戸辺誠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 戸辺誠 七段
名前 戸辺誠
生年月日 (1986-08-05) 1986年8月5日(37歳)
プロ入り年月日 2006年10月1日(20歳)
棋士番号 262
出身地 福島県喜多方市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 加瀬純一七段
弟子 小山直希梅津美琴宮澤紗希
段位 七段
棋士DB 戸辺誠
2016年6月2日現在
テンプレートを表示
戸辺誠
人物
国籍 日本の旗 日本
YouTube
チャンネル
活動期間 2019年5月 -
ジャンル 将棋
登録者数 約3.6万人
総再生回数 約500万回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2022年7月30日時点。
テンプレートを表示

戸辺 誠(とべ まこと、1986年8月5日 - )は、将棋棋士加瀬純一門下。棋士番号は262。神奈川県横浜市生まれ、福島県喜多方市出身。

棋歴[編集]

1998年の第23回小学生将棋名人戦で3位になり、同年、12歳で奨励会に入会。2006年に20歳でプロデビューを果たす。

小学生の頃、磯子将棋センターに通っていたが[注 1]茨城県に引っ越した[1]。 そのため、奨励会には茨城県から通っていた[2]

2007年、第20期竜王ランキング戦6組で優勝。決勝トーナメントでは初戦で敗退。

初参加から2期目となる第67期(2008年度)C級2組順位戦で、8勝2敗で昇級(五段昇段)。翌第68期(2009年度)C級1組順位戦では10戦全勝し、2期連続昇級(六段昇段 = 当時の最年少六段)。

また、2009年度に戦った第51期王位戦予選で、森内俊之九段、久保利明棋王らを破り挑戦者決定リーグに進出。さらに、王位戦・白組リーグでは羽生善治名人らに勝ち4勝1敗とし、同じく4勝1敗の羽生とのプレーオフとなったが敗れ、挑戦者決定戦進出を逃す。なお、この間、2009年度を勝率0.7619(2位)・32勝10敗で終え、将棋大賞新人賞を受賞している。

2010年、第23期竜王ランキング戦5組で優勝。決勝トーナメントでは2勝を挙げる。

棋風[編集]

振り飛車党[3][4]。攻めの棋風は、「戸辺攻め」と言われることがある[5][6][7][3][8]

人物[編集]

  • 弟が3人、妹が1人いる大家族の長男。実家は新潟県十日町市で米農家を営んでおり、「日本一高額の米を生産する農家」としてテレビなどの取材を受けている。テレビ番組「銭形金太郎」やETV特集で取り上げられたこともある。
  • 2010年3月に結婚[9]。同年9月13日に長男が[10]、2012年12月20日に長女が、2016年3月1日に次男が誕生している[11]
  • 2007年8月22日の朝日杯将棋オープン戦一次予選で、加藤一二三九段に勝利。加藤にとっては、この敗戦が史上初の公式戦1000敗目となった。
  • 鈴木大介は戸辺のことを、戸辺が奨励会員のときから序盤研究仲間として頼りにしている(戸辺は相振り飛車戦法の最新序盤定跡に精通している)。鈴木と戸辺には、左利き、振り飛車党という共通点もある。
  • プロ入りから2年も経たない2008年に、早くも弟子を取った[注 2]。2023年には小山直希が自身の弟子から初のプロ棋士となったが、この時点でもまだ36歳、当時23歳の小山とは13歳差という若さであった。なお、戸辺一門には芸能人コース(非公式)が存在し、NHK「将棋フォーカス」MCを担当していたつるの剛士伊藤かりんが入会している。ちなみに将棋フォーカスの放送でも話題に上がるように、戸辺誠は弟子に対して丁寧に技術を指導することで知られている。
  • 広瀬章人高崎一生とは同い年で、上述の第23回(1998年)小学生将棋名人戦では、茨城県勝田市立(現ひたちなか市)勝倉小学校6年の戸辺は3位。優勝者は高崎。広瀬は東日本大会で戸辺に敗れている。また、第51期王位リーグで戸辺に唯一の黒星をつけたのは高崎で、このとき王位挑戦権を得たのは広瀬。また、2010年6月6日放送のNHK杯戦・対西川和宏戦では、対局者2名・読み上げ係・記録係の4名全てが同学年という、珍しい状況が生じた[注 3]
  • 佐藤天彦糸谷哲郎、広瀬章人、高崎一生、戸辺らは奨励会時代に「平成のチャイルドブランド」としてとりあげられたこともある。
  • 横浜DeNAベイスターズの大ファン。2019年9月横浜スタジアムで始球式を務めた[12]
  • 2020年5月YouTube『戸辺チャンネル』を開設したことをTwitterで発表[13]

弟子[編集]

棋士となった弟子[編集]

名前 四段昇段日 段位、主な活躍
小山直希 2023年4月1日 四段

(2023年4月1日現在)

女流棋士となった弟子[編集]

名前 女流プロ入り日 段位、主な活躍
梅津美琴 2022年7月1日 女流1級
宮澤紗希 2023年7月1日 女流1級

(2024年4月1日現在)

昇段履歴[編集]

昇段規定は、将棋の段級 を参照。

  • 1998年00月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 2003年03月00日 : 三段(第33回奨励会三段リーグ<2003年度前期>からリーグ参加)
  • 2006年10月01日 : 四段(第39回奨励会三段リーグ成績1位)= プロ入り
  • 2009年03月10日 : 五段(順位戦C級1組昇級、通算51勝28敗)
  • 2010年02月09日 : 六段(順位戦B級2組昇級、通算78勝38敗)
  • 2016年06月01日 : 七段(勝数規定 /六段昇段後公式戦150勝、通算228勝128敗)

主な成績[編集]

  • 2007年、第20期竜王ランキング戦6組優勝
  • 2009年度 勝率2位
  • 2010年、第23期竜王ランキング戦5組優勝

在籍クラス[編集]

順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦 (出典)竜王戦
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2006 65 四段昇段前 20 6組 --
2007 66 C242 21 5組 --
2008 67 C220 22 5組 --
2009 68 C128 23 5組 --
2010 69 B221 24 4組 --
2011 70 B206 25 4組 --
2012 71 B204 26 3組 --
2013 72 B207 27 4組 --
2014 73 B207 28 4組 --
2015 74 B207 29 4組 --
2016 75 B207 30 4組 --
2017 76 B216x 31 4組 --
2018 77 B222* 32 4組 --
2019 78 B218+ 33 4組 --
2020 79 B207 34 4組 --
2021 80 B212 35 4組 --
2022 81 B209 36 4組 --
2023 82 B209 37 4組 --
2024 83 B215 38
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

将棋大賞[編集]

  • 第37回(2009年度) 新人賞

出演[編集]

テレビ[編集]

著書[編集]

書籍[編集]

他、多数[16]

DVD[編集]

  • 将棋DVD 攻めて強くなる戸辺流中飛車(2017年7月7日、ルーク) [注 4]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 同じ道場出身者に永瀬拓矢 がいる。
  2. ^ 羽川岳6級=当時、2014年2級で奨励会を退会。
  3. ^ 西川は1986年4月2日生、読み上げの藤田綾女流初段は1987年3月24日、記録の荒木宣貴奨励会三段は1986年5月5日生。荒木は第23回(1998年)小学生将棋名人戦準決勝で高崎に敗れ、戸辺と同じく3位だった。
  4. ^ 冊子付き、単行本扱いのDVD

出典[編集]

  1. ^ http://tobemakoto.blog55.fc2.com/blog-entry-283.html 戸辺流ブログ 新四段誕生!]- 2009年8月21日
  2. ^ 気づけば一晩10局も──戸辺誠六段がネット対局で白熱した相手とは 将棋講座 2015年9月号 2015年9月21日
  3. ^ a b 戸辺誠 七段”. 将棋ウォーズ. 2024年2月25日閲覧。
  4. ^ 戸辺流現代振り飛車手筋集”. マイナビBOOKS. 2024年2月25日閲覧。
  5. ^ 戦法どころかもはや生き様「戸辺攻め」という異名がツボに入った棋士たち/将棋・ABEMA地域対抗戦”. Yahoo. 2024年2月25日閲覧。
  6. ^ “戸辺攻め”が火を噴いた!戸辺誠七段「うれしくて泣きそう」圧巻の3戦全勝 解説者も「本当に素晴らしい!冴えてました」と絶賛/将棋・ABEMAトーナメント”. AbemaTimes. 2024年2月25日閲覧。
  7. ^ 玄妙な中合いで「戸辺攻め」継続、「イシケン」無念の逆転負け<4組・戸辺誠七段-石井健太郎六段>”. 読売新聞. 2024年2月25日閲覧。
  8. ^ 藤井聡太は「読みの深さ、クリアさが最大の強み」 戸辺誠七段が語る忘れられない対局”. AEARA. 2024年2月25日閲覧。
  9. ^ 戸辺流ブログ 「ご報告」2010年4月25日
  10. ^ 戸辺流ブログ 「生まれました!」 2010年9月19日
  11. ^ 戸辺流ブログ 「次男、生まれました」 2016年3月7日
  12. ^ 将棋棋士が初の始球式 戸辺 誠 七段が袴姿で挑戦!!内角低めに入魂の一手!横浜スタジアムで「J:COMスペシャルナイター」開催 - PR TIMES 2019年9月14日
  13. ^ 戸辺誠Twitter - 2020年5月12日
  14. ^ 戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車【棋譜データ付き】”. マイナビbooks. 2023年2月24日閲覧。
  15. ^ 1手ずつ解説するゴキゲン中飛車【-棋譜データ付き-】”. マイナビbooks. 2023年2月24日閲覧。
  16. ^ GOOGLE検索:戸辺誠 書籍”. google. 2023年2月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]