3月のライオン
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| 3月のライオン | |
|---|---|
| ジャンル | 人情、将棋漫画 |
| 漫画 | |
| 作者 | 羽海野チカ 監修:先崎学 |
| 出版社 | 白泉社 |
| 掲載誌 | ヤングアニマル |
| レーベル | ジェッツコミックス |
| 発表号 | 2007年14号 - 連載中 |
| 巻数 | 6巻(2011年7月現在) |
| その他 | 取材協力:日本将棋連盟、壽堂 |
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『3月のライオン』(さんがつのライオン、March comes in like a lion)は、羽海野チカによる日本の漫画作品。将棋を題材としている。『ヤングアニマル』(白泉社)にて2007年第14号から連載中。
目次 |
[編集] 概要
『ヤングアニマル』(白泉社)にて2007年第14号から連載開始。休載が多いため実質不定期連載となっている。
東京下町に住む若きプロ棋士の少年と3姉妹との交流を中心に、他者との関わり合いの中でそれぞれの心の傷と向き合い、癒そうとする人々の姿を描く。
タイトルの「3月のライオン」"March comes in like a lion"は、“March comes in like a lion and goes out like a lamb. ”(『三月は獅子のようにやって来て、羊のように去っていく(3月は荒々しい気候とともに始まり、穏やかな気候で終わる)』)というイギリスのことわざの一部より取られている。[1]。
著者の前作である『ハチミツとクローバー』にはイヌが多く登場するが、『3月のライオン』にはネコが多く登場する。
2011年2月に編集担当が異動となるが、白泉社社長より「花とゆめの編集長をやりながら、『3月のライオン』の原稿だけは取りに行け」という特令が出され、実施されている。[2]
同誌連載『ベルセルク』作者三浦建太郎曰く『アニマル一男らしいマンガ』
以下の賞を受賞
- 2009年、第2回マンガ大賞2009第3位。
- 2010年、第1回ブクログ大賞マンガ部門大賞を受賞。
- 2011年、「全国書店員が選んだおすすめコミック2011」第2位。
- 2011年、第4回マンガ大賞2011を受賞。
- 2011年、第35回講談社漫画賞一般部門を受賞。
[編集] あらすじ
東京の下町に1人で暮らす17歳の少年・桐山零。彼は幼い頃に事故で家族を失い、心に深い傷を負ったまま、将棋のプロ棋士として孤独な生活を送っていた。そんな零の前に現れたあかり・ひなた・モモの3姉妹。彼女たちとの交流を深めていくうち、零は失っていたものを少しずつ取り戻していく…。
[編集] 登場人物
[編集] 主人公
- 桐山 零(きりやま れい)
- 本作の主人公。17歳。4月生まれ。父の命令により幼少時から将棋を勉強しており、早期から頭角を現し史上5人目の中学生でプロになった棋士だが、作中では才能よりも境遇による将棋への没頭が強調されている。また、零以前に中学生でプロ棋士になった4人は全員タイトルを取っているため、零にも期待がかかっている。(5巻以降)C級1組、五段。C級2組は1期抜けしており、それから逆算すると順位戦初参加は中学卒業後である。零に2年ほど遅れてプロになった二海堂が順位戦では1年遅れであることを考えると、零は中学3年の10月に三段リーグを抜けてプロになったものと思われる。
- 棋風は居飛車も振飛車も指すオールラウンダーで、島田からは「宗谷と(棋風の)雰囲気が似ている」と評されている。長考の際、片手で反対側の肘を掴む癖がある。相手がこちらのミスを待つ戦術をとるとムキになって攻め込み自滅する悪癖があったが、対山崎戦でその悪癖を克服し新人王位を獲得した。新人王獲得の記念として、宗谷冬司名人と第43回新人戦記念対局を行う事となった。
- 交通事故で両親と妹を亡くし、父親の友人で棋士であった幸田の家に内弟子として引き取られプロを目指すが、幸田の意向もあり養子として扱われており、そのことが香子、歩との軋轢を生み出すこととなった。中学生時にプロに昇段し、幸田家のために進学せず自立する道を選ぶ。後に「必要」を感じて1年遅れで高校へ編入するが友人をつくれず、孤立していたが、放課後将棋科学部の面々と出会って学校にも拠り所ができた。六月町在住。
- 父方の実家は「桐山医院」を経営しており、現在は叔母の貴和子夫妻によって経営の実権を握られているため、父方の親類とは疎遠。又、幼少時より感情の起伏が乏しく学校内でも苛められる事が多かった。加えて、幸田家での生活が心傷となっている。
- 自らの境遇を「停滞している」と感じ悩みを深めていたが、川本家をはじめとする周囲の人間から影響を受け、少しずつ変わっていく。
[編集] 川本家の人々
- 川本 あかり(かわもと あかり)
- 三月町に住む川本3姉妹の長女。20歳代前半(現在保育園児のモモが0歳のとき、19歳との記載あり)。母を亡くし、妹たちの面倒を見ながら、昼は祖父の経営する和菓子屋「三日月堂」で、夜は週に2日、叔母の経営する銀座の店「美咲」のホステスとして働いており、無理やり連れてこられた零と知り合う。スタイル抜群の美人でたおやかな外見とは裏腹に、しなやかでたくましい性格の女性。猫・鳥・人間を問わずガリガリな(痩せている)ものを放っておけない性質で、拾ってきてはフクフクにする(太らせる)。また、ふっくらとした体型に魅力を感じるようで、零と同行していた二海堂を一目で気に入り、その場で夕食に招待している。
- 零の事は「零くん」と呼び(ホステスとして会ったときは「桐山君」と呼ぶこともある)、何かと気にかけている。
- 川本 ひなた(かわもと ひなた)
- 3姉妹の次女。中学2年生。5巻以降は3年生。いつも明るく元気だが、非常に繊細な一面もある。遅刻ぎりぎりまで二度寝をする、好意を寄せる男子に弁当を作って渡そうとするなど、年頃の少女らしさを見せる。零の事は「れいちゃん」と呼ぶ(単行本1巻では「零くん」「桐山君」などと呼んでいる)。姉のあかりと同じく零のことを気にかけている。
- 友人のいじめ問題に直面したことから、今度は自分が標的にされている。悩み、泣きじゃくりながらも「私は間違っていない!」と叫ぶ姿は、零をトラウマの1つから救い出した。なお、このいじめに関するエピソードは、実話(羽海野の姪が、クラスでいじめられていた子をかばった時の話)を元にして描かれている[3]。
- 川本 モモ(かわもと モモ)
- 3姉妹の末っ子。保育園に通っている。純粋で無邪気、少々わがまま。零や姉たちに甘えたり、大好きなアニメのキャラクター・ボドロ(モデルは「となりのトトロ」のトトロ)に似ている二海堂に懐いたりする。零の事は「れいちゃん」と呼ぶ。
- 川本 相米二(かわもと そめじ)
- 川本3姉妹の祖父。3姉妹の母親である美加子の父親。和菓子屋「三日月堂」の店主。無愛想な老人だが、孫思いで特にモモを溺愛している。仕事で朝が早い時は「三日月堂」に寝泊りすることも多い。また、川本家の身内では唯一の男性で、男性の立場から零を見守る。将棋を指す描写はないものの、将棋ファンでもある様子。
- 美咲(みさき)
- 3姉妹の叔母で、あかりが勤める銀座のクラブ「美咲」のママ。結婚して家を出ているものの、3姉妹、特に若くして家長となったあかりのことを気にかけ、お洒落をして外に出られるようにとホステスとして雇っている反面、やや商売っ気の強いところもある。「美咲」には、将棋連盟の人間が多く常連におり、零が川本家に出入りするきっかけとなった。
[編集] 幸田家の人々
- 幸田(こうだ)
- 零の将棋の師匠でプロ棋士(八段)。零の実父の友人で、昔はともに奨励会で競い合った仲。交通事故で家族を亡くした零を引き取り、わが子同然に育ててきたが、良くも悪くも「将棋が全て」の人物で、実子である香子や歩よりも零に棋士の才能を見出し目をかけるようになったために、香子や歩からの反感を買うが、何故そうなったかを理解できていない。後に自身も零に追い抜かれてしまう。目白在住。
- 幸田 香子(こうだ きょうこ)
- 幸田の娘。零・歩の4歳年上。気性も棋風も激しい、人を惹きつけるものを持った美女。奨励会に所属していたが、零に勝てないことを理由として中2のとき幸田に辞めさせられ、その後は街で遊び回るようになる。零に対して愛憎入り混じった複雑な感情を抱いており、自分よりも才能があり父親の歓心を奪った零を「ゼロ」と呼び、傷つけるような言動を繰り返す反面、部屋に上がり込み彼にのみその心情を吐露するなど、何かと零の前に姿を現す。零に恋愛についてのトラウマを植えつけた人物で、現在は後藤のことが好きだが、その関係に悩んでいる。
- 幸田 歩(こうだ あゆむ)
- 幸田の息子で香子の弟。零と同じ歳。零に追い抜かれて落ち込み、将棋を辞めた後は部屋にこもってテレビゲームばかりするようになってしまう。主に回想での登場だが、零に対する態度の辛辣さは、香子にひけをとらない。
[編集] プロ棋士
- 二海堂 晴信(にかいどう はるのぶ)
- C級2組、四段。(5巻以降)C級1組、五段。零の口調からして、零と同級か1-2歳年長くらい。零とはプロになる以前から対戦を重ねており、零の「(自称)心友」かつ「(自称)終生のライバル」。押しかけライバル的なところは否めないが、零が唯一対等に相対している人物。零より遅れること2年、4月にプロになったと思われる。
- 良家の子息で、性格は非常にマイペースながら女性に対しては紳士的である。将棋に関しては熱血漢であり真摯、その覚悟やまっすぐな人間性は周囲の人々に好かれている。ライバルと見定めた零に対しては暴走しがちであるが、そういった面も含めて零に与える影響も少なくない。
- もっちりとふくよかな体型をしているが、それは幼い頃から腎臓を患っている影響であり、常に健康に不安を抱えている。そのため、執事の花岡がいつも特製の弁当を抱えて付き従っている。病気のことは師匠や島田以外には内緒にしているものの、付き合いの古い零や病状に知識のあったあかりはそれとなく察している。本人には内緒で、GPSを持たされているため、どこにいても居場所が花岡らに知られている。絵を描くのも好きで、プロ並みの腕前を持ち、自作の将棋入門絵本は分かり易く豪華。
- 島田の弟弟子(すなわち大内門下)で、研究会も一緒にしている。居飛車党で、特に居飛車穴熊を好む。
- 零と決勝での対戦を(一方的に)誓った新人戦トーナメント準決勝で千日手の指し直しとなり、持久戦に耐え切れず体調が悪化、倒れてしまい敗退した。
- 監修の先崎学は単行本の解説で、本作の各登場人物のモデルが誰かについては難しいとしつつも、二海堂のみについては幼くして腎臓を患ったこととそれによる体型、そしてひょうきんな性格を挙げて、夭折した村山聖九段との類似を指摘している。
- 宗谷 冬司(そうや とうじ)
- 30歳代後半。現名人、五冠。名人以外に獅子王・棋神・聖竜・玉将のタイトルを持っている(棋竜と棋匠のみ、他の棋士がタイトルを持っている)。名人戦は6連覇中(通算12期)。玉将戦は5連覇中。零の憧れの存在。零と同じく中学生(15歳)でプロ棋士になると、21歳で史上最年少名人位に就き、史上初の七大タイトル独占を成し遂げた天才。島田と同い年であるが、宗谷の容姿はプロになった中学生の当時とほとんど変わらない。あらゆる戦型を指しこなすオールラウンダー。独特の雰囲気・存在感を持ち、棋士たちからは神にも悪魔にもたとえられる存在。
- タイトル戦などで紅茶に入れているのは、角砂糖ではなくブドウ糖(脳のエサ)。京都市の銀閣寺の近くで、老いた祖母と暮らしている。
- 島田 開(しまだ かい)
- 30歳代後半。A級、八段。大内門下。二海堂の兄弟子で「兄者」「坊」と呼び合う仲。宗谷と同じ年で奨励会の同期[4]。後藤よりは若いが髪は薄く、よくツッコミの対象にされる。粘り強く決して諦めない棋風の通り、たゆみなく努力を重ねてA級にまで登り詰め、最近ではタイトル獲得はないものの、タイトル戦の常連にまでなっている。獅子王戦では宗谷に挑戦し、自らの宗谷に及ばないことを自覚しながらも必死に食らいつくが、0勝4敗のストレートで敗れる。
- 将棋の街として知られる山形県天童市付近の村出身で、その名に実を持たせようと、そして幼少より応援を続けた後援者のために、故郷にタイトルを持ち帰ることを夢見ている。奨励会の頃から胃痛持ちで、タイトル戦などではプレッシャーから非常に悪化する。二海堂や零からも慕われる人格者であり、非常に面倒見のよい性格だが、それがまた胃痛の種になってしまう。
- 二海堂の申し出と、その感性が宗谷に似ていることに気づいたことから零を自らの研究会に誘い、才能を確認する。居飛車党。自他共に認める雨男。
- 後藤(ごとう)
- 41歳(?)[5]。A級、九段。剛直な風貌とヤクザのような威圧感を持つ、冷酷非情の棋士。零は香子との関係を難詰した際、実際に殴られたことがある。ただし、実績の乏しい棋士が島田を揶揄したとき不快感を顕にし、獅子王戦で初対決の島田を甘く見て返り討ちにあった零に対しても「A級棋士をなめるな」と言い放つなど、将棋に関しての真摯さは自他を問わない。力量が劣ることを自覚しつつも全力で対決してきた三角に対しては、感想戦でアドバイスも送っている。厚く重い棋風。
- 香子に思いを寄せられており、同棲に近い関係である。しかし長期入院中の妻への愛情を保っており、妻の日用品を買わせたりストーカー呼ばわりして家から叩き出したりまでしている一方で、腕時計を買い与えたり、無意識に抱き寄せたりなど、何らかの拠り所にもしている様子。幸田の弟弟子であった。
- 隈倉 健吾(くまくら けんご)
- A級、九段。靴のサイズ29.5cm。身長もおそらく190cm前後と、格闘家と見紛う巨漢。名人戦において第66期から第69期まで4期連続で宗谷に挑戦し、69期ではあと1勝で名人位奪取というところまで宗谷に迫るも、4期連続で敗北。その夜、悔しさのあまり宿泊施設の壁を蹴り破った。宗谷に対して正面から堂々とぶつかりあう手を指して対局できる数少ない棋士の1人であり、現在の棋界では宗谷に次ぐ実力者。
- 甘党かつ酒豪であり、「ケーキ3ヶを瞬殺」する姿は名人戦の名物。夜はケーキをつまみに、芋焼酎をボトルで空ける。
- 神宮寺 崇徳(じんぐうじ たかのり)
- 日本将棋連盟会長。第十六世名人。過去に7期名人を務めていた。零が一人暮らしを始めた際、保証人になっている。性格は豪快そのもので、釣り(特に海釣り)が趣味。棋士としては引退している様子で、会長職のみをこなしているようである。
- 柳原(やなぎはら)
- 棋匠。還暦前。宗谷と隈倉の名人戦を観戦、神宮時会長と語りあう。普段は軽い物腰だが、後藤に対し「幸田をあまり泣かせるな」と釘を刺すなど歳相応の貫禄も秘める。力ある若手との対局では、ひらひらとかわすような棋風であるらしい。棋匠位9期獲得。
- 三角 龍雪(みすみ たつゆき)
- 26歳。B級2組、六段。通称「スミス」。身長180cm。軽妙な棋風。飄々とした人物で、零を後輩として可愛がっている一方、棋士としては一目置いている。松本とは何かと気が合う。子猫を拾い「いちご」と名づけて飼っているが、いまいち懐かれないのが悩み。
- 松本 一砂(まつもと いっさ)
- 26歳。C級2組、五段。身長181cm。喜怒哀楽の感情表現が豊かで連盟のムードメーカー。棋風は攻撃的というより攻撃しかしてこない。スミスと共に隈倉に憧れているが、棋士としてではなく完全にアイドル扱いである。田舎は山形。あかりのファン。
- 横溝 億泰(よこみぞ おくやす)
- B級1組、七段。貧相でコミカルな風貌もあってか、獅子王戦本戦トーナメントでのスミスと対局や天童桜祭りの人間将棋での二海堂と対局など三枚目的な役回りが多いが、折にふれては零を気にかけ、時にはアドバイスをするよき先輩。初心者への指導将棋が上手らしい。
- 辻井 武史(つじい たけし)
- A級(在位8年)、九段。駄洒落が好き。第20期獅子王戦本戦トーナメント準々決勝で零と対局した。テレビに映りたい一心でインフルエンザを隠して立会人をしようとしたり、天童市のイベントで「ラブミー・テンドゥ」と言って会場を微妙な雰囲気にしたりするなどの前科が多数あり「残念なハンサム」と評される。あかりのファン。作者が実在棋士(藤井猛九段)がモデルであることを明言している唯一の人物[6]。
- 重田 盛夫(しげた もりお)
- B級2組、島田と同期で研究会も一緒にやっている。無口だが場に慣れると毒舌。二海堂と激しく口論するのが島田の胃痛の種だったが、最近そこに零が加わり状況は悪化した。振り飛車党。
- 蜂谷 すばる(はちや すばる)
- 23歳。C級1組、五段。早指しを得意とする攻撃的な棋風。20代若手棋士の中で一番の有望格とされている。対局中「舌打ち」「貧乏ゆすり」「扇子鳴らし」を繰り返すため「東のイライラ王子」のあだ名で呼ばれている。なぜか棋士からは「ハッチ」の愛称とともに妙な人気がある。新人戦準決勝にて零に敗れる。
- 山崎 順慶(やまざき じゅんけい)
- 五段。26歳以下かつ五段以下という出場回数の限られた棋戦である新人戦で、4期の優勝を果たす。その風貌はスキンヘッドに眉なしという若手らしからぬものである。あと一回の新人戦優勝で永世新人王[7](そのような称号は現実・作中のどちらにもない)と陰口を叩かれるが、それはB級2組昇級やタイトル挑戦によって六段に昇段することで出場権を失うことにならなかった不名誉の証でもあり、逆にC級1組では降級点を取るなど厚い壁に当たっている。5回目の優勝を狙った新人戦の準決勝では、二海堂相手に千日手に持ち込み、体力勝負に持ち込んで勝利する。十分に指せた将棋を「確実に有利になる指し方を読めない」ことで千日手にしたことは零の怒りを買うが、一方の山崎には、底を知らずどこまでも深く読みを進める零と二海堂への畏れがあった。続く決勝でも持久戦に持ち込もうとするが、冷静さな指し回しで隙を見せない零に敗れる。将棋を教えてくれた祖父から教わったレース鳩の育成が趣味。
- 藤本 雷堂(ふじもと らいどう)
- A級、棋竜。後藤とは違う意味で外見が恐ろしく、口が悪い人物。大盤解説会の大勢の客の前で、零に対し「プロ棋士になったのは高校1年時だがB2級に上がるまでの期間は自分の方が早かった。つまり俺の方がエライ」と発言し、更に宗谷への敵愾心も合わせてぶちまけるなど、いささか大人気ない所があるが、その放言ぶりを喜んでいる常連ファンもいる様子。
- 松永 正一(まつなが しょういち)
- 65歳。C級1組、七段。棋士歴40年のベテラン。C級1組の残留をかけて順位戦で零と対局した。福島県会津地方出身。高齢だが子供じみた性格で、愛嬌のある人物。対局時には奇矯な行動で零を困惑させ、対局後も零を捕まえて夜まで連れ回す。零との対局で負けた後、引退するかと思われていたが、撤回し棋士を続ける意思を表明。
- 安井(やすい)
- C級1組、六段。負けると家庭で荒れていたため、離婚する羽目になる。順位戦で零と対局、中盤のミス一回で戦意を失い敗北する。松永とは正反対の棋士であり、対局後零の心をかき乱した。
- 有本(ありもと)
- 九段。温厚な性格で知られる壮年の棋士。偽りの草食棋士ぶりを自覚し、狼狽する零を面白がるが「(棋士は)火の玉みたいに傲慢で、気の強い人間しかおらん」と言っている。
- 櫻井岳人(さくらい がくと)
- 30歳。B級1組、七段。棋匠戦挑戦者決定戦で、島田八段と対戦するも敗れる。棋界集客力No.1であるため、色々な意味で柳原をガッカリさせた。
[編集] その他
- 林田 高志(はやしだ たかし)
- 零が編入した高校の教師。零が高校1年時の担任。進級後(5巻以降)担任からは外れたが、将科部の顧問となり引き続き零の世話をやく。詰将棋のコーナーに投稿するほどの将棋ファン。宗谷と同い年。学校内で零がプロ棋士であることを知っている数少ない人物。割と物事をずばずば言うが、孤独な零を気にかける恩師といってもよい理解者。
- 国分(こくぶ)
- ひなたの学校の学年主任。ひなたのクラスの担任が心労で入院した後、担任となる。クラスのいじめ問題に深く切り込み、表面的には平穏を取り戻すが、根本的な解決を目指し指導を続けている。
- 野口 英作(のぐち えいさく)
- 零の高校の1学年先輩。放課後理科クラブの部員。科学を愛し、色々な実験を行っている。その名の通り、野口英世がモデル。10代らしからぬ髭を生やしている外見もさることながら、鷹揚な人柄で先輩からも“先輩”とよばれていたらしい。同クラブは部員不足のため廃部の危機を迎えていたが、林田の発案で将棋部を作ろうとしていたものの、難航していた零を部員に加え、放課後将棋科学部となった。学校の人間関係が希薄な零にとって、貴重な交流の場である。
- 高橋 勇介(たかはし ゆうすけ)
- 中学2年。(5巻以降)3年。ひなたの同級生で幼馴染みで憧れの人。祖父や父が将棋好きであり、そのことから対面前から零のことを見知っていた。野球部のエースで、プロを目指している。中学生でプロ棋士になった零に関心を持っており、ひなたとの繋がりで知り合った零に真摯な質問を向ける。プロになるための最初の一歩として甲子園出場を目指し、四国の高校に進学を決めている。いじめの標的になったひなたを庇うなど侠気に溢れた人物。
- 佐倉 ちほ(さくら ちほ)
- ひなたのクラスの生徒。いじめがきっかけで不登校となり、父親の単身赴任先である新潟に引っ越し、ケアを受けている。のちに、ひなたに夏休みに遊びに来てほしいと、手紙を書く。
- 高城(たかぎ)
- ひなたのクラスの生徒でいじめの首謀者。国分の指導で表面上態度を改めるが、まったく反省はしていない。
- 川島 / 木内 / 小林 / 工藤(かわしま / きうち / こばやし / くどう)
- ひなたのクラスの生徒でいじめの共犯者。国分の指導で態度を改め、ひなたたちとクッキーをつくる。
- 花岡(はなおか)
- 二海堂家の執事(勤続45年)。穏やかな物腰の老紳士。晴信が子供の頃から世話をしており、常に彼の体調や対局の結果を気に掛けている。リフレッシュ休暇で「80日間世界一周の旅」をプレゼントされるが、晴信が心配で不整脈になりそうな勢いであったため早々に帰国した。
- 猫たち
- 川本家の3匹の猫。いずれもあかりが拾ってきた。三毛、黒白、白(一番新入り)の3匹。名前は不明だが、あかりからまとめて「ニャーたち」と呼ばれている。食い意地が張っており、いつもお腹を空かせている。あかりたちが発する「ごはん」と言う単語や缶詰を開ける音に敏感で、ちょっとでもそういう音が聞こえるとダッシュで集まってきては、食べ物をねだる。ご飯をもらう時は殺気立っているが、お腹いっぱいになると「クスークスー」などといびきをかきながら幸せそうに眠る。漫画の中で猫たちがセリフを言ってるが、もちろんあかり達にはただの鳴き声にしか聞こえない。フクロウ模様の猫もいたが、物語が進むにつれ姿を見せなくなっている。
[編集] 現実との差異
- 名人戦
- 現実にある名人戦がモデル。作中では白泉新聞社協賛、タイトルホルダーは宗谷。
- 獅子王戦
- 竜王戦がモデル。作中では白泉新聞社主催、タイトルホルダーは宗谷。竜王戦は毎年7-9月に決勝トーナメントを行い、11-12月にタイトル戦を行うが、獅子王戦は1-3月にまとめて行っている。獅子王戦本戦トーナメントを2局同時に行っている場面があるが、竜王戦は1日1局のみしか行わない。
- 玉将戦
- 作中のタイトルホルダーは宗谷。
- 棋竜戦
- 作中のタイトルホルダーは藤本。
- 棋神戦
- 作中のタイトルホルダーは宗谷。
- 聖竜戦
- 作中のタイトルホルダーは宗谷。
- 棋匠戦
- 作中のタイトルホルダーは柳原。現在、第33期が行われている。永世位は、10期獲得が条件。
- その他の棋戦
- MHK杯トーナメント
- NHK杯がモデル。二海堂が解説を行っている場面があるが、実際には新四段が解説を行うことはない。また、単行本内のコラムで先崎も指摘しているように、あれほどテンションの高い解説があることもない。
- 新人戦
- 新人王戦がモデル。作中、決勝が一番勝負になっているが、現実は三番勝負。永世新人王という位は、作中においても正式なものではない。
- 地名など
- 主人公が住む架空の町「六月町」は東京都の月島・佃界隈がモデルになっており、実在する景色が数多く描かれている。作者の出身地である足立区にも「六月」という地名があるが、そこには河は流れていない。
- 段位
- 『九段』は現実の条件が『名人位獲得』『竜王(この話の獅子王)位防衛』『タイトル3期』『八段昇進後250勝』のいずれかなので、タイトルは取っているはずだが話の雰囲気では取っていないようなキャラもいる(後藤・辻井など。作中明記されていない)。名人・獅子王以外はたいしたものではないと本人が思い、言動に出さないだけならば、タイトルホルダーにはなっているのかも知れない。もちろん現実と作中で昇進ルールが違う可能性もある。
[編集] 既刊一覧
- 羽海野チカ 『3月のライオン』《白泉社・ジェッツコミックス》 既刊6巻(2011年7月現在)
- 2008年2月22日発売、ISBN 978-4-592-14511-0
- 2008年11月28日発売、ISBN 978-4-592-14512-7
- 2009年8月12日発売、ISBN 978-4-592-14513-4
- 2010年4月9日発売、ISBN 978-4-592-14514-1
- 2010年11月26日発売、ISBN 978-4-592-14515-8
- 2011年7月22日発売、ISBN 978-4-592-14516-5
[編集] 脚注
- ^ 棋士にとっては3月は順位戦の結果の出る時期であり、進退の掛かった棋士はライオンのようになる、という暗喩も込められている。なお、同名の日本映画『三月のライオン』との関連(近親相姦をテーマとする)について、公式の見解は無い
- ^ 6巻あとがきより。
- ^ 『ヤングアニマル』2011年4号掲載(P326)の、『ニコ・ニコルソンのマンガ道場破り』より。
- ^ 4巻39話に「同い年の宗谷が風のように奨励会を駆け抜けて行くのを」という記述あり。またプロ入り(四段昇段)は1年以上離れている羽生と森内も「同期」と呼ばれている。
- ^ 『ヤングアニマル』2009年4号掲載時は「48歳?」とされていたが、コミックス3巻では「41歳?」に修正されている。41歳?という年齢はスミスのセリフに出てくるだけなので、多少のずれは考えられる。
- ^ とあるパーティーで同席した際、藤井九段が隣席の女性にダジャレを飛ばし続けているのを見てキャラ作りしたとのこと。
- ^ 現実の永世位(名誉位)は連続5期(竜王・王位・棋王・王座)もしくは通算5期(名人・棋聖)通算7期(竜王)通算10期(王位・王座・王将)獲得で与えられる。
[編集] 外部リンク
- 『3月のライオン』公式サイト(第1巻 第1話 試し読み可能)
- ヤングアニマルWeb・作品紹介(同)
- 3月のライオン (3_lion) - Twitter
- Twitter検索 - #3月のライオン - 感想
- 「3月のライオン」羽海野チカ 公式facebookページ
- 第5巻キャンペーンページ(全国47都道府県ご当地方言ポスター)
- 第6巻プロモーション「手紙大賞」キャンペーン
- Zoff×桐山零モデル限定コラボ眼鏡セット¥5250(標準レンズ付き) 羽海野チカ監修
- マンガ大賞2011
- 3月のライオン(羽海野チカ) asahi.com 2008年3月14日
- マンガ質問状:「3月のライオン」-「ハチクロ」羽海野チカが送る渾身の将棋マンガ MANTANWEB 2010年5月3日
- 3月のライオン [作]羽海野チカ asahi.com 2010年11月24日朝刊
- 〈マンガ今昔物語〉第12回 プロ棋士の生きざまを見よ! asahi.com 2011年2月23日朝刊
- 「3月のライオン」次の一手に? 作者が将棋名人戦取材 asahi.com 2011年5月31日
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