ジョジョリオン

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ジョジョの奇妙な冒険 > ジョジョリオン
ジョジョリオン
漫画:ジョジョの奇妙な冒険 Part8
ジョジョリオン
作者 荒木飛呂彦
出版社 集英社
掲載誌 ウルトラジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス
発表期間 2011年6月号 - 連載中
巻数 既刊4巻(105巻[注釈 1] - )
話数 18話
テンプレート - ノート 

ジョジョリオン』(Jojolion)は、荒木飛呂彦による漫画作品。漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの一部で、この作品は第8部(Part8)にあたる。漫画は集英社の青年向け漫画雑誌『ウルトラジャンプ』にて2011年6月号(2011年5月19日発売)より連載されており[1]、単行本は2013年5月現在、第4巻まで刊行されている。

物語は第4部『ダイヤモンドは砕けない』と同じ地名であるものの、関連性のない異なる世界のM県S市杜王町を舞台としており、作者の出身地である日本の仙台市がモデルとなっている。物語は3月11日大震災によってできた謎の隆起物「壁の目」より出現した記憶喪失の主人公東方定助を取り巻く話で、作者によると「『呪い』を解く物語」である。また作中に登場する「大震災」は物語のモデルである仙台市にて実際に起った東日本大震災を指している。

目次

概要 [編集]

災害によってできた謎の隆起物「壁の目」より出現した記憶喪失の主人公が関わる物語であり、「呪い」を解く物語であるとされている。

これは「呪い」を解く物語――

その始まり――「呪い」とは ある人に言わせると自分の知らない遠い先祖の犯したから続く「穢れ」と説明する

あるいは――坂上田村麻呂が行った蝦夷征伐から続いている「恨み」と説明する者もいる

また 違う解釈だと 人類が誕生し物事の「」と「」をはっきり区別した時にその間に生まれる「摩擦」と説明する者もいる

だが とにかくいずれの事だが「呪い」は解かなくてはならない

さもなくば「呪い」に負けてしまうか…

『ジョジョリオン』 1、#001

Part4『ダイヤモンドは砕けない』と同じ地名のM県S市杜王町が舞台で、似た名前の人物も登場しているが、関連性は無く、全く別の住人の物語であると作者は言及している[2]東日本大震災の被災地を思わせる舞台設定について、作者は「舞台を杜王町にすることはもともと決めていたのですが、構想の段階で震災が起きました。杜王町は仙台市がモデルなので避けて通ることは出来ませんでした。」と述べている[3]。なお、仙台市は作者の出身地である。本作の舞台となる杜王町は物語の中でM県S市紅葉区にある町とされている。町の名産品は牛たんミソ漬け[4]、別荘地帯と観光およびマイクロ・チップ部品製造産業が主な財源となっている[4]。町は大震災で深刻な被害を受けた上に、地面の下から隆起してきた「壁の目」によってライフラインが絶たれたのが大きな問題となっている。作中では、大震災の日の夜にまるでから来る何かを守る様に突如地面が隆起して出現した「壁」について「壁の目」と呼び定義している。その高さは1~3m(特に高い部分は15m)幅は5~8m、距離は全長10kmにも及び、これによって道路水道電気ガスなどが遮断されている[5]。なお、「壁の目」という呼び名は、町の小学生が名付けたものである[5]。第2話で杜王銘菓として登場した「ごま蜜団子」は松栄堂が製造している「ごま摺り団子[注釈 2]」がモデルで、2012年に開催された原画展ではパッケージを「ごま蜜団子」に変えた商品が限定販売された[注釈 3]

ストーリー [編集]

3月11日に起きた大震災後の杜王町に、突如出現した「壁の目」。ある日、広瀬康穂はその近くに、土に埋もれた青年を発見する。彼は病院に運ばれるが、自分に関わる記憶を全て失っていた。気にかけた康穂の協力を得て、彼は僅かな手がかりから自分と因縁のある「吉良吉影」の名を知り、そこから己の正体を探る。青年は不思議なしゃぼん玉を操る力を持っており、それが「スタンド能力」であることを知る。同じような能力を持つ者との出会いが、青年を彼らとの戦いの渦中に投入してゆく。

「ジョジョリオン」という作品名については作者が次のように説明している:

「ジョジョリオン」という題名(タイトル)は、「・・lion」というのが「祝福されるもの」「福音」とか「記念」という意味があるそうで、昔のギリシアとかの古い言葉だそうです。「ジョジョ」との合成語で主人公「定助」が、この世存在することの意味としてタイトルにさせていただきました。「ピグマリオン」というギリシア神話悲劇王様の名前や「エヴァンゲリオン」という日本のアニメ作品がありますが、関係あるかどうかは知りません。

—荒木飛呂彦(『ジョジョリオン』 2、表紙カバーより)

登場人物 [編集]

声は『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』のもの。

主要人物 [編集]

東方定助(ひがしかた じょうすけ)
声 - 真殿光昭
Part8のジョジョ。「壁の目」近くの地中から全裸姿で発見された青年。睾丸が4つある。ベッドの間に挟まるなど、なにかに圧迫されることを好む。また物の全長・距離を目視で精密に測る特技を持つ。口癖は「オレェ(俺)?」。首筋にはジョースター家の血統であることを表す「星型の痣」と、その周りに謎の歯型がある。発見された時に水兵帽をかぶっており、そこから自身が「吉良吉影」という人物と何らかの関わりを持つことを知る。DNA型鑑定の結果では、吉良とはほぼ同一人物であるとの結果が出ている。
その正体は、吉良吉影と謎の人物が壁の目付近の地面にて融合した事により生まれた人間。眼球や舌には繋ぎ目があり、心も融合している事からスタンド自体も二人の人物のスタンドが融合している。曲折を経て東方常秀の家に引き取られ、康穂が昔飼っていたというジョースケという犬に顔が似ていることを理由に「東方定助」(Part4の主人公である東方仗助同音異字)と仮の名前をつけられ、今に至る。前歯が空きっ歯であり、前述の杜王町の名物「ごま蜜団子」を食べたところ、歯の空いている部分から団子の中身の蜜が噴き出て、康穂に窘められる、というヒトコマがある。
ソフト&ウェット(柔らかくてそして濡れている)
体の中央に碇のマークが描かれた人型のスタンド。指先や星型の痣から飛び出した「しゃぼん玉」が物体に触れて割れることで、その物体から音、視力、水分、摩擦など「何か」を一時的に奪う。また、しゃぼん玉を割らずに奪ったものを中に閉じ込め、後に割れた場所で閉じ込めたものを開放するという使い方もできる。解放される時はシャボン玉に当たった対象に中身が解き放たれる。この能力で自分の体にあるものは奪えないが、割れないシャボン玉として傷口に当てておくことで止血にはなる。ラッシュ時は、承太郎徐倫と同じく「オラオラ」を連呼する。
広瀬康穂(ひろせ やすほ)
「社会性ゼロの人しかいない」社会学部の女子大生。19歳。身長166cm。「壁の目」の近くにいたところ、地面に埋まっていた裸の青年(定助)を発見する。それが縁となり、彼の正体をつきとめる調査に同行する。東方常秀とは過去に交際関係であったが、現在は自らの発見した定助に恋心を抱いている。定助、常秀と同様の歯型の傷を右足首に負い、スタンドが発現する。親からは愛情を受けていないらしく、どこにも自分の居場所がないと思っている。
ペイズリー・パーク
康穂が壁の目で脚を怪我した事により発現した、全身に地図をあしらった女性型のスタンド。対象が行くべき方向を携帯電話のナビや目印として発現する。まだ康穂自身がスタンドと能力を認識できていないが、無意識の内に発現し定助の力となっている。
東方常秀(ひがしかた じょうしゅう)
東方家の次男。18歳の大学1年生で、康穂の幼馴染。康穂のことが大好きだが、一方的な片思いで非常に嫉妬深い。発見現場で定助と接触した際に、定助と同様の歯型の傷を左ひざに負う。父・憲助が得体の知れない定助を引き取った思惑も知らない模様で、父が定助を特別扱いしていることや、康穂が定助と仲良くなっていることが気に入らない。
スタンド(名称不明)
頭中に釘を打ち込まれた藁人形のような姿のスタンド。攻撃対象の身体にネジを埋め込み、それを外すとネジがついていた部分がそのまま取れてしまう。 Part5に登場するブチャラティのスティッキー・フィンガースに似た能力と言える。
吉良吉影(きら よしかげ)
享年29。船医。美しい手をしていて、ナルシスト。あいまいなことを嫌っており、笹目を唆して彼の指を自ら食べさせた。どこかで殺人を犯しているのではないかと笹目に思わせるような危険な雰囲気を漂わせている。定助が発見される3日前に既に死亡しており、遺体は定助が埋まっていた場所のさらに下に埋まっていた。発見された時睾丸が無かった。手に執着を持つ、部屋にモナリザの絵が飾ってあったり、切った爪を瓶に収集しているなどPart4の吉良吉影との共通点が見られる。東方家の家系図の記述に従えば、Part7の主人公ジョニィ・ジョースターの後裔であり、東方家とも遠い縁戚関係にある人物とされる。
スタンド(名称不明)
後述の虹村の話によると、吉良もスタンドを持つ。姿形はPart4の吉良吉影のスタンド「キラークイーン」に酷似しているが、能力が異なる(Part4のキラークイーンの基本能力は『触れたものを爆弾にする』というものだが、こちらの能力は『爆発性のあるしゃぼん玉を生成する』というもの)。また、第二・第三の爆弾『シアーハートアタック』『バイツァ・ダスト』が使えるかどうかも不明。

東方家関係者 [編集]

四代目東方憲助(ひがしかた のりすけ)
身寄りのない定助を引き取った東方家の家長。59歳。北米大陸横断レースの参加者だった日本人「初代東方憲助」(Part7『スティール・ボール・ラン』のノリスケ・ヒガシカタ)の曾孫で、フルーツの輸入事業で成功した曾祖父の後を継ぎフルーツ専門店「ふるうつ東方」を経営している。定助を引き取ったのは、善意ではなく何か思惑があるようで、大弥に定助を手懐けるように指示を出しているが、逆に大弥が定助に手懐けられているように見えるため、違和感を感じている。東方家の家系図の記述に従えば、「憲助」を襲名する前の名前は「常助」。
東方鳩(ひがしかた はと)
東方家の長女。24歳。職業はモデル。全身タイツのような服を着用している。
東方大弥(ひがしかた だいや)
東方家の次女。16歳。カエルのようなフードを常に被っている。2~3歳の時に断層から転落したことで視力をほとんど失ったが、家の中では自分のことは自分で行え、方向を指示して貰えば自転車にも乗れる。音楽はイエスなどのプログレッシブ・ロックを好んで聴く。父・憲助の思惑は知らず、単純に定助に好意を抱き、自分だけのものにするために攻撃を仕掛けるが、彼の策にはまって影を踏んでしまい、奪った記憶を取り返されて敗北。しかし彼に許され、憲助の思惑とは逆に定助に手懐けられてしまう。
カリフォルニア・キング・ベッド
相手があらかじめ約束したルールを破るたびに発動し、相手の記憶の一部をチェスの駒にして奪うスタンド。顔の付いた体の各パーツが紐でつながった様なデザイン。大弥は「ちゃん」付けで呼んでいる。
駒となった記憶を元に戻すには、大弥に記憶の持ち主の影を踏ませるしかない。駒を物理的に傷つけると記憶の持ち主にダメージが伴う上、完全に破壊すると封じられた記憶は永久に失われてしまう。また、大弥自身は駒の中の記憶を自由に読むことが出来る。エンリコ・プッチのホワイトスネイクと類似した能力であるが、発動毎に奪える記憶は攻撃を受けた時に考えていたことのみで、またスタンド能力そのものを奪うことは出来ない(「スタンドを使える」という記憶は奪える)。
東方常敏(ひがしかた じょうびん)
東方家の長男。コミックス2巻54~55ページ見開きに登場したきりで、顔もはっきりしていない。
東方蜜葉(ひがしかた みつば)
常敏の妻。31歳。
東方つるぎ(ひがしかた つるぎ)
常敏の娘。9歳。常にサングラスをかけている。ウルトラジャンプ掲載時には初登場時2歳と表記されていたが、コミックス2巻では体格はそのままで9歳に変更され、2巻と同日発売のウルトラジャンプに掲載された話でも2002年生まれに設定変更されていた(なお、そちらの話が3巻に収録された際には1982年生と誤記されているコマが1つある)。
虹村京(にじむら きょう)
東方家に仕える家政婦。22歳。物腰は丁寧だが、冷静でポーカーフェイス。メイド服を着ているが、学帽のような帽子を常にかぶっている。
実は吉良吉影の妹であり、一時は吉良・ホリー・ジョースターを探す定助をそのスタンド能力で陰から攻撃したが、定助の携帯を媒介にした康穂のスタンドの支援もあって敗北。対決後、定助が敵対する人物ではないと考え定助に壁の目の持つ『2つのものの中身が混ざり合う』という特異な現象を教えた。
ボーン・ディス・ウェイ(BORN THIS WAY)
黒色のバイク乗りの姿をした自動追尾型のスタンド(ライダースーツヘルメットバイクもスタンドの一部)。本体が目標と認識した相手が、何かを「開く」動作を行った場合、どこからともなく現れ、相手が何かを「閉める」動作を行うまで、周りから温度を奪ったり、強風を吹かせるなど、延々と攻撃を繰り返す。本誌掲載時は「ゴーイング・アンダーグラウンド」というスタンド名だったが、単行本の際に訂正された。

敵スタンド使い [編集]

笹目桜二郎(ささめ おうじろう)
22歳。サーファー。能力を使って、誘いに乗って海辺まで来た女性を「支配」して楽しむという、危険な趣味を持つ(ただし、殺人を犯した事はない。本人は殺人までやらない理由として、どうせ相手の女を生かしておいて、警察に駆け込まれたとしても、証拠が無いため捕まらないから、ということ)。
吉良吉影に一晩中罵られた結果、酒の酔いとやっていたクスリの影響もあって、両手10本の指先を自分で食うはめになってしまったことで吉良に恨みを抱き、吉良の自宅であるマンション204号室の真上の部屋を借りたうえ、真下の吉良の部屋に周到に罠を張り、それから3日後に部屋に来た定助を吉良と誤認し復讐を開始するが敗北。顔を合わせて自分が襲った相手が吉良でないことを知り、攻撃の意志を失くす。
ファン・ファン・ファン
相手の真上に立つことで能力が発動し、対象の手足に血で丸に矢印の「印」を描くことで相手の手足を支配下に置くスタンド。ただし、対象の手足のいずれかに「傷」をつけなければ支配下に置けず、また、相手が傷ついても、自分が相手の真上にいなければ「印」を付けられず、支配下に置けない。そのためスリッパの中、タオルの内側、ベランダに幾多の罠を仕掛けて「傷」を負わせようとした。4本の腕のようなもので立っており、胴体の下にはとても短い足が付いている。本誌初登場時は人型のデザインだった(単行本では修正されている)。

その他 [編集]

吉良・ホリー・ジョースター
吉良吉影の母。医師で現在はTG大病院に入院中。康穂をエロ本に掲載された写真の女性と思い込んだり、看護師をブーツと間違えるなどといった奇行が目立つ。その原因は『脳の一部が欠落している』ためであるが、その欠落のあまりの不自然さに、TG大病院の医師たちは当惑している。定助同様、物の全長・距離を目視で精密に測る特技を持つ。
裸の女性
名称不明。定助と康穂が訪れた吉良吉影の自宅マンションの浴槽にいた裸の女性。東京から来て杜王町を旅行中、笹目に吉良を陥れる罠として利用するために拉致されここに閉じ込められていた。定助が笹目を倒した隙に部屋から逃亡。裸のまま逃げ出し、ゴミバケツの中に隠れていた所を、通りがかった子供に発見されている。
広瀬鈴世(ひろせ すずよ)
広瀬康穂の母、44歳。昼間から酒を飲み泥酔し、男遊びをするなど、母親らしいことを何もしていないため、康穂から忌み嫌われている。

用語 [編集]

壁の目
3月11日の震災の際に海岸から内陸へ数百メートルの地点で突然隆起してきた壁。町の小学生により名付けられ、電気、ガス、水道といったライフラインを阻んでいる。ここで康穂が定助を発見したところから物語は始まる。
周辺の地面には秘密があり、物と物を一緒に埋めるとそれらが混ざり合う特徴がある。(レモンミカンを一緒に埋めれば見た目は変わらずに中身が混ざり合う)。これを知っているのは一部の人間だけであり、虹村京曰く東方家の誰かは震災前から先祖代々知っているという。
スティール・ボール・ラン・レース全記録
Part7のレース記録を詳細に綴った初代・東方憲助(Part7のノリスケ・ヒガシカタと同一人物)による著作。何故か家系図が収録されており、東方家、ジョースター家、吉良家の関係が描かれている。しかし家系図では、特に憲助を始めとしたPart7の登場人物のレース当時の年齢、さらに生没年と整合性が取れていない。
支倉高校(はぜくらこうこう)
現時点では名称のみ登場。常秀曰く、「偏差値は結構いい」「自分の知ってる者に悪そうな者はひとりもいない」。
カツアゲロード
この道を通過すると何故かカツアゲに遭い、常秀も一度カツアゲに遭った。カツアゲする者はここの住人であるが一定していない。この道の先に支倉高校がある。

書誌情報 [編集]

脚注 [編集]

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注釈 [編集]

  1. ^ Part1からの通算
  2. ^ 劇中と同じく8個入りと16個入りがある
  3. ^ 「ごま蜜団子」発売決定!! 松栄堂のサイト

出典 [編集]

  1. ^ http://natalie.mu/comic/news/48083
  2. ^ 荒木飛呂彦・著『ジョジョリオン』 第1巻、表紙カバー
  3. ^ 朝日新聞夕刊』2011年7月2日『震災後の世界 マンガに 「ジョジョリオン」など
  4. ^ a b 『ジョジョリオン』第1巻 p.13
  5. ^ a b 『ジョジョリオン』第1巻 pp.16-17

発売日 [編集]

以下の出典は『集英社BOOK NAVI』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。

外部リンク [編集]