獣兵衛忍風帖

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獣兵衛忍風帖
監督 川尻善昭
脚本 川尻善昭
出演者 山寺宏一
篠原恵美
青野武
音楽 和田薫
主題歌 「誰もが遠くでバラードを聴いている」
唄:山梨鐐平
撮影 山口仁
編集 尾形治敏
伊藤勇喜子
製作会社 日本ビクター
東宝
ムービック
配給 東宝
公開 日本の旗 1993年6月5日
アメリカ合衆国の旗 1995年12月6日
韓国の旗 2000年9月30日
上映時間 92分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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獣兵衛忍風帖』(じゅうべえにんぷうちょう)は、1993年6月5日公開の日本のアニメ映画川尻善昭原作・脚本・演出による時代劇エンターテインメントアニメ作品。

北米において『Ninja Scroll』という題名でビデオ発売され、50万本近い売上を上げた。2012年ブルーレイ化。

2003年には続編となるテレビアニメシリーズ『獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇』が製作、放送された。

獣兵衛忍風帖[編集]

あらすじ[編集]

仕えるべき主をもたぬ「はぐれ忍び」牙神獣兵衛は、望月藩お抱えの甲賀組忍びでくノ一の陽炎を偶然助ける。彼女は、下田村に広まった疫病の原因を解明するために仲間たちと一緒に潜入したところを、謎の忍び軍団・鬼門八人衆に襲われたのだ。仲間はすべて殺され、生き残ったのは彼女のみ。陽炎を助けたために、鬼門八人衆に狙われることになった獣兵衛は、その最中、公儀隠密・濁庵の罠にはめられ、敵の陰謀を探る羽目になる。その中で獣兵衛は、みずからがはぐれ忍びとなった過去の因縁と向き合っていく。

登場人物[編集]

主人公とその仲間[編集]

牙神獣兵衛(きばがみ じゅうべえ)
- 山寺宏一
本編の主人公。金で雇われるはぐれの忍び。たまたま通りがかった望月藩でくノ一・陽炎を助けたことから、鬼門衆との戦いに巻き込まれていく。目にもとまらぬ居合の太刀筋は、かまいたちとなって敵を切り刻む。
かつては山城藩の忍び組の一員だった。藩主の命で私腹を肥やす奸臣たちを始末するが、組頭の氷室弦馬の策で仲間同士で殺しあう羽目になり、弦馬の首を刎ねて出奔。道中、公儀隠密の濁庵に毒を盛られ、百両と毒消しを条件に協力する。さらに戦っている相手・鬼門衆の頭領が弦馬と知り、彼らと戦うことに。くノ一の陽炎をあくまで女として扱い、自分の死期が迫っても陽炎を抱きはしなかった。ついには陽炎の死を看取り、自分の、そして彼女のために弦馬との決戦へ向かう。
陽炎(かげろう)
声 - 篠原恵美
本編のヒロイン。望月藩に仕える甲賀組のくノ一。疫病が流行って全滅したという村へ組が総出で向かおうとしたとき、自分から加わる。平時は藩主のお毒見役を務めている。
毒が効かない体質で、その訳は「抱いた相手を殺す」ほど全身に染み込んだ毒のためである。蟲蔵が放った蜂の群れに対して、自ら前に立ち、痺れ薬を混ぜた花びらを空中に撒いた。自らの特異体質ゆえ、自らの命を粗末にし、他人を拒絶するところがあり、獣兵衛とたびたび衝突する。鬼門衆の目論見を知るやすぐさま、藩の家老に鳥を使って手紙を送り助けを求めるなど、ひたすら任務を遂行するだけに思えるが、獣兵衛が盛られた毒を消すには自分を抱かせるしかないと知るや、自分の身を獣兵衛にゆだねるなど、裏には彼女の思いの変化も読み取れる。しかしだまし討ちにあい、獣兵衛の腕の中で本音を打ち合け、最後の口づけを交わすと獣兵衛に感謝しながら事切れた。ラストで獣兵衛は陽炎の形見を刀に付けている。
濁庵(だくあん)
声 - 青野武
公儀隠密である雲水姿の老人。自分の任務に獣兵衛や陽炎も巻き込んでいく。
彼は前もって獣兵衛の過去や陽炎の能力を調べ、自らの計画に協力させる老獪さを持つ。自身の痩せこけた体をうまく利用して木の枝に擬態したり、腕がゴムのように伸びる技を持つ。伸縮自在の錫杖で飛び移ったりもしている。

鬼門八人衆[編集]

氷室弦馬(ひむろ げんま)
声 - 郷里大輔
鬼門衆の頭領にして、鬼門八人衆の頭。望月藩でさまざまな謀略をめぐらす。筋骨隆々の肉体から繰り出されるパワーとスピードを兼ね備えた体術は、獣兵衛の剣術を凌駕する。
かつては山城藩の忍び組の頭だった。策で忍び組の仲間同士を殺し合わせるが、生き残った獣兵衛に首を刎ねられてしまう。しかし「転生の技」と呼ばれる不死身の術を身に付けていたため、生き延びた。右腕を切り落とされてもその場でつなぎ合わせ、額が陥没して息絶えてもすぐに蘇生する。最後には溶解した黄金と一体化し、海底深くへ沈んでいった。最後のシーンはターミネーター2のT-1000を模した演出が見られる。
鉄斎(てっさい)
声 - 大友龍三郎
鬼門八人衆の一人。望月藩の甲賀組を壊滅させた。巨大な独鈷(とっこ)をブーメランのように操る上に、皮膚を岩のように変質させる。
陽炎を犯そうとしてその身に触れて毒が回る。獣兵衛との戦いの最中に自分の体が崩れ始めたことで動揺し、直前に投げた自分の独鈷(とっこ)を頭に受けて絶命。その死に際に獣兵衛の顔跡を残していたため、紅里が獣兵衛の命をつけ狙う。
シジマ
声 - 大森章督
鬼門八人衆の一人。左手が「鬼爪」という武器に改造されており、また影から自在に出入りできる。死体を人形のように操る術も持つ。
陽炎を操って獣兵衛を仕留めようとするが、獣兵衛に倒される。
紅里(べにさと)
声 - 高島雅羅
鬼門八人衆の一人。無数の毒蛇を操る究極の蛇使い。自分自身も蛇のように脱皮して逃げ出す。
両刀使いの弦馬の女であったが、百合丸に嫉妬され、獣兵衛を二度も仕損じしてしまった後、密かに巻きつけられた糸により粛清されてしまう。
現夢十郎(うつつ むじゅうろう)
声 - 若本規夫
鬼門八人衆の一人。盲目の剣士であるが、誘い込まれた竹林でも自在に走り回り、切り倒される竹の音にまぎれて切りかかって来た獣兵衛さえも圧倒する。さらには自らの盲目を逆手に取り、刀身で日差しを相手へ反射して目くらましも使う。
後一歩で獣兵衛を仕留められるといったところで偶然に阻まれ、獣兵衛に倒される。
百合丸(ゆりまる)
声 - 関俊彦
鬼門八人衆を指揮する容姿端麗の優男。
両刀使いの弦馬に抱かれていて、石榴の告白さえもはねつけた。そのために石榴に恨まれる。全身から発電し、頑丈な鋼線を相手に巻き付けて感電死させる。獣兵衛を仕留めようとするが、石榴の爆薬仕掛けにはめられ爆死してしまう。
石榴(ざくろ)
声 - 勝生真沙子
鬼門八人衆の一人。火薬を自在に操る女。右目の下に傷がある。
百合丸に告白したが拒絶され、恨みを持つ。爆薬仕掛けは火種を腹に埋め込んだねずみや人間を火薬の元まで行かせて発動させる。ついには百合丸を死に追いやるが、自らも油をかけられた上に火をつけられ爆死してしまう。
蟲蔵(むしぞう)
声 - 野本礼三
鬼門八人衆の一人。スズメバチを自在に操る奇形の男。
背中の瘤は巨大なスズメバチの巣になっていて、大量の蜂で獣兵衛たちを襲うが、水に入ってしまった時に巣の中の蜂たちが逃げ場をなくして蟲蔵の体を食い破り始め、その隙を突かれて首を刎ねられる。

その他[編集]

道陣(どうじん)
声 - 永井一郎
獣兵衛に邪魔をされたことから、冒頭で手下を率いて襲い掛かるが、あっさり倒された上に、入っていた仕掛けの人形を両断されてしまう。
覆面武士
声 - 阪脩
豊臣家の再興をもくろむ人物・闇公方(やみくぼう)に仕える家来衆の一人。
野望を秘めていた弦馬にあっさりと殺されてしまう。
半佐(はんざ)
声 - 森功至
望月藩に仕える甲賀組の頭。疫病が流行って全滅したという村へ組が総出で向かおうとした時、陽炎を置いていこうとしたが彼女が自分から加わってしまう。それなりに彼女を案じている。
しかし襲撃してきた鉄斎に両腕を引きちぎられる。後に目と口を塞がれた上に石榴に爆薬の火種にされ、四散してしまった。
源八(げんぱち)
声 - 屋良有作
望月藩に仕える甲賀組の一人。疫病が流行って全滅したという村へ組が総出で向かおうとした時、襲撃してきた百合丸に倒されてしまう。
新九郎(しんくろう)
声 - 菅原淳一
山城藩の忍び組の一員だった。組頭の氷室弦馬の策で仲間同士で殺しあう羽目になり、掟に背けず獣兵衛に切りかかるが、獣兵衛に殺される。
榊兵部(さかき ひょうぶ)
声 - 森山周一郎
望月藩の家老。氷室弦馬に殺され、入れ替わられる。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

「誰もが遠くでバラードを聴いている」
作詞 - 實川翔 / 作曲 - 山梨鐐平 / 編曲 - 新川博 / 唄 - 山梨鐐平

サウンドトラック[編集]

『獣兵衛忍風帖 オリジナル・サウンドトラック』 (1993年5月7日、東芝EMITMファクトリー、TOCT-8035)

  1. プロローグ
  2. 獣兵衛
  3. 鬼門八人衆
  4. 血風
  5. 陽炎
  6. 夢幻
  7. 魔影
  8. 風に向かう者へ(作詞:實川翔、作曲:山梨鐐平、唄:山梨鐐平)
  9. 追跡
  10. 剣鬼
  11. 謀略
  12. 転生
  13. 死闘
  14. エピローグ
  15. 誰もが遠くでバラードを聴いている(作詞:實川翔、作曲:山梨鐐平、編曲:新川博、唄:山梨鐐平)

受賞歴[編集]

獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇[編集]

獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇
ジャンル 時代劇、アクション
アニメ
原作 川尻善昭
監督 佐藤竜雄
シリーズ構成 井上敏樹
キャラクターデザイン 吉松孝博
メカニックデザイン 井上邦彦
音楽 喜多郎
アニメーション制作 マッドハウス
製作 龍宝玉組
放送局 WOWOW
放送期間 2003年4月14日 - 7月14日
話数 全13話
テンプレート - ノート
ウィキプロジェクト アニメ
ポータル アニメ

2003年4月から7月までWOWOWにて放送された。

登場人物・声の出演[編集]

メインキャラクター[編集]

サブキャラクター[編集]

スタッフ(テレビアニメ)[編集]

  • 原作・キャラクター原案 - 川尻善昭
  • 監督 - 佐藤竜雄
  • シリーズ構成 - 井上敏樹
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 吉松孝博
  • メカニックデザイン - 井上邦彦
  • 萬監修 - 近藤ゆたか
  • 美術監督 - 上原伸一、池田祐二
  • 色彩設計 - 三笠修、堀川佳典
  • 撮影監督 - 森下成一
  • 編集 - 松村正宏
  • 音響監督 - 本田保則
  • 音楽 - 喜多郎
  • プロデューサー - 水野篤志、小林正樹、財前健一郎、鈴木美保、原田俊弥、増田弘道
  • アニメーション制作 - マッドハウス
  • 製作 - 龍宝玉組(アミューズ、フィルムリング・インターナショナル、WOWOW、マッドハウス)

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
1 かくれ里無惨 井上敏樹 佐藤竜雄 田中洋之 吉松孝博
2 旅立ち 土屋浩幸 北野幸広
3 邪恋慟哭 村山桂 板垣伸 稲留和美
4 割れた宝玉 岸間信明 荒川真嗣 有冨興二 山沢実
5 金剛童子 村山桂 高橋亨 菊池聡延
6 雨宿り 米村正二 佐藤卓哉 長井龍雪 北野幸広
7 平野靖士 河合夢男 土屋浩幸 高鉾誠
8 煉獄昇天 岸間信明 原博 南伸一郎
9 はらわたに龍 米村正二 田中洋之 藤田しげる
菅野利之
10 ヒルコの真心 平野靖士 水島精二 有冨興二 金紀杜
11 柳生連夜 村山桂 板垣伸 土屋浩幸 山本正文
12 王朝復活 平野靖士 小島正幸 川村賢一 菊池聡延
13 青天飄飄 佐藤竜雄 増原光幸
田中洋之
金紀杜
吉松孝博

サウンドトラック[編集]

『獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇 サウンドトラック〜NINJA SCROLL the series〜』(2003年10月1日、コロムビアミュージックエンタテインメント

  1. 獣兵衛のテーマ
  2. シュア・ショット
  3. オール・ウィー・アー(唄:Rachel Leslie)
  4. ペッパーコーン(つぶてのテーマ)
  5. ニンジャ・ファム・ファタール
  6. ゲイルズ・オブ・ウインド(Dance Mix)
  7. ドリフティング・ジャーニー
  8. ヒカリ
  9. オンリー・ザ・ナイト(唄:Rachel Leslie)
  10. アイティネランシー(濁庵のテーマ)
  11. グローリー
  12. ピースフル・ヴィレッジ
  13. しぐれのテーマ(唄:Franci)

関連商品[編集]

DVD & Blu-ray
  • 獣兵衛忍風帖(VHS、1993年11月21日、ビクターエンタテインメント
  • 獣兵衛忍風帖(DVD、2001年6月21日、JVCエンタテインメント
  • 獣兵衛忍風帖(DVD、2003年12月17日、ビクターエンタテインメント)
  • 獣兵衛忍風帖(Blu-ray、2012年5月23日、flying DOG
  • 獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇 1(VHS & DVD、2003年10月24日、アミューズ・ビデオ
  • 獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇 2(VHS & DVD、2003年11月21日、アミューズ・ビデオ)
  • 獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇 3(VHS & DVD、2004年1月23日、アミューズ・ビデオ)
  • 獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇 4(VHS & DVD、2004年2月27日、アミューズ・ビデオ)
サウンドトラック
  • 獣兵衛忍風帖 オリジナル・サウンドトラック(1993年5月7日、東芝EMI・TMファクトリー)
  • 獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇 サウンドトラック〜NINJA SCROLL the series〜(2003年10月1日、コロムビアミュージックエンタテインメント)

外部リンク[編集]