アルスラーン戦記

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アルスラーン戦記
ジャンル ファンタジー
小説
著者 田中芳樹
出版社 角川書店
光文社
レーベル 角川文庫
カッパ・ノベルス
光文社文庫
刊行期間 1986年8月 -
巻数 既刊14巻
漫画
原作・原案など 田中芳樹
作画 荒川弘
出版社 講談社
掲載誌 別冊少年マガジン
レーベル 少年マガジンコミックス
発表号 2013年8月号 -
巻数 既刊3巻
アニメ
原作 田中芳樹
監督 阿部記之
シリーズ構成 上江洲誠
キャラクターデザイン 小木曽伸吾(チーフ)
田澤湖、渡邊和夫
音楽 岩代太郎
アニメーション制作 ライデンフィルム×サンジゲン
製作 「アルスラーン戦記」製作委員会
MBS
放送局 #放送局参照
放送期間 2015年4月5日 -
テンプレート - ノート
ウィキプロジェクト 漫画アニメ
ポータル 文学漫画アニメ

アルスラーン戦記』(アルスラーンせんき)は、田中芳樹による日本の大河ファンタジー小説

概要[編集]

作中の各名称は基本的にペルシア語となっているが、これは19世紀のイランで書かれた『アミール・アルサラーネ・ナームダール』(「名高きアルサラーン」の意。ペルシア語:امير ارسلان نامدار , Amīr Arsalān-e nāmdār )という英雄叙事詩モチーフにしているためである[注 1]

ルシタニアに征服されたパルスを奪還するまでを描いた第一部(1 - 7巻)と、ミスルやチュルクといった隣国やかつてパルスを震撼させた蛇王ザッハークとその眷属たちとの戦いを描いた第二部(8巻 - )で構成され、全16巻(第1部7巻、第2部9巻)となる予定。1986年に1巻が発売されて以降、1992年に発売された9巻までは年間1 - 2巻のペースで順調に刊行されていたものの、10巻は1999年、11巻は2005年の発売となり、6 - 7年の期間が空いた。それ以降は1 - 2年に1巻のペースで刊行されていたが、2008年に13巻、2014年に14巻とまたスローペースに戻っている。

1 - 10巻は角川書店角川文庫より発売されていたが、現在は品切れ・重版未定(事実上の絶版)となっており、その分は光文社カッパ・ノベルスから2巻1冊の新装版として刊行されている。11巻以降はカッパ・ノベルスから1巻1冊で刊行されている。

著者である田中芳樹は、あとがきなどで「貴種流離譚を反転させて物語の発想とした」ことを語っており、これは暗殺された先代王の嫡子である銀仮面ヒルメスの事を指している。

あらすじ[編集]

第一部[編集]

小説 第1巻
大陸公路の中心に位置し、東西の物資が行き交うことで栄華を極めた国家、パルス王国。その第18代国王アンドラゴラス三世は、圧倒的な軍事力をもって他国の侵略を跳ね除け、奴隷制度によりパルス全土を統治していた。
14歳になった心優しき王太子アルスラーンは、侵略してきたルシタニアとの戦争で初陣を飾る。しかし、ルシタニアに協力している銀仮面の策略により、パルス万騎長カーラーンの裏切りに遭い、パルス軍は総崩れし、多くの万騎長が戦死。アルスラーンに忠誠を誓う最強の武将ダリューンと共に落ちのびた先で、政戦両略に長ける知略家ナルサスと、その侍童エラムを仲間に加える。
銀仮面の暗躍により、ルシタニア軍は王都エクバターナを陥落。無能なルシタニア王イノケンティス七世は、パルス王妃タハミーネを見染め、自らの妃にしようとする。そんな中、カーラーンは軍を率いて、アルスラーン討伐に乗り出す。だが、ナルサスの計略と、ミスラ神殿の女神官ファランギースと流浪楽士ギーヴの加勢もあり、たった6人で1000の軍勢を崩壊させ、カーラーンを討ち取ることに成功する。
その頃、ルシタニアの捕虜となり、果てのない拷問を受け続ける国王アンドラゴラス三世の前に、銀仮面が姿を現す。そして自ら仮面を外し、自分こそがアンドラゴラスにより暗殺された先代国王の嫡子ヒルメスであり、パルス王国の正統継承者であると叫ぶ。

登場人物[編集]

アルスラーン軍 身分 年齢 備考
アルスラーン パルス国 王太子 14歳 出生に秘密を持つ主人公。仲間達と共に、王都奪還を目指す。
ダリューン パルス国 万騎長 27歳 黒き甲冑を纏う、最強の武人。アルスラーンに忠誠を誓う。
ナルサス パルス国 旧領主 26歳 アルスラーン軍の軍師。剣の腕前も達人級。絵の才能は皆無。
エラム ナルサスの侍童 13歳 解放奴隷の子。ナルサスの身の回りの世話をしており、師と仰ぐ。
ギーヴ 流浪の楽士 23歳 弓の扱いに特に優れ、剣や楽器、女性の扱いにも優れる。
ファランギース ミスラの女神官 22歳 弓の扱いに優れ、精霊の声を聞いたり使役する。
キシュワード パルス国 万騎長 29歳 二つの剣を使うことから、「双刀将軍」と呼ばれる。
クバード パルス国 万騎長 31歳 左眼が一文字に潰れた隻眼で、通称「ほら吹きクバード」。
トゥース パルス国 武将 20代 鉄鎖術の達人。南方ザラの守備隊長だった。
イスファーン パルス国 武将 20代 万騎長シャプールの異母弟で、「狼に育てられた者」の異名を持つ。
ザラーヴァント パルス国 武将 25歳 オクサス領主の息子。膂力に優れた、顎鬚の大男。
ジャスワント シンドゥラ国 兵士? 不明 アルスラーンに3度命を救われ、侍衛士として身辺警護を務める。
ジムサ トゥラーン国 武将 20代 遊牧民族の生まれで、馬上からの剣戟と、毒を塗った吹き矢の名手。
メルレイン ゾット族長の息子 19歳 山賊が生業で、弓の扱いに優れる。妹アルフリードを探し放浪する。
アルフリード ゾット族長の娘 16歳 馬や弓の扱いに長ける。ナルサスの妻になるのが目標。
グラーゼ パルス国 海上商人 30歳 武装商船を統率する海の男。弁舌、情報分析にも優れる。
パラフーダ 元ルシタニア国 騎士 30歳 本名は、ドン・リカルド。第一部で記憶喪失となり、白髪となる。
パルス王族 身分 年齢 備考
アンドラゴラス三世 パルス国 第18代国王 44歳 剛勇無双の持ち主で歴戦の勇者だが、内政を軽んじる。
タハミーネ パルス国 王妃 36歳 年齢不詳の妖しい美貌を持つ。アルスラーンの出生に秘密がある。
ヒルメス一党 身分 年齢 備考
ヒルメス 第17代国王の嫡子 20代 パルス正統継承者を自称する、最強の武人。火傷を銀仮面で隠す。
カーラーン 元パルス国 万騎長 不明 ヒルメスの正統性を信じて裏切り、ルシタニア侵略に協力した。
サーム 元パルス国 万騎長 不明 ヒルメスの配下となり参謀として活躍する。
ザンデ 万騎長カーラーンの子 20代 父カーラーンの死後は、ヒルメスの側近として活躍する。
ルシタニア国 身分 年齢 備考
イノケンティス七世 ルシタニア国 国王 不明 政治・軍事に関心が無い、敬虔な信徒。タハミーネに想いを寄せる。
ギスカール ルシタニア国 公爵 不明 イノケンティスの弟。政治・軍事に手腕を持つ、実質上の最高権力者。
ジャン・ボダン イアルダボート教 大司教 不明 狡猾な異端審問官であり、虐殺なども平気で行う暗愚な狂信者。
エトワール ルシタニア国 騎士見習 14歳 本名エステル・デ・ラ・ファーノ。男装して、騎士見習として従軍する。
シンドゥラ国 身分 年齢 備考
ラジェンドラ二世 シンドゥラ国 王子 25歳 気さくな性格だが、都合が悪くなると味方を裏切る利己主義者。
ガーデーヴィ シンドゥラ国 王子 25歳 ラジェンドラの異母兄で政敵。世間知らずで、民衆の人気は無い。

※ 身分・年齢・備考については、基本的に「初登場時のもの」を記載する。

主な国家[編集]

パルス
物語の主な舞台である王国。大陸公路(現実世界のシルクロードにあたる)の中心に位置する国家。王都エクバターナは陸上交通の要衝で、その首都人口は公称100万という。東西を結ぶ大陸公路や南方の港町ギランに代表される港湾都市からの物資が集まり繁栄を謳歌している。現在の王朝は英雄王カイ・ホスロー以来300年余の歴史を誇り、第1部開始時点で第18代国王アンドラゴラス三世の統治下にある。大陸公路の要衝かつ豊かな国であることから諸外国より侵略を受けることが多いが、それを跳ね除けてきた強兵の国でもある。アンドラゴラス三世によって隣接するバダフシャーン公国を併合しさらに強国となっている。現実世界のゾロアスター教に似た多神教が広く信仰されている(ただし、実際のゾロアスター教のような善悪二元論的な教義は見られない)。パルス語は大陸公路での公用語としての役割も果たしており、他国の人間ともこれを用いることで、ほとんどの場合、意思の疎通は可能である。そのため、パルス人は外国語を覚えようとしないという弊害もある。モデルは中世のペルシア、特にパルティア王国やサーサーン朝で、著者曰く名前の由来はパールサ(ペルシア王朝勃興の地)を訛らせたもの。
ルシタニア
パルスより北西の王国。貧しい国で豊かな土地を求めて遠征を行った。最初は同じ宗教であるイアルダボート教を信じる国ながら教義の異なるマルヤム(穏健な東方教会派)を攻め落とし、その後パルスに侵攻した。ルシタニアでは強硬派の西方教会が主流であり、一神教イアルダボート教以外の宗教を一切認めようとしない。遠征の失敗によって主だった指導者を失い現在では荒廃し無政府状態になっている。パルス遠征は言うまでもなく十字軍がモチーフ[注 2]。モデルは中世の西欧諸国で、ルシタニアポルトガルの古称からの命名。
シンドゥラ
パルスの南東に位置する王国で、カーヴェリー河がパルスとの国境となっている。北方でチュルク、東方ではモン族やシャン族と対峙している。王都はウライユール。夏の暑熱は厳しいが冬は過ごしやすい。が生息し、戦象部隊は周辺諸国からも脅威とされている。建国王はクロートゥンガ。歴史的に隣国パルスとは仲が悪く、建国後250年ほどしか経過していないにも関わらずパルスの暦年より1年多く暦を数えている程である(第1部開始時点でパルス暦320年、シンドゥラ暦321年)。ターバンを着用する者が多く見られる[注 3]。モデルはインド。国名はインドの古名「シンド」から。
マルヤム
パルスの北西に位置する王国。古い伝統を持つ国であり、ルシタニアと同じイアルダボート教だが、穏健派の東方教会派が多数派を占める。王都はイラクリオン。穏健な政治でパルスとも交易していたが、同じイアルダボード教の国であるが、強硬派の西方教会に属するルシタニアによって滅ぼされる。その後パルスを追われた大司教ボダンが一旦は政権を握るが、同じくパルスを追われたギスカールと覇権をめぐって争う。ギスカールが勝利し新王朝であるケファルニス朝をひらく。ルシタニアよりはマシであるらしいが、大して豊かな国ではない。モデルは東ローマ帝国
ミスル
パルスの西方に位置する王国。王都はアクミーム。国土の大半が砂漠で夏は猛暑となる。ディジレ河の沿岸は肥沃な穀倉地帯であり、灌漑のための水車が並ぶ。砂漠での戦いで勇名を馳せる駱駝部隊と戦車隊を持つ。南で国境を接するナバタイとの交易もおこなわれている。モデルはエジプトミスルとはアラビア語でエジプトのことを差す)で、作者自身によると「中世のエジプトがモデル」。現実世界のナイル川に相当するディジレ河がパルスとの国境を隔てている(この世界にはアラビア半島に当る部分が存在しない)。先年パルスに大軍をもって侵攻したが、エクバターナの城壁に拠って撃退されたらしい(ヴァフリーズの言より)。
チュルク
パルスの東方に位置する王国。北にトゥラーン、南にシンドゥラと国境を接する内陸の山岳国家。元々チュルク人はトゥラーン人と同じ民族であったと言われている。王都ヘラートは難攻不落の城塞都市として知られる。鳥葬の風習がある。文庫版八巻『仮面兵団』後書きによると「中央アジア山岳地帯の諸国家がモデル」。
トゥラーン
パルスの北東に位置する遊牧騎馬民族の王国。西にパルス、南にチュルクと国境を接する。王都はサマンガーン。ただし固定した建造物はなく、王宮は巨大な天幕である。パルスを上回る騎馬民族の国で、会議すらも馬上で行う。他国からは「草原の覇者」とも言われ、野戦ではパルス軍に匹敵するが、その分攻城戦は不得手。トゥラーン人は遊牧民のため、定住はせず天幕をもって草原を移動する。主要産業は他国からの略奪であり、自ら通貨を発行することはなく、他国の貨幣をそのまま使用する。太陽神(ダヤン)を信仰している。モデルはモンゴル民族。国名はトランスオクシアナの古称「トゥーラーン」より。
絹の国(セリカ)
パルスよりはるか東方にある文明国、大陸公路の東端に位置する大帝国。絹の国の皇統は約千年続く。帝都は西都永安府(シーツィーイーアンフ)でその首都人口は200万。北と西の国境線には、外敵である遊牧民族の侵入を防ぐため、「長城」と呼ばれる長大な石の防壁が築かれている。国土を二つの大河である、雷河(ライホー)と龍江(ロンチャン)が流れる。ダリューンが以前に使節団の護衛隊長として赴いたことがある。モデルは中国で、セリカも西洋における中国の呼び名のひとつである(ただし語源は西夏であり、絹とは関係無い)。皇統が長きに渡って続いていることと太上皇帝(帝位の生前譲位)の制度は日本を彷彿とさせる。
ナバタイ
ミスルの南方に位置する黒人の国。政権が安定せず第2部の時点で東西の王国に分かれている。幾度かミスルへ侵攻したことがある。鉄鎖術はこの国出身の黒人奴隷(ザンジ)たちが、鎖につながれた身で残虐な主人に抵抗するために修得したと言われる。
バダフシャーン
かつて存在した公国で、パルスによって併合された。現在は元首府ヘルマンドスにパルスの総督府がおかれている。国土の大半を砂漠が占める乾燥地帯で、点在するオアシスに多くの住民が居住する。ヘルマンドスはバダフシャーン地方最大のオアシスである「プラタナスの園」(バーゲ・チナール)の中心にある巨大な湖のほとりに作られた都市で、四方を城壁に囲まれている。主要産物は銀や紅玉(ラアル)などの鉱産物。
ファルハール
パルスより東方にある公国。大陸公路に点在する小さな都市国家の一つ。ファルハール人は東西の血が入り混じっているため、個人の容貌に差があり、親や兄妹でも似ていないとされる。大陸公路で最も美男美女が多い土地とされている。ファルハール人は20歳を過ぎるまでに母国語であるファルハール語に加えて、最低でもパルス語と絹の国(セリカ)語を習得しているとされる。翡翠と紅玉を産出する。モデルは楼蘭等の中国西域の都市国家。

用語解説[編集]

万騎長(マルズバーン)
武将に与えられるパルスの官職。第一部では実際に1万人の騎兵を率いる。第一次アトロパテネ会戦当時、ダリューン、クバード、シャプール、カーラーン、マヌーチュルフ、ハイル、クルプ、クシャエータ(以上8名はアトロパテネに参戦、ただしダリューンは開戦直前に解任)、キシュワード、バフマン(東方国境のペシャワール城砦に駐留)、ガルシャースフ、サーム(王都エクバターナの留守居役)の12人が任命されていた。万騎長の下には、千騎長、百騎長がいる。第2部では兵制改革によって名誉ある将軍の職になり、実際に1万の騎兵を率いるわけではない。
大将軍(エーラーン)
パルス軍の武将では最高位にあたる官職。パルス全軍で1人しかいない。第一次アトロパテネ会戦当時はヴァフリーズ。先王のオスロエス五世時代には、王弟であるアンドラゴラス三世であった。アルスラーン即位後は万騎長であったキシュワードが就任する。
ダルバンド(ダルヴァンド)内海
パルス、マルヤム、トゥラーンの間にある広大な湖。現実世界のカスピ海に相当する。潮の干満があり、塩分が含まれているので実際の海と変わらない。漁業、造塩業が盛んで、パルス=マルヤム間では貿易も盛んであったが、マルヤムがルシタニアに滅ぼされてからは中断されている。
デマヴァンド山
パルスにある山で、蛇王ザッハークが封印されていると言われる。パルスでは「魔の山」として恐れられているが、山麓には集落も存在する。英雄王カイ・ホスローが軍装をしたまま、宝剣ルクナバードとともに葬られていた。
不死隊(アタナトイ)
パルスの国王親衛隊で五千人の屈強な騎兵から構成される。大将軍の直属もしくは国王の直率と思われる。アルスラーンの新軍制下では廃止された。
獅子狩人(シールギール)
単身で獅子(シール)=ライオンを仕留めた戦士に対して贈られる称号。アルスラーンも第2部の狩猟祭(ハルナーク)においてこの称号を得た。現実世界ではほぼ絶滅してしまっているが、かつては物語の舞台のモデルとなっているインドや西アジアにもライオンが生息していた。
芸香(ヘンルーダ
オレンジに似たさわやかな香りのする香料。ザッハークの眷属を寄せつけず、これを塗った武器で傷をつけると致命傷になることもある。焚き火や松明に投じることで香りが一層広がる。
紅玉(ラアル)
紅い宝石。ルビーのこと(一部「ルビー」とルビがふられている箇所あり)だが、旧バダフシャーン公国で産出されるものは恐らくスピネルと思われる(レッド・スピネルの別名「バラス・ルビー」は、実在の地名バダフシャーンに由来する、との説がある。現実世界においても、かつてはこの2種類の宝石は区別されていなかった)。
緑玉(エメラルド
魔を祓う力を持つといわれる宝石。特にザッハークの眷属を寄せ付けず、眷族に対しては恐怖をもたらす。
有翼猿鬼(アフラ・ヴィラーダ)
ザッハークの眷属。空を飛ぶ有翼の魔物。人肉、特に柔らかい子供を好んで喰らうという。血には毒がある。人間が変身させられることもある。
鳥面人妖(ガブル・ネリーシャ)
ザッハークの眷属。空を飛ぶ有翼の魔物。人語を話し、変装して人間の中に紛れ込むこともある。人間の柔らかい肉を好み、赤ん坊、特に胎児を好んで喰らう。嘴を切り落とされても再生する。
四眼犬(シェムル)
ザッハークの眷属。四つの眼を持つ犬で、黄色の眼一対と赤い眼一対ずつもつ。
食屍鬼(グール
ザッハークの眷属。人間の戯画のような姿で、好んで死者の肉を喰らう。もっぱら辺境の地に跋扈するという。
客将軍(アミーン)
ミスルに仕えるクシャーフルに与えられたミスルの称号。かつてマルヤムからの亡命者に与えられた称号をもとにしたもの。
孔雀姫(ターヴース)
ミスルにおいて後宮に納められる女に与えられる称号。
ガズ
パルスにおける長さの単位。1ガズは約1メートル。
ファルサング
パルスにおける距離の単位。1ファルサングは約5キロメートル。
金貨(デーナール)、銀貨(ドラフム)、銅貨(ミスカール)
それぞれの貨幣のパルス語での呼称。通貨単位は登場しないが、作中の記述では貨幣の枚数と価値がほぼ比例しているので、少なくともパルスなど主要国では公定の貨幣制度が存在している様子。パルス金貨1枚は銀貨20枚に相当する(第6巻の記述より)。アルフリードによれば、自由民が手にするのは普通は銀貨どまりで、金貨は「まともな人間の手にははいらないようになっている」とのこと。
王族(ワースプフラーン)、貴族(ワズルガーン)、騎士(アーザーターン)、自由民(アーザート)、奴隷(ゴラーム)
パルスにおける身分制度。アルスラーン即位後のパルスにおいては奴隷階級は廃止された。

既刊一覧[編集]

角川文庫版
カッパ・ノベルス版

関連書籍[編集]

副読本
画集

劇場アニメ・OVA[編集]

アルスラーン戦記
監督 浜津守
脚本 宮下知也
高田かおり
原作 田中芳樹
製作 角川春樹
松尾修吾
高橋豊
出演者 山口勝平
井上和彦
塩沢兼人
音楽 都留教博
石川光(音楽プロデューサー)
主題歌 遊佐未森「靴跡の花」
撮影 高橋明彦
編集 布施由美子
製作会社 角川書店/ムービック/ソニー・ミュージックエンタテインメント
配給 松竹
公開 日本の旗 1991年8月17日
上映時間 57分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 3.5億円(配給収入[1]
次作 アルスラーン戦記 II
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松竹配給で、2度劇場版が作られている。パンフレットによれば、1年1作ずつの構想であったが、角川書店の分裂騒動などもあり、頓挫した。

  • 『アルスラーン戦記』(1991年
  • 『アルスラーン戦記II』(1992年

以下OVAにて4作が続いた。

  • 『アルスラーン戦記III(東の城、西の城)』(1993年
  • 『アルスラーン戦記IV(汗血公路)』(1993年)
  • 『アルスラーン戦記V(征馬孤影・上)』(1995年
  • 『アルスラーン戦記VI(征馬孤影・下)』(1995年)

スタッフ[編集]

  • 原作 - 田中芳樹
  • 監督 - 浜津守(1991年、1992年、1995年)、アミノテツロー(1993年)
  • 脚本 - 宮下知也(1991年)、高田かおり(1991年)、杉原めぐみ(1992年、1993年、1995年)
  • キャラクターデザイン - 神村幸子
  • 作画監督 - 黄瀬和哉(1991年)、中田雅夫(1992年)、越智信次(1993年)、中村悟(1995年〈上〉)、筱雅律(1995年〈下〉)
  • 絵コンテ - 浜津守(1992年、1995年)
  • 演出 - 山口美浩(1992年)、小沢一浩(1993年)、玉田博(1995年)
  • 美術監督 - 池田祐二(1991年)、木下和宏(1992年)、金村勝義(1993年)、西倉力(1993年)、串田達也(1995年〈上〉)、根崎知恵子(1995年〈下〉)
  • 撮影監督 - 高橋明彦(1991年)、月岡敦夫(1992年)、鈴木秀男(1993年)、大瀧勝之(1995年)
  • 編集 - 布施由美子(1991年、1992年、1995年)
  • 音楽 - 都留教博
  • 音響監督 - 藤山房伸(1991年、1993年)、浦上靖夫(1992年)
  • 音響演出 - 浜津守(1995年)
  • プロデューサー
    • (1991年) - 風間康久、加藤長輝
    • (1992年) - 山崎敬之、肥田光久
    • (1993年) - 池田憲章、丸田彰、池口和彦
    • (1995年) - 池田憲章、肥田光久、丸田彰、加藤長輝
  • 制作プロデューサー - 石川光久(1991年)、鈴木重裕(1993年)、安西武(1993年)、川崎とも子(1995年)
  • 制作協力 - アイジータツノコ(1991年)、スタジオぴえろ(1993年)、童夢(1993年)、J.C.STAFF(1995年)
  • 制作 - アニメイトフィルム(1991年、1993年、1995年)、アウベック(1992年)
  • 製作

主題歌[編集]

  • 「靴跡の花 〜アルスラーン戦記より〜」歌:遊佐未森(1991年)
  • 「ときめきをBelieve(アルスラーン戦記IIバージョン)」歌:谷村有美(1992年)
  • 「両手いっぱい」歌:鈴木祥子(1993年)(1995年)

声の出演[編集]

テレビアニメ[編集]

2014年11月に、下記の荒川弘版の漫画を原作とするアニメ化が発表され、2015年1月にテレビアニメであることが発表された。同年4月5日より、毎週日曜17時 - 17時30分にMBSTBS系列全国ネットにて放送予定[2][3]

スタッフ(テレビアニメ)[編集]

(出典:[2][4]

主題歌(テレビアニメ)[編集]

エンディングテーマ「ラピスラズリ」
作詞 - Eir、加藤裕介 / 作曲・編曲 - 加藤裕介 / 歌 - 藍井エイル

声の出演(テレビアニメ)[編集]

(出典:[3]

放送局[編集]

日本国内 TBS系列 / 放送期間および放送時間[5]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域・備考
2015年4月5日 - 日曜 17:00 - 17:30 毎日放送製作局)ほかTBS系列全28局 日本国内

カセットブック[編集]

カドカワカセットブックとして、1988年から順次発売。

  • 第一部1 - 7巻(1995年にスペシャルCD-BOXとして再リリース)
  • 第二部1 - 2巻

声の出演(カセットブック)[編集]

第一部はアニメより前に製作が開始されたため、担当声優が一部異なっている。第一部の主な声優は以下のとおり。

朗読版[編集]

銀河英雄伝説の朗読の制作を行っている株式会社アールアールジェイより、朗読サイト「kikubon(キクボン)」にてアルスラーン戦記の朗読が発表されている。 読み手は下山吉光であり、田中芳樹公認の朗読作品として発表されている。

漫画[編集]

角川書店版[編集]

中村地里の作画でASUKAファンタジーDXで連載。第一部が全13巻で発行されている。4巻以降は小説1冊をコミックス2冊にまとめることに変更された。

あすかコミックスDX刊『アルスラーン戦記』
  1. (1991年11月、ISBN 4-04-852323-6
  2. (1992年5月、ISBN 4-04-852324-4
  3. (1993年2月、ISBN 4-04-852325-2
  4. (1993年5月、ISBN 4-04-852326-0
  5. (1993年9月、ISBN 4-04-852435-6
  6. (1994年3月、ISBN 4-04-852436-4
  7. (1994年8月、ISBN 4-04-852504-2
  8. (1994年12月、ISBN 4-04-852533-6
  9. (1995年4月、ISBN 4-04-852534-4
  10. (1995年8月、ISBN 4-04-852535-2
  11. (1995年11月、ISBN 4-04-852625-1
  12. (1996年3月、ISBN 4-04-852652-9
  13. (1996年9月、ISBN 4-04-852653-7

講談社版[編集]

荒川弘の作画で別冊少年マガジン2013年8月号より連載中。既刊2巻。前述のとおり、テレビアニメ版の絵は荒川が作画する講談社版をベースに作られている。

少年マガジンコミックス『アルスラーン戦記』
  1. (2014年4月、ISBN 978-4063950502
  2. (2014年5月、ISBN 978-4063950632

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ この詩は宮廷作家モハンマド・アリー・ナギーボル=ママーレクميرزا محمد على نقيب الممالک شيرازى , Mīrzā Moḥammad ʻAlī Naqībo’l-Mamālek Shīrāzī)が主君ナーセロッディーン・シャーに語って聴かせたペルシア古来の英雄譚を、物語好きな第4王女ファフレ=ッドウラشاهزاده خانم فخرالدوله، توران آغا , Shāhazāda Khānom Fakhr-e’d-Dowlah, Tūrān āghā, 1859年 - 1891年)が個人的に書き留めたもの。
    大まかな筋立ては、エジプト商人の息子として育てられたアルサラーンがやがて自分の高貴な出自に気付き、ヨーロッパ人に占領された故郷ロウム玉座を取り戻そうとする……といったものである。
  2. ^ 特に第4回十字軍東ローマ帝国の首都コンスタンティノポリスを占領した事情に酷似している。例えば当時のパルスはアンドラゴラス三世が兄のオスロエス五世から王位を簒奪したのではないかとささやかれ、そのオスロエス五世の息子であるヒルメスが正当の王位を回復するためにルシタニアに協力を依頼するというものだが、史実でも当時の東ローマ帝国は皇帝アレクシオス三世が兄イサキオス二世から帝位を簒奪しており、イサキオス二世の息子であるアレクシオスが正当の帝位を回復するために十字軍に協力を依頼している。
  3. ^ 現実のインドにおいてターバンはシク教徒の習慣であり、一般に広く普及している風俗ではない。後に田中芳樹が執筆したインドを舞台とした作品『天竺熱風録』においては、ターバンの着用を否定する会話が、挿絵師との打ち合わせにおいてなされた。

出典[編集]

  1. ^ 中川右介 「資料編 角川映画作品データ 1976-1993」『角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年』 角川マガジンズ2014年、285頁。ISBN 4-047-31905-8
  2. ^ a b 「銀河英雄伝説」田中芳樹原作「アルスラーン戦記」2015年4月TVアニメ放送決定!”. トーキョーアニメニュース. MOSS (2015年1月4日). 2015年1月4日閲覧。
  3. ^ a b TVアニメ『アルスラーン戦記』 放送日決定&メインキャスト第一弾発表!”. アニメ「アルスラーン戦記」公式サイト (2015年2月1日). 2015年2月1日閲覧。
  4. ^ STAFF & CAST”. アニメ「アルスラーン戦記」公式サイト (2015年2月1日). 2015年2月1日閲覧。
  5. ^ TVアニメ『アルスラーン戦記』 放送日決定&メインキャスト第一弾発表!”. アニメ「アルスラーン戦記」公式サイト (2015年2月1日). 2015年2月1日閲覧。 「銀河英雄伝説」田中芳樹原作「アルスラーン戦記」2015年4月TVアニメ放送決定!”. トーキョーアニメニュース. MOSS (2015年1月4日). 2015年1月4日閲覧。

外部リンク[編集]

映像外部リンク
アルスラーン戦記 PV - YouTube(講談社マガジン編集部が2014年5月19日にアップ)
「アルスラーン戦記」アニメ化決定 突撃開始(ヤシャスィーン)CM - YouTubeNBCユニバーサル・エンターテイメントが2014年11月2日にアップ)
MBS製作・TBS系列 日5枠
前番組 番組名 次番組
七つの大罪
(2014年10月5日 - 2015年3月29日)
アルスラーン戦記
(2015年4月5日 - )
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