カブトムシ

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?カブトムシ

カブトムシの成虫
分類
界 : 動物界 Animalia
門 : 節足動物門 Arthropoda
綱 : 昆虫綱 Insecta
目 : 甲虫目 Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 : コガネムシ上科 Scarabaeoidea
科 : コガネムシ科 Scarabaeidae
亜科 : カブトムシ亜科 Dynastinae
族 : 真性カブトムシ族 Dynastini
 : カブトムシ属 Trypoxylus
 : カブトムシ T.dichotomus
亜種
  • T.d.dichotomus
  • T.d.septentrionalis
  • T.d.takarai
  • T.d.inchachina
  • T.d.tunobosonis
  • T.d.plitus
学名
Trypoxylus dichotomus (L.)
和名
カブトムシ
英名
Japanese rhinoceros beetle

カブトムシ(甲虫、兜虫)は、コウチュウ目(鞘翅目)・コガネムシ科・カブトムシ亜科・真性カブトムシ族に分類される昆虫だが、広義にはカブトムシ亜科 (Dynastinae) に分類される昆虫の総称としても用いられる。

大型の甲虫で、成虫はに発生し、子供達の人気の的となる。サビカブト属 Allomyrinaから独立した。

名前の由来は、大きな角のある頭部が日本の兜のように見えるため。夏の季語

目次

[編集] 特徴

体長はオス30-54mm(角を除く)、メス30-52mmほどである。かつては日本最大の甲虫とされていたが、1983年沖縄本島ヤンバルテナガコガネが発見され、その座を失った。

オスの頭部には大きながあり、さらに胸部にも小さな角がある。この角は皮膚が発達したもので、餌場やメスの奪い合いの際に使用する。ただし、角の大きさには個体差があり、これは幼虫時の水分や栄養状態で決まるとみられている。一方、メスには角はないが、わずかに頭部がとがり、脚が太く、鋭いとげが発達している。これは土中にもぐるために都合がよい。

本州以南から沖縄本島まで分布し、日本以外にも朝鮮半島中国台湾インドシナ半島まで分布する。北海道には人為的に定着したものといわれている。 また、クワガタムシと同様に南西諸島等のサトウキビ栽培地域では、カブトムシ亜科に属する別種のサイカブトがサトウキビの農業害虫として駆除の対象になっている。

[編集] 食性

成虫はクヌギナラ、場所によってはサイカチヤナギなどの樹液を餌にしている。カミキリムシの産卵や幼虫の摂食活動などによって傷がつき樹液が染み出た樹木に集まってくるとされたが、最近はこの餌場はボクトウガの幼虫が餌となる小昆虫を誘引するために樹幹に掘った孔の出入り口を加工して、常に樹液が出るように操作している場所が多いことが判明してきた。カブトムシの大あごはつやのある褐色の毛でおおわれていて、これに毛管現象で樹液を染み込ませ、なめとって吸う。基本的に夜行性で、昼間は樹木の根元の腐植土や枯葉の下などで休み、夕暮れと共に起きだして餌場まで飛んでいく。朝が明ける前には再び地面にもぐりこむが、昼になっても木の幹にとどまっていることもある。

樹液が染み出る箇所には他にもクワガタムシスズメバチカナブンチョウハエアリなど多くの昆虫が集まってくるが、カブトムシは体が大きくて硬いため良い場所を独占しやすい。他の昆虫を押しのけて悠然と樹液を吸う様を指して「森の王者」などと呼ぶ人もいる。ただし昆虫以外にはモグラフクロウカラス、人間などの天敵がいる。

[編集] 生活環

カブトムシの3令幼虫
カブトムシの3令幼虫

カブトムシは - 幼虫 - - 成虫という完全変態をおこなう。

交尾を終えたメスは、腐植土または腐食の進んだ朽木の中にもぐりこみ、20-30個程度の卵を産みつける。卵は直径3mm程度でピンポン玉のように丸く、白色をしている。卵は2週間ほどで孵化する。

孵化直後の幼虫は白いが、やがて頭部は褐色に色づく。頭部は硬いが、胴体は白く柔らかい。幼虫は腐植土や柔らかい朽木を食べて成長する。糞は楕円球形で、ドッグフードのような形をしている。目はないので、大アゴを擦り音を出すことで他のカブトムシの幼虫と接触することを避ける。なお幼虫の天敵はコメツキムシ寄生バチの幼虫、モグラアリなどである。他にもカビウイルスによる病気で死ぬこともある。

幼虫は成長に伴って2回の脱皮をおこなう。3令幼虫が終令だが、この頃には体長が100mmほどになる。冬を過ごした3令幼虫は4月下旬から6月ごろに体からの分泌液で腐植土中に蛹室を作り、そこで脱皮をして蛹(さなぎ)となる。オスの場合は蛹に脱皮する時に頭部に角ができる。蛹ははじめ白いが、橙色、茶色を経て黒ずんでくる。やがて黒ずんだ蛹の殻に割れ目が入ると、脚をばたつかせながら殻を破って羽化する。成虫の翅は白いが、翅を伸ばしてしばらくたつと黒褐色に色づく。

成虫は翅が固まると、夜を待って地上に姿を現す。成虫の寿命は1-2ヶ月ほどで、7月-9月頃に発生した後は全て死んでしまう。クワガタムシのように越冬することはない。しかし人間の飼育下で11月くらいまで生きることもある。

[編集] 採集

カブトムシの成虫はクヌギコナラなどの樹液を餌にする。昼のうちにこれらの樹皮が傷つき樹液が染み出している箇所を見つけておき、夜から朝方にかけてそこに行くと、カブトムシが樹液をなめているところを捕まえることができる。見つけた樹木に蜂蜜黒砂糖を煮詰めた汁などを塗っておくと効率良く集めることができるとされるが、実際カブトムシは樹液の分が樹皮の酵母細菌によって発酵した産物であるエタノール(エチルアルコール)や酢酸などの匂いを頼りに餌場を探すので、酒や酢などを塗ったほうが良い。

カブトムシを持つときはよく大きい角を持つ人がいるが、大きい角を持つと足を大きく動かすため、足を痛めることがある。また、頭部と胴部の間に強い負荷がかかる形となる。正しい持ち方は上から背中の横の部分を持つか、小さい方の角を持つ。

また、ガなどと同じく光に引き寄せられる習性もあるので、夜に林のそばにある街灯の下で捕まえることもできる。ただしこれは場所によりけりで、待っていても飛んでこない場合が多々ある。

一方、幼虫は林内や林近くの腐植土、キノコ栽培後の廃ホダ捨て場、あるいは農家が作成している堆肥を掘り返すと出てくる。春の早いうちならば大きな3令幼虫がいるので、幼虫を傷つけないよう注意しながら腐植土を掘り進めれば採取できる。カブトムシの幼虫の見分け方としては、大きなアゴ、頭のすぐ近くに足が生えていること、体の両脇には9つの気門、全体に細かい毛が生えている、などで見分けることが出来る。

[編集] 飼育

[編集] 卵・幼虫・蛹

飼育ケースは小さすぎると、幼虫同士が接近しすぎて体が傷つくことがある。幼虫がある程度の大きさに育ったら、大きなケースを用意するか、個別に分ける。

土は、ペットショップや昆虫専門店・ホームセンターで販売されている専用のマットを使う。適度な湿気が重要で、マットを握って崩れない程度がよいとされており、霧吹きで定期的に水をやる。(幼虫が土の上に出てきている場合は、明らかに湿気が不足している。)

たまにカブトムシ用マットを交換すると、栄養不足で個体が小さくなる(オスの場合は角が極端に小さくなってしまう)ことと、新鮮な空気を含ませるためマットへのカビの発生を防ぐことができる。また、糞が多くなったときはマットの交換が必要である。幼虫の糞はマットとほぼ同じ色なので、気付かないうちに餌となるマットが不足して飢え死にすることもあり、注意が必要である。

使用するマットは園芸用の腐葉土でも構わないが、中には防虫防カビ処理をされているものもあり、それらの薬品で幼虫が死んでしまうこともあるため注意が必要である。

また、卵と蛹はつぶれやすいので、秋口(卵の時期)と春(蛹の時期)にはマットを掘り返さないようにする。万が一、蛹を掘り返してしまった場合は、マットに蛹室の代わりとなる縦長の窪みを作り、そこに蛹を立てて入れておくとよい。

[編集] 成虫

脱走しないよう蓋がしっかりと閉じる飼育ケースを用意する。カブトムシの寝床となるマットと止まり木を用意し、直射日光の当たらない暗くて涼しい場所で飼う。カブトムシは体色が黒なので日光が当たると体温が上昇し死んでしまう。幼虫と同様、霧吹きで定期的にマットに水をやる。

成虫の餌は市販のゼリー、樹液、又は果物リンゴバナナ等)などを与えるとよいが、カブトムシの飼育における定番のエサとされるスイカメロン等は水分が多すぎるため、腹を下しやすい(食べ過ぎると下痢をする)のであまりすすめられない。

ほかのカブトムシと戦わせてもいいが弱ってしまうので長生きさせたい場合はやらないほうがよい。

詳しい飼育用品の解説はクワガタムシ#飼育用品を参照。土に産む種類のクワガタムシと考えればよい。

[編集] 文化

日本初の独自の本草書『大和本草』(1709年)には、絵と共に蛾に似ているなどという記述がある。本草学者である小野蘭山の『本草綱目啓蒙』(1806年)によると、江戸時代関東地方ではカブトムシのことを「さいかち」と呼んでいたことが記されている。この由来についてはサイカチの樹液に集まると考えられていたという説、カブトムシの角がサイカチの枝に生えた小枝の変形した枝分かれした刺に似ているからだとする説がある。また、『千虫譜』(1811年)には、カブトムシは独角僊と紹介され、子供がカブトムシに小車を引かせて遊んでいると書かれている。

カブトムシは、日本ではその独特な姿形を「格好いいもの」と考える人が多く存在し、特に小学生程度の年齢の子供に人気がある。カブトムシの成虫が現れる7-9月は小中学校が夏休みにあたるため、この時期の深夜から早朝にかけて、山林に自生するカブトムシを捕まえにいくことが子供たちの夏期の楽しみの一つになっている。子供たちは捕まえたカブトムシを、しばしば上記した飼育方法によって飼育する。また観察日記を夏休みの自由研究として記録する子供も多い。

捕まえたカブトムシは飼育観察するだけでなく、カブトムシにをつけ糸巻きを引かせて遊んだり、子供同士でその大きさを競い合ったり、あるいは「けんか」「昆虫相撲」などと称して、2匹のオス同士、またはカブトムシとクワガタムシをけしかけ角で相手をひっくり返した方が勝ちとする遊びに興じたりする。力が強く、大きく、競技で多くの勝ちをおさめるカブトムシを持つことは、その年頃の子供にとって一種のステータスであり、これによって他の子供からある種の尊敬を集めることもある。ちなみにカブトムシは自分の体重の20倍以上のものを引っ張ることができるとされる。人気の高さゆえにカブトムシを商品として売買することが1970年代頃から行われている。

子供だけでなく、大人にもカブトムシの愛好家は存在する。1999年植物防疫法規制緩和され、海外産カブトムシの一部が輸入解禁となったため、日本国内で様々な種類のカブトムシが入手できるようになった。子供の頃には入手も叶わず、図鑑の向こうの存在でしかなかった海外産カブトムシが手に入るようになったわけで、このようなカブトムシを飼育し、より大きな個体を作り出そうと心血を注ぐ人が多い。ちなみに2005年現在53種類の輸入が可能となっている。

[編集] 俳句

兜虫甲虫は夏の季語でもあり、他に皀莢虫鬼虫源氏虫などの異名がある。元々カブトムシとクワガタムシは必ずしも明確に区別されておらず、このような名称はクワガタムシにも使われる。

などに比べるとあまり詠まれていない。

ひつぱれる糸まつすぐや甲虫(高野素十

[編集] 亜種

飼育用の本土産カブトムシが沖縄本島で逃げて定着し、固有亜種の生存を脅かしている。

[編集] カブトムシをモチーフにしたもの

アーティスト・音楽・工業製品
キャラクター

なお、英語由来のものに関しては、英語の"beetle"を「カブトムシ」あるいは「かぶとむし」と翻訳し、その訳語が定着してしまっているものが多く見られる。しかし、"beetle"が意味している概念はカブトムシも含む甲虫全体である。つまり、英語の"beetle"を翻訳したものは、元々は、「雄が巨大で発達した角を持った甲虫」をイメージしたものではない。

[編集] 外部リンク

他の言語