完全版コミックス

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完全版コミックス(かんぜんはんコミックス)は、漫画単行本の再版形態の1つである。

概要[編集]

同じ漫画本の再版形態としては文庫版、ワイド版、コンビニコミック、ハードカバー愛蔵版等があるが、それらと比べ、完全版独自の特徴には以下のような点が上げられる。

  1. 雑誌掲載時のカラー原稿を完全再現
  2. 表紙が漫画家の手による新作描き下ろし
  3. 通常版コミックスに未収録だった原稿(扉絵、雑誌の表紙等)の復刻収録
  4. 通常版コミックスよりサイズの大きな判型で刊行される(ワイド版やハードカバー愛蔵版を超えるものが殆ど)
  5. カバーや紙質にこだわり、読者がより読みやすく、触り心地等も楽しめるよう様に製本されている
  6. 判型の大きさと紙質の高さの相乗効果により、絵の細部が細かく再現される

ただし、これらはレーベル、出版社、編集部、漫画家の意向によっては条件を満たさない(表紙が描き下ろしで無い等)場合もある。

全体的に、これまでの再版形態と比べても生産コストが高くなってしまうために、需要がある、平たくいえば過去に人気があり、再版してもより確実に売れる漫画作品が完全版化されることが多い。また、作品によっては原作者自ら加筆修正することがある。また、『完全』を銘打っているために、完結後に執筆された作品の続篇や外伝、それまでの単行本未収録話の網羅、完結時に不本意な形で終了した原作の本来の結末への差し替えなども行うことがある。例として『花より男子』での原作完結後に発表された読み切り短編を最終巻へ収録、『銃夢』での不本意な形で結末を付けてしまった事から続篇執筆に当たっての結末部分の完全差し替え等がある。また、『あまいぞ!男吾』では単行本収録時にページ数の制約でいくつもの場面がカットされてしまったために完結篇をディレクターズカットとして完全収録している。

また、近年では紙質を雑誌程度まで落とすものの、カラー原稿を完全復刻し、雑誌初出時と同じB5サイズで出版、通常のコミックス3〜4巻分のページ数で、それらの合計より割安という「総集編」という再版形態が増えつつあり、完全版と通ずる需要を狙ったものと考えられる。こちらは連載が終了していない人気漫画に適用される場合が多い。

歴史[編集]

一般的には2001年3月に刊行された『SLAM DUNK 完全版』が完全版コミックスの原点とされている。

勿論、過去に完全版の条件を満たしたコミックス(カラーページ再現等)が存在しなかったわけではないが、『SLAM DUNK 完全版』は知名度、注目度、売り上げ等の点に置いて、これまでの再版コミックスを遥かに超えた結果を残し、"買いなおし需要"という新たな需要を発掘するに至った。

さらに、この『SLAM DUNK』に続く第2弾として刊行された『ドラゴンボール 完全版』は全34巻で2000万部以上の売り上げを記録し、10年も過去の作品ながら同じ時期に刊行された最新の単行本の売り上げの平均を上回る大ヒット作となった。この完全版の刊行は『ドラゴンボール』の再ブームを引き起こし、完全版というコミックス市場を完全に定着させた。

この2作品の成功を受け、集英社をはじめ出版各社が、過去の名作漫画を完全版化して再版するといったシステムを確立させ、さらに漫画作品から派生したアニメ化作品のDVD-BOXやゲームの発売日と連動させるなど、2006年現在に至るまで「完全版コミックスブーム」または「懐古ブーム」といった現象が起こっている。

商品単価が通常のコミックスよりも高いことから、新古書店での買い取り価格も高く、書店での万引き被害のターゲットになりやすいとされている。

主な完全版コミックスの一覧[編集]

集英社[編集]

小学館[編集]

徳間書店[編集]

講談社[編集]

白泉社[編集]

双葉社[編集]

中央公論社[編集]

  • チンプイ (全4巻/1997年4月/※原作が完結を迎えぬまま原作者が逝去)

英知出版[編集]

  • あまいぞ!男吾 (全3巻/2001年12月~2002年2月/※以前の単行本では短縮されたエピソードを雑誌掲載時の状態に戻して収録)

幻冬舎[編集]

朝日ソノラマ[編集]

メディアファクトリー[編集]

潮出版社[編集]

  • 鉄人28号 (全24巻/2005年11月~2007年9月)

秋田書店[編集]

スクウェア・エニックス[編集]

少年画報社[編集]

  • ランディーズ 完全版(全1巻/2005年7月)
  • 超人ロック(全37巻/2006年11月~2009年10月)

宙出版[編集]

  • ANGEL(全5巻/2007年10月~2008年1月)

ミリオン出版[編集]

マンガショップ[編集]

角川書店[編集]

関連項目[編集]