BILLY BAT

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BILLY BAT
ジャンル 推理サイエンス・ファンタジー青年漫画
漫画
作者 浦沢直樹
出版社 講談社
掲載誌 モーニング
発表号 2008年46号 -
巻数 既刊13巻
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BILLY BAT』(ビリーバット)は、モーニング2008年から掲載中の浦沢直樹漫画作品。ストーリー共同制作は長崎尚志

概要[編集]

歴史の改竄と人類史の闇に踏み込んだ壮大なサスペンス。善と悪、陰謀や裏切りといったことをテーマにして紀元前から1980年代という長い期間を不規則にジャンプしながら語られる。時系列シャッフルオマージュ的表現が取り入られている。

受賞[編集]

  • ルッカ・コミックフェスティバル2012 ベストコミックシリーズ賞
  • エトナン・ヴォワイヤジュール イマジネーションアワード2013 漫画部門グランプリ

ストーリー[編集]

第二次世界大戦が終わり4年たった1949年アメリカソヴィエト連邦との冷戦が始まり、「赤狩り」の嵐が吹き荒れていた。人気アメリカン・コミック「BILLY BAT」を執筆中の日系人漫画家ケヴィン・ヤマガタの仕事場に二人の刑事がやって来る。張り込みのための協力を断ろうとした矢先、刑事の一人がBILLYを日本で見たことがあると言いだす。ケヴィンは真相を確認するべく、戦後の復興間もない日本へと渡る。

復興途上の日本では国鉄の人員削減を巡って、下山総裁が難しい舵取りを迫られていた。GHQを訪ねたケヴィンは旧友のチャーリー・イシヅカと再会。彼と飲みに出かけたものの酔い潰れ、ケヴィンが意識を取り戻したときチャーリーは胸を刺され事切れていた。事件の発覚が闇市の住人たちの迷惑になると脅されたケヴィンは、来栖という謎の人物の提案でチャーリーの遺体を線路上に放置した。良心の呵責から自暴自棄になったケヴィンはシズの導きにより、奇しくも自らが探していたコウモリの絵との再会を果たす。

チャーリーが轢断死体となって発見された数日後、全く同じ形で下山事件が発生。ケヴィンは自らが陰謀の渦中に投げ出されたことを知ることになる。そこからケヴィンの運命は大きく歪み加速する。

登場人物[編集]

ビリーバット(BILLY BAT)
ケヴィンヤマガタの描く同名の大人気アメリカン・コミックの主人公。コミックの中では、ハードボイルドな私立探偵を演じている。実は「コウモリ」の分身。
ケヴィン・ヤマガタ(KEVIN YAMAGATA)
第一部(第1巻~第11巻)の主人公。1925年生まれ。
アメリカ合衆国漫画家で、日系2世。日本名は山縣金持(やまがた きんじ)。代表作は『BILLY BAT』の他に『テキサス捕物帖ピストルヘアー荒野を行く』。日本では人気映画スターの池部良に見間違えられるほどの二枚目。コウモリが見えるが、それによって自身の人生を歪ませることになる。
ケヴィン・グッドマン
第2部(第11巻~)の主人公。
大金持ちの御曹司だが、それを鼻にかけず天真爛漫に振舞う青年。父親がビリーバットの大ファンだったことから“真の作者”であるケヴィン・ヤマガタにちなんで名付けられた。コウモリとは相棒の関係。
周囲に隠れて壁にアートを残す活動を行っていた。本物のチャックカルキンから指名され「ビリーバット」を描く。
ユダ
キリストの弟子。子供の頃よりビリー・バットそっくりな二匹のコウモリが現れて会話している。
キリスト
ユダの師匠。ざっくばらんだが聡明な人物。
勘兵衛
戦国時代の伊賀忍者
百地丹波守
伊賀忍者の頭目。
百地三太夫
紀州忍者の頭目で丹波守の息子。
フランシスコ・ザビエル
イエズス会の宣教師で実在の人物。日本での宣教の後、明国にて病没。
耳須弥次郎(ヤジロウ
勘兵衛の窮地を救った謎の老人。その正体はザビエルの弟子にして伊賀の忍。
二代目服部半蔵
伊賀忍者の頭目の一人。
“師匠”
本名不祥の漫画家。スキンヘッドに頬髭、欠けた歯が特徴の大男。胸にコウモリの入れ墨を持つ。
アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)
 天才物理学者。コウモリが見える一人
ゲイリー・デヴィヴェエ
ロス市警の刑事。日系人連続殺害事件を追う。
シシー・デヴィヴィエ
ロスアンゼルスの貧しい花売り娘。
アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)
ドイツの政治家、国家元首。コウモリが見える一人。
巻物を探し求めている。
唐麻雑風(からま ぞふう)
紙芝居描きから赤本作家に転身した漫画家。戦後すぐに出版した『こうもり小僧の大冒険』という漫画が人気を博す
チャーリー・イシヅカ
ケヴィンの友人の日系アメリカ人。日本姓は石塚GHQ民間運輸局に所属し、国鉄下山総裁の通訳を行っている
シズ
心優しい娼婦
下山定則
国鉄の初代総裁。
スミス
CIAのエージェント。恰幅の良い白人の中年男で頭髪は薄く、テンガロンハットを被る。
来栖清志
 歴史の闇に暗躍する謎の男。巻物を探し求めている。
フィニー大尉
GHQ特別検閲官。1963年時点ではCIA、FBIをも動かす米国政府の一組織ないし一勢力のもとで、殺人を含む非合法活動を行っている。凍るような異常な目つきの男。コウモリとそれを感知する者の関係を把握している人物。
白洲次郎
実業家。来栖とは顔なじみの関係。
トニー・グッドマン
ゴールデンコーラ社長にしてケヴィン・グッドマンの父親。周囲の猛反対を押し切り、黒人の花嫁ダイアンを娶る。
ダイアン・グッドマン
トニーの妻にしてケビングッドマンの母親。ゴールデンコーラフロリダ支社の元従業員。
チャック・カルキン
ケヴィンの元アシスタント。偽のチャックに唆されビリーバットを描いていたが、ケヴィングッドマンにその座を譲る。
チャック・カルキン<偽名>
本名不詳。ビリーバットの作者として世界中で知られる人気者。
 ケヴィンの元アシスタントであるチャックカルキンを丸め込みその名を騙る偽物
ランディ・モモチ(RANDY MOMOCHI)
ニューヨークの日系人タクシー運転手。日本名は百地金持(ももち きんじ)

百地三太夫の子孫。

 コウモリが見える一人
ジャッキー・モモチ
ランディ・モモチの娘。大学で歴史学を専攻。父親同様、コウモリが見える
リー・ハーヴェイ・オズワルド
孤独がちで思慮深くナイーブな青年。"英雄"としてなにかを成し遂げたいという強い使命感を抱いている。
マリーナ・オズワルド
オズワルドがソ連亡命中に結婚したロシア人女性。
ジョン・F・ケネディ
アメリカ合衆国第35代大統領。アイルランド系移民の子孫
エドウィン・ウォーカー
元少将。右翼的傾向の強い人物
山下
イガグリ頭の少年で雑風の熱烈なファン。
明智小太郎=通称コニー・アケチ
日本が誇る特撮映画監督。四角い顔とヘビースモーカーなのが特徴。代表作は『大怪獣ガズラ』。
モデルは円谷英二
ヘンリー・チャールズ・デヴィヴィエ
頭髪の後退した紳士然とした人物。人当たりが柔らかく日本語も堪能。ビリーランドの用地買収目的で光森村にやってくる。
ゲイリー、シシー夫婦の息子
オードリー・カルキン
画商。富豪チャックカルキン(偽名)の娘。ケヴィン・グッドマンの才能に目を付ける。
バーナード・ピアーズ
退役軍人。ニュージャージー州軍を裏で束ねる州の大物。
フィリップ
ケヴィン・グッドマンと同じプリンストン大学に通うバンド学生。
ティミー
偽チャックカルキンと女優の卵だったアジア系女性ナオミとの間に出来た子。

単行本[編集]

脚注[編集]