千日手
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千日手(せんにちて)とは、将棋系のボードゲームにおいて駒の配置と手番が全く同じ状態が1局中に何回か現れること。将棋系のボードゲームではそれに対処するためのルールが存在する。
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[編集] 将棋における千日手
[編集] ルール
将棋においては駒の配置、両対局者の持ち駒の種類や数、手番が全く同じ状態が1局中に4回現れると千日手になる。千日手になった場合はその勝負をなかったことにする。公式戦では先手と後手を入れ替えて、最初からやり直しとなる。ただし、一方が連続王手を繰り返したために千日手になった場合は、王手をかけていた方が反則負けとなる規定がある[1]。
図の左側の盤面で、先手が後手玉に迫るには▲7一銀と打って詰めろをかける。後手は詰みから逃れるためには△7三銀打とするしかない。その後▲8二銀成△同銀と進むと、最初と全く同じ状態になる。この状態を繰り返すと千日手となる。
右側の盤面でも、▲2二龍△2四玉▲3三龍△1三玉と進むと元の局面に戻るが、この場合は先手が王手を繰り返しているため、先手が着手を変えなければならない。
[編集] 千日手を巡る出来事
千日手の概念は江戸時代から存在していたが、終盤で駒を打ち合い、取り合う状況でしか発生しないものと考えられていた。そのためルールとしては「千日手となったときには攻め方が手を変える。どちらが攻め方か不明のときは、仕掛けた側から手を変える。」という曖昧な規定にとどまっていた。ところが1927年の対局で、序盤の駒組みの段階で同じ手を繰り返す局面が発生し、対局を中断して連盟に採決をゆだねることとなった。これが局面にかかわらず「同一手順3回」という千日手の規定を明確にした端緒となったと考えられている[2]。
かつて、木村義雄は名人戦で千日手回避を行い、それが元で敗北してしまった。観戦記者の坂口安吾はこれを厳しく批判し、「千日手を回避すると負けてしまう状況なら、勝負を重んじて千日手にするべきだ」と論じている。坂口の問題提起は千日手問題を論じるときに常に引き合いに出されるものであり、坂口の意見に反対するものとして「スポンサー側からお金をもらって棋譜を提供するのが棋士の仕事だから、千日手にしてしまうのはスポンサーに対して悪いのではないか」という意見が存在する[誰?]。
以前は同一手順3回というルールであったが、同一局面に戻す手順が複数ある場合、このルールでは無限に指し手を続けることが可能[3]であるため、1983年4月1日に現在のものに改定された。改定のきっかけになったのは1983年3月8日の米長邦雄-谷川浩司戦(名人戦挑戦者決定リーグ:現在の順位戦A級)であり、この対局では同一局面が9回出現している(谷川が打開し、米長が勝利)。
また、同一局面が4回現れなくても両対局者の合意があれば千日手が成立する。第59期名人戦(丸山忠久-谷川浩司)第3局(2001年5月8日)では、このルールによる千日手が成立した。逆に、2006年7月2日に行われた丸山忠久-深浦康市戦(JT将棋日本シリーズ)では、同一局面が4回出現したが、対局者を含め関係者が気づかず[4]、そのまま指し継ぎ、千日手とならなかった(丸山が打開し、深浦が勝利)。
[編集] チェスにおける千日手
チェスでは千日手は、スリーフォールド・レピティション (Threefold repetition、同形三復)と呼ばれている。相手の手で同一局面が3回生じたとき、または自分の次の手で同一局面が3回生じるときに引き分けとなる。ただし自動的に引き分けになるのではなく、自分の手番の時に指摘しなければならない。公式戦では、審判員(アービター)に申し立てる必要がある。
連続チェックの千日手は、特にパーペチュアル・チェック (perpetual check)と呼ばれている。終盤戦で不利な側がパーペチュアル・チェックで強制的に引き分けに持ち込むのは、チェスの基本戦術の一つである。一般的にパーペチュアル・チェックは、下図のようなクイーン・エンディングで登場する事が多い。
上図Aで、黒のキングが逃げられるマスはa7だけである。しかし次に白がQc7+(上図B)とすると、また黒キングはa8に戻らなければならない。この動き(図A→図B→図A→図B)は、白が手を変えない限り永遠に終わらない。動きを2回繰り返し、図Aが3度生じた時点で白が黒に指摘すれば、ゲームはスリーフォールド・レピティションとなり引き分けとなる。
[編集] その他のボードゲームにおける千日手
- シャンチー
- 連続王手の千日手(長将、チャンジャン)は禁じ手であり、王手をかけている方は3回同じ局面が出現するまでに手を変えなければならない。
- チャンギ
- 同一局面が3回現れた場合はどんな場合も引き分けとなる。
- マークルック
- 引き分けとなる。ただし、連続王手の千日手は王手をかけている側が手を変えなければならない。
将棋系のゲームではないが、囲碁でも三コウや長生などによって同一局面が反復されることがあり、日本のルールでは両対局者の同意によって無勝負とする。
[編集] 脚注
- ^ プロの棋戦でこれが適用されたのは、1999年6月3日の泉正樹-川上猛戦(早指し将棋選手権)で、泉正樹が反則負けとなった例のみである。
- ^ もずいろ 記憶に残るあの千日手による。同サイトは、この対局については『菅谷北斗星選集 観戦記篇』から情報を得たとしている。
- ^ 同一局面に戻る手順AとBがあるとき、A-B-BA-BAAB-BAABABBA-... と、それまでの手順を逆にしてつなげることで、同一手順3回を回避しながら同一局面を繰り返すことができる。
- ^ 同一局面に戻る手順AおよびBを、ABBの順で繰り返した。棋譜および図面は[1](スポンサーである日本たばこのサイト)の54手目から66手目を参照。投了優先のためさかのぼって千日手とはされない。
[編集] 参考文献
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 千日手考(もずいろ 風変わりな将棋の部屋)
- 記憶に残るあの千日手(同上)

