井上雄彦

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井上 雄彦
本名 成合 雄彦
生誕 1967年1月12日(47歳)
日本の旗 日本 鹿児島県
国籍 日本
職業 漫画家
活動期間 1988年 -
ジャンル 少年漫画青年漫画
代表作 SLAM DUNK』全31巻、完全版全24巻
バガボンド』1-33巻(続刊)
リアル』1-11巻(続刊)
ロストオデッセイ』(キャラクターデザイン)
受賞 第35回手塚賞入選
(『楓パープル』)
第40回小学館漫画賞
(『SLAM DUNK』)
第4回メディア芸術祭大賞
第24回講談社漫画賞
第6回手塚治虫文化賞大賞
(以上『バガボンド』)
第5回メディア芸術祭優秀賞
(『リアル』)
第1回平城遷都1300年記念アジアコスモポリタン賞文化賞
公式サイト INOUE TAKEHIKO ON THE WEB
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井上 雄彦(いのうえ たけひこ、本名:成合 雄彦(なりあい たけひこ)、1967年1月12日 - )は、日本漫画家鹿児島県大口市(現・伊佐市)出身。血液型はB型。愛称は「イノタケ」。

概略[編集]

代表作に『SLAM DUNK』、『バガボンド』、『リアル』など。スポーツや闘いを通じて青年の成長を描く作品が多い。

1988年手塚賞入選の「楓パープル」でデビュー(この時は本名名義)。1990年、現在の名義である「井上雄彦」に変更して連載を開始した『SLAM DUNK』は日本におけるバスケットボールブームの火付け役となり[1]、2004年に国内発行部数1億部を突破。2010年現在の累計発行部数は完全版を含め、国内で1億1700万部を超えている。1998年からは宮本武蔵を題材にした『バガボンド』、1999年からは車椅子バスケットボールを題材にした『リアル』を連載、前者は8200万部、後者も1400万部を超えるヒット作となっている[2]。『バガボンド』による文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。2012年には平城遷都1300年記念アジアコスモポリタン賞文化賞を受賞。その他受賞多数。

『SLAM DUNK』の21 - 23巻の初版発行部数は当時の日本記録である。

来歴[編集]

小・中学校時代は剣道部に所属し、高校から当時まだマイナーだったバスケットボール部に入部し主将を務める。その一方で、子供の頃から絵を描くことを好み、高校の終わり頃より漫画家になることを意識するようになる。幼少期から特に好きだった漫画は水島新司ドカベン』で、他にも影響を受けた作家に池上遼一(『男組』)、小林まこと等の名を挙げている[3]

高校3年の時、芸大進学を前提に美術予備校の夏期講習を受けるが、「金がかかる」という理由で進路変更し、地元に近い熊本大学に進学する。20歳の時に週刊少年ジャンプに投稿した作品が編集者・中村泰造の目に止まり[4]、本格的に漫画家の道を歩むために1987年大学を中退し上京。当時『シティーハンター』を連載中の北条司のアシスタントを10ヶ月ほど務め、ここで漫画制作の基本的な技術を身につけた[3]。1988年、投稿作品『楓パープル』が第35回手塚賞に入選、漫画家としてデビューする。

週刊少年ジャンプ上で原作付きの初連載『カメレオンジェイル』やバスケの読み切り作品等を経て、1990年より『SLAM DUNK』を連載開始する。当時国内でのバスケットボールの人気度はさほどでなかったが、回を重ねる毎に人気を増し、やがて空前の大ヒットとなる。1993年にはアニメ化もされた。尚、連載中の1995年3-4号ではジャンプの発行部数が歴代最高653万部を記録しギネス認定された。更に2004年にはコミック国内発行部数が1億部を突破した事を記念して、全国6大新聞各紙に描き下ろしイラストと、ファンへの感謝の意を表した井上個人による全面広告を掲載した。また、連載終了後10年を経た2006年には、文化庁によるアンケート企画「日本のメディア芸術100選」においてマンガ部門1位に選出されている。

1996年、6年間続いた『SLAM DUNK』は連載終了する。いくつかの小品を経て、1998年より『モーニング』にて、吉川英治の小説『宮本武蔵』を原作とした『バガボンド』の連載を開始する。並行して1999年からは本人曰く「TVで観て興味を持った」車椅子バスケットボールを題材にした『リアル』の不定期連載を『週刊ヤングジャンプ』にて開始、いずれも2010年現在も連載中である。この二作品について井上は「漫画の先人が作り上げてきた『マンガ的な手法やマンガ的記号』を『バガボンド』では極力使わないようにし、逆に『リアル』ではそれらを最大限に発揮して描いている。」と語っている[5]

バスケットボールとの関わり[編集]

井上は中学までは剣道部で活動していたが、高校では球技を始めたかったことや剣道部に実兄がいて照れくさかったことなどからバスケットボール部に入部した。インタビューによれば当初はバスケットにそれほど興味を持っていたわけではなく、友達に誘われて「ふと入った」感じだった、と語っている。自身はそれほど背が高くなかったためガード的なポジションを務めることが多かったという[6]

漫画家を目指すようになってからは「とにかくバスケットを」描こうと決めており、当時バスケットを題材にした漫画はなかったため「(自分が描くまでは)誰もやらないでくれよ」と思っていたという[1]。『SLAM DUNK』連載時にもバスケットボールチーム「TAKECHANS」を結成しポイントガードを担った。また『SLAM DUNK』終了後はBS1放送のNBA中継にゲストとして何度かテレビ出演している。

2004年に『SLAM DUNK』国内発行部数が1億部を突破したことをきっかけに、井上は「バスケットボールそのものに対しての感謝の気持ちを形にしたい」[7]との思いからスポーツ奨学金の設立を構想、2006年に「スラムダンク奨学金」を設立した。バスケットボールのプロ選手を目指す日本の高校生を対象としたもので、アメリカのプレップスクール(大学への入学を準備する学校で、プロスポーツ選手を目指す留学生も多く在学する)への留学を支援している。

ちなみに、『SLAM DUNK』において一部の登場人物の顔などは、自身の高校の部活仲間や大学のサークル仲間がモデルとなっている。

絵に対する取り組み[編集]

もともと漫画に限らず絵を描くことが好きだった井上は「最終的にはただの絵描きになりたい」とも語っており[1]、漫画作品以外にも絵に対する様々な試みを行なっている。

2004年に行なわれた「1億冊ありがとうイベントファイナル」では、神奈川県の廃校を使い、23枚の黒板にチョークで『SLAM DUNK』各登場人物のアフターストーリーを描いた[8]。同年に制作された資生堂の化粧品「uno」のCMでは、自身の身長の何倍もある大画面に巨大な筆で男の絵を描いていく様子を撮影。2006年には、連載途中でペンから筆に切り替えて描れるようになった『バガボンド』のカラー画集とモノクロ画集を同時刊行している。2007年には『バガボンド』の製作現場にカメラを設置し、井上が『バガボンド』の人物を描いていく様を撮影したドキュメンタリーDVD『DRAW』を制作。また同年11月には紀伊国屋ニューヨーク店のオープン記念壁画を引き受け、ニューヨークに出向いて観衆の見守る中で壁一面に武蔵と小次郎を描いた。

年譜[編集]

受賞歴[編集]

作品リスト[編集]

連載作品[編集]

カメレオンジェイル(『週刊少年ジャンプ集英社、1989年33号 - 44号)渡辺和彦原作
初連載作品。自在に姿を変化させる「危険請負人」カメレオン・ジェイルを主人公とした探偵もの。
SLAM DUNK(『週刊少年ジャンプ』集英社、1990年42号 - 1996年27号)
不良青年だった主人公・桜木花道が、高校バスケットボールの世界に入り活躍する様を描く代表作。桜木たちがインターハイに挑戦する半年間の1シーズンが6年をかけて描かれた。
HANG TIME(『週刊少年ジャンプ』集英社、1993年45号 - 48号)
ボブ・グリーンの『マイケル・ジョーダン物語』を原作にした作品。『SLAM DUNK』連載中に短期集中連載された。
BUZZER BEATER(『月刊少年ジャンプ』集英社、1997年2月号 - 1998年8月号)
バスケットの「宇宙リーグ」の模様を描いたSF・バスケット漫画。1996年よりオンラインコミックとして連載されたのち『月刊少年ジャンプ』に連載。WOWOW日本テレビでアニメ化された。
バガボンド(『モーニング』講談社、1998年40号 - )
吉川英治の小説『宮本武蔵』を原作とした作品。佐々木小次郎を聾唖者として描くなど、原作にはない独自の視点で描かれる場面も多い。長期休載を挟み2014年現在も不定期で連載中。
リアル(『週刊ヤングジャンプ』集英社、1999年48号 - )
自分の起こしたバイク事故で同乗者に障害を負わせてしまった野宮、骨肉腫によって片足を失った戸川、交通事故で半身不随となった高橋らを中心に車椅子バスケットボールの世界を描く群像劇。『週刊ヤングジャンプ』に不定期連載され単行本が年1回のペースで刊行されている。

短編作品[編集]

楓パープル(『週刊少年ジャンプ』集英社、1988年32号)
第35回手塚賞に入選したデビュー作。バスケットボールを題材にしており、主人公の流川楓のほか、後に『SLAM DUNK』に登場することになるキャラクターの原型が表れている。
華SHONEN(『週刊少年ジャンプ』集英社、1988年42号)
演劇部を舞台にした、女の子のような美少年(楓パープルの流川楓を当てて流用)と活発な女の子とのラブコメディ。
JORDANみてーに(コミックス『カメレオンジェイル』第2巻描き下ろし、1989年)
高校バスケットの日本選抜を題材にした読み切り作品。
赤が好き(『週刊少年ジャンプ増刊』集英社、1990年サマースペシャル)
『SLAM DUNK』のパイロット版的短編作品。主人公・桜木の人物像のほか、『SLAM DUNK』の主要人物がほぼそのまま登場する。この作品の直後に『SLAM DUNK』の連載が開始された。
BABY FACE(『週刊少年ジャンプ』集英社、1992年3・4合併号)
23歳の孤独な殺し屋を描いた読み切り作品。『SLAM DUNK』連載中に掲載された。
ピアス(『週刊少年ジャンプ』集英社、1998年9号)
海沿いの街を舞台に、小学6年生の少年「りょうた」と少女「あやこ」をめぐる読み切り作品。後に『週刊ヤングジャンプ』にも掲載された。
I LOVE THIS GAME(『Adidas MANGA FEVER』、2002年)
サッカーを題材にした読み切り作品。

イラスト・デザイン他[編集]

  • 1995年、アシックスとのコラボレーションによりバスケットボールシューズ“HIGH TIME”を発表、1996年グッドデザイン賞受賞。HIGH TIME紹介ページ
  • 「第1回JBL男子トーナメント大会」ポスター描き下ろし(1996年)
  • 「NBA解体新書」 カバーイラスト描き下ろし(1996年)
  • 「NBA雑学バイブル」 カバーイラスト描き下ろし(1997年)
  • 「FILA素人GAMES」ポスター描き下ろし(1997年)
  • 資生堂「Aleph」CM演出(1998年)
  • 「1on1」(プレイステーション用ソフト)キャラクターデザイン&ストーリコンセプト(1998年)
  • 資生堂「uno」CM演出(2005年)
  • PRIDE 男祭り 2005-ITADAKI- イラスト・題字[1]
  • 2005年、ユニクロのTシャツデザインコンテスト「UTGP」に審査員の1人として参加、同時に自身もコラボレーションTシャツをデザインした。なお大賞には漫画家・内藤曜ノ介による作品「親父超え」が選ばれている[2]
  • ロストオデッセイXbox 360用ソフト)メインキャラクターデザイン(2007年)
  • 薩摩のキセキ 日本の礎を築いた英傑たちの真実(2007年、総合法令出版、西郷吉太郎・西郷隆文・大久保利泰・島津修久著)表紙イラスト
  • 「隠し砦の三悪人」、描き下ろしポスター(2007年)
  • 2007年11月、紀伊国屋書店ニューヨーク店オープン記念の壁画を制作。
  • 同11月、集英社と講談社の共同による『バガボンド』『リアル』のリミックス広告を実地。このうち読売新聞朝刊に掲載された広告が第12回読売出版広告大賞を受賞。
  • 2008年から2010年まで東京・熊本・大阪・仙台を巡回し、自ら「最後」と銘打った「井上雄彦 最後のマンガ展」が開催された。
  • 2009年9月15日 NHK総合テレビプロフェッショナル 仕事の流儀「闘いの螺旋、いまだ終わらず〜漫画家・井上雄彦」。
  • 「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌」を記念する事業の一環として真宗大谷派の依頼により、六曲一双の屏風「親鸞」を制作。2011年4月4日 - 17日、東本願寺大寝殿にて完成記念公開を行う。
  • 2011年「カップヌードル」のCMで宮本武蔵を描きあげる。
  • 2011年4月、ソフトバンクモバイル提供の「復興支援ポータルサイト」TVCMに井上によるイラストレーション「Smile」が採用される。その際に、BUMP OF CHICKENに曲の書き下ろしを依頼し快諾される。5月11日、BUMP OF CHICKENによる新曲「Smile」が発売。CDには、井上自らが曲に合わせて編集したミュージックビデオが収録されたDVDが付属した。
  • 2011年5月、ナイキとのコラボレーションによりバスケットボールシューズ“NIKE AIR ZOOM BRAVE IV IT”と「ナイキ DRI-FIT IT ブカツ S/S Tシャツ」を発表。
  • 2012年3月、エキサイトと共同でスマートフォンアプリ「Smile by Inoue Takehiko」を発表。ダウンロードは無料で、iOSAndroidに対応している。

アシスタント経験者[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 『ニッポンのマンガ 手塚治虫文化賞10周年記念』朝日新聞社、2006年、60頁-75頁
  2. ^ 2007年時点、単行本帯文による
  3. ^ a b ティムリーマン『マンガマスター』美術出版社、2005年、113頁-128頁
  4. ^ 漫画家 井上雄彦(いのうえ・たけひこ)さん(3/3)”. 朝日新聞 DO楽 (2009年5月9日). 2011年8月16日閲覧。
  5. ^ 「大特集 井上雄彦『リアル』」『ダ・ヴィンチ』2007年12月号、メディアファクトリー、15頁-33頁
  6. ^ 今井栄一「INTERVIEW『スラムダンク』から『バガボンド』へ」『SWITCH』2002年 Vol.20 No.3、スイッチ・パブリッシング、40頁-51頁
  7. ^ ビジネスジャンプ・井上雄彦インタビュー(2010年10月6日時点のアーカイブ
  8. ^ 「井上雄彦 あれから10日後―」『SWITCH』2005年 Vol.23 No.2、スイッチ・パブリッシング

外部リンク[編集]