将棋界

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将棋界(しょうぎかい)、棋界(きかい)は、将棋をめぐって、プロの棋士やアマチュア選手、将棋ファン(愛棋家)、業界関係者などで構成する社会領域。日本将棋連盟がその総本山である。

目次

[編集] プロ将棋界

[編集] プロ棋士

将棋のプロは、次の2つに大別される。

1. 棋士(日本将棋連盟の正会員、四段~九段) = 原則として新進棋士奨励会で所定の成績を収めて四段昇段した者[1]
正会員のうち、現役の棋士は百数十名である。
一覧は、「将棋棋士一覧」を、詳細は、「棋士 (将棋)」を参照。
2. 女流棋士(女流2級~女流六段)
現役は、50~60名程度である。
一覧は、「将棋の女流棋士一覧」を、詳細は、「女流棋士 (将棋)」を参照。

また、女流棋士は、次の2つに分かれている。

2a. 日本将棋連盟所属の女流棋士
2b. LPSA(日本女子プロ将棋協会)所属の女流棋士

女性でも新進棋士奨励会に入会して正会員を目指している例はあるが、いまだ、四段昇段できた例はない[2]。よって、女流棋士との区別をわかりやすくする意味で、棋士のことを「男性棋士」と呼ぶことがある。

[編集] 棋戦

プロ将棋の公式棋戦には、タイトル戦と、タイトル戦以外の公式棋戦(「一般棋戦」、「優勝棋戦」などと呼ぶ)[3]があり、いずれも1年周期で行われる[4]。その他、非公式棋戦もある(例:富士通杯達人戦)。

詳細は、「棋戦 (将棋)」を参照。

棋士のタイトル戦は7つある。歴代タイトル獲得者は、「将棋のタイトル在位者一覧 (1)」および「将棋のタイトル在位者一覧 (2)」を参照。

女流棋士のタイトル戦は5つ(2008年から休止中の女流王将戦を含む)である。歴代タイトル獲得者は、「将棋のタイトル在位者一覧 (女流棋戦)」を参照。

[編集] 棋士の階層構造

7つのタイトル戦の中でも、竜王戦名人戦は特に重要視される。

  • 竜王戦の予選は、1組から6組に分かれて行われ、どの組からでも竜王に挑戦できるチャンスがあるが、番号が若い組ほど挑戦権を得やすいシステムになっている。各組の竜王ランキング戦で成績優秀の者は、次期に番号が1つ若いクラスに昇級する。ただし、竜王戦七番勝負の敗者は(たとえ3組以下からの挑戦者であっても)次期の1組に入る。
    詳細は、「竜王戦」を参照。
  • 名人戦の予選は「順位戦」と呼ばれ、A級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組に分かれており、飛び昇級はない。また、名人挑戦者になれるのは、A級の優勝者だけである。すなわち、プロ入りをしてから名人への挑戦権を得るまでには、最低でも5年かかる。
    詳細は、「順位戦」、「名人戦 (将棋)」、「名人 (将棋)」を参照。

現役の各棋士の竜王戦・順位戦のクラスは、「将棋棋士の在籍クラス」を参照。

[編集] 将棋は先手が有利か?

序・中盤の少しの差が勝負に直結することの多いプロの将棋においては、先手が有利、後手が不利なものであるとされてきた[5]。実際、日本将棋連盟が公式戦の統計を取り始めた1967年度以降、41年連続で先手番の勝率が後手番の勝率を上回った。象徴的なのは、羽生善治が初タイトル(竜王)を獲得した1989年度に、先手番での勝率が9割を超えたことである(29勝2敗で0.9355)。また、「矢倉戦は微差ながらも先手有利」ということが定説化した2000年頃から、谷川浩司は後手番のときにあまり矢倉を指さなくなった。

ところが、2008年度、後手の勝率が先手の勝率を初めて上回った[6][7]

年度 対局数 先手 後手
勝数 勝率 勝数 勝率
2000 2379 1237 0.520 1142 0.480
2001 2368 1228 0.519 1140 0.481
2002 2342 1263 0.529 1079 0.461
2003 2290 1228 0.536 1062 0.464
2004 2286 1266 0.554 1020 0.446
2005 2294 1217 0.531 1077 0.469
2006 2290 1194 0.521 1096 0.479
2007 2330 1238 0.531 1092 0.469
1967
~2007
80061 42091 0.526 37970 0.474
2008 2340 1164 0.497 1176 0.503


[編集] アマチュア将棋界

将棋のアマチュア棋戦」を参照。

[編集] コンピュータ将棋

コンピュータ将棋の力は年々高まっており、すでに、アマチュアのトップレベルを負かし、さらには、プロとも熱戦ができるまでに至っている。

詳細は、「コンピュータ将棋」を参照。

[編集] 「将棋界の」を冠した言葉

[編集] 「将棋界のいちばん長い日」

毎年3月頃の、A級順位戦の最終局(5局が同日に開催される)が行われる日を、俗に「将棋界のいちばん長い日」と呼ぶ。

約1年間かけて行われたA級順位戦リーグの最終日であり、名人挑戦者と2名の陥落者が確定する可能性が高い(既に挑戦者や陥落者が決まっていることもある)ため、プロ棋士をはじめとする将棋界からの注目が高くなる。例年、NHK衛星第2テレビジョンで中継が行われる。同局で将棋の中継が行われるのは、地上波で放送しているNHK杯将棋トーナメントを除けば竜王戦名人戦の七番勝負のみである。

[編集] 「将棋界の七不思議」

「将棋界の七不思議」は、将棋界において不可解なことの総称であって、「七不思議」とは名ばかりに特に数は決まっておらず、内容も流動的である。最近では以下のようなものが挙げられる。

  • 竜王戦の1組優勝者が本戦トーナメントを勝ち上がれず、挑戦者になれないこと(2006年からは1組優勝者に有利なトーナメント形式に変更されたが、未だに挑戦者は出ていない)
  • 長考派で有名な加藤一二三が、一方で「1分将棋の神様」とも言われ、さらには早指し戦のNHK杯戦で7回優勝していること[8][9]
  • 森下卓が6回もタイトルに挑戦しながら、一度も獲得できないでいること
  • 日浦市郎が順位戦C級1組に留まり続けながら、一度も降級点を取ったことがないこと
  • タイトルホルダーで勝率が高い深浦康市が、順位戦B級1組で強い一方、A級に残留できていないこと
  • 羽生善治が竜王戦1組で10期以上も戦いながら、一度も優勝していないこと

以下は既に解消された事柄である。

  • 一般棋戦では何度も優勝していた森内俊之がタイトルを獲得できないでいたこと(2002年に初のタイトルである名人位を獲得)
  • 18歳で史上最年少タイトル(棋聖)の記録を樹立し、順位戦でも初参加の順位戦でC級2組から1期抜けしていた屋敷伸之が、C級1組からB級2組に昇級できないでいたこと(1990年からC級1組に留まっていたが2003年にようやくB級2組へ昇級した)
  • 武市三郎が順位戦C級2組に留まり続けながら、一度も降級点を取ったことがなかったこと(2004年、23年目にして初の降級点がついた)
  • タイトルを数多く獲得している羽生善治が永世名人資格を獲得できないでいたこと(2008年に十九世名人資格を獲得)
  • 七番勝負のタイトル戦における3連敗4連勝が一度もなかったこと(2008年、第21期竜王戦で渡辺明が羽生を相手に達成、ちなみに囲碁界では何度も発生している)
  • 勝率が非常に高い木村一基が、和服を着た対局で1勝もしていなかったこと(2009年6月19日、棋聖戦五番勝負第2局で羽生善治に勝利)

[編集] 脚注

  1. ^ プロ編入試験で合格した花村元司瀬川晶司は例外である。また、瀬川の一件をきっかけに、フリークラス編入制度や奨励会三段編入制度などが制定された。
  2. ^ 新進棋士奨励会における女性の段級位としては蛸島彰子の初段が最高であるが、優遇措置があった。優遇措置無しでは、岩根忍甲斐智美の1級が最高である(甲斐は退会時には2級)。
  3. ^ 囲碁界では、将棋界の一般棋戦に相当する棋戦での優勝も「タイトル」と呼ぶ。それゆえ、将棋界のタイトル戦に相当する7つの棋戦のことを「七大タイトル戦」と呼ぶ(棋聖戦 (囲碁)名人戦 (囲碁)本因坊戦十段戦 (囲碁)王座戦 (囲碁)天元戦碁聖戦)。
  4. ^ ただし、棋聖戦早指し将棋選手権は過去に、1年に2度行われていた。
  5. ^ たとえば、「将棋世界」誌2006年9月号で片上大輔が「将棋は先手有利なゲーム」と述べている。
  6. ^ 2008年度公式棋戦の対局で、統計開始以来初の後手番が勝ち越し!(日本将棋連盟)
  7. ^ 2009年4月4日放送の「囲碁・将棋ジャーナル
  8. ^ 同じく早指し棋戦の早指し将棋選手権でも3回、JT将棋日本シリーズでも2回優勝している。
  9. ^ ただし、長考派の棋士は終盤での秒読みの将棋に自信があるからこそ、長考による持ち時間の消費を気にしないということは、よく言われることである(たとえば、NHK杯戦での解説・聞き手の発言など)。加藤以外には、たとえば、郷田真隆(特に若手時代)も同様の傾向がある。

[編集] 関連項目

第21期竜王:渡辺明
第22期竜王戦1組(2008年秋~2009年秋)

羽生善治| 深浦康市| 久保利明| 中原誠(休場→引退)| 佐藤康光| 高橋道雄| 丸山忠久| 郷田真隆| 阿部隆| 先崎学| 鈴木大介| 木村一基| 杉本昌隆| 山崎隆之| 松尾歩| 橋本崇載


名人戦(第67期名人羽生善治
第68期(2009年度)A級順位戦

郷田真隆 | 佐藤康光 | 森内俊之 | 丸山忠久 | 木村一基 | 藤井猛 | 谷川浩司 | 三浦弘行 | 高橋道雄 | 井上慶太