お守り
お守り(おまもり、御守)とは、狭義の意味では、日本の社寺・境内で参詣人に販売・授与される、紐で口を閉じ吊り下げられるようにした平たく小さい袋型の縁起物。守札のこと。広義の意味では、国内外の縁起物に関わる物品そのすべてを含む。
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[編集] 守札
まず、狭義の「お守り」について述べる。
通常「お守り」と呼ばれる守札というものがある。よいことがあるように(開運、招福)、あるいは悪いことがおきないように(厄除け、魔除け)と願って持つ。同じ目的を有するいわゆる「お札(ふだ)」は家庭や会社などその場から動かない一種の固定閉鎖空間の加護であるのに対し、「守札」は身に着けて持ち歩くという性質から、個人あるいは動く空間の加護を願うものである。身に着け持ち歩くことが前提であるので、たいていは、根付(ねつけ)のように小さなものから片手の中にすっぽり収められるまでのサイズである。移動する電車や自動車につけるようなものはもう少し大きいこともある。
錦などで作られた袋に、紙・木・布・金属等で出来た内符(神体あるいは経文あるいは白紙など)を入れ、紐でその口を閉じた状態で頒布されている。袋の上端左右の角が落とされているのは絵馬の形と関連があるともいうがはっきりしない。中身は見えないようになっており、紐で閉じるのも、身に着けやすくすると同時に力を持つ存在を中に閉じ込めている意味もある。それを持ち歩いて自身の力を増幅させることで身の回りにある危険を克服するのだという。
ただし、形態はさまざまで、以前はそれほど多くはなかったが、袋状ではなく内符の正面を覗かせるようにして錦で左右から包み、中央を紐で閉じたものも多い。札や経文を敢えて見せることでそれに恐れをなした災いが寄ってこないようにするのだという。
内符のほかに綿や厚紙などを入れて厚みや丈夫さを持たせたりもする。
近年では持ち運びや身に着けるときの便宜をはかる意味で、外側をビニールで覆ったり、紐の先に吸盤を付けたものもある。 外側や内符の材質も、加工のしやすさや原価などから化学繊維やプラスチック、樹脂などが使われることも多い。
もともとは「~神社だから縁結び」「~が本尊のお寺さんだから」「~神社の氏子だから加護を受ける」といった形で、霊験は社寺の性格によっており、その社寺のお守りを持つイコール○○に効くというものであり、祈願内容によってお守りの形を変えるということは今ほどはなかった。しかし、近年はあらゆる祈願内容(あらゆる身に着け方)に具体的にピンポイントで対応する形でお守りも多種類に細分化し、様々な霊験種類の様々な形のお守りが一つの社寺で手に入る。手にする側の、よりわかりやすくより強いご利益を求めている強い願の姿の反映とも考えられるし、本来のご利益には無頓着になった姿の反映とも考えられる。
ちなみに、作成は専門の業者に依頼し、社寺がそれを購入して神前ご仏前に供えて清めて仕上げて世に出すことが多いが、伊勢神宮のように神宮内のお札製作部(奉製所)で作成しているところもある。
[編集] 神社のお守り
内符(いわゆるお守りの中身のこと)は神体で、神の名前や祝詞などを記してある神札、神像やその持ち物や使いをかたどったものなど。
[編集] 寺のお守り
内符(いわゆるお守りの中身のこと)はその寺の本尊や開祖の御影を象ったものであったり、経文の記された紙片など。密教系の寺であれば密教法具を象ったお守りもある。
[編集] 世界のお守り
ここでは、広義のお守りについて述べる。
願いを象った物品である。身に付けたり、あるいは逆に人目に触れないところに保管する事で、災厄を除けたり、幸福を招いたりし、持ち主の力を維持あるいは増幅するといった効力を発揮するとされる。すなわち、厄除け(魔除け)、招福(開運、幸運)、加護である。
また、第三者にとっては特別な物品ではなくても、はたまた世界や共同体単位でこれはお守りであるという共通する認識でなくても、そして初めからお守りとして用いるために作られたものではなくても、ある個人にとって思い入れがあれば、その物品はその人にとってはお守りとして存在する。
- 例:大事に思う人からもらった物、受験に成功した人が使っていた鉛筆、幼い頃に拾った綺麗な貝殻や石、旅行に行ったときの旅先のコイン など
お守りを指す外来語は以下のように複数あるが、実際には厳密に分けて用いられてはいない。
- アミュレット(英:amulet)
- 「取り除く、保護」を意味するラテン語のamuletumから来ているという。魔、危害を加えるもの、病気などを除けるお守りを語るときに用いることが比較的多いが必ずしもその限りではなく、一般的に広くお守りの意味で用いられる。また、基本的には身に着けるものをさす。
- タリスマン(英:talisman)
- ギリシア語で「神に捧げられたもの、清められたもの」を意味するtelesmaを元とする言葉で、ギリシャの神々は天空の星座と結びついているように、占星術に関するお守りを語るときに用いられることが比較的多いが必ずしもその限りではなく、一般的に広くお守りの意味で用いられる。必ずしも身に着けるものに限られない。
- マスコット(英:mascot)
- 「仮面、隠された」を意味する古フランス語masquから来ているという。幸運をもたらす個人または事柄のことであるが、現在の日本では愛らしいぬいぐるみ、あるいは集団や組織のキャラクター人形を指すようになった。
- チャーム(英:charm)
- ラテン語の「歌、呪文」という意味のcarmenに語源があり、魔を退けるまたは魅力があるの意味となり、現在では着ける人に魅力を増すものとして、ペンダントトップなどのような鎖や紐の先につける単に小さな飾りを指して用いられる。
突き詰めると、加護(持ち主の力を維持あるいは増幅する)には招福(持ち主の力を増幅する)と魔除け(持ち主の力を減らさないようにする=持ち主の力を維持する)の両方の意味があり、また、招福をするということは厄を遠ざけることでもあり、魔除けをするということは福に近づくことでもあり、加護、招福、魔除けはそもそも完全に独立できるものではない。
以下に、何からお守りとしての属性を得ているか、いつの時点からお守りとしての属性を帯びるか(材料の時点からか、物品となってからか)による分類をあげる。
[編集] 生物
動植物になんらかの超常的な力を見出してお守りとする。
生体を用いる、死体や標本の全部あるいは一部を用いる、図画として描く、その生物に人間が着用させた器具を用いるなどの手段がある。
- スカラベ(フンコロガシ)…エジプトで太陽神になぞらえられた。
- ウサギの足…イギリス、アメリカで1940~1960年代流行した。
- 四葉のクローバー…四つ葉の形を十字架に見立て、幸福のシンボルとした。アメリカの四つ葉のクローバーの花言葉は、「Be Mine」(私のものになって、私を想ってください)。 四つ葉の葉にはそれぞれ意味があり、Fame(名声)、Wealth(富)、Faithful Lover(満ち足りた愛)、Glorious Health(素晴らしい健康)。あるいは、faith(誠実)、hope(希望)love(愛)、lucky(幸運)、総じてgenuine(真実・本物の力)を表す。またクローバーの葉はハート型をしていることから、愛を司る植物として名前をCLOVERと命名され、C-LOVE-RでCREAT(創造する)-LOVE-RING (輪)となり、「愛の輪を創造する」。
- にんにく…キリスト教徒が悪魔祓いに使った。
- 馬の蹄鉄…欧米では幸運のチャーム。
- 宇都宮動物園では象の糞で作ったお守りを配布している。
- 無事杉る御守 - 千年杉の生命力・強運に肖った完全除災の利益を有するとされるお守り。 - 雲八幡宮 (大分県中津市)
[編集] 鉱物(パワーストーン)
鉱物になんらかの性質を見出し、人間はその影響を受けて同性質を得る。
鉱物そのものを用いる。研磨して整えることもあれば、あえて研磨しない状態にしておくこともある。
- 水晶…身に着けていると酔わなくなる。
- その他各種のありとあらゆる鉱物
参考:パワーストーン
[編集] 神、宗教者
神や宗教者を像として形作ったり、神や宗教者を図画にして用いる。
- 仏像
- 梵字を書いた札など…梵字は字そのものが仏をあらわす。
- 神像
- ロザリオ(クルス、十字架)
- シャルルマーニュの護符 - サファイアは、一説に“皇帝の石”、“持つ者を皇帝にする石”と呼ばれ、カボション・カットの大きな物が背中合わせに2つはめ込まれている。その2つの石の間には、ゴルゴタの丘でキリストが磔にされた十字架の木片と聖処女の髪があると言われている。エメラルド、ガーネット、真珠などで飾られた金のペンダント状の護符。(パワーストーンによるお守りでもある)
[編集] お札
ご利益のある文言や図画を書き記した札を持つ。
- 神札…神社の名前や祭神を書いた札。
- サムハラ…サムハラとは不思議の四文字。無傷無病、延命長寿の神だという。
- 蘇民将来…「蘇民将来子孫家門」と書いた札を家の門に貼ると、牛頭天皇(スサノオ)の霊威によって疫神(天然痘や赤痢などの疫病をもたらす神)が来ない。
- 本来は地方の守護・地頭の出した書面や許可証であった物が、文字の読めない当時の民衆にとっては不思議な意味を持つ物となる。[要出典]
- 魔法陣
[編集] 多数を作る
お守りにする目的で作る物品のうち、材料自体にはお守りとしての属性はなく、また、単体ではお守り以外としても存在する制作物。
手間暇かけて多くの人の手を経る、あるいは多くの数をそろえることで、初めて超常的な力を持たせる。
- 千人針…太平洋戦争中、出征する兵士に贈られた。白い布に女性が一針ずつ玉結び(玉止め)を縫い付けるたもので、腹巻とした。当初は必ずしも千針(千個の玉結び)ではなかった。また、本来は親族の女性がひとりで何針も縫って作っていたのだが、しだいにより多くの人に縫ってもらったほうが多くの人の願いが込められてよいということになり、親族が街頭などで呼びかけ、見ず知らずの女性が通りすがりに針を入れるという光景が見られるようになり、さらには御縁をもって帰ってくるようにと銭貨を縫い付けたり、虎は千里を行って千里を戻ることから虎の模様になるよう縫い付けたり、寅年生まれの女性に作ってもらったりするようになった。「玉結び(玉止め)」は「魂結び(魂留め)」であり古くから旅に赴く人にこうしたものを送る習わしはあり、それが太平洋戦争中には「銃弾止め」としての意味に転じて数も絶対に千個なければならないという形で流行した。
- 千羽鶴…折り紙を用いて鶴の形を作り、それを千個作ることでなんらかの願掛けとする。折鶴自体は古くからあり、当初は必ずしも千個ではなかった。千は日本において「とても多い」の漠然とした意味であり、鶴は神仙思想において鶴は千年亀は万年生きるという故事と結びついており、それらが合わさって折り紙の中でも折り手順の多く手間のかかる折鶴を縁起物として複数個作るということは昔からあった。厳密に千個作らなければならないという形で広まったのは戦後である。
[編集] 特殊に作る
お守りにする目的で作る物品のうち、実用品の外形を基本とし、材料の全部もしくは一部に特殊な材料を使ったり、実用品ならば不要な装飾を施すことで、お守りの役割を持たせた制作物。
その多くは本来は実用にも使えるものであったのが次第に装飾が華美となったもので、たとえ実用にも耐えうるように制作されていたとしても実際には実用とされないで鑑賞用になってしまうことが多いもの。
- 銀細工のナイフ(非食事用)…銀は毒に触れると変色するといわれていたため、世界各地で銀製品には不思議な力があるとする考え方があった。現在でも高級食器として銀食器があるのは銀のその特性のためである。また、刃物自体にも魔除けの意味がある。日本でも「守刀(もりがたな)」という言葉があるが、弓矢などと同様に、殺傷することができる道具はすなわち自分の命を守る道具でもあるゆえに、さまざまに慶事の縁起物あるいは弔事の魔除けとして登場する。
お守りとしての目的でつくる物品のうち、もともとが実用品ではないもの。
[編集] その他
[編集] 関連項目
- 秋江 - お守り製造販売の業界最大手企業