3月のライオン

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3月のライオン』(さんがつのライオン、March comes in like a lion)は、羽海野チカによる将棋を題材とした漫画作品。

将棋監修は棋士先崎学八段。

目次

[編集] 概要

ヤングアニマル』(白泉社)にて2007年第14号から連載開始。

東京下町の若き将棋のプロ棋士と3姉妹を中心に、心に傷を負いながらも他者との交わりの中で癒されていく人々の姿を描く。

主人公が住む架空の町「六月町」は東京都月島界隈がモデルになっており、実在する景色が数多く描かれている (ちなみに、作者の出身地である足立区にも「六月」という地名があるが、そこには河は流れていない)。

タイトルの「3月のライオン」"March comes in like a lion"は、“March comes in like a lion and goes out like a lamb. ”(『三月は獅子のようにやって来て、羊のように去っていく (3月は荒々しい気候とともに始まり、穏やかな気候で終わる)』)というイギリスのことわざの一部より取られている。

マンガ大賞2009最終ノミネート作。

[編集] あらすじ

東京の下町に一人で暮らす17歳の少年・桐山零。彼は幼い頃に事故で家族を失い、心に深い傷を負ったまま、将棋のプロ棋士として孤独な生活を送っていた。そんな零の前に現れたあかり・ひなた・モモの3姉妹。彼女たちとの交流を深めていくうち、零は失っていたものを少しずつ取り戻していく…。

[編集] 登場人物

[編集] 主要人物

桐山 零(きりやま れい)
本作の主人公。17歳。史上5人目の、中学生でプロになったプロ棋士(C級1組、五段)。零以前に中学生でプロ棋士になった4人は全員タイトルを取っているため、零にも期待がかかっている。他者とのコミュニケーションを図る唯一の方法として幼少時から将棋を勉強し、早期から頭角を現していた。交通事故で両親と妹を亡くし、父親の友人で棋士であった幸田の家に内弟子として引き取られる。中学生時にプロに昇格し、幸田家のために進学せず自立する道を選ぶ。後に「必要」を感じて1年遅れで高校へ編入。普段は表情の変化に乏しく態度も素っ気ないが、あかりには頭が上がらない。六月町在住。
川本 あかり(かわもと あかり)
三月町に住む川本3姉妹の長女。母を亡くし、妹たちの面倒を見ながら、昼は祖父の経営する和菓子屋「三日月堂」で、夜は叔母の経営する銀座の店「美咲」のホステスとして働いている。スタイル抜群の美人でたおやかな外見とは裏腹に、しなやかでたくましい性格の女性。猫・鳥・人間を問わずガリガリな(痩せている)ものを放っておけない性質で、拾ってきてはフクフクにする(太らせる)。零の事は「零くん」と呼び、何かと気にかけている。
川本 ひなた(かわもと ひなた)
3姉妹の次女。中学生。いつも明るく元気だが、非常に繊細な一面もある。遅刻ぎりぎりまで二度寝をする、好意を寄せる男子に弁当を作って渡そうとするなど、年頃の少女らしさを見せる。零の事は「れいちゃん」と呼ぶ。姉のあかりと同じく零のことを気にかけている。
川本 モモ(かわもと もも)
3姉妹の末っ子。保育園に通っている。純粋で無邪気、少々わがまま。零や姉たちに甘えたり、大好きなアニメのキャラクター・ボドロ(モデルは「となりのトトロ」のトトロ)に似ている二海堂に懐いたりする。零の事は「れいちゃん」と呼ぶ。

[編集] 幸田家

幸田(こうだ)
零の将棋の師匠。零の父親の友人かつ将棋のライバルで、昔は同じ奨励会に所属していた。良くも悪くも「将棋が全て」の人物で、実の子である香子や歩よりも実力のある零に愛情を注いだ結果、子供たちだけでなく自分も零に追い抜かれてしまう。子供たちが荒れてしまった理由も零が幸田家を出た理由もいまだに分からずにいる。
幸田 香子(こうだ きょうこ)
幸田の娘。零・歩の4歳年上。気性の激しい美人。奨励会に所属していたが、零に勝てないことを理由として中2のとき幸田に辞めさせられ、その後は街で遊びまわるようになる。自分よりも才能があり父親の関心を奪った零を「ゼロ」と呼んで憎む。零に恋愛についてのトラウマを植えつけた人物。妻帯者の後藤に恋心を抱いている。
幸田 歩(こうだ あゆむ)
幸田の息子で香子の弟。零と同じ歳。零に追い抜かれて落ち込み、将棋をやめた後は部屋にこもってテレビゲームばかりするようになってしまう。

[編集] プロ棋士

二海堂 晴信(にかいどう はるのぶ)
C級2組、四段。零の「(自称)親友」かつ「(自称)終生のライバル」。押しかけライバル的なところは否めないが、零が唯一対等に相対している人物。零とは幼い頃から対戦を重ねている。年齢は零と同級か1-2歳上であろうと思われる。非常に個性的な人物で、零のペースを崩すこともしばしば。腎臓を患っている影響でむっちりした体型をしており、実はかなり病弱だが、病気のことは師匠や島田以外には内緒にしている。良家の子息で、女性(モモも含む)に対しては紳士。絵を描くのも好きで、プロ並みの腕前を見せる。自作の将棋入門絵本はわかりやすく豪華。棋士の村山聖九段がモデル。島田には「坊」と呼ばれており、研究会も一緒にしている。
宗谷 冬司(そうや とうじ)
現名人。他のタイトルもほぼ独占している(分かっているだけで、獅子王、棋神、聖竜、玉将)。玉将戦は5連覇中。零の憧れの存在。零と同じく中学生でプロ棋士になっている。
神宮寺 崇徳(じんぐうじ たかのり)
日本将棋連盟会長、第十六世名人。過去に7期名人をつとめていた。零が一人暮らしを始めた際、保証人になっている。
松本 一砂(まつもと いっさ)
26歳。C級2組、五段。身長181cm。喜怒哀楽の感情表現が豊かで、棋風も攻撃的。田舎は山形。あかりのファン。
三角 龍雪(みすみ たつゆき)
26歳。B級2組、六段。通称、スミス。身長180cm。軽妙な棋風。飄々とした人物で、口先がうまい。松本とは何かと気が合う。子猫を拾い、「いちご」と名づけて飼っている。
後藤(ごとう)
48歳?スミスより10歳ほど年長なだけとの記載もある(現実には48歳で第一線で活躍する棋士は稀であるため、もう少し若いものと思われる)。A級、九段。ヤクザのような外見で、暴力的な冷酷非情の棋士。ただし、将棋に関しては真摯な態度を見せる。厚く重い棋風。妻帯者だが、妻は長期入院中。香子のことはストーカーとしか認識していない。
島田 開(しまだ かい)
A級、八段。二海堂の兄弟子で、二海堂が「兄者」と慕っている。宋谷と同期で、後藤よりは若いが、髪は薄い。努力でA級まで昇り、最近はタイトル戦の常連になっている。粘り強く決してあきらめない棋風。
松永 正一(まつなが しょういち)
65歳。C級1組、七段。棋士歴40年のベテラン棋士。C級1組からの降級をかけて零と対局する。福島出身。
安井(やすい)
C級1組、六段。負けると家庭で荒れていたため、離婚する羽目になる。
辻井 武史(つじい たけし)
A級、九段。棋士の藤井猛九段がモデル。A級在位8年。だじゃれが好き。獅子王戦本戦トーナメント準々決勝で零と対局した。
横溝 億泰(よこみぞ おくやす)
B1級、八段。獅子王戦本戦トーナメントでスミスと対局した。

[編集] その他

高橋 勇介(たかはし ゆうすけ)
中学生。ひなたの同級生で幼馴染みで憧れの人。牛乳屋の息子。野球部のエースで、プロを目指している。中学生でプロ棋士になった零に関心を持っており、そのせいでひなたとモモに零がプロ棋士である事がばれてしまった。プロへの道を高める為、その一歩として甲子園出場を目指して四国の高校に進学を決めている。
川本 相米二(かわもと そめじ)
川本3姉妹の祖父。和菓子屋「三日月堂」の店主。無愛想な老人だが、孫思いで特にモモを溺愛している。あかりと共にさり気なく零を見守っている。
花岡(はなおか)
二海堂家の執事(勤続45年)。穏やかな物腰の老紳士。晴信が子供の頃から世話をしており、常に彼の体調や対局の結果を気に掛けている。
林田 高志(はやしだ たかし)
零が編入した高校の教師。将棋雑誌を愛読しており、詰将棋のコーナーに投稿、時に掲載されることもある。宗谷と同い年。学校内で唯一零がプロ棋士であることを知っている。孤独な零を気にかけているが、割と物事をずばずば言う傾向がある。
美咲(みさき)
三姉妹の叔母で、あかりが勤めるクラブ「美咲」のママ。
猫たち
川本家の三匹の猫。いずれもあかりが拾ってきた。三毛、黒白、白(一番新入り)の三匹。名前は不明だが、あかりからまとめて「ニャーたち」と呼ばれている。食い意地が張っており、いつもお腹を空かせている。フクロウ模様の猫もいたが、最近は姿を見せない。
棋戦
名人戦(白泉新聞社協賛)、獅子王戦(竜王戦がモデル)、玉将戦、棋竜戦、棋神戦、聖竜戦がタイトル戦としてあるようだ。全部でいくつのタイトル戦が存在しているのか現時点では不明。その他にMHK杯トーナメント(NHK杯がモデル)もある。
現実との差異
竜王戦は毎年7-8月に決勝トーナメントを行っているが、獅子王戦は1-2月に行っている。

[編集] 既刊一覧

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