ファントムブラッド

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ファントムブラッド』 (JOJO'S BIZARRE ADVENTURE Part1 Phantom Blood) は、荒木飛呂彦の代表作である大河漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』のPart1(第1部)。波紋の戦士シリーズ・第1弾。単行本1巻 - 5巻に収録されている。

目次

[編集] 概要

『ファントムブラッド』は後につけられた副題で、連載当時の副題は「第一部 ジョナサン・ジョースター ―その青春―」。尚、画集『JOJO A-GO!GO!』にて発表された当初は『ファントム ブラッドライン』という副題であったが、文庫版発行の際に現在のものに訂正されている。

単行本化されたときに、冒頭に「有名」とも言える誤植があったが、文庫版発行までの約20年にわたって修正されなかった(後述)。

アンカーエンターテイメントによりゲーム化され、2006年10月26日バンダイナムコゲームスからプレイステーション2用ソフトとして発売された。また、2007年2月17日に劇場アニメーション映画が公開された。

[編集] あらすじ

舞台は19世紀イギリス、名門ジョースター家の跡取であるジョナサン・ジョースター(通称ジョジョ)と、養子であるディオ・ブランドーの2人を主人公に繰り広げられるサスペンス活劇。

ジョジョとディオの対立は、やがて「石仮面」「波紋」の対立へと移行していく。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] 登場人物

声のキャスティングはゲーム版、映画版のもの。特記なき限りはゲーム版のものを挙げる。

ジョナサン・ジョースター

第1部のJoJo。考古学者。ジョージを殺害したディオを倒すため、ツェペリやスピードワゴンと共に戦いに身を投じる。

詳細は「ジョナサン・ジョースター」を参照

ディオ・ブランドー

詳細は「ディオ・ブランドー」を参照

ジョージ・ジョースターI世(ジョースター卿)
声 - 磯部勉(ゲーム版・映画版共通)
貴族領主でジョナサンの父。ジョナサンが赤ん坊の頃に馬車で事故に遭い、妻を失い自身も重傷を負った。偶然通りがかったダリオ(実際は事故現場で金品を漁っていただけ)に助けられる。泥棒を働いたダリオを許すなど優しく、そして言動は極めて紳士的である。その一方で父親としては厳格で、ジョナサンへの教育は厳しい。計画が露見し、咄嗟にナイフで襲いかかろうとしたディオからジョナサンを庇って死亡した。
なお、作中にフルネームが出たのはPart3からである。I世と呼ばれるのはII世が登場するPart2からなので、Part1ではI世とは呼ばれてはいない。
ダリオ・ブランドー
声 - 矢田耕司(ゲーム版)/小沢一敬(映画版)
ディオの父。1827年生まれ。酒飲みでだらしのない性格。1868年、ジョージI世の馬車の事故現場に居合わせ、馬車の金品を盗もうとしていたところ、ジョージがまだ生きていたことから結果的に助ける。本来貴族から金品を盗んだとして流刑になるところをジョージが無罪釈放にしてくれたため、ジョージの支援で酒屋を経営していたが、商才が無いばかりにやがて店を潰し、妻も病気で亡くすなど不運が重なった為に自暴自棄になり、酒浸りな日々を送る事になった。1880年、母の形見を酒代に換えようとし、ディオに病気に見せかけて毒殺された。
エリナ・ペンドルトン
声 - 久川綾(ゲーム版)/水樹奈々(映画版)
ジョナサンの思い人。幼い頃に近所の子供達にいじめられているところをジョナサンに助けられる。それを機にジョナサンに恋心を抱き、後に相思相愛となる。ジョナサンへの当てつけのためにディオに無理矢理唇を奪われるが、彼の前であえて泥水で口を洗い意志を示すなど、この頃から芯の通った誇り高さを持っていた。
7年後、医者である父親の病院で働き看護婦となっている。ディオとの戦いで重症を負ったジョナサンが偶然にも彼女の働く病院に担ぎ込まれ、ジョナサンと7年越しの再会を果たす。
1889年2月2日、ジョナサンと結婚。新婚旅行中、客船がディオの襲撃をうける。爆発炎上する船上で、瀕死の重症を負ったジョナサンと共に死ぬことを決意し最後まで彼に付き添おうとするが、襲撃から生き残った赤ん坊を連れて逃げるようジョナサンに説得され、船を脱出。カナリア諸島沖で無事救助された。この時すでにジョージII世を身篭っており、後に出産。ジョースターの血統が受け継がれていくこととなった。
ロバート・E・O・スピードワゴン

詳細は「ロバート・E・O・スピードワゴン」を参照

ウィル・A・ツェペリ
声 - 小山力也(ゲーム版・映画版共通)
ジョナサンに波紋の呼吸法を教えた師。男爵と名乗っている。ひょうきんな性格ではあるが実力は高い。学者の家柄に生まれ、若い頃は父親の大学の遺跡発掘隊の一人として世界中を旅していた。メキシコで石仮面を発掘したが、帰国途中に実の父が石仮面をつけて船員を皆殺しにした上に日光を浴びて消滅してしまい、唯一の生き残りとなる。その後は石仮面の行方を捜すとともに吸血鬼への対抗策を模索し、老師トンペティのもとで波紋を習得。ジョナサン達とともに戦うが、タルカスとの戦いの際に鎖で体を真っ二つにされてしまう(彼はこうなる事をトンペティに予言されていた)。それでもジョナサンに究極奥義「深仙脈疾走(ディーパスオーバードライブ)」を伝え彼をパワーアップさせて勝利させる。最期はジョナサン達に看取られて死亡した。雑誌連載時には妻子はいないはずだったが、Part2では息子のマリオ、孫のシーザーが登場し、単行本の記述も「若い頃結婚していた」に変更された。
黒騎士ブラフォード
声 - 神奈延年(ゲーム版)/奈良徹(映画版)
ディオの能力により盟友のタルカスと共に蘇った死人。かつてエリザベス1世に処刑されたメアリー・スチュアートを守護していた英雄。黒騎士と呼ばれる。人間だった時から、甲冑をつけたまま湖を泳ぎきり敵を奇襲した・髪の毛を自由自在に動かすことが可能であったなどの超人的能力を持つ。ディオにより現世への恨みを抱く邪悪なゾンビとして蘇りジョナサンと戦うが、ジョナサンの波紋によって人間の心を取り戻し、ジョナサンに自らの剣と勇気を託し昇天していった。ちなみにタルカスと共に架空の人物
タルカス
声 - 郷里大輔(ゲーム版)/園部好徳(映画版)
ブラフォードと共にメアリー・スチュアートに仕えていた巨漢の騎士。巨大な剣を持ち、岩をバターのように斬る事ができたという。ブラフォードと共にディオによってゾンビとして甦り、ジョナサンを倒しツェペリを惨殺するが、ツェペリの最終奥義でパワーアップしたジョナサンに瞬殺された。人間の心を取り戻したブラフォードと違い、死んだブラフォードを中傷したりと邪悪なゾンビとして消滅していった。
トンペティ
声 - 阪脩(ゲーム版)/坂口芳貞(映画版)
ツェペリに波紋を教えた師匠。弟子のダイアーとストレイツォを連れてジョナサンたちと合流し、ディオらと戦う。手を握ると相手の生命の波長を読み取り「運命」を予言することができる。
ダイアー
声 - 堀之紀
トンペティとともにツェペリの援軍に赴いた波紋の戦士。ジョナサンの力を試した。必殺技の「稲妻十字空烈刃(サンダークロススプリットアタック)」でディオに挑み体ごと凍らされ砕かれてしまったが、頭部はバラの花壇に落ち、絶命直前に波紋を帯びたバラの花を口で投げ、ディオの右目を潰した。
名前の由来は相棒のとストレイツォともにイギリスのロックバンド「Dire Straits」から。[1]
ストレイツォ
声 - 三浦祥朗
容姿端麗な波紋の戦士。ダイアーとともに登場し、ディオ配下のゾンビ四人を瞬殺した。
決めセリフは「このストレイツォ、容赦せん!」。ゲーム版では必殺技時に「このストレイツォー 容赦せんせんせんせんせんせんせんせんせん! 容赦せん!」と3部以降のオラオララッシュのようなセリフになる。
名前の由来はダイアーと同じく「Dire Straits」から。[1]
ワンチェン
声 - 田中和実(ゲーム版)/井戸田潤(映画版)
ディオに毒薬を売っていた東洋人。この男が毒を売っていることをジョナサンが突き止め、ディオの計画が露見した。その後焼失したジョースター邸を漁っていた所をディオの手によって最初のゾンビとなる。その後は要所で登場し首だけになったディオを救いジョナサンを誘き寄せるなど第一部の最後までディオを支えるも、ジョナサンの波紋で体内組織を狂わされ船と運命を共にする。
切り裂きジャック(ジャック・ザ・リパー)
声 - 江川央生
実在の殺人鬼。ディオと出会いゾンビと化す。体内から奇妙な形状のメスを放出して攻撃する。ジョナサンが初めて本格的に波紋で戦闘した相手である。初登場時は、何でもない通りすがりのチョイ役のキャラかと思いきや、実は…という荒木がよく使うパターンでの登場の仕方。ちなみに実在の切り裂きジャックは未だに正体が解っていない。
ポコ
声 - 阪口大助
ディオの潜伏するウインドナイツ・ロットに住む少年。ディオに催眠術で操られジョナサンたちを誘い出す。臆病な性格だったが、ジョナサンがタルカスにより決闘場「双首竜の間」に閉じ込められた時には姉(声 - 萩森侚子)の言葉から勇気を奮い立たせ小窓から決闘場の中に入り扉を開く。
スティクス
所属している教団からメキシコへの布教活動を命ぜられていた神父。目的地に行く途中の船上でディオの潜む棺桶を偶然発見したために殺害された。
怪人ドゥービー
ディオ配下のゾンビ。覆面を被っており、体内に色んな種類の蛇を大勢飼っている。ジョナサンを飼い蛇を使って襲ったが、逆にジョナサンの波紋に飼い蛇達が操られ喰われてしまった。
ペイジ、ジョーンズ、プラント、ボーンナム
ディオ配下のゾンビ達。装甲をまとった怪物のような姿をしている。律儀に一人一人名乗りながら登場したが、ストレイツォに瞬殺された。
アダムスさん
ウインドナイツ・ロットに住んでいる成人男性。ディオ襲撃時にゾンビにされ、ジョナサンたちを襲う。最初、正体を隠していたため、通常のゾンビよりも知能が高いと見られる。
獅子王ウィンザレオ、イナズマの騎士アイクマン、独眼のカイネギス
かつて77の輝輪(リング)に挑み、見事成し遂げた伝説の騎士達。原作では「77の輝輪の勇者の巻」の回に僅か1コマ、名前と彼らの姿らしきイラストが描かれただけだった。ゲーム版では、原作とは若干展開が違うアナザールート「最後の波紋!(裏)」に進むことでディオの部下として登場し、ジョナサンと戦うことになる。

[編集] 関連用語

石仮面(いしかめん)
製作者不明の石製の仮面。血液の付着をトリガーとして石仮面から出てくる骨針は脳を突き刺して、被っていた者の脳を刺激、吸血鬼へと変貌させる。吸血鬼となったものはピーク時まで若返り、強力な生命力と戦闘能力を持つようになるが、性格が邪悪化し、日光(紫外線)にあたると身体が消失してしまうリスクを持つ。また、人間以外の生物にも同様の効果をもたらすことが可能(Part2で「吸血馬」が登場している)。
Part2で、高等生物「柱の男」のカーズが究極生物になるために作成したものとされた。
吸血鬼(きゅうけつき)
吸血鬼になった者はそのエネルギーを生物の血液から得る。血液は口からだけでなく手指や血管を突き刺して直接摂取することも可能。血を吸われ吸血鬼のエキスを入れられたものは、屍生人(ゾンビ)に変化する。どちらも多くの場合理性が低下し、本能が強くその行動に表れる。肉体を自由にコントロールできるが、ゾンビの場合は受けた傷を修復できるほどではない。ディオは血流をコントロールし、体の水分を瞬時に気化させて凍らす気化冷凍法を修得している。これらの未知の能力は脳を基点として引き出されたものである関係上、頭部(脳)を完全に破壊されない限り死ぬことは無い。倒すには、波紋による攻撃を食らわせる、または太陽光(紫外線)を浴びせるのが最も効果的である。
波紋(はもん)
東洋の仙道に伝わる秘術のひとつ。独特の「呼吸法」により血液中のエネルギーを蓄積し、生命エネルギーを活性化させる。呼吸法により練り上げた生命エネルギーが「波紋」に見えたことから、ツェペリにより命名された。「波紋の呼吸」で作り出されるエネルギーは「太陽光と同じ波動」であり、強い波紋エネルギーは太陽光に弱い吸血鬼を死滅させる事ができる。なお、波紋にはいくつかの種類があり、中でも「山吹色の波紋疾走」(サンライトイエロー・オーバードライブ)が最も波紋エネルギーが強い。作者は単行本で「エネルギーを絵にできないかと考え生まれたのが波紋です」と述べている。

[編集] 劇場アニメーション

2007年2月17日公開。かつてPart3のOVAを手がけたスタッフが再結集して製作した。

特典付きの前売券が劇場の窓口で販売された。

  • プレミアムJOJOチケット - 原作イラストを使ったA3ポスター
  • 石仮面ストラップ付き特別鑑賞券 - 石仮面はメディコス・エンタテインメントが製作

ユナイテッド・シネマではリピーターキャンペーンと称し、2回目の鑑賞者にはクリアファイル、3回目の鑑賞者にはオリジナルピンバッジを配布した。

荒木飛呂彦は作品の映画化について「連載から20年も経って映画化されるというのは本当にうれしいことです。自分の娘を嫁にやるような気持ちで作品の幸せを願っています」というコメントを残した[2]

ストーリーはかなり簡略化されており、スピードワゴンを初めとする多くの主要キャラクターは尺の都合で登場していない。

2009年5月現在、DVD化はされていない。

[編集] スタッフ

[編集] 関連書籍

  • 『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド 究極総集編 OVER DRIVE』 集英社、2007年
  • 『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド OFFICIAL MOVIE GUIDE』 集英社、2007年

[編集] その他

  • 登場人物の名称は洋楽のバンド名やメンバー名などをアレンジしたものが多い(Part2以降も同様)。
  • 登場人物の一人、ロバート・E・O・スピードワゴンは、お笑いコンビスピードワゴンの名前の由来となった[3]。映画版ではロバート・E・O・スピードワゴンは登場しないが、2人はスペシャルゲストとして登場している。
  • ジャンプコミックス1巻第1話のジョナサンのセリフが「何をするんだァーッ」から「何をするだァーッ」になっている誤植があり、同66刷までの15年間に渡って修正されなかった。そのため、この誤植は知名度が高く、ゲーム版では、ファンサービスとして2周目以降は誤植のセリフになる。
  • 同じ週刊少年ジャンプに連載されていた『魁!!男塾』のアニメ版のナレーションの背景に、石仮面が大写しになったことがある。

[編集] 脚注

  1. ^ a b 『集英社ジャンプリミックス 戦闘潮流1 ジョセフ・ジョースター編』 P44 JOJO's CHARACTER Part1 ストレイツォ
  2. ^ 劇場版公式サイトより
  3. ^ 日本中を“波紋”に巻き込め――「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド共同プロジェクト」記者発表会 - ITmediaニュース 2006年09月13日


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