ビショップ (Bishop、♗♝)は、チェスの駒の一種。僧正(もしくは象)を表す。
語源 [編集]
- キリスト教の聖職者である「僧正」[1]を表し、僧正のかぶる司教冠の形をしている。
- 元来この駒は、「ゾウ(象)」を表していたとされる。チェスが西洋に伝わっていく過程で、駒の形を見た英語圏の人々が高位聖職者である僧正の帽子を連想し、「ビショップ」と呼ばれるようになった。
- 英語では「僧正」を意味しているが、英語以外では別の意味で呼ばれているケースが多い。前述の中国語「象」のほか、ドイツ語「Läufer」(走者)・イタリア語「alfiere」(少尉)・フランス語「fou」(道化)など、僧正とは全く異なる意味の語で呼称されている。
初期配置 [編集]
白ビショップはc1とf1、黒ビショップはc8とf8に配置する。
- 棋譜上ではBで表される。
- 白側にも黒側にも、白マスのビショップと黒マスのビショップがある[2]。
駒の動き [編集]
- 動きの基本
- ビショップは斜め方向に何マスでも移動できる。
- 白マスのビショップと黒マスのビショップの動き方は、全く同じである。
- しかし(その性質上)この2つが同じ色のマスに移動する事は絶対にない。
- 図1 : 移動できるマスに敵の駒がある場合、その駒を取る事ができる。取った後は、その駒があったマスに移動する。
- 図2 : 味方の駒がいるマスには移動できない。
- 図3 : (敵味方に関係なく)他の駒を飛び越える事はできない。
ビショップの価値 [編集]
| |
キング |
クイーン |
ルーク |
ビショップ |
ナイト |
ポーン |
| 駒の価値 |
∞(無限大) |
9 |
5 |
3 |
3 |
1 |
- この評価は一般的なものであり、絶対的なものではない。チェスの局面によって駒の価値は変動する。
- ビショップが2個ともある場合の価値は、3+3=6より大きい。
- ビショップは「小駒」と呼ばれている[3]。
ビショップの特色 [編集]
- ビショップは他の駒とは異なり、(何手かけても)チェスボードの半分しか移動する事ができない。白マスのビショップは白マスだけに、黒マスのビショップは黒マスだけに移動する。ポーンのアンダープロモーションによって新たにビショップが発生しない限り、同じ色のマスにビショップが2個(以上)存在することは決してない。その意味で、初期配置では「ビショップという同じ駒が2個ある」というよりも「(動きは同一ながら)白マスのビショップと黒マスのビショップという別々の駒が1個ずつある」と考えたほうがよい。
- ビショップ特有の用語としては、「グッド・ビショップ」と「バッド・ビショップ」がある[4]。
- グッド・ビショップ: 自分と同じマスの色の味方のポーンに邪魔されず、行動範囲が広いビショップ。
- バッド・ビショップ: 自分と同じマスの色の味方のポーンに邪魔されて、身動きが取りにくいビショップ。
注釈 [編集]
- ^ カトリックでは司教、正教会や聖公会では主教と訳す。
- ^ 厳密に表現すれば、明色マスのビショップ(light square bishop)と暗色マスのビショップ(dark square bishop)になる。
- ^ 英語ではマイナー・ピース(minor piece)、またはライト・ピース(light piece)となる。
- ^ それぞれの用語を、「優良ビショップ」「不良ビショップ」と訳している文献もある。
『チェス戦略大全 Ⅰ』 ルディック・パッハマン 小笠誠一 訳 評言社 ISBN 978-4-8282-0534-2
関連項目 [編集]