったまま新たに増える事は無いのかは不明。
  22. ^ と作中で書かれているが、実際は泌尿器。作中においてパラサイトが生殖器をその目的で扱った例は、Aと田宮良子のみ。
  23. ^ 人間とパラサイトの判別法を政府関係者が世間に流布したのは、パラサイトであると疑われた人間が不利益を被り、ついに自殺者が出るという事態に発展したからである。一般市民レベルにおいては、あくまでパラサイトと疑われた人間の無実を証明する事が目的である。実際にもパラサイトの数は人間に比べれば非常に少なく、そのような判別法で実際にパラサイトが見つかる例は少ない。そのため真剣な選別というより、単なる遊びやコミュニケーションの一種となっている。もっとも本当にパラサイトが見つかった場合、対抗手段の無い一般人はほぼ間違いなく殺される事となる。なお政府関係者の間でこの判別法が行われた際には、対抗手段として小銃が用意された。
  24. ^ 本能的か後天的かは不明。
  25. ^ しかし、野生で捕獲されてから動物園で飼育されていたため本能を信じられず、襲い掛かったところに返り討ちに遭った。
  26. ^ 目に埃が入ったときには普通に涙が流れるため、新一は涙を流すことができないのは心の問題だと推測している[37]
  27. ^ 第5話のラストシーンで心臓を貫かれて瀕死の重傷を負ったところをミギーに救われ、第6話で蘇生して意識を回復した直後に、一度は眼鏡をかけ直すものの視力が変化しており、眼鏡をかけると視界がぼやけ、裸眼ではくっきり見えることに気がつくという描写がされている。なお原作においてもミギーとの融合が進んだ後の新一は視力が向上したという言及があり、300メートル先の群衆の中から個人の体格や服装を正確に把握できると説明されている[52]
  28. ^ 原作における「島田秀雄」の学級は、新一の学級より1学年上であると言及されている[56]
  29. ^ テレビアニメ版では「和輝」という名が設定されているが、原作では姓のみしか明かされていない。
  30. ^ ただしテレビアニメ第2話のエンディングクレジットの役名では、単に「パラサイト」と表記されている。
  31. ^ なお原作においては、島田秀雄が「A」と対比され、殺人鬼「B」と呼ばれる場面がある[60]
  32. ^ テレビアニメ版第2話では、3人の男と1人のOLを惨殺した後、容姿を「A」の顔に変更する様子が描かれており、エンディングクレジットではサラリーマン「A」という役名で表記されている。
  33. ^ 原作では学校の教師から「早瀬」と呼びかけられる場面があり姓が明らかにされていたが、テレビアニメ版にはその場面がない。またエンディングクレジットや公式サイトでも姓が明かされておらず、名のみが表記されている。
  34. ^ ただし寄生される前は普通の頬となっている。
  35. ^ 「ジョー」と命名される前のエピソードであるテレビアニメ第7話では、エンディングクレジットで「宇田のパラサイト」と役名表記された。
  36. ^ ただし劇中でそのように呼ばれる場面はない。
  37. ^ ただし、このように映像化権の獲得を経て映画化が発表されながらも、企画段階のまま立ち消えとなってしまうことは、ハリウッド映画ではよくあることである[2]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 伝説の漫画「寄生獣」を山崎貴監督が2部作で映画化!染谷将太×深津絵里が参戦”. 映画.com (2013年11月20日). 2013年11月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l “「寄生獣」実写映画化、TVアニメ化発表 映画化権を東宝が獲得 ”. アニメ!アニメ!ビズ (イード). (2013年11月24日). http://www.animeanime.biz/archives/18908 2014年11月23日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f g h i j k “テレビ試写室:「寄生獣 セイの格率」 スマホ時代の寄生獣”. 毎日新聞. まんたんウェブ (毎日新聞社). (2014年10月8日). http://mainichi.jp/mantan/news/20141007dyo00m200042000c.html 2014年11月3日閲覧。 
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  5. ^ a b c 本のご紹介 寄生獣〈完全版〉(1)”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2012年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月5日閲覧。
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参考文献[編集]

外部リンク[編集]

日本テレビ 水曜25時29分枠
前番組 番組名 次番組
寄生獣 セイの格率
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