PLUTO
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『PLUTO』(プルートウ)は、浦沢直樹作、手塚治虫原作の日本のSFサスペンス漫画。単行本は、2007年11月現在5巻まで刊行。
目次 |
[編集] 概要
原作は手塚治虫の『鉄腕アトム』に含まれる「地上最大のロボット」の回。監修・手塚眞、プロデューサー・長崎尚志、協力手塚プロダクション。
作者の浦沢直樹が生まれて初めて漫画で感動した作品が、手塚治虫の『鉄腕アトム』のエピソードのひとつである「地上最大のロボット」であった。それは浦沢にとって漫画家を志すきっかけになった作品でもあり、浦沢はこのリメイクを切望。2002年冬、手塚治虫の息子である手塚眞にその許諾を求める。手塚は一度はこれを断るものの、その後の浦沢の熱心なラブコールに心を動かされ、2003年3月28日に「地上最大のロボット」のリメイクを了承。同年9月よりビッグコミックオリジナルにて連載がスタートした。
リメイクを了承した席で手塚は浦沢に、単なるオマージュ作品ではなく浦沢作品として本作を描くことを要望した。このため、アトムをはじめとするキャラクターデザインやストーリー設定の一部には浦沢流のアレンジが加えられている。手塚治虫の原作ではアトムが主人公ではあるが、浦沢直樹版では原作で脇役として登場したドイツの刑事ロボット「ゲジヒト」の視点から物語が描かれている。また、原作『鉄腕アトム』の他の回で登場したキャラクターや、鉄腕アトム以外の手塚作品で登場したキャラクターと同一と思わせるキャラクターが登場したり、ゲジヒトとアトムが立ち寄った喫茶店の名前が「TOKIWA」となっているなど、手塚ファンの為のサービスらしき場面が随所もある。
本作には「ロボットの人権」というテーマが含まれており、作中ではロボットも人間と同じ数え方をするなど、ロボットを人間とほぼ同等の「生物」として扱う表現をしている。そのため、本稿もそれに準じることとする。
作中の設定は連載開始当時ニュースをにぎわせていたイラク戦争を反映したものとなっている。これは浦沢が「地上最大のロボット」でのプルートゥの黒幕サルタンが「国を追われた中東(と思われる)某国の王」という設定であることをヒントに、現代の中東情勢を下敷きとしたものである。
第9回手塚治虫文化賞マンガ大賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。
宝島社の「このマンガがすごい!」2006年版オトコ編の1位作品。
[編集] ストーリー
注意:以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。
人間とロボットが共生するようになった時代。スイス最強のロボット、モンブランが殺された。同じ頃、ドイツのロボット法擁護団体の幹部が殺害された。
二人の遺体の頭部には“角”の様な物がほどこされていることからユーロポールが誇る高性能刑事ロボット、ゲジヒトは同一人物による犯行と考え捜査を進める。ゲジヒトは犯人の標的が自分を含めた7体の、大量破壊兵器になりうるロボットたちだと考え・・・
[編集] 登場人物
[編集] 7体の世界最高水準のロボット
[編集] ゲジヒト
- 世界最高水準のロボットの一人で、第39次中央アジア紛争に平和維持軍として参加、治安警察部隊として市街地に潜伏しているテロリストの殲滅にあたった。現在はユーロ連邦・ドイツのデュッセルドルフで数々の難事件を解決するユーロポール特別捜査官ロボットとして活躍。現在の階級は警部。
- 正体不明の殺人犯を追いかける。しばしば悪夢にうなされ、また売買や廃棄などロボットがモノ扱いされる光景に接すると謎のフラッシュバックを起こす。スペイン支局で研修中だった(はずの)2年前にそれらの理由があると疑う。
- 問題の記憶の改竄に該当する時期の直前に、連続幼児型ロボット誘拐殺人事件の捜査をしており、妻ヘレナから緊急に連絡があった事や、その犯人を追いつめたところまでは覚えていたが、詳細は思い出せずにいた。
- その後、護衛中だったアドルフ・ハースから、兄を殺したのはお前だと告げられ、さらにある程度の記憶を取り戻した模様。アドルフを追ってきたKR団幹部が小型クラスター銃を放つも、身をもって彼をかばい被弾、負傷する。そのオーバーホールの経過もままならぬまま、ペルシアに飛び、カラ・テパ刑務所に収監されていたダリウス14世と面会する。
- 詰問の最中に自殺未遂を起こされるも、彼自身の勘からアブラー博士に行き着き、サマルカンドで接触を持つ。接触を通し疑念を確信にしつつも、エプシロンから知らされた映像にあったサハドを調べるため、彼の留学先であったアムステルダムに赴き、調査の末、ザアンダムの地下にて、とうとう「敵」と遭遇する事になる。しかしながら、同時刻に、捕らえられたホフマン博士の身柄を保障するため、アブラーとの取引に応じる形で、上層部からの命令に反し、瓦礫に埋もれ戦力を失った「敵」に対し致命傷を与えなかった。またこれは、サハドの素性を知っていくうちに、「敵」に対し少なからず同情心を抱いたものと思われる。だが、その後、ペルシャで遭遇したはずの花売りのロボット、モハメドアリとオランダで再び遭遇。突如、このロボットの放った凶弾の前に倒れた。(彼の体は、先のクラスター銃の被弾の影響で、耐久性が極度に落ちていたものと思われる・)
- 形態は人間型。相貌は30代後半と思われるヨーロッパ系の男性で、頭髪はやや薄毛。左手は睡眠ガスを噴射できる銃器、右手はSAAW特殊火器“ゼロニウム弾”の射撃が可能。ボディは特殊合金“ゼロニウム”で出来ていて、電磁波、熱線を無効化する。その他にも、毒物が混入されていないか成分をスキャンする機能や、乱れた画質を安定させる「画像安定装置」、相手の発言の中に嘘があるかを判別する認識システムなどが搭載されている。頭部の骨格がオリジナルの顔を思わせるデザインになっている。
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- 「地上最大のロボット」版
- プルートゥを逮捕しようとするロボット刑事。ロボット連続破壊事件の裏で糸を引く黒幕の存在を見抜いており、アトムに事件における裁判での証言を依頼した。電磁波、熱線を無効化する特殊合金(ゼロニウム)で出来ており(アトムのママ(リン)が黄金製と勘違いした)胸部に16門のビーム砲を内蔵。素早い動きと、プルートゥの必殺の電磁波攻撃を受け付けず善戦するものの、油断した瞬間あっさり怪力で真っ二つにされてしまい、原作での出番はわずか数ページに終わる。『アストロボーイ・鉄腕アトム』ではタワシ警部の部下のARRS隊隊長「デルタ」としてリメイクされ、準レギュラーとなっている[1]。
[編集] アトム
- 世界最高水準のロボットの一人で、第39次中央アジア紛争に平和維持軍として参加。アイドルのように受け入れられ、“平和の使者”として世界から歓迎を受けた。が、本人にとっては不本意。現在は日本のトーキョーシティーのある家族と一緒に住み、小学校に通っている。
- 天馬博士により交通事故で死亡した息子、天馬飛雄を模して製造された。が、模範的過ぎたその性格感性が、天馬の意にそぐわなかったため、亡くなった息子の代用品としては務まらず、結果サーカスに売られ玩ばれたという過去を持つ。
- また世界最高水準のロボットの中でも、トップクラスの人工知能を持つ。そのため人間の行動を模倣していく内に、しばしば人間の感情を理解するようになる。
- ウランを追っていって敵と戦い、死亡が確認された(原作のゲジヒトに代わる4番目の犠牲者)。他の3体と違い体が破壊されていない。手放した後もアトムに屈折した愛情を抱き続けた、生みの親・天馬博士が停止したアトムを解析したが、機能上とは別の理由で再起動しないと言及している。
- 形態は人間型。相貌は日本系の男の子。頭も頭髪で、オリジナルの様なツノではない(微妙な寝癖がついており、それがツノの名残を彷彿させている)。
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- 「地上最大のロボット」版
- プルートゥとたびたび接触するも対決には至らず。他のロボットたちが破壊される中彼我のスペック差を痛感し、お茶の水博士に強化改造を願い出るが反対される。そんな彼の前に天馬博士が現れ…。
[編集] モンブラン
- 世界最高水準のロボットの一人で、第39次中央アジア紛争に平和維持軍として参加。前線でブランドとヘラクレスと共にペルシア軍のロボットを駆逐。その後、スイス林野庁に所属しルツェルン管区森林保護担当官の傍らアルプスの山岳ガイドや遭難者の救助も務める。
- 中央アジア紛争の功績と詩や歌を愛す温厚な性格から誰からも愛されるロボットだったが、一連の事件による最初の被害者となる。7体のロボットの内唯一、見た目は原作のそれとあまり変わらない。
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- 「地上最大のロボット」版
- スイスの山案内ロボット。やはり真っ先にプルートゥの標的となり、不意をつかれ電磁波攻撃で大破。『アストロボーイ・鉄腕アトム』には未登場だが、プルートゥを倒して視聴率を稼ごうとするハムエッグがけしかけた3体の刺客ロボットの中に形状が似ているものがいた。しかし、この3体は10秒で全員文字通り「秒殺」されてしまう。
[編集] ノース2号
- ブリテン軍の総司令官アンドリュー・ダグラス将軍について、世界最高水準のロボットの一人として第39次中央アジア紛争に参加。その後ユーロ連邦・スコットランドで隠居生活をする音楽家ポール・ダンカンの執事となる。気難しい主人と心を通わせるうち、ピアノを弾きたいという感情が芽生えるが、「敵」との戦闘により死亡。ダンカンの曲を口ずさみながら空中で四散した。
- 形態はマスクを被ったような顔面で、口元だけは人間風。7体中唯一の明確な軍事・戦闘用ロボットであり、全身に様々な兵器を装備している(オリジナルの様に複数の腕を持っており、二本を除くそれぞれの先が武器となっている)。そのため、普段は手として使っている二本以外をマントに隠し、全身を覆っている。両脚は無く、足部のジェットエンジンによるホバーで移動する。飛行も可能。
[編集] ブランド
- 世界最高水準のロボットの一人で、第39次中央アジア紛争に平和維持軍として参加。前線でヘラクレスとモンブランと共にペルシア軍のロボットを駆逐。その後はユーロ連邦・トルコのイスタンブールで格闘技ロボットとして民衆を魅了、パンクラチオンスーツでの試合で不敗神話を築きESKKKRトーナメントチャンピオンになる。妻と5人の子供を持ち、一家団欒で平穏な生活を送る。
- しかし「敵」との戦闘により黒海沿岸で死亡。最後の力を振り絞り、アトムたちに「敵」の情報を送ろうとしたが、家族との思い出が、走馬灯の如く電子頭脳にリピートされ、悲しみの中力尽きる。
- 形態は一般生活用の人型ボディ、ESKKKRトーナメント専用のパンチクラチオンスーツ、軍事用のコンバットスーツと、複数のボディがある。人型ボディの相貌は30代から40代風のヨーロッパ系の男性。体格は少しぽっちゃり。戦闘時は、電子頭脳(頭部)と動力炉(心臓部)のみをパンチクラチオンスーツ(もしくはコンバットスーツ)へ移し、行動する。スーツ装備時が、比較的オリジナルに似た姿となっている。
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- 「地上最大のロボット」版
- トルコのロボット力士。球体となって突進する。友人モンブランのあだ討ちのためプルートゥに挑む。水中戦の末敗れるものの、アトムを除く世界最高水準のロボットの中で、唯一プルートゥに深手を負わせている。この戦いの余波は原作の悲劇的なラストに続く。また、モンブランと友人だったという設定は原作でもかたられている。彼も『アストロボーイ・鉄腕アトム』には未登場だが、やはりよく似た刺客ロボットが登場。
[編集] ヘラクレス
- 世界最高水準のロボットの一人で、平和維持軍として第39次中央アジア紛争に参加。前線でモンブラン、ブランドと共にペルシア軍のロボットを駆逐。ブランドと同じくパンクラチオンスーツでの試合で負け知らずのユーロ連邦・ギリシアの世界王者。また、親友のブランドはライバル的な存在[2]であり、過去4度の対戦では無効試合と実力が拮抗し合っている。
- 自らを「機械」、「殺人マシン」と言い切るストイックな性格で、「人間の真似事」[3]はしない主義。中央アジア紛争時も他の世界最高水準のロボットのように戦争に疑問や拒否感をあらわすこともなかったが、戦後は試合で相手に止めをさせなくなったことを自覚しており、「憎しみ」や「いたわり」を理解するようになっていた。「敵」との戦闘で、「敵」の正体に迫るも死亡した。
- 形態はブランドと同様、複数のボディがある。ただし、ブランドと違い、移すのは電子頭脳のみ。人型ボディの相貌は30代から40代のヨーロッパ系の男性。体型は筋肉質のアスリートタイプ。ブランド同様スーツのデザインはオリジナルを思わせるが原作とは違い素手で戦うタイプ。
[編集] エプシロン
- 世界最高水準のロボットの一人。第39次中央アジア紛争への参加を「この戦いに義は無い」と言う理由から拒否し、世論から非難を浴びてしまう。その後拒否した事に対しての見せしめとしてペルシア王国へ戦後処理の名目で派遣される。そこで戦後の悲惨な光景を目にし、この地で出逢った戦災孤児達を引き取りオーストラリアで一緒に暮らしている(このことで彼は世間から更に厳しい批判を受けているが、子供達からは慕われている)。
- 戦災地においては、お茶の水博士ら「ボラー調査団」が目撃したものと同一であろう、人工知能を抜き取られた大量のロボットの残骸を、光子エネルギーの破壊力で「処理」した。この体験と、ペルシャから引き取った子供の1人ワシリーが口にする、歌詞にボラーの登場する不吉な歌などから、この戦争の裏にある不穏な何かを察知している。原作同様、太陽の光を利用した光子エネルギーを動力源にしており、純粋な戦闘力では、登場するロボット達の中でも最強と思われる。オーストラリアの養護施設上空に飛来した「敵」の存在を察知し、これと交戦。地上に、その残骸を残すほどのダメージを与えるも、「敵」の左腕を破損したに過ぎなかった。アブラーに囚われたワシリーを救い出すべく、ガードロボットのホーガンと共闘し、「敵」の潜むノルウェーのアジトに突入。またも、「敵」と遭遇、雪の降る悪天候の中、光子エネルギーを満足に発揮できない状況下で再戦を繰り広げる。たびたびゲジヒトらの前に現れては、「人間とロボットは近づきつつある。近づきすぎると良くない事が起こる。」等の謎めいた警告を与えている。
- 形態は人間型。相貌は20代のヨーロッパ系の男性。長髪で中性的な印象の美男子で、黒のセーター(らしき服)と、同じく黒のスラックスおよびブーツを着用している。
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- 「地上最大のロボット」版
- 特撮ヒーローのようなマントと全身タイツ風のデザイン。オーストラリアの孤児院で働いており、心優しい性格で大勢の子供達から慕われている。一度計略でプルートゥを泥濘に沈めようとしたが、結局は卑怯な事をしたと言う引け目と見捨てられないという優しさに負け助けてしまう(皮肉にもこれが仇となって弱点を知られる事になる)。光子力で動くロボットで、無限の出力はプルートゥにとっても脅威であったが、エネルギー補充ができない悪天候時をつかれたうえに戦いに巻き込まれた子供を庇い、破壊されるという悲壮な最後を遂げてしまう。一人称が「わたし」でありどこか女性的な印象を受ける(孤児院の子供たちからは「おじちゃん」と呼ばれ、本人も子供達に「おじさんはね」と答えているので男性型であることは疑いない)。アニメ第1作および『アストロボーイ・鉄腕アトム』ではプルートゥに対してアトムと共闘している[4]。なお、後者では前述の中性的な雰囲気からか、女性型の環境保護ロボットになっている[1]。
[編集] その他
- お茶の水博士
- アトムを管理整備している博士。現在、日本の科学省長官を務めている。ボラー調査団の元メンバー。
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- 「地上最大のロボット」版
- ロボット同士が争うことを嫌悪している。幾度となくプルートゥと対決しそうになるアトムを必死に止め、アトムからの強化改造案も否定する。だが、サルタンにプルートゥとアトムを戦わせるため人質にとられてしまい・・・。
- 伴校長先生
- ウランの通う学校の校長。「ロボットも人間と同じように悲しむもの」という考えを持ち、アトムを失ったウランの心を救おうとしている人格者。キャラクターのモデルは、手塚作品常連のヒゲオヤジこと伴俊作と思われる。
- ウラン
- アトムの妹としてお茶の水博士が製作。少々強気で生意気かつ、繊細な性格。戦闘能力は無いが、動物や植物から発せられるSOSや、「悲しみ」や「憎しみ」と言った人間の激しい感情の変化をキャッチすることが可能で、ある日それに導かれ公園で正体不明のロボットと出会うが…。
- 形態は人間型。相貌はツインテール…と言えなくもない、おしゃまそうな女児。
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- 「地上最大のロボット」版
- アトムに変装しプルートゥに挑むも逆に人質にされる。その後、ただ命令を遂行するプルートゥの閉ざされた心(電子頭脳)に「優しさ」と「思いやり」そして「友情」という、ぬくもりを教える。その事は、プルートゥにとって大きな転機となり、強い葛藤を与えた。そしてそれは彼の最期の瞬間まで続くこととなった。同時にそれは、戦ってきたアトムたちに深い悲しみと教訓を落とす結果となった。『アストロボーイ・鉄腕アトム』では動物の心を感知できる能力を持つ。
- ブラウ1589
- ロボット史上、初めて人間を殺害したロボット。人工知能は完璧で欠陥はなく、人間に近かった。ユーロ連邦・ベルギーのブリュッセルにある人工知能矯正キャンプの地下に身動きが取れない状態で隔離・幽閉されている[5]。標的が世界最高性能のロボット7人であること、トラキア合衆国大統領のバックにいるDr.ルーズベルトの存在を示唆するなどロボット連続破壊事件の解決の手がかりを度々ゲジヒトに与え、遺体に施された角を「死の神(=プルートゥ)」の暗示であると推測した。強力な電磁波を放ち、今までに面会に来た4体のロボットを壊している[6]。彼は、自身の殺人行為を「処刑」と表現していたという。獄中から主人公にヒントを与える役回りや異常者として謎めいた助言をするあたりは映画『羊たちの沈黙』のレクター博士と類似点あり。モデルは『鉄腕アトム』「青騎士の巻」に登場する人を殺せるロボット、青騎士ブルー・ボンであると思われる[7]。また、「青騎士」のブルー・ボンが槍を刺されるシーンを意識してか、ブラウ1589のボディーにも同様に槍が突き刺さっている。
- ボロボロに朽ち果てており、フレーム[8]などがむき出しの状態。
- ホフマン博士
- ゼロニウムを発明し、ゲジヒトを管理整備する科学者。ユーロポールドイツ支局に属する。ゲジヒト(人工知能)が見る夢について個人的な興味を持っている。傍目的に良い人であるが、科学者の見地から物を語ってしまいがちな人物で、しばしばそれはゲジヒトを苦笑させる。しかしゲジヒトのことは彼のストレスを心配したり、彼にある措置が極秘裏に施されたことを疑い上司を直接問い詰めるなど技術者として以上に大切に思っている。何者かに襲撃されるが、エプシロンに助け出された。だが、その後、デュッセルドルフにて出席した欧州科学フォーラムの会場を後にする際、接触したアブラー博士に、再び、命を狙われる。
- ベルナルド・ランケ
- デュッセルドルフのロボット法擁護団体の指導者。ボラー調査団の元メンバー。何者かに殺害される。ホフマン博士曰く「人を上から見下ろしたような物言いをする」、「敵を自分で作ってしまう人物」らしい。
- ヘレナ
- ゲジヒトの妻のロボット。忙しい夫を心配している。デザイナーの仕事をしている。自身にその記憶がないのだが、夫と共に日本への渡航を試み、直前にキャンセルしたという記録が残っている。
- ポール・ダンカン
- ノース2号を雇ったボヘミア出身の老作曲家。少年時代の病気により失明している。かつて母に捨てられた(と思い込んでいた)ためか偏屈な性格でノース2号のことも兵器呼ばわりしていたが、彼のつらい過去や母の愛情を知り心を開く。余談ではあるが、彼の命を救った医者は「法外な治療費を請求する無免許医」であり、顔こそ描かれていないもののシルエットなどからブラックジャックであることは明白であった。なお、顔はフランスの作家サミュエル・ベケットに非常に似ている[9]が、浦沢が参照したかどうかは不明である。失明などホアキン・ロドリーゴもモデルと思われる。
- 田崎純一郎
- 国際ロボット法を発案した日本人法学者。ボラー調査団の元メンバー。何者かに殺害される。
- ロナルド・ニュートン・ハワード
- 光子エネルギーを発明したオーストリア人科学者で、エプシロンの生みの親。何者かに殺害される。かつて「世界全体を救うロボット」の開発を目指しホフマン、天馬両博士と会談したことがある。
- Dr.ルーズベルト
- トラキア合衆国大統領アレクサンダーのブレーン。ゲジヒトなどのロボットの人工知能の数千倍の容量を持つコンピューター。大統領とはぬいぐるみ型の端末を通じて会話する。その言動(動けないため、思考ではある)は謎が多く、今回の事件の黒幕と思しき発言が目立つ。端末の形状からおそらく名前の由来はセオドア・ルーズベルトと思われる。
- ゴジ博士
- ペルシア王国に高性能なロボットの兵団を作り、中央アジア制覇に寄与したと言われる天才科学者。「ゴジ」という名前はあくまで通称であり、本名や顔、その他の個人情報は明らかになっていない不明な人物。お茶の水博士を襲撃した謎のロボットは自らをゴジであると名乗っている。ゴジとは古代ウズベクの伝説に出てくる「砂の賢者」に由来するという。
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- 「地上最大のロボット」版
- サルタンの前に突如現れ、自分のロボット「ボラー」こそが最強であり、プルートゥかアトムの生き残ったほうと戦わせると宣言した謎の男。その正体は実に意外。
- ダリウス14世
- 元ペルシア王国国王。第39次中央アジア紛争で失脚、現在戦犯として裁判を受けているが、獄中や法廷で一連の事件と関連すると思しき、殺害あるいは未遂に終わった被害者の名や、「進化の過程」「神に愛されたロボット」「お花畑」などの数々の発言や奇行を繰り返す。ゲジヒトとの面会の際に舌を噛み切り自殺を試みるも一命は取り留めた。名前の由来はアケメネス朝ペルシアのダレイオス(ダリウス)3世から。『地上最大のロボット』のサルタンがモデルと見られる。
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- 地上最大のロボット版 (サルタン)
- プルートゥをアブラー博士に命じて作り上げた男。元々はある国のチョチ・チョチ・アババという名の王だったが贅沢三昧な暮らしをしていた為、国を追われた。とある孤城で暮らしていたが、いつか自分がまた王位に着く事を夢見ており、それが叶わないなら自分のロボットを世界一にしようと考えてプルートゥを作らせた。金持ちらしいわがままな部分が目立つ人物として描かれている。
- アレクサンダー大統領
- トラキア合衆国大統領として大量破壊ロボット製造禁止条約の締結と第39次中央アジア紛争への多国籍軍派遣を主導。Dr.ルーズベルトと同じく、その言動には謎が多く、何を画策し、成そうとしているのか未だ不明である。名前の由来はアレクサンドロス(アレクサンダー)大王から。
- アブラー博士
- ペルシア王国出身の科学者「中央アジア最高の頭脳」と呼ばれる。アトムいわく「人間かロボットか、わからない人」。体の半分以上を機械化しており、スキャンを通しても分類が「ロボット」になるほど。本人はそれをペルシア戦争での傷跡と語っている。戦災で家族(ロボットの子供を含む)を失った場面が描かれており、先の紛争に対し強い感情があるものと見られる。
- 国際会議出席のため来日するがその真の目的は失踪した自作のロボット「プルートウ」の捜索。Dr.ルーズベルト、アレクサンダー大統領と並んで、言動や目的ともに謎の多い人物。「プルートウ」の捜索では大量の偵察用ゴキブリメカを吐き出すロボット[10]を使用する。再登場時にはペルシア共和国科学省長官に就任している。サマルカンドにてゲジヒトと対面した際、自身がダリウス14世と懇意であったことを告白。同時に、「敵」の発信した映像に写されていたサハドという名の男(ロボット)とも何らかの関係があることを察知される。後のゲジヒトの調査で、サハドの生みの親であることが判明する。ゲジヒトの死後は、ワシリーを人質にとり、誘き寄せたエプシロンとプルートウを戦わせている。戦争の悲劇による、怒りや憎しみのみが、彼を突き動かしており、サハドから彼の「体」を奪いプルートウの「体」を与え、「親」であるアブラーを裏切れないサハドの心情を利用し、「体」を返還するための交換条件として、今回の事件の標的である大量兵器になりうるロボットたちの殺害を命じている。
- 生身の体の彼は一度、ティムール地区への空爆の際、天馬博士へ高性能ロボット製造の志を託す形で死亡している。
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- 「地上最大のロボット」版
- サルタンの部下としてプルートゥを製作した科学者。顔は覆面で覆われており素性は不明。実はある登場人物の変装。
- サハド(=プルートウ)
- アブラー博士により作られた、人間型ロボット。中東系の青年の姿をしている。エプシロンが、ヘラクレスと「敵」が死闘を繰り広げてる際に、キャッチした「敵」からの映像に、花畑の中でスカーフを巻き微笑んでる姿で写っていた謎の男。
- 砂漠で覆われた祖国の緑化(花畑を作る)を夢見て植物学を学んでおり、砂漠に覆われた過酷な祖国の地にも、耐えうる植物の栽培技術を学ぶため、アムステルダム大学に留学。温厚で真面目な性格。また、大学では研究に没頭していたため、周囲からの覚えもよい。栽培していたチューリップに、それぞれ名前をつけて可愛がるという、ロボットらしからぬ一面を持つ。「プルートウ」と名づけられたチューリップだけが悪条件を生き延び、その花に特別な愛着を持っていた。オランダ、ザアンダムにあるペルシャ王国国営の栽培実験場[11]において花の研究をしていたが、中央アジア紛争が勃発した際、「父が死んだ」と周囲に言い残し、戦地となった祖国へ帰国する。また、その際、自分が「プルートウ」のようになってしまうのでは、という意味深な懸念を周囲に残している。
- 砂漠に花畑を作りたかったという過去と、ウランと遭遇した「プルートウ」と思しきロボットの漏らした発言とが合致するため、「敵」と同一、すなわち、「敵」の前身である。
- ペルシャの戦局が悪化した際、作り主のアブラーに呼び出され、完成された「体」と対面している。その体は、環境開発ロボットだったものを軍事兵器として改造したもので、作り主のアブラー博士曰く「魂の彷徨」と呼ばれる、電磁波による電子頭脳の遠隔操作システムが導入されている。これにより、電子頭脳の挿入されていないロボットに憑依し、その体を操ることが可能。また、竜巻を起こしたり雨を降らすなど自然の天候をも操る能力がある。この「体」になってからは、アブラー博士によりプログラミングされたであろう「怒り」を核とした残忍な人格が頭脳を支配しており、獣のような獰猛な唸り声をあげるなど、「サハド」時代のメモリーは基本的に消去されたようである。しかしながら、かすかに断片的な記憶が残っているようで、花畑の絵を描き、草花に生命力を与える他、標的と遭遇した際「悲しみ」などの情緒を示すなど、ときおり「サハド」の片鱗を見せることがある。ロボット殺害の件も、アブラーに強制されて行っていたことが判明。対戦相手であるエプシロンの前で、胸の内を明かし救いを求めた。
- アドルフ・ハース
- 表向きは貿易関係の仕事を営み、妻と一人の子供をもつごく普通の男性。裏ではKR団に所属している熱烈な反ロボット主義者。
- 父が、工場における労働力としてのロボットの導入に伴う、リストラの憂き目に会ってしまう。その後、家庭は貧しく荒みきり、父は酒びたりの日々を続けた末、飛び降り自殺した。ある事をきっかけに自身の兄がロボットに殺されたことを知る。そして、その兄を殺したのはゲジヒトではないかと疑い彼への復讐を企む。後にその事実を、ゲジヒト本人に打ち明ける。しかし、その一方でゲジヒトを反ロボット主義のプロパガンダとして利用しようとしているKR団と袂を分かってしまい、団体から命を狙われることになる。
- また、それと同時に、戦争終結直後、戦後復興ビジネスに参画するためペルシャへの入国をしており、その仕事の関係で入手した、カラ・テパ刑務所におけるダリウス14世の意味深な映像のせいで更なる敵を増やしてしまう。名前の由来は、第二次大戦中を舞台に愛国心や人種差別をテーマに描いた『アドルフに告ぐ』から。ハース(Haß)とはドイツ語で憎しみの意味。また、息子の名前、ハンスは『ビッグX』のハンス・エンゲルスに由来か
- アドルフの兄
- 弟以上の反ロボット感情の持ち主。ビーコムアイ-3と呼ばれる監視カメラシステムの修理業者として働いていた。
- 独学で勉強していたアドルフのために学習機器を盗んだ際、警備のロボットを破壊したことで「ロボットは人間を殺せないが逆に人間はロボットを殺せる」と考えるようになり、その後連続幼児型ロボット誘拐殺人事件を引き起こす。表向き警官により射殺されたとされているが、実際の死体の損壊は人間用の銃器ではありえないほど損壊していた。
- ロボット夫婦のみならず子供のいない人間夫婦にも必要とされている子供ロボットを惨殺した彼の事件は、KR団幹部ですら「吐き気がする行為」と蔑んでいる。
- 医師
- 日本出身。ポール・ダンカンを治療、その母に高額な手術費を請求したと思われる。正式な医者ではなく「モグリの医者」だという。モデルはブラック・ジャックだと思われる。
- 白いライオン
- トーキョーシティの中央公園付近で発生した竜巻によって横転した、動物運搬用のトラックから逃げ出した動物の中の1頭。トラやチーターらとともに路上で少年を取り囲む。少年が泣き叫んでいたところ、ウランによって助けられる。ウランいわく「やさしそうな目をしている」。モデルはジャングル大帝のレオと思われる。
- 天馬博士
- アトムの生みの親で電子頭脳の権威。原作同様、ロボットに対して屈折した考えを持っている。元日本科学省長官、つまり、お茶の水博士の前任者に当たる人物である。ホフマン博士曰く「完璧な頭脳」の持ち主。
- 科学省を去った後は、表舞台に一切姿を現さず闇社会に消えていたという。しかし、キンバリーにて、ホフマン博士、ニュートン=ハワード博士らが会談を行った際には、彼らの前に姿を現し、両博士の研究内容を網羅しその場を去り、再び行方をくらました。アトムを「失敗作」と語る。
- また、テンマ型チップと呼ばれる人工知能の作動に重要な影響を及ぼすパーツの発明者でもある。また、彼曰く「ある人」の依頼により、高額にして高度ながら、彼をして「完璧」と自負する唯一無二のロボットを製作したらしい。しかしながら、全人類60億の人格をプログラミングされたそのロボットは、その人工知能の複雑さゆえに、ついに目覚める事はなく、現在でも眠り続けているという。アブラー博士の発言や、戦後ペルシャからテンマ型チップが発見されたことなどから、その相手はダリウス14世ではないかと推測される。
- 「敵」との闘いで「死亡」が確認されたアトムを修理するために、元の職場である科学省に姿を現し、驚異的な腕前を発揮しアトムの修理を成し遂げる。その神懸ったテクニックや、施術の後にソファーに横になり体を休める姿など、ブラック・ジャックを彷彿とさせる。ゲジヒトの死後、来日した彼の妻ヘレナと接触し、ゲジヒトのメモリーを託された。
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- 「地上最大のロボット」版
- サルタンにお茶の水博士が拉致された後どこからともなく登場。アトムの力を100万馬力に強化改造するが、アトムは力を抑えきれず海底に沈んでしまう。そこにプルートゥが現れ・・・
[編集] 用語
- ロボット
- この時代のロボットは、人と同様、一定の人権を有しており、市民権も得ている。非常に人に近い容姿をもつものから、旧来のロボットの容姿をもつものまで様々。また、作業などの用途によって自身のボディを変える(複数のボディをもつ)タイプも存在する。
- 第39次中央アジア紛争
- 中央アジア地域に位置する独裁国家ペルシア王国で、大量破壊ロボットを巡って起きた戦争。国王ダリウス14世が、ロボット兵団などの軍事力で近隣諸国を侵略し、中央アジアを制圧しようとしていたことがその発端。その後、それを食い止めるためトラキア合衆国のアレクサンダー大統領が国連に働きかけ、「大量破壊ロボット製造禁止条約」を承認させる。そして、ペルシア王国は大量破壊ロボットを保有しているというトラキア大統領の主張を元に、国連はボラー調査団をペルシア王国に派遣。
- その後、ボラー調査団はモスクの地下に大量のロボットの残骸を発見。国連は条約違反であるとしてペルシア王国に世界最高水準ロボット7人など平和維持軍を派遣。アトムをはじめとする世界最高水準ロボット達の活躍によりペルシア王国が陥落し戦争は終結。しかし、悲惨な戦場での体験は7人のロボットたちの心に大きな影響を与えた。
- ペルシア王国
- ペルシア王朝の正統な後継者と称する国王・ダリウス14世による独裁主義国家。絶対君主制が敷かれ、民衆やロボットは圧政に苦しんでいた。ロボット軍事力を強大化し中央アジア全域の統治を目論むもトラキア合衆国や国連との衝突によって戦争を引き起こす。しかし、アトムやゲジヒトなどの世界最高水準ロボットの働きにより、戦争終結と共に崩壊。戦争終結後は国連やトラキア合衆国が占領し、その後はペルシア共和国として経済の復興と民主主義の定着の道筋を歩み始める。
- 「ペルシア」はイランの別名だが、この国は明らかにフセイン政権下のイラクをモデルにしている。また作中の描写から位置はウズベキスタン周辺と推測され、地理的にも実際のペルシアとは異なっている(神聖ローマ帝国のような国名?)。
- トラキア合衆国
- 「世界のリーダー」を自負する大国。アレクサンダー大統領が国を治め、第39次中央アジア紛争を主導的な立場で集結させる。その「功績」から同大統領は国民に支持され再選。また、世界最先端の科学技術を有する技術立国でもあるがロボット産業は未発達で、大量破壊兵器になる可能性のロボットは所持していない。首都はニューワシントン。
- 「トラキア」はバルカン半島の地名だが、明らかにアメリカ合衆国をモデルにしている(地理的にどこに位置するのかは不明だが、ダリウスが先進国を「欧米」と呼んでいることなどからアメリカ大陸の可能性が高い)。
- ユーロ連邦
- 『PLUTO』の世界で現在のEUがさらにまとまったと思われる架空の連邦国家。その事から範囲はヨーロッパほぼ全域にあたり、大量破壊兵器になりうるロボットを4人も所持しており、かなりの超大国であると思われる。ただし、スイスが一員なのかは、はっきりしていないので、もしかすると5人も所持していたのかもしれない。
- 現在EUに加盟していないトルコもこの国の一員である。
- アセアン
- 『PLUTO』の世界の日本やオーストラリアはこの地域区分に含まれている模様。現在のASEANとは異なり、東アジアやオセアニアを含む西太平洋沿岸地域を指すと考えられる。
- 大量破壊ロボット製造禁止条約
- ペルシア王国のロボット軍事力が強化し、中央アジアには軍事的緊張が高まっていた当時、それを懸念したトラキア合衆国のアレクサンダー大統領が国連に大量破壊目的のロボットの生産を禁じる条約を提唱し国連で承認される。それ以前に製造されたゲジヒト、アトムら7人は条約に抵触する(大量破壊兵器にもなりうる)性能を持つ。戦争の引き金ともなった条約。また、その科学技術においてロボット研究開発の分野が遅れをとっていたトラキア合衆国が優れた技術力・生産力を持つ他国をけん制する意味合いもあると見られる。
- ボラー調査団
- 大量破壊ロボットの製造の疑惑をかけられたペルシア王国に、実態把握のために国連から派遣された調査団。結局、大量破壊ロボットの発見には至らなかったが、調査に立ち入った古いモスクの地下において大量のロボットの残骸を発見した。ロボット工学の分野からはお茶の水博士、ホフマン博士、ハワード博士らが参加。その他、それぞれ殺害されたロボット法擁護団体のベルナルド・ランケ、法学者の田崎純一郎もボラー調査団の元メンバーであった。未遂に終わったお茶の水博士を除く全員が、現場に「角」を残す奇怪な殺人事件の犠牲となり死亡している。また、調査団のメンバーではないが、同じくロボットの残骸を目撃していた国連軍のスコット准将も、部下もろとも殺害された。
- 国際ロボット法
- 日本の法学者、田崎純一郎が発案。ロボットに守らせなければならないルールや、ロボットが保障されるべき権利などが定められた法律。アシモフのロボット工学三原則に基づいた「人に危害を加えたり、殺害してはならない」などの条約が定められている。原作の『鉄腕アトム』のロボット法と同じだと思われる。
- ペルシア戦争症候群
- 戦争の衝撃が精神に深い傷を与え、心を犯される病(PTSD)。エプシロンが引き取った戦争孤児たちのなかにも、この症状に犯された子供たちが何人もいる。
- ボラー
- “調査団”にも使われた謎の単語。何を指し示しているのかは一切不明。エプシロンが引き取った戦災孤児のワシリーをはじめ、これと同じ単語を口する(しかできない)ペルシア戦争症候群の子供がいる。ペルシア戦争の砂埃がまっている写真を解析したところ大きな影が見られた、ボラーではないかと推測される。また、プルートウ(=サハド)自身も、この「ボラー」という言葉にひどく怯えており、オスロの古城に潜んでいたプルートウを目撃したワシリーが、この言葉を叫ぶと、アブラー博士も感情を露にし、彼を制止した。その上、ワシリーが「ボラー」の目撃者であるとも言及している。
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- 「地上最大のロボット」版
- ゴジ博士が作ったゴーレム風のロボット。プルートゥを凌駕するパワーを持つが戦うことしかできない。
- KR団
- 反ロボット主義たちからなる、ロボット人権法廃止を唱える極右団体。その活動思想の根拠は「ロボットに魂はない」。メンバーには知識人や財界人、権力者も含まれているらしく、メディアを利用した情報戦を展開する一方で、かなり過激な活動も行っている。ドイツ司法局のロボット判事、ノイマン氏の殺害にも関与していると見られている。モデルはKKK(集会の内容や団体の衣装からもKKKを意識している事がうかがえる)。
- ロボット法擁護団体
- ロボット法の擁護、ロボットの人権の擁護を目的とした団体。そのため、反ロボット主義の者達から反感を抱かれている。
- ロボットが見る夢
- 彼らが見る夢は人のそれとは違い、電子頭脳に記録された過去のリピート。人とは違い、記憶を電子頭脳から削除する以外、忘れるということが出来ない彼ら特有の(一種の)症状とも言える。時にそれは、(過去の体験により)苦しみや恐怖を伴う悪夢となる場合がある。
- ゼロニウム
- ホフマン博士が発明した、SAAW特殊重火器にも使われる特殊な合金。電磁波を遮断する特性を持ち、火器として使用した場合は、装甲車を一発で破壊するほどの威力をもつ(その威力から、対人使用は禁止されている)。ユーロポールにおいて、この合金を使用した警官ロボットが一台製作された。
[編集] ストーリーの時系列
[編集] 8年前
- ブラウ1589がロボットとしては初めて人間を殺害する。
[編集] 4年前
- 第39次中央アジア紛争が勃発する。モンブラン、ブランド、ヘラクレス、アトムは平和維持軍として参加。ノース2号はブリテン軍の総司令官、アンドリュー・ダグラス将軍の執事として従軍。ゲジヒトは治安警察部隊として派遣される。
- ペルシア王国の陥落により、終結。
[編集] 2年前
- ゲジヒトが「何か」を行ったが、その記憶は妻と共に改竄された。
[編集] 現代
- スイスのルシツェルン管区にてスイスのモンブランが殺害される。一連の事件が始まる。
- モンブラン殺害とほぼ同じ頃、デュッセルドルフにてベルナルド・ランケが殺害される。ゲジヒト、捜査を開始。
- ゲジヒト、ブラウ1589を訪問
- モンブラン殺害の数日後、ダンカン邸の上空でイギリスのノース2号が殺害される。
- ゲジヒト、トルコのブランドを訪問
- ゲジヒト、日本のアトムを訪問
- 同じ頃法学者の田崎純一郎が殺害される。
- ゲジヒト、ギリシャのヘラクレスを訪問
- その直後ブランドが「敵」と戦うが死亡する。
- ゲジヒト、ブラウ1589を再訪問。
- ブランドの「腕」が発見される。
- ウランが「敵」らしき者と出会う
- アトムが竜巻に襲われたお茶の水博士の孫を助けに向かうが、「敵」と相対し、死亡が確認される。
- ゲジヒト、アドルフ・ハースの護衛を命じられる。
[編集] 単行本
豪華版は通常版よりも10日程先行して発売される。B5判で各巻に必ず付録が付き、また「限定版」ではないため、通常版と同じく重版も発行され、品切れ時には取り寄せも可能。
- PLUTO (1) 通常版:ISBN 4091874312、豪華版:ISBN 4091877567
- PLUTO (2) 通常版:ISBN 4091874320、豪華版:ISBN 4091877575
- PLUTO (3) 通常版:ISBN 4091802370、豪華版:ISBN 4091803091
- PLUTO (4) 通常版:ISBN 4091810063、豪華版:ISBN 4091810284
- PLUTO (5) 通常版:ISBN 4091815569、豪華版:ISBN 4091815958
[編集] 関連項目
- 単行本第4集のあとがきを担当した。「華がない」と本作を批判したり、浦沢個人をも「話が長い」「長崎尚志とのコンビが辛気臭い」などと評し(いわゆる“毒舌”トークとも言う)、話題になった。また営業ものがたりにおいて、「プルートは私でも良かったはず」「いつまで読んでもまざんねえ交響楽みたいなまんがかきやがって」などの批判もした。しかしその後の対談において、自分が先に潰れるという話題で盛り上がっている事から、浦沢との仲は良好であることがうかがえる。
[編集] 脚注
- ^ a b c 『アストロボーイ』版プルートゥの目的は優秀なロボットの破壊ではなく単に倒すことであるため死亡せず、ヘラクレスを除き以降のエピソードにも登場。
- ^ 実際のギリシャとトルコは、オスマン・トルコ以来国家レベルで虐殺したされたの関係で、ライバルというより仇敵同士。
- ^ 擬似的な食事、娯楽、休息といった行動、ロボット同士の結婚や育児といった生活スタイルは作中のロボットにとってはポピュラーなもの。
- ^ アニメ版での「地上最大のロボット」は第2作のみ原作ストーリーにに忠実。
- ^ 配線がかろうじて繋がっている状態にまで破壊され、壁に寄りかかり、複数の武器で動けない様にされている。意識はある
- ^ ゲジヒトは電磁波を遮断する“特殊な合金”でできているため、プロテクターなしに会っている
- ^ ブラウ=青、1589はブルボン朝成立年に相当
- ^ 蛇腹状の骨格など、「青騎士の巻」本編の青騎士のものに酷似
- ^ 写真家のジョン・ヘインズが1970年代に撮影した写真。
- ^ モデルはミクロイドSと思われる
- ^ この地下において、「敵」が収容されており、潜入したゲジヒトと対峙する事になる。
[編集] 外部リンク
| 手塚治虫文化賞マンガ大賞 |
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