銃夢

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銃夢
ジャンル サイバーパンクSF格闘青年漫画
漫画
作者 木城ゆきと
出版社 集英社
掲載誌 ビジネスジャンプ
レーベル ヤングジャンプコミックスBJ
発表期間 1990年 - 1995年
巻数 全9巻
OVA
原作 木城ゆきと
監督 福富博
キャラクターデザイン 結城信輝
アニメーション制作 アニメイトフィルム
製作 ケイエスエスムービック
発売日 1993年
話数 全2話
テンプレート - ノート 
ウィキプロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

銃夢』(ガンム、GUNNM)は、木城ゆきとSF格闘漫画作品である。集英社の雑誌「ビジネスジャンプ」で1990年から1995年にかけて連載され、単行本は全9巻が発売された。

また、1998年からB5判の愛蔵版(全6巻)が発刊されている。愛蔵版には作品完結後に発表された外伝3本が収録されている。そして、続編『銃夢 LastOrder』への流れに合わせて、結末部分が差し替えられている。

2010年6月、新たに「新装版」(全7巻)が発売されたが、集英社法務部との台詞問題により続編の連載は終了し、講談社への移籍となった。

サイドストーリーとしてモーターボール編の外伝的作品『灰者』もある。また、小説版として、川村泰久の『銃夢』(ジャンプ ジェイ ブックス)が刊行されている。

他メディア展開としては、OVAが2本とCDドラマが発売され、本編完結後にはプレイステーション用ゲームソフトとして『銃夢〜火星の記憶〜』が発表された。また、ハリウッドでジェームズ・キャメロン監督が『タイタニック』の次回作として実写映画化するプロジェクトを進めていたが、『アバター』とその続篇を優先させたため延期になっている。

海外にもいくつかの言語に翻訳されているが、英語版は『Battle Angel Alita』として輸出されている。主人公の名前「ガリィ」は、英語では Gully(渓谷という意味)になるので「アリタ」に変更されている。

概要[編集]

本作の内容は、全身サイボーグの戦闘技能に優れた少女ガリィが「機甲術」(パンツァークンスト)と呼ばれるサイバネティクス格闘技術を駆使してさまざまな強敵と戦うという、サイバーパンク格闘アクションとでも言うべきストーリーである。一方で、軌道エレベータナノマシンなどの最先端技術や、ハチソン効果サイコメトリーニコラ・テスラスカラー波兵器などといった怪しげなガジェットも豊富に詰め込まれている。

ストーリー[編集]

舞台ははるかな未来、何本ものパイプラインによって天上に繋ぎ止められている空中都市「ザレム」の真下には、ザレムの下部から吐き出された廃棄物の山があり、これを囲う形でゴミを再利用して生きる人々が「クズ鉄町」を形成していた。物語はこの絶望的に荒廃した街から始まる。

天から下がった支柱の末端にぶらさがった格好のザレムの真下には、ザレムから排出されるゴミやスクラップが堆積して山をなしていた。クズ鉄町は、その名の通りザレムの屑に群がるようにして集まった者たちが、スクラップを再生して利用し、独特の工業文化を支えていた。この世界には、その苛酷な生活環境によって狂ったように進化した、極めて高度なサイバネティクス技術が栄えており、人体をサイボーグとして改造することが一般化していた。

ある日、クズ鉄町でサイボーグ専門医を開業しているイド・ダイスケは、スクラップの山から、奇跡的に脳髄が良好な状態に保たれている少女型サイボーグの上半身を掘り出す。彼女は頭部と胸部しか残っておらず、イドの医療によって意識を取り戻しはしたものの、あまりに長い間休眠状態にあったからか、過去の記憶をすっかり失っていた。自分の名前も分からない彼女に、とりあえずイドは前に飼っていた猫の名前を拝借して「ガリィ」と名づけ、失われた腕や足など体の代用品を与えて育て始める。

イドは、温和で腕の良いサイボーグ技術者としての顔とは別に、闇夜にまぎれて犯罪者を狩る賞金稼ぎとしての裏の顔も有していた。極めて治安の悪いクズ鉄町では、ハンターウォリアーと呼ばれる賞金稼ぎのシステムがザレム直轄の治安維持機能の一環として運営されていた。その姿を見て、ガリィもハンターを志し、イドの反対を押し切ってハンターの一人として登録する。そんなガリィのもとには数々のトラブルが舞い込む。闘いになる度、ガリィの脳裡にはなぜか隠された記憶の断片が甦り、彼女は実は火星に発祥した伝説の格闘技術「機甲術」--パンツァークンストの使い手であることも分かってきたが、その過去は益々謎の深遠に沈んでいく。

果たしてガリィの過去とは……そしてこの世界の成り立ちは……?

登場人物[編集]

※OVA・ドラマCDに登場したキャラクターは、声優も併せて記載している。

ガリィ
声 - 伊藤美紀
本編の主人公火星に発祥した伝説の格闘技術「機甲術」(パンツァークンスト)の使い手。元の名前は陽子(ヨーコ)。数百年前に大気圏外から地上へ落下するが、奇跡的に一命を取り止め、仮死状態のままクズ鉄町のスクラップの山で眠っていた。イド・ダイスケに発見されて「ガリィ」と名づけられる。ガリィとは、イドが以前飼っていたペット(黒猫のオス)の名前である。8巻でノヴァが仕掛けた仮想現実システム「ウロボロス」の中ではアリタと名付けられ、しばしイドと3人の幸せな生活の幻夢に浸った。
当初は標準的でパワーも無い市民向けモデルのボディをイドに与えられたが、戦いの中で再度失い、後にイドのコレクション中で最強の「バーサーカーボディ」を与えられる。クズ鉄町のハンターウォリアーとして頭角を現わし、凄腕の賞金首稼ぎになる。しかし淡く幼い恋が最悪の形で潰えて後、モーターボールと呼ばれる格闘球技の選手に転じ、「殺戮の天使」(キリング・エンジェル)なるスター選手にのし上がる。ここで名工の手によるダマスカスブレード(ダマスカス鋼でできた名刀)を得、また生涯忘れ得ぬ強敵との戦いを経てモーターボールの世界から足を洗うが、ダマスカスブレードはその後も引き続きガリィの主要な武器としてガリィと行く末を共にする。モーターボール引退後はバー「カンザス」の仲間らとの日常を謳歌していたが、ノヴァの引き起こした災害を食い止めた結果としてザレム当局によって犯罪者として捕らえられる。この時の超法規的な取り引きで「そのまま処分されるか、またはザレムの手先として戦いに生きるか」の選択を迫られ、TUNED の工作員となる道を選ぶ。TUNED工作員としての彼女はザレムの忠実な手下として働き、人々からは「ザレムの死の天使」と呼ばれる。しかし、ザレムがガリィを欲したのには別の大きな理由があった。
イド・ダイスケ
声 - 苅谷俊介
クズ鉄町のサイバネティクス医師。普段は人好きのする好青年で、かなり高度な技術を持ち、住民から信頼を得ている。裏の姿であるハンターウォーリアとしては、生身の肉体ながらもロケットエンジン内蔵のハンマーを使い、犯罪者を残虐に刈り取ることを生業とし、その中に充実感や自身の実在を見出しているキリングマニア。かつてザレム市民であったが追放された過去を持ち、額に成人したザレム市民に共通するマークを持っている。
ガリィに対しては、自身の家族とも理想の女性像とも取れるものを投影し、その生き方に干渉していた。しかしガリィが自分の手を離れて戦闘に身を転じ、生命の危機に陥った際は、自身も重傷を負いながらも秘蔵のボディを改造してガリィの戦闘用躯体を作り上げた。
モーターボール編以後、流出したバーサーカーボディを買い戻すため訪れたノヴァ邸で、ザパンの暴走に巻き込まれ死亡。ノヴァの手で蘇生するが、その際に知った「ザレム人の秘密」の重圧に耐え切れず自らの記憶を消去した。現在はとある農場でサイバネ医師を続けている。
なお、彼のキャラクターにはセルフオマージュとしての原型が存在し、作者が1987年に同人誌で発表した短編漫画『IRON FIST』にその源流を見ることができる。なお『IRON FIST』は作者ウェブサイト『ゆきとぴあ』内で公開されており、イドの服装や武器、そしてその二面性に類似点が見出せる。
ユーゴ
声 - 山口勝平
クズ鉄町で修理工・便利屋として生計を立てている少年。ガリィの初恋の相手。
かつてザレムを目指した兄の形見としてその腕を受け継いでおり[1]、商才や組織力、度胸と計画力でベクター(声:千葉繁)にもその能力は高く評価されていた。裏では、サイボーグを襲って脊椎強盗まで犯しながら1000万チップを目標に大金を稼いでいる。それは憧れのザレムへと行くためであったが…。
ゴンズ
クズ鉄町で露店食堂を営む、頭に鉄板を打ち付けた姿の元サイバネ医師(獣医)。通称・ゴンさん。傷ついたイドに代わってガリィにバーサーカーボディを繋ぐ手術を行なった。バーサーカーボディを手に入れたザパンが「カンザス」を襲った際に殺害される。
ウォルシュ
クズ鉄町のバー「カンザス」のオーナー。名前はLOで判明。店はハンター達のたまり場と化しており、イドやザパンもかつて常連だったが、ガリィを狙う敵襲によって二度も潰れてしまう。以後アル中となった上に下半身を失う[2]など悲惨な生活をしていたが、最後は無印・LO共に足をキャタピラに代えて再起し、三度目の「カンザス」開店を目指す。
コヨミ
「カンザス」オーナーの一人娘。登場当初は泣くことしかできない赤ん坊だったが、後に快活でしっかりした性格に育つ。実の娘ではなく捨て子だが、成長したコヨミは後に意外なところでガリィと再会する。ガリィが彼女の命を助けたことも一度や二度ではなく、縁浅からぬ関係である。
魔角(マカク)
札付きの凶悪な賞金首。本体は巨大な頭部とウジのようなボディだけで、様々なサイボーグの体を次から次へと乗っ取っていく特殊な能力を持つ。知能レベルはボディによって左右されるらしい。ノヴァに改造された、ある意味被害者である。エンドルフィン依存症で、エンドルフィンあふれる脳味噌が大好物。ストリートチルドレンの頃は無力であったために人間扱いされず、ゴミのように殺されかけ、サイボーグボディを手に入れてからは強過ぎて化け物扱いされ、唯一対等な敵として目前に立ちはだかったガリィに対して、ある特別な感情を抱く。
ザパン
声 - 戸谷公次
クズ鉄町のハンターの一人。かつてバー「カンサス」でガリィに侮辱されて以来、度々やり合うもその都度恥をかかされたという因縁がある。非常に執念深い性格で、復讐のためにある卑劣な策略でガリィを苦しめるが、逆に一撃を喰らって顔面を損傷し敗れ去った。その後、ボランティア女性・サラの元に身を寄せ平穏な暮らしをしていたが、彼の強化された強力なボディが悲劇を生み、事故で彼女を死なせてしまう。精神を病んで再度ガリィに復讐を仕掛けるが又も失敗、サラの父親であるハンター・マードックによって抹殺された。しかし、残った僅かな体のパーツにノヴァがバーサーカーボディを与えて復活、クズ鉄町を大恐慌に陥れた。
デッキマン
ザレムが下界のクズ鉄町や「ファクトリー」(クズ鉄町にある、ザレム市民が消費する資源や製品を供給するための工場)などの事務処理端末として各地に置いているサイボーグの一種。筒型のボディをしている。なお正確には顔の皮と脳の言語野のみをバイオパーツとして使用しているだけで、人間としての意識は一切無く、勧誘文句は「捨て子自殺者大歓迎」。文字通り機械的にファクトリーの維持・運営に当たる。元になった人間の言語野を介して発声しているため、デッキマンごとにおかしな口癖があり、胸に書かれた識別番号以外の個性ともなっている。
ネットマン
ファクトリーの外部端末サイボーグ。ファクトリーの治安維持に当たり、普段は町辻で交番のような役割を果たしている。デッキマンと異なり自律移動が可能なほか、左腕のオプション・ユニットで武装しており、A級犯罪者(鳥類も含む)を見つけると容赦なく射殺する。

モーターボール編[編集]

ジャシュガン
モーターボール第一リーグのチャンピオン。「帝王」の異名をとる。モーターボールで使用するボディーのカラーは白。シュミラという妹がいる。歯車のようなギミックを仕込んだ腕による「機関拳」(マシン・クラッツ)で無敵のチャンピオンとして君臨する。必殺技は螺旋状の軌道を描き、青白い閃光となって繰り出される鉄拳「サイドワインダー」、腕のモーターを利用した投げ技「アリゲータースナッパー」など。彼もまたノヴァのナノ改造を受けた一人で、「脳死の発作」というリスクを抱えつつも、無限ともいえる脳の情報処理能力(作中では「超脳力」と呼ばれる)を獲得、知覚不能な超高速戦闘を得意とし、自らの師をも超えた。医者としてのイドに身体を診てもらっている。ガリィとは最強の好敵手として何度もまみえ、死後もガリィの夢の中に現れて戦い、物語の要所要所でガリィに成長を促した重要な人物である。
シュミラ
ジャシュガンの妹。多少知恵遅れの風がある。ジャシュガンの死後、イドの口利きで「カンサス」のウェイトレスになる。ザパンによるクズ鉄町壊滅以後、サラが所属していたボランティア旅団の団長と結婚。多くの子宝にも恵まれる。
エスドック
声 - 大森章督(ドラマCD)
打倒ジャシュガンに燃えるトレーナー。ガリィに終生の武器となるダマスカスブレードを手配した。かつてジャシュガンの好敵手だったが、ジャシュガンの超脳力に追いつくため興奮剤「アクセル」を乱用し、末端神経凍結で引退した過去を持つ。
ウンバ
声 - 西尾徳(ドラマCD)
エスドックと旧知のメカニック。矮躯だが一種の天才で、複数の視聴覚情報[3]を同時処理しつつタコ足状のマシンアームで超高速の作業を行うことが可能。
アジャカティ
第二リーグ「破壊王」。亜細亜格闘技(エイジアンアーツ)の達人で、三人の弟子持ち。ガリィと登録ナンバー「99」の使用権を賭けて戦うが、その技量に心服し舎弟となる。
PS用ゲーム『火星の記憶』では、ボディーカラーがカーキグリーンとなっている。
アルムブレスト
第二リーグのチャンピオン。「暴帝(カリギュラ)」の名で恐れられるサディストで、ダイヤ刃のチェーンソーで対戦者を輪切りにするのを無上の喜びとする。リーグ内に数人の部下がおり、自身のレースを援護させる。
ゲームでのボディーカラーは青で、胸のプレート部が赤となっている。このエピソードから11年後にあたるLOでも、アジャカティと共に僅かながら登場している。
ザファル・タキエ
第二リーグの女性プレイヤー。「真紅の疾風(クリムゾン・ウインド)」の異名を持ち、天才的な走りを武器とする。
ゲームではその異名から、ボディーカラーが赤となっている。
ティーゲル
第二リーグ万年最下位のプレイヤーで、「第二の恥部」の蔑称を持つ。鈍重な巨躯のため勝利経験は皆無だが、その反面一度もクラッシュしていないのが売り。
ゲームでのボティーカラーは紫。

ザパン編[編集]

サラ
ボランティア活動をしていた女性。元々の顔と記憶を失ったザパンと平和に暮らしていたが、モーターボール中継に登場したガリィの姿を見て錯乱したザパンに殺害され、首を持ち去られる。
マードック
サラの父親で「犬使い(ドッグマスター)」の異名を持つ賞金稼ぎ。4頭のサイボーグ犬「ラウド」「グローリー」「ウィナー」「フューリー」を操り標的を追いつめる。
娘の仇であるザパンを一度は仕留めるが、バーサーカーボディを得て復活したザパンと戦い死亡。
フューリー
マードックの操るサイボーグ犬。普段は寝てばかりいるが、有事には耳の仕込みブレードと強靭な牙で戦う。
ザパン戦後も生き延び、コヨミのボディガード役として苦楽を共にし、バージャックの乱を鎮圧したGR-10と刺し違えた。
ディスティ・ノヴァ
あまりに危険なためザレムから追放された天才マッドサイエンティスト。人間の(カルマ)の克服を宿願とし、独自の業子力学を組み上げた。ナノマシン技術の第一人者で、天上世界でも一目置かれている。焼きプリンが大好物。焼きプリンを食べる時の台詞「おいちい」や「キャハハハハ」の笑い声が特徴的。自身の興味のためなら「実験」と称して他者を傷つけることもいとわず、その結果として自身が死んだとしても一向に気にしない破綻した性格の持ち主。体内に自慢のナノマシン技術によって無数の修復ロボットを仕込んでおり、異常な生命力を誇る。
LO以前の無印版では発狂し、痴呆状態となるという結末を迎えた。もっとも、時折自身の記憶バックアップと連結する事で正気を取り戻す事もある。LOでは自慢のナノマシン技術とザレム人のある秘密に伴う「記憶の保存」により「ほぼ完璧な不死性」を獲得、方々で人体実験を繰り返している。
バザルド
ノヴァの従僕を務める巨漢。主の性格を熟知しており、名前を呼ばれただけで用件を聞き分ける。ノヴァ同様に体内を修復ロボットで守られている。
イーライ
ノヴァの助手兼愛人。美と肉体に異常な執着があり(ガリィには一笑された)、ノヴァのナノ技術で不老となっている。水圧コンバータで水の鞭を操る達人。

TUNED編[編集]

ビゴット・アイゼンバーグ
ザレム「地上監察局(Ground.Inspect.Bureau)」局長で「TUNED」運用の中心人物。
ガリィら“地上人(ちじょうびと)”を見下しており、また他人に対して誰にでも高圧的な態度で接するが、部下には人徳がない。ガリィに「ザレムの手先として戦うか、処分による死か」の二択を迫った。後にノヴァが洩らした「ザレム人の秘密」を知ったために悲惨な最後を迎える事になる。本人はホモ・セクシャルで女性に興味はないと言っている。
Dr.ラッセル
G.I.Bに所属する科学者。ビゴットと比べるとロマンチストで人格者だが、あくまで「ザレム人としては」というレベル。量産型TUNED・GRシリーズ配備に伴い解任される。
LO以前の無印版では、ノヴァがザレムに持ち込み再生したガリィの面倒を看るが、ガリィが「エンド・ジョイ(公衆自殺機械)」を破壊した際には嫌悪を露わにし、ノヴァに「ザレム人の秘密」を見せられた際に錯乱して投身自殺した。
LOではノヴァによって「ザレム人の秘密」を公開する材料とされ、ザレム中にその有様を放送された。
フォギア・フォア
血気盛んな若者で、ガリィの第2の恋人。珍しく生身の人間である。田舎育ちの海の男で、都会の空気に憧れてクズ鉄町に上京するも、肌に合わず帰郷する。対サイボーグ格闘術の一種『対サイバネ骨法』の使い手で、強靭な肉体は異常な打たれ強さを誇る。生身ながら掌打による「徹し」は機甲術の「周波衝拳」(ヘルツ・エア・ハオエン)と同じ効果を生む。
ファクトリー貨物列車の警護中「バージャック」の襲撃を受け、脱走防止用の仕掛けで危うく死にかけるが、ガリィの気紛れに助けられ、付きまとうようになる。最初の内は疎ましがったガリィも、二人三脚で持ちつ持たれつの関係により好感を寄せ始める。やがて一旦故郷に戻るためにガリィと別れるが、LO以前の無印版ではガリィを探し求め、イェールで見事彼女を見つけ抱きしめた。
電(デン)
ザレムへの反逆集団「バージャック」(馬借)の首領。
極めて巨大な体であり、その強大さから「荒野の魔王」の異名をとる。極めて強力なボディはほとんど対要塞戦闘装備で、車をも一刀両断にする巨大な刀を振るう。反面では虐げられた大衆の代行者として熱狂的な支持者を集め、彼と行動を共にする命知らず達は多い。電の出生には大きな秘密がある。
ケイオス
ノヴァの息子。電とは因縁浅からぬ関係である。サイコメトリー能力を持つ(サイコメトリスト)で、過去の遺物に触れながら海賊ラジオ放送を行っている。物品から読み取った情報に精神を左右されることもある一方、案外軟派な性格であったりもしている。異常者であるノヴァを嫌い、その息子という立場から逃げようとばかりしていた。しかしガリィとの接触や、そのボディに残されたイドのガリィへの愛情、また電やバージャック達との交流を経て、ある壮大な計画を胸に抱く。
ルゥ・コリンズ
ザレム「地上監察局」のオペレーター。
「TUNED」の工作員となったガリィにとって、ザレム人の数少ない理解者。ドジっ子な所があるが仕事には真面目で熱心。ガリィに対する様々な支援を通してザレムの遣り口に疑問を抱き始め、自分自身の立場を危うくした。イドを除いてガリィが唯一心を許したザレム人として友情すら抱いていたが、余りに地上人に肩入れし過ぎてしまい、地位を追われる結果となった。ザレム人の“秘密”を知った際、それが丁度良いショックとなったのか「しゃっくりが止まった」とケロリとしており、逆にガリィを心配させた。その直後に“秘密”の阻止に向かうなど、ザレム人としては“バグ”入りだった可能性がある。
GR
「ガリィレプリカ」の意。ガリィの活動データを基に作られた、量産型の「TUNED」戦闘ロボットである。ザレムの最新鋭装備で完全武装している上、格闘技の技量は「TUNED」加入時点のガリィと互角。機甲術奥義「遊撃功律動」までも使いこなし、ガリィを苦戦させた。全部で10体おり[4]、バージャック鎮圧などに著しい成果を上げた。
作中に登場したのは2体のみ、GR‐2はガリィと戦って破壊され、GR‐10はバージャックを壊滅させたが、フューリーと相討ちになる。
ケイナ
農場でサイバネ医師をするようになったイドの助手を務めるサイボーグの少女。
元々ノヴァのラボで働いていたらしいが、イドと共に離れた。記憶を消去する前のイドからメッセージを預かっており、それをガリィに手渡した。「カポエラ」の使い手であり、看護婦でありながらけが人を増やしてしまうという本末転倒な部分も…。
ビュイック
バージャックでプロパガンダを担当するカメラマン。
外見は優しげな中年男性だが、元々はクズ鉄町で女性を殺害しその死体を撮ってコレクションする猟奇殺人者だった。だがある日売ったコレクションが出回ったせいで賞金首となり町から脱出、その後バージャックに捕縛され特別捕虜として組織に加わった。入隊後は夢と活力に生きるバージャックのメンバーに魅せられ、同時に自らの醜さを嫌悪していた。
ヘングによるザレムの砲撃が行われるがあっけなく失敗し、GRによりバージャックが蹂躙される最中に気が触れてしまい、最期はGR-10に撃たれ死亡する。

OVAオリジナルキャラクター[編集]

チレン
声 - 小山茉美
イドに想いを寄せる元ザレム人女性医師。ユーゴが危機に陥った際、彼と一緒にいたガリィに手を貸した。
グリュシカ
声 - 大友龍三郎
マカクのアレンジキャラクター。
ギメ
声 - 曽我部和恭
白熱掌のクライブ・リーのアレンジキャラクター。

小説オリジナルキャラクター[編集]

キャリコ
クズ鉄町の女性サイボーグで、ハンターウォリアー。足に熱したブレードを仕込み、「赤熱脚」の異名を取る。クズ鉄町の売春婦達と交流があり、彼女らを襲う謎の敵に挑むも返り討ちにあってしまう。
ノリンコ
盲目の老人。普段はクズ鉄の山から使えそうな部品を掘り出して売っているが、裏ではある理由から無差別殺人を繰り返している。蟷螂拳の達人で、かつては高名なハンターだったが、妻とそのお腹の中の娘を殺され、以来悲しみのあまり気が触れてしまった。盲目である上に年をとった今でもハンター時代の戦闘技術は健在で、キャリコやガリィを苦しめた。

外伝オリジナルキャラクター[編集]

キャロル
知恵遅れの美女。出生にとある秘密があり、悲劇的な別れによってイドを大きく成長せしめる。
ソニック・フィンガー
通り魔を繰り返す男。特殊な指による音速の殺法でハンターウォリアーたちを圧倒する。
ゲリペリ
全身ボロボロの浮浪者。カメラ撮影と九鬼神伝流鎧組討の達人。
スネブ
外伝『灰者』主人公であり、「自爆王」の蔑称を持つモーターボーラー。本来は競技史に残る走りの天才だが、凄惨な人身事故を経て自爆行為を繰り返すようになる。
ドラグノフ
スネブの先輩モーターボーラー。本編でエスドックの神経を破壊した魔薬「アクセル」を試用し、抜群の好成績を残す。

作中の用語[編集]

サイボーグ
作中では、多種多様なサイボーグが登場する…というより、廃品利用により共通モデルが存在せず、ほとんど間に合わせの部品をくっつけたり取り替えたりという状況である。なおこういった乱暴な工学技術と生物組織が問題なく結合している一端には、ナノマシン技術が存在することも窺える。脊髄はザレム直轄のファクトリーが提供する技術でナノマシン技術を組み込まれている他、神経接続にはナノマシン入り接着剤が使われているという解説がコミック巻末に掲載されている。特にオーダーメイドの高級なサイボーグボディや、過去の遺物とも言える特殊ボディも存在しており、ハイパワータイプや特殊なギミックを仕込んだもの、あるいは美しく装飾されたものもある。ガリィは当初、イドに彫金された高級な中古義手を与えられたが、マカクとの戦いの際に酷使して壊してしまっている。
ファクトリー
ザレムが消費するあらゆる製品を生産する施設で、自動化工場であるらしい。随所にデッキマンと呼ばれる人間を部品とした生体ロボットを配し、維持運営に当たらせている。事実上ファクトリーは地上の富を吸い上げ、その余り物をクズ鉄町に流通させているが、その一方でクズ鉄町の治安維持活動をハンターを通じて行っており、犯罪者に賞金を掛けたりもしている。なお食品原料はクズ鉄町郊外の農場や漁村などから取り入れており、この余剰物資がクズ鉄町の食料需要を賄っているようだ。なおファクトリーが定めたファクトリー法がクズ鉄町唯一といっていい法律で、これに逆らうことは即ち死を意味する。同法では、殺人や銃器の保持が禁じられており、ひとえにファクトリー運営とザレムの安寧のためだけにあるといっても過言ではなく、ザレムに近づくための飛行機械の製作と所持も禁じられている。
ハンターウォーリア
ファクトリー法によって定められた治安維持制度で、指定された犯罪者を捕獲(生死問わず)すると、犯罪者のランクによって賞金が支払われる。犯罪者に限定されているとは言え合法的に殺人ができるため、イドはハンターウォーリアとなった。なおハンターはその高い戦闘能力からファクトリー法によって監視対象ともなっており、登録コードを脳(神経細胞ではなく、それを保護する「グリア細胞」)に刻印され、ファクトリーに対する犯罪行為には、街頭デッキマンによるミサイル攻撃が加えられるという熾烈な対処が行われる。クズ鉄町では銃器と爆発物の所持及び使用が禁止されているため、専ら素手か刃物による肉弾攻撃を主体とした戦いを行う。
バーサーカーボディ
マカクとの戦いで失われたガリィのボディの代わりにイドが与えた「戦士の肉体」。強靭なボディと随所に仕込まれたギミックで、プラズマを指先端から放出することができるなど、高いポテンシャルを秘める。強力な磁場発生機能があり、磁力だけでマカクのボディを押し潰したほど。かつての宇宙戦争で使われたという曰く付きの代物で、バーサーカーの名の通り、死ぬまで殺戮と破壊を撒き散らしたという。ボディ形状は外部からのデータ入力で一定幅で調整可能。ノヴァによれば、全体がナノマシンで構成されているとのことで、この機体のプロテクトを解除したバーサーカーナノマシンでザパンが暴走、クズ鉄町に大災害を引き起こした。
チップ
作中世界の貨幣だが、下記の「脳チップ」と似た外見をしている。一般労働者が幾ら働いても日々どうにか食っていけるだけの、文字通りチップ程度の稼ぎにしかならないが、ハンターは直接ファクトリーから支払われる賞金で、結構な資産を得ることができる模様。
モーターボール
クズ鉄町にあるモータースポーツの一種で、コース滑走用に特別設計された特注ボディを使用する。しかしモータースポーツとは名ばかりで、実際は競技中の殺人は罪にならず、相手ボディの積極的な破壊もルールの一部で、実質殺戮しあうバトルロイヤル形式の殺人ゲームである。モーターが仕込まれたボールはコース上でトリッキーな運動をし、正確にホールド用の穴に指を差し入れて運動を停止させ、(ボールが)コースを規定回数周回すればゴールとなる。このためボールの奪い合いは熾烈を極め死傷者続出ではあるが、ザレムの統治機構の一端として市民のフラストレーション発散に華々しくショーアップされ、また公式にギャンブルとして賭けを行うことが認められている。選手の視界は動画として有料配信されており、観客がレースを疑似体験できるのも人気の一つである。特にウェイト制限は無いらしく、ガリィの柔軟な軽量高機動型ボディから独特の斬撃ギミックを仕込んだアルムブレスト、重装甲過ぎてコースを完走できないティーゲルなど、様々なボディを持ったキャラクターが登場する。
脳チップ
人間の脳と同等の働きをする集積回路で、上記の「チップ」と似た外見をしている。元々ザレムを巨大な社会実験装置として機能させるためのもので、16歳(新装版では19歳)を過ぎたザレム市民は「イニシエーション」と呼ばれる成人の儀式で強制的かつ隠蔽された形で記憶と意識をこのチップに書き込まれ、脳をチップに交換されることになる。このため脳チップには製造元であるM.I.B.の刻印がある。ザレム出身の成人以上の人間は全てこの脳チップに脳が置き換えられており、またガリィの複製であったGRシリーズも等しくこの脳チップを搭載している。電子的素子であるため「生の脳と違って衝撃に強い」(脳挫傷しない)という利点があるが、肉体の一部ないし大半を機械に置き換え脳神経と接続するサイボーグとは違い、精神の主体を占める脳が「作り物」に置き換えられることから、「人間」にとってその精神的苦痛は計り知れない。チップ化することでシビリアンコントロールを図るためのものだと考えられているが、コントロールを超えてしまったもの=“バグ”入りのチップを搭載したイドやノヴァは、それ故にザレムを追い出されたとされる。

アニメ[編集]

1993年にVHSビデオ、LDで全2巻のOVAとしてアニメ化された。のちに2巻の内容を1巻に総集編としてまとめたものもビデオ、LD共に出ている。

スタッフ

脚注[編集]

  1. ^ ベクター傘下の生体パーツ露天で兄の腕を発見し、自分の腕と交換している。差額や手術料はベクターいわく「子供の腕は高く売れる」ため無料。
  2. ^ 高所から落下したコヨミを救った際に重傷を負ったもの。
  3. ^ 5つの視覚情報と10の聴覚情報。操るアームは20本に及ぶ。
  4. ^ 続編のLOでは総数が12体とされ、新装版では修正されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]